本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』(岡田哲也)

 お薦めの本の紹介です。
 岡田哲也さんの『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』です。

 岡田哲也(おかだ・てつや)さんは、心身調律セラピストです。

「宇宙の法則」を誰が作ったのか、学ぶ必要はない!

「宇宙の法則」を作ったのが誰で、それはどういうものなのか。
 それを知れば、幸せになれる。

 岡田さんは、そんな安易な考え方に警鐘を鳴らします。

 知的な欲求は人間が持つ本能ですので、そこを否定するつもりはありませんが、あなたがもし「宇宙法則について詳しく知れば幸せになれるんじゃないか」と思っているとしたら、それは勘違いなのです。

 そして、もしあなたが自分のことを不幸だ、人生がつらいと思っているのならば、あなたがまず知るべきは宇宙法則ではなくて、身体・感情です。
 ものすごく人間くさい部分、生々しい部分、日常生活の部分です。

 今日の夕飯に何を食べるか? 今疲れているか? 眠いか? 何を感じているか? ということがわからないのに宇宙法則について知ったところで、賢くなった、波動が高くなったと勘違いして驕(おご)り始めるのが関の山です。
「幸せになるために宇宙法則を学びたい!」を車の話にたとえるならば、「この車の設計や回路についてもっと勉強したら、この車が私を素敵なドライブへ連れてってくれるはず!」と言っているようなもの。どれだけ車についての知識が増えたとしても、自分で行き先を決めて、運転しない限りどこにもたどり着きはしません。
 料理であれば、どれだけレシピを覚えたとしても、食べないことには味わえません。大切なのは、【知った】上で行動し、体験し、五感で満喫すること。それがこの地球の、人間体験の醍醐味というものです。
 ともすると私たち人間は宇宙法則を何か特別なものだと勘違いしがちです。
 しかし、私にとっては【この地球を人間としてより楽しむためのツール】にすぎません。あなたにとって宇宙法則を学ぶということはどういう意味を持っているものなのか? についてまずはふり返ってみてください。

『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』 序章 より 岡田哲也:著 KADOKAWA:刊

 知識だけ詰め込んでも、実際の生活に役立たない。
 それは「宇宙の法則」といえども、一緒だということですね。

 本書は、「宇宙の法則」を日常生活で使いこなすためのノウハウをわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「そう見ると、そうなる」のは概念ではなくて、事実

 岡田さんは、宇宙の法則を思いきって一行にすると、「信じているものが、実現する」=「そう見ると、そうなる」にまとめられると述べています。

 つまり、自分にとっては当たり前だと思っている【信念】が、現実を創り出すということ。

 スピリチュアルな分野では、割と当たり前に言われてきたことですが、「量子力学」の見地からもそれは裏付けることができます。

 私が挙げている「そう見ると、そうなる」というのは、量子力学で言われる【観測者効果】を簡単に言い換えたもの。この本は量子力学の専門書ではないので深く解説することはしませんが、簡単に言うと、「エネルギー・波の状態に意識を向けた瞬間にそれは物質化する」ということです。わかりやすく言うと、あなたが月を見るまでは月はそこにないのです。ハワイに行くまではハワイはそこにないのです(この辺を追究したい方は専門書をどうぞ)。

 もう少し人間的に理解しやすくするならば、【ピグマリオン効果】というものがあります。これは教育心理学における心理行動の一つで、教師が期待をかけることによって学習者の成績が向上すること。ピグマリオン効果の実証実験には賛否両論あったりもするのですが、その考え方には賛同します。
 少し想像していただけたらわかるかと思いますが、先生が「この生徒は算数が得意だから、将来は優秀なプログラマーになるかもな」と思って生徒に接するのと、「この生徒は算数はできるけど体育がダメだな。こういう奴は将来引きこもるんだよ」と思って接しているのとでは、生徒にかける言葉も態度も全部変わってきます。それを受けた生徒に培われる信念が、自己肯定になるのか? 自己否定になるのか? は想像に難しくないでしょう。
 この先生の例のように【自分が周りの人間や社会をどういうものだと見ているか】によって自分の態度、言葉使い、行動まで自然と変わりますし、それを受けた周りの人のあなたに対する態度も変わっていきます。人間だもの。

 だからこそ、【今の自分の周りの環境】や【どういう人たちに囲まれているか】を客観的に眺めることによって、自分が今持っている信念も見えてきます。自分の周りにある風景は、自分の意識が生み出したものにほかならないからです。
 そうして今持っている信念を自覚したならば、「で、ほんとうはどうしたいの?」と自分に問いかけてみて、より楽しい、より自由なものを選択していこうと思ったのならば、少しずつ変えていけばいいのです。

『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』 序章 より 岡田哲也:著 KADOKAWA:刊

【現実】が【信念】を創る。
 多くの人は、そう考えています。

 しかし、それはまったくの逆だということです。

【信念】が【現実】を創る。

 潜在意識に刷り込まれた【信念】が【体験】を呼び込む。
 その【体験】が、【信念】をさらに強化してしまう。

 その悪循環を断ち切ることが、人生を好転させる秘訣ですね。

「自分を信じよう」なんてしなくていい!

 自由な生き方を提唱している書籍やセミナーでは、【自信・自己肯定感】を持つことを促す事が多いです。

 しかし、岡田さんは、自分のことなんかひとつも信じなくてかまわないと指摘します。

 ネガティブな感覚をそのまま受け入れることは【自己受容】となります。
 大切なのは、この【自己受容】。自分の状態をそのまま受け入れて、少しずつでも体験していくこと。
 その結果、「あ、本当に人に頼ると助けてくれるんだな」とか「世界は意外と優しいんだな」と知ることができるのです。
 自分が大丈夫だと信じようとすることと、大丈夫だと知っていることには大きな違いがあるんですよね。

 信じようとすることと知っていることの違いについて一つ例を挙げましょう。
・「私はハワイが素敵なところだと“知っている”」
 →すでにハワイに行って体験している人の言葉じゃないですか?
 それを伝えるのに、高いテンションも高度なスキルもいらないですよね。だって、【知って】いるんですから。
・「私はハワイが素敵なところだと“信じている”」
 →“知っている”に比べて、すでに体験しているか怪しくなりませんか?
 ガイドブックを読んで、素敵なところだろうと夢を描いしているような印象になりませんか?
 そう、序章でお伝えした【信念】というのは、「信じている」を超えた「知っている」になってこそ初めて作用する力なのです。

 以前私は数か月だけ営業の会社で働いたことがあるのですが、そこがけっこう自己啓発ばりばりだったんですよ。
 で、アポイントを取ってクライアントのところに向かうとき、「契約取ってきまああーーっす!!!」「いってらっしゃーい!!! できる!!!」と大声を出し合って出発していたのですがおおかたお察しのとおり、それで確実に契約が取れるなんてことはまったくなかったわけです。
 逆に、契約をすぐ取ってくる人って、「これから契約取ってきます」とさらっとしています。同僚からの過度な応援も、自分のテンションを上げることも必要ない。
 そこには「私は契約を取れるんだと知っている」という今までの経験から培われた【静かな確信】があるのです。
 ですので、自分を信じようとするなんて、一切やらなくてもオッケー。ただ淡々とちょっとずつ、自分の感情を大切にしていく中で、自然と自己受容感が高まります。また、行動した結果うまくいく体験をすることで、本当の自信となります。そうしていくうちに、自分にとって【“知っている”宇宙の在り方】が変化していくんです。

『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』 第2章 より 岡田哲也:著 KADOKAWA:刊

 多くの人が「信じている」というのは、あくまで顕在意識での話。

 本当に大事なのは、「知っている」。
 つまり、潜在意識のレベルで納得できているか、です。

 自分を偽って、信じ込もうとしても、うまくいきません。
 それよりも、嫌なところも含めて、すべてを受け入れてあげる。

【自信】より【自己受容】。
 幸せに生きる秘訣です。

「ふり方」を逆にしてみる

「宇宙の法則」を使いこなすために大事なこと。
 それは、ポジティブでもネガティブでもなく、自分にとって力みが入っていないニュートラルな状態です。

 岡田さんは、ニュートラルな自然な状態でいられるポイントを【中心点】と呼んでいます。

 この【中心点】は、いったん両極を知るとわかりやすくなります。
「マジメな生き方を選びすぎてきたな」という方の場合は、冠婚葬祭の用事があると嘘ついて仕事をズル休みしてみる、ママ自ら二度寝して子どもの保育園に遅刻してみる、正しい食事ではなくて思いきりジャンクフードを食べてみる、といったように、マジメじゃないことをやって【悪い=プラス】の状態を知ってみる。そうすることによって、【正しい=プラス】にふれすぎていた人でも、プラスとマイナスの両端を把握することができ、【ゼロ=自然体】をつかみやすくなります。
 倹約家の場合ならきっと「何かあったときのために」「将来のために」と貯金してきていると思うのですが、あえて散財してみるのも一つの方法です。
 ただし、やたらめったらとにかくお金を使うのではなくて、自分にとってピンとくるもの、ワクワクすること、なんかふと欲しくなったものや、やりたくなったことに対してお金を使っていきましょう。
 ともするとSNSでブランド物のバッグを買った人の写真を見て、「私も欲しい!」と思うかもしれませんが、あなたにとって本当に欲しいものがブランド物とは限りません。何かを買うときに注意しないといけないのは、「私も同じものを持ったら同じように人気が出る。ちやほやされそう」というように、他人目線な動機で行動していないか? ということです。どうでもいい人から「いいね!」がついたところでエゴくらいしか満たされませんから、自分にとってしっくりくる感覚を大切に。

 あえて今までと逆パターンの行動をとる目的は、あくまで自分にとって自然体、心地よい行動パターンを知るためです。やってみればわかりますが、ずっとジャンクフードだけ食べられるか? ずっと散財し続けられるか? というと、そういった【あえて始めた行動】は、けっこう早めに飽きてきます。
 飽きもせずにずっといわゆる【悪い行動】だけをし続けるという場合には、単にストレス発散のための行動であることが多いので、その点は気をつけてください。

 思いきりズレることがない安全なお金の使い道としては、我慢や緊張が多い方の場合には身体のケアや五感を満たしてくれるものがオススメです。
 良質なアロマ、自分に合ったマッサージやエステ、温泉など、今まではちょっと贅沢だと思って、本当はもっとやりたいのに我慢して何か月かに一回にしていた、なんてものはありませんか?
 将来の何かのためにと取っておいたお金があるならば、まずは今の自分に使ってあげてくださいね。

『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』 第3章 より 岡田哲也:著 KADOKAWA:刊

 過ぎたるは及ばざるがごとし。
「中庸」が大事。

 古今東西、いろいろな人がいろいろなところで言っていますね。

【中心点】を知るために、あえて行動を大きくふってみる。

 他人の基準ではなく、自分の基準での【中心点】。
 自分にとってニュートラルな状態。

 それを知ることが、第一歩です。

何もしないでワクワク? めっちゃ行動しているから!

「ワクワクだけで夢は叶う!」

 世の中には、そんな願望実現法を唱え、実際に夢を実現している人がいます。
 その人たちと、その他大勢の「うまくいっていない人たち」の差は、どこにあるのでしょうか。

 岡田さんは、「ワクワクだけで夢が叶う」人たちの特徴を、以下のように説明しています。

 ポイントは、本人にとって無理して嫌々やるようなことは何もしていないという感覚です。その感覚で生きていることを、「何もしていないけど宇宙が全部サポートしてくれるの♡」と言っていることが多いのです(キャラ作りでやっている場合もありますが、これは別)。
「宇宙にゆだねたら出版できたの!」と言っている人だって、本を出版しようと思っていることや、どういう意図で自分が発信しているか? を明確にし、必要な人とつながりそうならその場に行き、普段からブログなどで自分の言葉を発信するなど、必要最低限の行動は必ずとっています。
 だけど自分にとっての【好き】【得意】を自然にやっていく人はわざわざ「これをしています、してきました」とは言わないでしょう。また、頑張っているとも言わないでしょう。その人にとっては無自覚で当たり前の行動だからです。
 もしあなたが、「ご機嫌でいるだけでうまくいく」という法則をそのまま実践しようという場合にはこの点に気をつけてくださいね。
 自分が好きなことをしていること、嫌なことや苦手なことは無理にやろうとせずちゃんと人を頼ること、必要最低限の行動はとっているということ。
 それらがありきの、“何もしていないけどうまくいく”“宇宙にゆだねるとうまくいく”なのです。

 ちなみに、究極的には本当に自分がご機嫌でいるだけで、ふとハワイに行きたいと思ったらハワイ旅行をプレゼントされると思います。
 しかし、私などは残念ながらまだまだ凡人です。自分で自分のために行動し、表現し、そのさきにご褒美がやってくる、というゲームをまだ実践している最中。自分に向き合うということを知ってから早10年以上経ちますが、まだ私もそんなものです。
 この数か月で自分の生き方を変えてきている、という方は無駄にあせらず、ちょっとずつ進みましょう。その過程も楽しいのですから。
 日本には素晴らしいことわざがあります。「人事を尽くして天命を待つ」。やるべきこと、やりたいことをやり尽くした上で、ゆだねましょうね。

『キラキラな宇宙法則をめちゃくちゃ日常生活に使ってみました』 第4章 より 岡田哲也:著 KADOKAWA:刊

 宇宙の法則を使いこなすコツ。
 それは「無理して嫌々やるようなことは何もしない」こと。

 うわべだけ取りつくろって「ワクワク」しようとしても、うまくいかないということです。
 自分自身の心だけは、騙すことはできません。

 大前提に、「自分がご機嫌でいる」ことありき。
 それを忘れないようにしたいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 岡田さんは、宇宙法則をどれだけ学んだとしても、「で、ほんとはどうしたいの?」と自分自身に問いかけることをけっして忘れないでほしいとおっしゃっています。

 いくら頭の中に理論や理屈を叩き込んでも、実践が伴わなければ、意味がありません。
「絵に描いた餅」ですね。

 実際にやってみたけど、うまくいかないのは、ちょっとしたコツが掴めていないだけ。
 そんな可能性が高いです。

 一番大事なのは、「自分自身」です。
 それを無視して、宇宙法則を使おうとしても、うまくいきません。

 心理セラピストならではの斬新なアプローチからの、ユニークな宇宙法則の解説書。

 頑張っているけれど、うまくいかない。
 そんな私たちに、人生を好転させるヒントが詰め込まれた一冊といえます。

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