【書評】『勝手に幸せがつづく方法』(大木ゆきの)
お薦めの本の紹介です。
大木ゆきのさんの『頑張りすぎな人がまだ知らない 勝手に幸せがつづく方法』です。
大木ゆきの(おおき・ゆきの)さんは、小学校教師、コピーライターなどを経て、現在はスピリチュアルの世界で幅広くご活躍中です。
人気ブログ、『幸せって意外にカンタン!』の執筆者でもあります。
無駄な力が抜けると、ミラクルが起こる!
自分らしく、幸せに、イキイキと生きる。
そんな人生を歩むことを阻む、最も大きな要因。
それは、「自己肯定感のなさ」といえます。
私たちは、生まれてから今日まで、家でも、学校でも、職場でも、
「何やっているの? そんなんじゃダメだよ」
「もっと頑張らないと!」
そんな叱咤激励をつねに受けて、全力で生きてきました。
大木さんは、こういうことを何度も経験すると、自分はこのままじゃダメなんだなって思うようになる
と指摘します。
だけどね、今この本を読んでいるあなたは、どうも自分はダメじゃなさそうだなってことに気づき始めた。
どこかがおかしいわけじゃなかったんだ。それより、この自分を自分自身が認めて、楽に好きに生きることを許してやれば、他の誰かが何かを言おうと、もしかすると、人生って思いの外、うまくいくものかもしれないなあって。
もしもあなたがこの本を読んで、ヌケ子さんみたいに、「この自分でぶっちゃけて生きるぞ〜〜〜♪」って無駄な力を抜いて楽に生き始めたとするじゃない。
そして、やりたいことをやって、これまでは想像もしなかったようなストーリーが展開し始めて、輝き出したとするじゃない。
そしてたらきっと、眉間にシワを寄せて、内心「ああ、早く週末にならないかな」って思いながら電車に乗っている人たちに、勇気と希望を与えることになるんじゃないかな。そんなふうに自由に楽に生きて、幸せになるということがありうるんだってことを、彼らはあなたという存在を通して知り、背中を押されるかもしれませんからね。
だからね、あなたがぶっちゃけて生きることは、ちょっと大げさに聞こえるかもしれないけど、人々を長い呪縛から解放することにもつながりうるんです。
私はそういう人がこれからはどんどん増えていくと思います。
そしてみんながそれぞれ生まれ持った個性を輝かせて、その人らしい素晴らしいものこの世界にどんどん生み出す。この世界は、ユニークで魅力的なものがあふれるようになる。素晴らしいものはそれだけの価値がありますから、当然豊かさも生み出し、循環し、みんなが豊かになっていく。
なんて素晴らしい世界なんでしょうね。
そんな世界がやってきたらいいなあって私は思っています。
だから私は今、この本をあなたに向けて書いているんです。あなたが楽に生きて、幸せになることは、この世界に貢献することにもなるんだって胸を張っていいの。誰にも遠慮することなんてない。
誰かに嫉妬されるんじゃないかって怖れることもない。
嫉妬されたっていいのよ。嫉妬するってことは、そういう生き方に強くひかれ出したってことじゃない。それをきっかけにその人だって、生き方を転換できるかもしれない。そしたらそれもそれで素晴らしいこと。
大丈夫。あなたの道を進みましょう。『勝手に幸せがつづく方法』 第1章 より 大木ゆきの:著 大和書房:刊
これまで、負けないように、置いていかれないようにと、耐え続けて生きてきた。
そんな頑張り屋の人ほど、楽に、ゆるくを意識することで人生を大きく変えることができます。
本書は、「力を抜くことで幸せになる」メカニズムを解説し、そのための具体的な方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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あなたのすべてが素晴らしい
大木さんは、あなたは、最初から素晴らしい人
だと強調します。
私はすべての創造の源を宇宙って呼んでいるんですが、私自身もヌケ子さんと同じように、「これから私の好きなようにこのままの私で生きていくぞ。後は宇宙よ、好きにしてくれ」って生き始めたら、驚くことに人生がびっくりするほど開けてしまったんです。
最初はヒーリングの個人セッションをやっていたんですが、なぜかどんどん申し込みが入るようになったんですね。
特にお金をかけて宣伝したり、誰か有力者に引き上げてもらおうとすり寄ったりしたわけじゃないんですよ。以前参加したワークショップのメーリングリストに、「ヒーリング始めましたので、よかったらモニター体験してみませんか?」ってメールを出しただけ。そしたら、全然接点のなかった方が一人だけ申し込んでくださいました。私はもううれしくてうれしくて、その方に歓んで個人セッションしたら、とても感激してくださって、どんどん人を紹介してくださいました。そして、紹介してくださった人もまた誰かを紹介するという連鎖が起こりました。
そしてあれよあれよという間に、お客さんが増えていって、今度は個人セッションではなく、10人くらいの人を相手にしたリトリートや自己実現の連続コースなどを開催するようになったんです。それも、ありがたいことに告知と同時に満席になり、全国で開催するようになりました。この仕事を始めて1年後くらいに始めたブログも、全然宣伝なんてしてもいないのに、どんどん読者が増えて、あっという間にランキングの上位に入るようになりました。そこから出版のお話もいただくようになり、この本でもう10冊目の出版になります。
私も不思議でしたよ。でもね、こうした経験を通して気づいたのは、「こういう人間にならない限り、幸せになれない」ってスタンスで、無理やり違う人間になろうと頑張るよりも、この私のままで、カッコつけずにぶっちゃけて生きた方が人生は勝手にうまくいくということでした。『勝手に幸せがつづく方法』 第1章 より 大木ゆきの:著 大和書房:刊
大木さんは、人はそもそも完全なものとして宇宙に創造され、能力も魅力も活力も、全部備わって
いると述べています。
つまり、自分らしい生き方を邪魔しているのは、自分自身だということ。
能力や魅力が最大限に発揮されるのは、力が抜けている状態です。
ただ、力が入っているとき、自分ではなかなか気がつかないものです。
一度冷静になり、まずは、大きく息を吸って深呼吸。
つねにリラックスすることを心掛けたいでねす。
「ビクビク型」の人の力を抜く方法
無駄な力の入り方には、いくつかのパターンがあります。
たとえば、「ビクビク型」の人たち。
人目が気になって、いつも恐る恐る縮こまって生きている。
消え入りそうに遠慮しながら生きている。
怒られてもいないのに、怒られているみたいな表情をしている。
大木さんは、そんなビクビク型の人たちに、以下のようなアドバイスをしています。
本当はすごくまじめで、涙ぐましいほどに一生懸命で健気な人です。少しも悪いことなんてしていないし、もっと報われていい人です。それなのに、どうしてこんなことになってしまうのか・・・・・。
それはビクビク型の前提が、「渡る世間は鬼ばかり」であり、「自分なんて価値がない」だからです。
鬼ばかりって思うから、行く先々で鬼のような人にばかり会う。
自分に価値がないって思うから、どこに行っても人から大事にされない。でもよくよく振り返ってみてください。
飲み会だって、絶対遅刻しないように最初に来ていたり、仕事だってちょっとくらい熱があっても出勤してきたんじゃないですか?
それに、どんなに上司や周囲の人にひどいことを言われても、言い返しもせずに、黙って必死にやってきた。なんか、本当に涙が出ちゃうほど、よくやってきたと思いませんか?
価値がないどころか、素晴らしい人じゃないですか!
職場だって、あなたのような人がいるから、実は回っているんです。育ったプロセスの中で、もしかすると、「自分なんていない方がいいのかも」って思うようになってしまったのかもしれませんが、それは大きな勘違いですからね。
あなたがいてくれたから、親だって、自分の感情を吐き出せた。それはとてもつらい役割だったと思います。でももうこれからはそんな役割なんて果たさなくていい。
それよりまず、これまでよくやってきた自分のことを誇りに思うことです。
自分の価値を認められるようになれば、それが外側の世界にも反映し、周りの人もあなたのことをもっと尊重し、大切にしてくれるようになるでしょう。
そして、ビクビク怯えてばかりで、いつも身構えていたその力も、自然に抜けていきます。そうすれば、あなたの魅力も能力も、どんどんあふれ出すようになります。
何度でも言いますよ。
「あなたは素晴らしい人」
何かができるから素晴らしいんじゃない。そうやって必死にひたむきに生きてきた、あなたの生きてきたすべての軌跡が素晴らしいんです。そのことをしっかり受け止めてくださいね。『勝手に幸せがつづく方法』 第2章 より 大木ゆきの:著 大和書房:刊
私たちが見たり、聞いたりしている、外の世界。
それは、自分の心(内面)を、そのまま映し出しています。
つまり、自分自身のことをどう思うかで、見える景色は、まったく変わってくるということ。
世界を変えるには、自分自身を変えればいい。
幸せは、出来事ではなく、心の状態のことです。
何かができるから、素晴らしいのではありません。
存在そのもの、生きてきた軌跡そのものが、素晴らしい。
心からそう思えるかどうかが、すべてだといっても過言ではありません。
ネガティブな性格を“得意技”に変えるには?
性格や考え方は、小さい頃から積み重ねられてきたもので、急に変えるのは、難しいです。
大木さんは、無駄な力が入るパターンを、「得意技」として活かすことを提案します。
長いことそれをやってきたのだとしたら、それによって鍛えられている力も絶対に
あるからです。
ビクビク型の人たちの「得意技」の活かし方は、以下のとおりです。
ビクビク型の人は、人が気がつかないようなことにも気づく感度のいいアンテナがあります。
相手に怒られないようにしようとしてきたので、相手の状態を敏感に感じ取る力も鍛えられています。
つまり、その感性を人へのサービスという方向に使うと、かゆい所に手が届く細やかなサービスができるようになります。
しかもそもそも出しゃばりではなく、控えめなので、なおのこと心地よいサービスができる。私が一流ホテルで体験したような、思いやりに満ちた本物のサービスができる人です。これって本当に素晴らしい能力ですよね。こういう人が上司になったら、きっと頭ごなしに人を叱りつけるようなことはしないでしょう。そこがまたいいんですよね。逆に相手の状態を見て、さりげなく言葉をかけることができる。
それに、その細やかさが認められて昇進したとしても、人を押しのけてまで這(は)い上がろうとしたりはしないでしょうから、敵も作らないし、部下にも愛されて、順調に昇進していけると思います。
私にも過去にそういう上司がいましたが、どこで私のことを見てくれていたんだろうっていうくらいちゃんと見ていて、いつも温かい言葉をかけてくれました。その人も最終的には関連会社の社長さんになりましたからね。ビクビク型の人は、それだけのポテンシャルを持っていると自信をもってくださいね。
これからもし、自分の身を守る方向に力が入りそうになったら、「ちょっと待って、この繊細さを相手のために使えないかな」って方向に意識を向けてみてください。
あなただったらきっとできる。
そして、この人の求めていることは、きっとこういうことだなってすぐにピンとくるはず。
そしてそれをあなたらしくさりげなく行動に移すと、きっとその人も喜んでくれるでしょう。そうすれば、今度は怒られることを怖がるのではなく、人が笑顔になったり、安心したりしてくれることが楽しくなってくる。そしてそんなあなたにみんなが感謝するようになり、職場を居心地のいいものに変えてしまうほどの力を発揮できるでしょう。
そんな細やかさ、やさしさ、私も見習いたいなあ♪『勝手に幸せがつづく方法』 第3章 より 大木ゆきの:著 大和書房:刊
長所と短所は、紙一重。
コインの裏表のようなものです。
自分では、欠点だと思っていることでも、見方によっては、大きなメリットになります。
必要なのは、自分自身を客観的に見ることができる力。
一歩引いて、別の角度から見つめ直す。
すると、それまで見えなかったものが見えてきます。
すべては考え方次第、ということですね。
「なくてもなんとかなること」を具体的に考える
うまくいかない可能性を想定すると、不安になるし、無駄な力が入ります。
ならば、それがもしもうまくいかなかったとしても、何とでもなるということを具体的に想定してみる
と、体の力が抜け、思いきった行動をとることができます。
私は今の仕事を始めるとき、もしもこの仕事がうまくいかなかったとしても、自分はかまぼこのカリスマ店員になれるから大丈夫だって思っていました。
かまぼこが大好きだし、とても研究熱心で、販売も得意だから、たぶんイケるって。私の住む真鶴町の隣はかまぼこの老舗(しにせ)がたくさんある小田原市なんですね。当時ハローワークに行くと、だいたいかまぼこの販売員の募集がありました。だから自分としては全く根拠のないことではなく、いざとなったら本当にそれでやっていってもいいくらいの気持ちでいました。
でも面白いものですよね。そんな風に思って不安に意識が向かなかったので、結局こっちの仕事がちゃんと軌道に乗って、かまぼこの販売員になりませんでした。
ダメだったらダメで、何とでもなるっていうことを具体的に考えると、ただただ不安になって、うまくいかなくなる可能性ばかり考えているよりも、ずっと気持ちは落ち着いてくれます。
「そうだよな。何とでもなるさ。それはそれで楽しいかもしれないじゃない。人生どこで花が咲くかわからないしね」って気が楽になる。
騙されたと思って、それが手に入らなかったとしても、それなりに人生楽しくやっていけるってことを具体的に想像してみてください。絶対に違うから。
するとあんなに無駄に入っていた力もフッと抜ける。
そして力が抜けることで、自動的にうまく行っちゃう回路が回り始めます。
本当のことを言うとね、何かが手に入らないことで絶対的に不幸になることなんて、まずないんですよ。
ほとんどの道は、それぞれに幸せに通じています。本人の生き方次第なんですよ。
それに頭が考えている幸せなんて、実は当てにならないものであったりもします。その幸せの概念は人から刷り込まれたもので、本当にあなたを幸せにするものではないことも往々にしてあるからです。
大丈夫。どっちみち幸せになることはできるんです。
幸せは、実はどこにだって転がっています。
それが今は見えていないだけ。
Aが手に入らないなら、Bがある。
Bがダメなら、Cもあるんです。
不幸になる可能性があるのと同じくらい、幸せになる可能性もある。
所詮、可能性は可能性に過ぎない。
だったら幸せになれる可能性を具体的に想像しましょう。『勝手に幸せがつづく方法』 第4章 より 大木ゆきの:著 大和書房:刊
「これしかない」
そう思うと、体に力が入って、硬くなります。
すると、視野が狭くなり、ますます力んでしまうという悪循環に陥ります。
「これがダメなら、あれがある」
そう思うと、心にゆとりができて、体の力も抜けていきます。
心もリラックスして、思いがけないアイデアが浮かぶものです。
幸せに通じる道は、いくらでもある。
それに気づくことが、人生を変える第一歩です。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
自分らしく、幸せな人生を送るためのコツ。
それは、「流れを邪魔しないこと」です。
大木さんは、人生は攻略するものじゃない。力を抜いて、流れに乗るだけでいい
とおっしゃっています。
流れに逆らって進むのは、大変です。
大きな労力を使いますし、立ち止まれば、引き戻されます。
一方、流れに乗って進むのは、簡単です。
少ない労力で、驚くほどの距離を進むことができます。
ただ身を任せているだけでも、進むことができます。
流れに逆らうか、流れに乗るか。
人生の、大きな分かれ目です。
向きを180度変えて、無駄な力を抜く。
ただ流れに身を任せる。
導かれた先に、想像もしなかった幸せが待っています。
勇気を持って、「ありのままの自分」を生きる人生に飛び込みたいですね。
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