【書評】『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』(大木ゆきの)
お薦めの本の紹介です。
大木ゆきのさんの『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』です。
大木ゆきのさんは、小学校教師、コピーライターなどを経て、現在はスピリチュアルの世界で幅広くご活躍中です。
人気ブログ、『幸せって意外にカンタン!』の執筆者でもあります。
「幸せ」とはなにか?
多くの人は、「幸せだと実感するには、いろいろな条件が揃う必要がある」と考えています。
大木さんも、以前はそう考えていました。
しかし、さまざまな体験を重ねるうちに、幸せは、ただ単に、「ありのままでいいんだ」と心から思える状態のこと
だと気づきます。
幸せを難しいものだとず〜っと思ってきた私にとっては、その事実に気づいてみると、確かに「幸せって意外にカンタン!」だったのです。
それはたくさん苦しんできたからこそ、つかんだ真実であり、それを生きているからこそ、自分の言葉として伝えられるんだと思います。
でもね、本当の幸せは、幸せであるとか、不幸であるとか、全く意識しなくなることのようです。
どの瞬間も、どんな体験も「すべてがすべてあるがままでいいのだ」と、受け容れてしまうと、幸せと不幸の境目がなくなってしまうからです。
そして、あなたが自分の人生をどう感じているかに関わらず、実は今この瞬間も、あなたはその究極の幸せの中に在る。何もしなくてもすでに満たされている。
そんなことは私が言うまでもなく、あなたの魂はちゃ〜んと分かっている。分かっているんだけど、忘れたことにして、顕在意識を使って思い出すゲームをしているだけです。
この世は、思い出しゲームなんですよ。
要するにあなたの好きなコース、好きなペースを選んでそれをやっているだけのこと。だから何も間違っていないんです。ちゃんとうまくいっています。
それに気付いて、じゃあ後は楽しむだけだなと、どの瞬間も生きていることを味わいながら過ごすもよし。深刻になって、あえいでみるもよし。好き好きだってことです。『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』 第一章 より 大木ゆきの:著 ワニブックス:刊
幸せとは、呼吸するのと同じくらい当たり前で、実はそもそも、そうであったと気づくだけのもの
。
本書は、すでに「幸せ」である自分に気づき、日々「幸せ」を実感することで、「幸せ」を引き寄せる方法についてまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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幸せを「遠慮なく」受取ること
手に入れたいものもはっきりしているし、自分にできることを一生懸命している。
それでも、願いが叶わないのは、自分がその幸せを受け取ることを自分に許可していない
から。
「自分は幸せを受け取れるほどの価値なんてない」
そう思うことは、自分から幸せを遠ざけていることになります。
ものすごく高級なレストランに行ってみたいと思うけど、実際に行ってみると、なんとなく自分はお呼びじゃなかったような気がして、身の置き場がないような気持ちになってしまう。
そして、うちに帰ってお茶漬けを食べたら落ち着く、みたいなことがあると思います。それと同じように幸せや夢が叶うことを、どこかで恐れ、現状維持でいいと思っていることってあります。
あるいは「私みたいな者が、いいのだろうか」と思っていたり・・・・・。
もしかするとそもそもその夢は、本当は叶わない方がいいと思っているってこともありますね。
よ〜く周りを見回してみてください。そんなに才能があるわけでもないのに、幸運に恵まれている人っていると思います。そういう人は自分に対して「許可」することができているんです。
もちろん努力も必要でしょうけれど、もっと大事なのは「許可」です。
実力そのものよりも、「自分が幸せになっていい」と思っているかどうかの方がずっと影響力が大きいのです。
不思議な話かもしれませんが、どこか悲劇好きな人っているんですよ。悲劇のヒロインの方が落ち着く・・・・・みたいな。こんなに幸の薄い私って健気(けなげ)。誰よりも不幸な私・・・・あぁかわいそう・・・・みたいな。
それを自分で明確に認識しているなら、それはそれでその人の好みですからいいと思います。
でもあなたはどうですか? 私は悲劇のヒロインはあんまりやりたくないなぁ。どう見ても悲劇のヒロインぽいキャラじゃないですからね。お気楽極楽、みたいなのがいいなぁ。
もしもあなたも楽しく人生を生きて、夢をどんどん実現させてみたいなら、まずどうなりたいのかを意図し、そして次に、思った通りになることを許可しましょう。
それが夢を実現させるための最初のステップです。『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』 第一章 より 大木ゆきの:著 ワニブックス:刊
幸せな人は、例外なく、自分が幸せであることを「当然」だと考えています。
そうでない人は、自分が幸せでないことを「当然」だと考えているということですね。
自分が幸せになることを「許可する」こと。
とても大事なことですが、なかなか気づけないことでもあります。意識したいですね。
「自信」をつけることは難しくない
幸せになるために必要な「自信」を持つために、次の二点に注意することが重要です。
- 自分を腐(くさ)す言葉を言わないこと
- 何か失敗した時の自分の扱い方に注意すること
「もうまたやっちゃった! ダメじゃないの。いつまで経っても、そんなことじゃあ」自分にそんなことを言ったりしてませんか?
小さい頃は、自分で稼ぐこともできなかったし、養われる必要もあったので、親にそういう言葉をたくさん言われても、受け容れるしかなかったかもしれませんよね。
でも、大人になったあなたは、「選べる存在」になりました。自分で自分をどう扱うかはあなたが自由に選べるんです。あなたはあなたを幸せにするための神聖な選択権を持っているのです。その選択権を行使してください。
何か失敗したら、そこから学べばいいだけで、自分を責めたり、腐したりする必要はないのです。
責めるということは「私はそういうことをする自分を自分であるとは認めません。受け容れません」ということです。このサイクルに入ると、ものすごく消耗します。
何らかの受け容れがたい失敗をやらかした自分は、「お前なんか、私じゃない。出ていけ」と言われると、ますます意地になって仲間に入れてもらおうと抵抗します。
けれどもあなたがそんな自分をどうしても認めたくないとしたら、あなたも負けずに出ていけ攻撃を激化させることになります・・・・。
その結果そういう自分は抑圧されてしまいます。ぎゅーっと押し入れの奥の奥にしまわれて、出てこないようにされちゃうわけです。
すると今度は、ある日「こんなとこにいたんじゃ息もできないよ」と、もう一人の自分は脱走します。脱走してあなたの友達や家族に変装して現れるんです。
「あなたはこういうことをやらかす人間ですよね? 違いますか?」というようなことを、家族や友達に姿を変えて、あなたに指摘しだします。
「いいえ、私はそんな人間ではありません」
あなたはムキになり、そんな人とは縁を切ろうと思います。
するともう一人の自分は、新しい友達に変装してまたあなたの前に現れるんです。
「もしもし、あなたはやらかしちゃう人間ですよね?」
キャーっどうして? どうしてまたまたこんなこと言われちゃうの?
嫌な人とは縁を切ったはずなのに、なぜ違うところに行っても同じようなことを言われちゃうの? みんなひどい! ひどいわぁ! 生きるって、なんて辛いことなんだろう。頭の中はグルグル巻き。パワーダウンしてやる気も起こらない。
こうしてますます自身からほど遠くなってしまいます。あなたが「ダメな自分だ」と思って仲間外れにしている自分を受け容れるまで、このゲームはずっとつづくのです。
バカバカしいでしょう? だから本当に自信を持ちたいとしたら、うまくいかないことをやった自分を受け容れることをまずやればいいんです。『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』 第二章 より 大木ゆきの:著 ワニブックス:刊
自分を責めるということは、失敗した自分を認めないということ。
認められず、受け容れられない“もう一人の自分”は、周りの人の口を借りて、自分を認めさせようとします。
「自信」とは、文字通り、自分を信じることです。
気に入らない部分も含めて、自分を100%受け容れること。
何があっても揺るがない自信は、それができて初めて手に入ります。
厳しい状況を引き寄せたのは、自分が覚醒した証拠
長い人生では、突然、想像もできない厳しい試練に立たされることがあります。
大木さんは、「どうして今まで幸せだったのに、急にこんなことになるんだろうか」と思うようなことが起こっている時は、あなたが越えるべき山の前まで来たということ
だと述べています。
山は遠くから見ている時には、どれだけの高さなのかリアルには分かりません。麓(ふもと)まで来て、頂上を見上げられる地点に来た時にはじめて、山の高さを感じることができるのです。
人生の山を越えられるだけの覚醒度に至っていない人は、遠くから見ているだけですが、越えるだけの覚醒をしている人は、麓まで来ることができるのです。
そして麓まで来たからこそ、山がすごく高くて険しいモノに思えます。
「あぁどうしよう。大丈夫だろうか。この山を果たして越えられるのか」、そんな風に山の高さに圧倒されそうになっているということは、あなたに力がないということではなく、あなたに力が備わったという証拠です。皆さんも登山をしたことがあると思います。どうやって登りますか?
たぶん、覚悟を決めて、一步を踏み出すところからはじまるはずです。
そして一步踏み出したら、次の一歩を踏み出す・・・・その繰り返しではないでしょうか。3000m級の山だって、エベレストだって、結局は一歩一歩の繰り返しです。
そして途中で疲れたら休むでしょうし、難所に来たら慎重にゆっくり進むはずです。
人生の山もそれと同じです。
まずは目の前の一步のことだけを考えればいい。きついなぁと思う時は休めばいい。とっても難しい問題に直面した時は、よ〜く内観してから選択すればいい。
そうやって、ふと登ってきた道を振り返れば、けっこう高いところまで来たなぁと驚きます。一歩一歩進むうちに、ここまで来ていたんだと感動するでしょう。
やがて頂上がやってきます。高い山や、難所の多い山ほど、登頂した時の達成感は大きいでしょう。そしてそこまで頑張ってこれた自分を本当に誇らしいと思います。これこそが真の自己信頼となります。
解放の手法や知識の問題ではない。実際に登ってきたかどうかの問題です。
行動こそが最大の自己信頼を生みます。
あなたはとても覚醒しています。難しい課題もクリアし、真の自己信頼を得られるだけの力が備わりました。
「さぁ、ここを越えてさらに大きな幸せを受け取りなさい。あなただったらできます」と神様が言っています。『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』 第三章 より 大木ゆきの:著 ワニブックス:刊
厳しい試練や困難なトラブルに出遭うことは、自分の夢や希望に近づいている証拠です。
急な山道が続いても、自分のペースで歩いていけば、やがて山頂に立つことができるでしょう。
大切なことは、歩みを止めないこと。
行動こそが、最大の自己信頼を生みます。
「自分には、この山を登り切る力がある」
そう信じ、一歩ずつ前に進んでいきたいですね。
「結果」なんてどうでもいい!
人間は、思い込みによって動く生き物です。
私たちは、「ここを押せば、これが出る」。そういう方式で、これまでの人生でいろんなことを条件付けされて
います。
大木さんは、何の結果も求めない時に、真の力が発揮できる
と指摘します。
剣道の強者が、達人に「勝とう、勝とう」と思っていくら稽古しても勝てない。ある時、完全に「勝利」という結果を忘れて、無心になったら、あの達人の一瞬の隙を捉えられて、神業のような一本を取ることができた。
その時、彼は言うのです。
「一切の執着を離れて、無心になった時、真の力が出ました」
「勝とう、勝とうと思っているうちは勝てませんでした」と。
無心の極意は、道を極めた人だけのものになってしまっています。本当はそういうことこそ、学校や家庭で教えてほしいんですけどね。
結果に囚われているうちは、恐れの中にあります。
「これが得られないとダメだ」
「それがなければ、自分は完成しない」
「そんなことがあっては困る」
そういう恐れは力を奪います。力が奪われていては、本領が発揮できないのです。
皮肉な話ですが、結果に囚われれば囚われるほど、ほしい結果は得られません。だから、それをやってどうなるかなんて、どうでもいいんです。
ただ、なぜか知らないけれど、「今はコレだ!」そう思うものに毎瞬飛び込んでいったらいいのです。
生(ライブ)の醍醐味はそこに在る。そこにこそあなたの真の美しさ、力強さ、極まった個性の発露(はつろ)があるのです。
私たちはそれを体験するために、人間をやっているようなところがあります。
何でもいいのです。レストランで何を食べるか決める時でもいい。これを食べたら、体にいいとか悪いは全部忘れて、「何だか知らない聞いたこともないメニューだけど、オーダーする」ことくらいなら、できるでしょう。
さて、どんな料理が出てくるのでしょうか? 結果が分かっているものではなく、どうなるか分からないけれど、直感に従った時のあのときめくような感じは、知ってる料理が出てくる時には味わえない「ライブ」な感覚です。
何だか知らないけれど、内から力があふれてきます。
人生をもっとライブに楽しみましょうよ。結果なんてどうでもいい。そんなものからとっとと自由になりましょうよ。
その時内からあふれくる、無限の力と一緒に生きていきましょう。『幸せなことしか起こらなくなる48の魔法』 第四章 より 大木ゆきの:著 ワニブックス:刊
結果は、未来に起こる出来事です。
結果を恐れるのは、“心ここにあらず”のとき。
「今、この瞬間」に集中できていない状態だからです。
結果を求めない時に、真の力が発揮される。
つまり、結果にこだわらないことが、最高の結果をもたらします。
人生の皮肉ですね。
人生をもっとライブに楽しむ。
それが幸せへの最短ルートだということですね。
[ad#kiji-shita-1]
幸せとは、「なる」ものではなく「感じる」ものです。
行動や得たもので幸せになれるわけではありません。
何気ない日々の生活にも、幸せはあります。
人は、生まれたときからすでに、幸せな存在です
幸せを感じられない。
そういう人は、「自分は幸せではない」という思い込みで目隠しされてしまっているだけ。
幸せだと感じるか、不幸せだと感じるかは、自分の受け取り方次第です。
いつの間にか知らずにつけていた、“不幸せの目隠し”を取り去り、ありのままの「幸せな自分」に気づく。
本書には、そのためのヒントがぎっしりと詰め込まれています。
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