本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』(宮本晋次)

 お薦めの本の紹介です。
 宮本晋次さんの『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』です。

 宮本晋次(みやもと・しんじ)さんは、全身骨格矯正師です。
 30年以上にわたる施術実績をほこり、プロアスリートからも注目を集める人気の施術者です。

「かかとの歪み」が足腰を弱らせていた!

 いつまでも自分の足で元気に歩きたい。

 そんな誰もが夢見る願いを現実にするには、疲れや痛みのない足腰を手に入れることが不可欠です。

 70代80代になっても、元気で自分の足で歩いている人と、そうでない人の違い。

 宮本さんは、それはかかとが歪んでいるかどうかにあったと指摘します。

 外反母趾(がいはんぼし)や扁平足(へんぺいそく)といった足の悩みは、ある程度知られています。しかし、かかとの歪みに関心をもたれている方はほとんどいないでしょう。
 まず、一般的に「かかと」と呼ばれるのは、P21のイラストにある踵骨(しょうこつ)の部分を指します(下の図1を参照)。
 そして、かかとの歪みとは、踵骨と距骨(きょこつ)の関節が歪むことで起こります。

 実は、ほとんどの方のかかとは、日頃の立ち方や歩き方などの生活習慣や筋力の低下などが原因で歪んでしまいます。それは、自分の靴底のすり減り方を見れば明らかです。
 かかとが歪み、それが悪化すると、体重をかけるたびに足首の奥が痛む(深部痛)ようになり、足首を完全に伸ばしたり曲げたりすることができなくなります。

 もし今あなたが、痛みやシビレといった症状が出ているため歩くことが億劫になっているのであれば、要注意です。
 かかとの歪みが悪化しているのかもしれません。
 このままでは今後歩く機会が減っていき、また歩かなくなることでさらに足腰を弱らせてしまうのです。

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第1章 より 宮本晋次:著 アスコム:刊

図1 かかと の構造と歪み かかとを整えなさい 第1章
図1.「かかと」の構造と歪み
(『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第1章 より抜粋)

 かかとの歪みを元に戻し、立ち姿や歩き方を改善する。

 宮本さんは、そのための方法として紹介しているのが「かかとストレッチ」です。

 本書は、1日5分で簡単にかかとの歪みを治せる「かかとストレッチ」の方法についてわかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「靴底」でわかる、あなたの歪み

 自分のかかとが、どれだけ歪んでいるのか。
 それを簡単にチェックする方法は、「いつも履いている靴の底を見る」ことです。

 普段履いている靴の底を見てみると、かかとき外側だけが大きく減っていたり、逆に内側だけが大きく減っていたりしていませんか?
 そのかかとの減りこそが何よりの証拠です。
【かかとの外側だけが減っている場合】
 かかとの外側だけが大きく減っている方は、かかとが内側に歪んでしまっている状態です。がに股で歩く癖や、猫背で背中を丸めて歩く癖がついてしまっている方、O脚の方のかかとなどは、このように内側に歪んでしまっている傾向にあります。

【かかとの内側だけが減っている場合】
 一方、かかとの内側だけが大きく減っている方は、かかとが外側に歪んでしまっている状態といえます。内股に歩く癖がついている方や、X脚の方のかかとは、このように外側に歪んでいる傾向にあります。外反母趾(がいはんぼし)などで悩んでいる方も、このタイプが比較的多いです。

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 はじめに より 宮本晋次:著 アスコム:刊

 たしかに、靴の底は、均一にすり減ることは、ほとんどありません。

 自分はどちらのタイプの歪みなのか。
 まずは、確認してみましょう。

毎日5分! 「かかとストレッチ」

 宮本さんは、かかとの歪みをリセットするために、毎日5分間の「かかとストレッチ」を続けることを勧めています。

 やり方は、以下のとおりです。

Step1 アキレス腱、足裏をさすって温める
 かかと周りにくっついている筋肉をゆるめ、「かかとストレッチ」のウォーミングアップを。
     ↓
Step2 凝り固まったかかとの関節をほぐす
 あまり可動しないかかとの骨をつまんで振動させ、関節を動かす。
     ↓
Step3 かかとを回して、正しい位置に!
 かかと回しストレッチで、歪んでしまったかかとを本来の正しい位置に戻す。
     ↓
Step4 これが気持ちよい! お尻の筋肉をぐーっと伸ばそう
 かかとに影響するお尻周りの筋肉をゆっくり伸ばし、足腰の筋肉をほぐす。
     ↓
Step5 足首の屈伸で足の筋力低下を予防する!
 足首の屈伸をすることで後脛骨筋(ふくらはぎから足裏までつながる筋肉)を刺激し、足の筋力低下を予防する。(腓腹筋(ひふくきん)・ヒラメ筋にも効果あり)

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第1章 より 宮本晋次:著 アスコム:刊

図2−0 かかとストレッチの姿勢 かかとを整えなさい 第2章
姿勢
図2 2 かかとストレッチStep1 かかとを整えなさい 第2章図2 1 かかとストレッチStep1 かかとを整えなさい 第2章
Step1
図2−4 かかとストレッチStep2 かかとを整えなさい 第2章図2−3 かかとストレッチStep2 かかとを整えなさい 第2章
Step2
図2−6 かかとストレッチStep3 かかとを整えなさい 第2章図2−5 かかとストレッチStep3 かかとを整えなさい 第2章
Step3
図2−8 かかとストレッチStep4 かかとを整えなさい 第2章図2−7 かかとストレッチStep4 かかとを整えなさい 第2章
Step4
図2−9 かかとストレッチStep5 かかとを整えなさい 第2章
Step5
図2.かかとストレッチ
(『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第2章 より抜粋)

 誰でも簡単にできる「かかとストレッチ」。
 毎日のお風呂上がりに、ぜひ習慣にしたいですね。

「正しい歩き方」で免疫力が上がる!

「かかとストレッチ」でかかとの歪みを取り除き、かかとを整えた。
 その後にすべきは、「正しい歩き方」を身につけることです。

 宮本さんは、かかとの歪みを取って正しい歩き方ができるようになれば、いろいろな体の不調も改善されると述べています。

 正しい歩き方のポイントを、おさらいしておきましょう。

  • 歩幅を広く取り、大股ぎみに歩く
  • かかとから地面に足をつき、母子球(親指の付け根側)から離れる
  • 腕を真後ろに引くことだけを意識し、振り子のように振って歩く

 これはつまり、
 足裏を上手に使って、大股で歩く
 と言い換えることができます。

 進行方向に足先をまっすぐ向けて、腕を真後ろに引くようにしてしっかり振り、腕の振りで前に進む力を高め、歩幅をいつもより大きくして歩くイメージです。
 かかとから着地してしっかりと足裏で地面を感じ、そして、親指で地面を蹴り出す感覚を意識しながら歩くことを身につけましょう。

 普段の歩き方に慣れてしまってているので、初めはぎこちなく、違和感を感じることもあるかもしれませんが、歩くことの本来の動きは、
きっと体が覚えているはずです。
 このように足裏を上手に使って歩くことができれば、体の痛みや疲れなどの不調から解放されるだけでなく、免疫力も高まります。

 歩き方が変われば免疫力が高まると言われても、その関連性をイメージすることは難しいと思います。

 実は、免疫力が低下することに関係するのが、「自律神経」の存在です。

 誰でも、「自律神経の乱れ」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
 しかし、「自律神経はどのようになものか、わかりますか?」と問われると、答えに躊躇(ちゅうちょ)してしまう方が多いかもしれません。

 自律神経は、循環器や呼吸器、消化器などの活動を維持するために、休むことなく働き続ける神経です。
 その中でも、昼間や活動を行っているときに優位に働くものを「交感神経」、夜や安静にしているときに優位に働いているものを「副交感神経」と呼びます。
 私たちはこの「交感神経」と「副交感神経」のバランスを保つことで、体調を崩さず、元気に過ごすことができるのです。
 しかし、日々の生活習慣や仕事のストレスなどで、バランスが崩れてしまうこともあります。
 その状態のことを「自律神経が乱れる」と表現するのです。

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第3章 より 宮本晋次:著 アスコム:刊

 宮本さんは、体の歪みが整えば、姿勢は自然によくなっていき、その結果、筋肉の緊張した状態は改善され、自律神経が整い、免疫力が上がっていくと指摘します。

「正しい立ち姿勢」と「正しい歩き方」を手に入れること。
 それが自律神経を整え、健康的な生活をするための、唯一の方法だということです。

 ぜひ身につけたいですね。

下半身太りにも「かかとストレッチ」

「かかとストレッチ」は、ダイエットにも効果があります。

 とくに、いわゆる「洋なし型」といわれる下半身太りの方にお勧めとのこと。

 下半身太りの原因の一つは「むくみ」です。
 お尻から下の部位の中でも、脚は心臓から遠く血液の流れが悪くなりやすいこと、さらに重力の関係もあって上半身に比べて水分がたまりやすいことから、血液やリンパの巡りが悪くなり、老廃物がたまりやすく、むくんでしまいます。
 老廃物や余分な水分がたまるむくみは、太っていなくても下半身や足を太く見せることにつながります。

 さらに、下半身が冷えていることも原因の一つです。
 冷えは血流やリンパの巡りを悪くするため、むくみをひどくするほか、老廃物や水分の排出を滞らせることにもつながるため、代謝が悪くなり、脂肪が下半身に蓄積しやすくなるのです。
 ダイエットで脂肪を落とすだけでなく、この悪循環を排除することも下半身太りの解消には大切なのです。

 むくみや冷えのほかにもう一つ、筋肉のバランスが崩れることも下半身太りの原因となります。
 悪い姿勢をとっていたり、日常生活の習慣の影響などから姿勢が歪み、筋肉のバランスが崩れて自律神経の働きが悪くなってしまう方は多くいます。
 そのためお腹がぽっこり出てくるなどの見た目の変化が生じてしまうこともあり、下半身太りのように見えることがあるのです。
 また、出産を経験された女性の場合、出産時にホルモンバランスの影響から靭帯が弛緩し、骨盤もゆるむため、産後にお腹がぽっこり出るといわれています。

 このように下半身太りの方は、冷えやむくみ、姿勢の歪みといった問題を総合的に解決しながらダイエットを進めることが大切なのです。
 そのような冷えやむくみなどの改善に、「かかとストレッチ」を実践してみてください。
 これまてお話したように、「かかとストレッチ」を行うことでリンパの動きや血液の流れが改善され、冷えやむくみを解消してくれます。

『歩けなくなるのがイヤならかかとを整えなさい』 第4章 より 宮本晋次:著 アスコム:刊

 ふくらはぎからアキレス腱、かかとにかけては、血液の流れの“急所”であり、血の巡りが悪くなりやすい場所です。

 かかとの歪みを取って、この部分の血流やリンパの流れをよくすること。
 それが、冷えやむくみの改善に直結するということです。

 冷えやむくみは、「万病の元」です。
 それが改善されれば、あらゆる不調に効果が表れるのは必然です。

 すべては「足元」から。
 根気よく、続けていきたいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 足の裏は、「第二の心臓」と呼ばれるくらい、体にとって重要な部分です。

 宮本さんは、特にかかと周辺には、骨盤周りやひざなどに影響を与える末梢神経が集中しているとおっしゃっています。

 かかとは、建物でいうと「基礎」の部分です。
 この部分が整うことで、建物全体がバランスよく、安定感の高い状態となります。

 宮本さんが、30年の施術経験から生み出した、画期的な健康法。
 ぜひ、皆さんも試してみてください。

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