【書評】『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』(三戸政和)

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 お薦めの本の紹介です。
 三戸政和さんの『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門』です。

 三戸政和(みと・まさかず)さんは、ベンチャーキャピタリスト、起業コンサルタントです。
 2016年に日本創生投資を創設、中小企業に対する事業再生・事業承継に関するバイアウト投資を行っておられます。

「人生100年時代」は投資家になりなさい!


「サラリーマンが会社を買う」

 多くの人は、荒唐無稽だと思うでしょう。
 まだまだ世の中に浸透していない考え方ですね。

 しかし、三戸さんは、経営者の高齢化が進み、日本の中小企業の事業承継が大きな問題を迎える「大廃業時代」は、これから10年間がピークになると予想し、それは、あなたがオーナー社長、資本家になるための有限のチャンスだと指摘します。

 前述したように、私ももともとはサラリーマンです。そこから、ほぼ資産を持っていないもかかわらず、今は資本家になりました。そして、いずれ資産家になるでしょう。ですから断言します。みなさんも資本家になれます。
 さらに言うなら、私たちがファンドとして投資先に送り込む社長は、大企業でサラリーマンをしていた人をヘッドハントしています。読者であるあなたがこのカテゴリーに入るなら、むしろ、あなたは私たちにとって「社長候補者」でもあります。
 ただし、このケースは「サラリーマン社長」ですから、それで資産家になれるわけではありません(実際には、投資先企業へ送り込む経営陣をヘッドハントする場合は、ストックオプションや業績連動報酬など諸条件がありますが、細かいので本書では省略します)。
 大きな企業でマネジメント経験を積み、充分な実務、経営能力があるあなたに足りないのは、「箱」だけ。それを手に入れれば、あなたも立派なオーナー社長の仲間入りです。

 ただし一つだけ、サラリーマンとして普通に働いているだけでは手に入らない大事なものがあります。「覚悟」です。
 サラリーマンだった私が会社を辞めるリスクを許容し、数十億の投資ファンドを運用するプレッシャーを抵抗感なく受け入れ、資本家サイドに向かう糸を手繰(たぐ)り寄(よ)せることができたのはなぜでしょうか。それは、「成功するためにはリスクを取ることが当たり前だ」と思える環境にいたからです。
 私は、ベンチャーキャピタリストとして多くの起業家を間近に見てきました。振り返ると、それは非常に幸運なことでした。起業家たちが、どんどんリスクを取って、その分より大きなリターンを得るさまを目(ま)の当(あ)たりにしているうちに、本当の意味でリスクとリターンの関係を理解することができたからです。
 また、数年前には飲み代も出せなかった若者が、株式上場して、数百億円の資産を築いていく姿を目の前で見たこともありました。今は煌(きら)びやかな活躍をしている社長でも、かつて割り勘で一緒に飲んだり、私が奢(おご)ったりした人がたくさんいます。そうやって「あちら側」に替わっていく人たちと日常的に接する中で、「自分にもできるのではないか」と、いい意味で“勘違い”できたことも、私が普通より大きなスケールでものごとを捉えられるようになったポイントだと思います。
 つまり、リスクを取れるかどうかです。実際に行動を起こせるか否かです。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 序章 より 三戸政和:著 講談社:刊

 ①自分のキャリアを生かす
 ②資本家になることで、労働の対価では得られない金銭的メリットを享受する
 ③人生100年時代の老後不安から自由になる

 三戸さんは、この3つを同時に実現する方法こそ、会社を買って社長になることだと強調します。

 本書は、三戸さんが投資ファンドのビジネスで培った、サラリーマンでもできる「会社を買う」資産形成法のノウハウをまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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起業は、「会社を作ること」ではない!


 まったくのゼロから会社を作って起業する、いわゆる「ゼロイチ起業」。

 三戸さんは、ゼロイチ起業の難しさについて以下のように解説しています。

 どうも世間では、「起業」が軽く見られているように思えてなりません。
 起業とは、会社を作ることではありません。事業を作ることです。会社を作ることは誰でもできます。ネットで「会社 作り方」と検索し、その通りに手続きするだけです。しかし、今すでにあるサービスや商品を自らの手で販売していくだけでも大変なのに、まして、世にないサービスや商品を創造し、市場に浸透させていくベンチャービジネスを軌道に乗せるのは、並大抵のことではありません。この点を誤解しないでいただきたいのです。

 会社というものは、設立した瞬間から”出血”が始まります。出血とはもちろん、お金の支出のこと。まるで、動脈にナイフを突き立てたかのように、どんどん出て行きます。家賃、光熱費、交通費や宿泊費など、自分で払うとなると「バカにならない金額」であることにすぐ気づくでしょう。サラリーマンであれば当然支給されていた費用を自分で払ったとき、その重みを感じます。自分で会社を始めると、タクシーなんて恐ろしくて乗れません。そして、最も重いのが人件費です。誰かを一人雇った瞬間に、毎月数十万円という経費が出て行きます。数人雇えば、手持ちの1000万円ぐらいは、あっという間に消えます。
 そして、甘く考えがちなのは自分自身の人件費です。「一年ぐらい収入がなくても生活はできる程度のお金は持っている」言って起業する人がいます。甘すぎます。では、一年経っても収入がなかったらどうなるのでしょうか。一文無しです。文字通り、食べることができなくなるのです。
 起業した後になにより重要なことは、とにかく早く売り上げをあげて、小さくてもいいので早急に事業を回すことです。そうして収入を得て、走り出すことです。これができないと何も始まりません。
 事業が回り出したら、銀行もお金を貸してくれます。将来的に大きく拡大する期待が持てる事業であれば、個人投資家やベンチャーキャピタルが投資してくれるかもしれません。
 起業後に事業を少しでも早く回すには、やはり事前の準備が重要です。「これならば絶対に売れる」という自信のある商品を練り込み、作った瞬間に絶対に買ってくれるという顧客リストを整え、協力会社が必要であれば見積もりと確約を取りつけます。そして、必要な人材を確保し、資金を用意し、希望的観測ではなく、「これならば確実に行ける」という計画を立て、固い収支計画を作ります(もちろん自分の給料もそこに入っていること)。そのうえで、プランに穴がないか、思い込みがないかと何度も精査したうえで、もう会社を作らないと始められない・・・・・という最後の最後の段階で、登記をして「会社を作る」のです。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第1章 より 三戸政和:著 講談社:刊

 ベンチャーキャピタルの業界には、「千三(せんみ)つ」という言葉があるそうです。

 これは、1000社のベンチャーに投資検討して、そのうち投資が実行され、さらには上場できるまでになるのは3社程度しかないという意味です。

「ゼロイチ起業」が、いかに大変で、生き残るのが難しいか。

 それがよくわかりますね。

夜の料理店が「ランチ営業」をする理由


 飲食ビジネス用語で、「FL比率」というキーワードがあります。

 Fはフード(食材原価)、Lはレイバー(人件費)のことを表します。

 売り上げの55%以下にこのFL比率を落とさないと、採算が合わなくなり、経営が傾くと言われています。

 好きなだけ食材にお金をかけて、料理のクオリティを上げることは、誰にでもできます。

 しかし、利益、商品価格とのバランスを考えなければ、経営が成り立ちません。

 長く続く飲食店の経営者は、みな意識してFL比率を下げる努力をしています。その代表的なものの一つが、夜の料理店で余った食材を翌日のランチで消費することです。
 夜は6000円から1万円くらいする割烹やお寿司屋さんが、ランチ営業では800〜1000円程度で定食などを提供していることがあります。あれを見て、不思議に思ったことはありませんか。
「安い居酒屋ならまだしも、この価格じゃ儲(もう)けがないだろう・・・・・?」
 実は、やりたくてやっているわけではないのです。
 昼と夜に営業している個人飲食店のオーナーは、たいへんです。夕方5時半に開店し、夜10時ラストオーダー、11時閉店のお店の店主が、居残ろうとする客を追い出し、売り上げを締め、片づけと掃除、お酒など配達物の発注、翌日の仕込みを済ませ、ようやく店を出られるのは深夜1時か2時ごろです。家に戻って風呂に入り、床に就(つ)くのは3時か4時でしょうか。
 起床は7〜8時です。すぐに生鮮ものの仕入れに行かなければなりません。

 市場や業務スーパーに行って買い出しをし、9時ごろに店に着き、息つく間もなくランチの準備です。ランチはおよそ2時間の短期決戦です。注文が入って5分、遅くとも10分以内に料理を出し続けなければいけません。メニューはできる限り少なく、できれば5種類ほどに収めたいところ。
 昼2時、怒涛(どとう)のランチタイムがようやく終わります。片づけがすべて終わったら、自分の昼食です。何人かスタッフがいるお店なら、みなでまかないを食べ、余裕のない個人店はランチの残り物で白飯をかきこみ、一息つきます。
 ほどなく野菜や魚、肉などの配達物が届きます。品質を確認して、ボードにその日のおすすめメニューを書き、夜の開店に向けて仕込みを行います。準備が終わった夕方4時30分、店主とスタッフは厨房や客席で休憩したり、あるいは短い仮眠をとったりします。

 こう書き連ねてみると、「そこまでして、なんでランチ営業をするのだろう。あの値段ではほとんど儲けはないはずなのに?」と思わずにいられません。正直にいえば、高級店では赤字メニューもありますから、お客にしてみればラッキーです。

「儲かる夜に来てもらうために、ランチ営業で客寄せしているんでしょ?」

 と、したり顔で思ったあなた。残念ながら不正解です。実は、高級店であればあるほど、ランチとディナーとで客層がまったく異なり、そうした効果は期待薄。
 喜んでランチに足を運ぶお客は、夜に自腹で来ることはほとんどありません。上司や取引先や彼氏や、とにかく誰かに御馳走(ごちそう)になるときにだけ、「いいお店があるんです。私はランチしか行ったことないんですけど・・・・・」と言って予約を入れます。現実はシビアです。
 それでも店主がランチ営業をする理由はただ一つ、「FL比率を抑えるため」。
 良い食材を使っているお店は、何日か経って鮮度の落ちた食材を出すわけにはいきません。しかし、良い食材は高いので、廃棄するのはもったいない。牛肉、豚肉ならいくらか保存もきき、多少の熟成効果もあるかもしれませんが、鮮魚、野菜、鶏肉は鮮度が命です。だからといって、高級食材をそのまま廃棄してしまえば、FL比率はたちまち跳ね上がります。
 しかし、夜だけの営業では食材のコントロールはできません。予約で埋まる店でない限り、天気やイベントごとにも左右され、その日に何人の客が来るか正確には予測できません。また、コース料理でない限り、アラカルトで客が何を注文するかもわかりません。
 予約客が前日や当日キャンセルなんてことはしょっちゅうですし、だからといって、キャンセル料を取り立てることはまずできません。
 また、夜間の営業中、すでに食事を済ませたグループ客が、2軒目にやって来ることもあります。数品のつまみを注文し、いちばん安いお酒をちびちび飲みながら何時間も居座られることも。あとから来たお客さんを仕方なく断り、閉店から1時間過ぎてようやく帰ってもらったと思ったら、ちっとも料理が出ていなかった・・・・・というような日ももちろんあるのです。
 飲食店が「水商売」といわれる所以(ゆえん)です。
 仕入れた食材を効率よくハケさせることなど、よほどの人気店でない限り不可能なのです。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第2章 より 三戸政和:著 講談社:刊

「料理が好きだし、とっつきやすいから・・・・・」

 そう考えて、安易に飲食業界で起業する人は多いです。

 しかし、参入する障壁が低いだけに、ライバルも多いことは頭に入れておいたほうがいいですね。

大企業のサラリーマンに中小企業の買収をすすめる理由


 三戸さんが、大企業や業界大手のサラリーマン中間管理職の人に中小企業の買収をすすめる理由。

 それは、実務経験に加えて、所属企業で受けてきた「教育」のアドバンテージが、企業経営を担う際に非常に大きいからです。

 大企業や業界大手が中小企業と大きく異なる部分。

 それは、業務の進め方やシステムなどの仕組みが非常に洗練されている点です。

 当たり前ですが、ビジネスモデルだけでは、企業は競争に勝てません。事業は総力戦です。企画開発力、設計力、生産管理力、品質管理力、資本力、資金調達力、マーケティング力、人材採用力、組織力、ブランディング力、購買力、販売力などなど、経営のあらゆる要素を駆使(くし)し、マネジメントできていなければ生き残れません。
 そうして勝ち残った企業は、勝利のビジネスモデルを持っていると同時に、非常にレベルが高く、最新のビジネスシーンに最適化され、洗練された”勝利のマネジメントモデル”を持っています。
 そして、名の知れた企業、優良な企業のもとには、優秀な人材が集まります。中でも特に優秀な社員たちが、社内のマネジメントモデルを次々にアップデートしていきます。
 アメリカや日本の一流企業から最新のマネジメントモデルを学び、最新の管理ツールを導入しています。無駄を省(はぶ)き、モチベーションを高め、生産性を最大化する工夫を常にしているのです。「変化対応業」を標榜(ひょうぼう)したのはかのセブンーイレブンですが、この言葉は、優れた大手企業の社内改善にも当てはまるものだと思います。

 もしあなたが今、大企業、大手企業にいるのでしたら、僥倖(ぎょうこう)です。たとえ自社のマネジメントの”仕組み”に無関心なタイプだったとしても、あるいは、ある日突然新しい仕組みが導入されて仕事のやり方が変わるのを面倒だと感じるタイプだとしても、それでもあなたは、日々の業務を通じて、絶えずアップデートされた”勝利のマネジメントモデル”の使い方を習得し、当たり前に使いこなしています。
 集合研修で学ぶことは、OJTで習得して自然に使いこなしているモデルを体系化し、より深く頭で理解できるように、理論化したものです。
 そのように体系化された理論を頭でもしっかり理解することは、将来あなたが会社を買って経営者になるうえでは重要です。集合研修に真剣に参加していない人は、会社が”タダ”で与えてくれた、将来社長になり、資本家になるための勉強の機会を逸(いっ)していることになります。正直、もったいない限りです。
 でもまだ、致命的というわけではありません。実は、あなたは日々の仕事を通して、その仕組みをほとんど習得し、使いこなしてもいるからです。それができていれば、体系的な理論は後からでも学べばすぐに理解できます。
 理論というものは、そのマネジメントの仕組みを実務で使い、実践した経験のない人がいくら勉強しても、なかなか肚(はら)に落ちず、身につくことがありません。しかし、実地に経験を積み、マネジメントをしてきた人なら、基本はすでに身についているため、理論の理解も早いといえます。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第3章 より 三戸政和:著 講談社:刊

 大企業で働いている。

 ただそれだけで、大きなアドバンテージがあるのですね。

 慣れ親しんでいる環境は、それが普通になってしまい、そのありがたみが実感できないものです。

380万社の約7割が「後継者不足」


 日本には、企業が約410万社、うち中小企業が約380万社もあります。

 そんな日本を支える中小企業の多くが直面しているのが、「後継者問題」です。

 三戸さんは、「後継者不在」は、たちまち会社の存続を左右しかねない大きなリスク要因になってくると指摘します。

 社長が60歳以上の企業では、およそ50%が後継者不在で、その割合は年々、上昇傾向にあります。年代別に見ると、社長が60代の会社で53.1%、70代で42.3%、80歳以上でも34.2%が後継者不在。70歳、80歳を過ぎても社長の重責を担う方が大勢いることには敬服しますが、そのお年で後継者がいないとなると、ご自分の代を限りに事業に見切りをつけ、廃業する気持ちを固めている人も多いことでしょう。
 帝国データバンクが2013年12月に発表した「中小企業者・小規模企業者の経営実態及び事業承継に関するアンケート調査」では、中規模企業の社長の約6割が「事業を何らかの形で他者に引き継ぎたい」と希望しているものの、小規模事業者(常時雇用する従業員の数が、製造業、建設業、運輸業で20人以下、卸売業、サービス業、小売業で5人以下の中小企業)では、約2割が「自分の代で廃業することもやむを得ない」と考えているそうです。
「自分の代で廃業することもやむを得ない」と回答した人でも、事業承継を検討した人は3割以上います。その中で、「なぜ事業承継が円滑に進まなかったか」は、次の通りです。

 1位 将来の業績低迷が予想され、事業承継に消極的 55.9%
 2位 後継者を探したが、適当な人が見付からなかった 22.5%
 3位 事業承継に関して誰にも相談しなかった 9.9%
 4位 事業承継をする上で、個人保証や個人財産の担保が障害となった 3.6%
 5位 経営課題として事業承継を重視していなかった 2.7%
 6位 業務がひっぱくしており、事業承継に取り組む時間がなかった 1.8%

 これは、なかなかリアルな回答だと思います。
 数字をまとめると、日本にある会社380万社のうち、250万社が後継者不在。社長が60歳以上の会社が約200万社あり、そのうち100万社が後継者不在です。そして、中規模企業の社長の約6割が「事業を何らかの形で他者に引き継ぎたい」と考えています。
 会社の規模で見ると、小規模、零細であるほど後継者不足の傾向は顕著で、売上高10億〜100億円未満の会社で57.5%、売上高1億〜10億円未満の会社で68.5%、売上高1億円未満の会社で78.2%が後継者不在だそうです。
 新たな社長を欲している会社は、少なめに見積もっても100万社くらいあると見てまず間違いないと思います。日本の後継者不足問題は、ここまで深刻なのです。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第4章 より 三戸政和:著 講談社:刊

図1 休廃業 解散企業 代表者の年代別構成比 小さな会社を買いなさい 第4章
図1.休廃業・解散企業 代表者の年代別構成比
(『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第4章 より抜粋)


 経営は順調でも、後継者がいないために廃業の危機にある。

 そんな中小企業が、日本に100万社以上もあるというのは、驚きです。

「個人が会社を買う」ことは、日本経済の根幹を揺るがしかねない、中小企業の事業承継問題の解決の糸口にもなるのですね。

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 中小企業が銀行から融資を受けるためには、社長が連帯保証とならなければならない。
 そして、会社が倒産したら、社長に返済義務がある。

 そう考えている人も多いのではないでしょうか。

 これまでの日本では、たしかにそうでした。
 しかし、今なら、会社は「無担保無保証」で買えるものとなっています。

 三戸さんは、制度の面からも、個人M&Aに追い風が吹いているとおっしゃっています。

 近年、国の要請のもと、日本商工会議所と一般社団法人全国銀行協会によって、「経営者保証に関するガイドライン」が策定され、「法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと」と示されました。
 これにより、新規の融資の際に個人保証をつけない方針が示されるとともに、事業承継時においては、経営者保証が解除されるように指導されることになったのです。そうでなければ親族外への事業承継は進まず、中小企業の倒産が増え続けるからです(諸条件や銀行によっては、まだそこまで徹底されていないという問題も存在はしていますが)。
 つまり、M&A(会社売買)のリスクは、基本的に「株式取得に必要な買収資金のみ」になったのです。
 その買収資金についても、財務状況によっては社長の個人保証なしに法人(会社)が銀行から借りることが可能なため、さらにリスクを限定することができるようになりました。
 また、2016年4月には、中小企業の事業承継を促進するための「経営承継円滑化法」が施行されました。政策金融公庫の融資や保証協会の特例措置などが受けやすくなり、親族以外の事業承継もしやすくなりました。

『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』 第5章 より 三戸政和:著 講談社:刊

 これからの時代、「会社を買う」ことは、荒唐無稽な夢ではありません。
 投資の手段としての、現実的な選択肢のひとつです。

 私たちも、検討してみる価値は、大いにありますね。

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