【書評】『脳からストレスを消す技術』(有田秀穂)

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 お薦めの本の紹介です。
 有田秀穂先生の「脳からストレスを消す技術」です。

 有田秀穂(ありだ・ひでほ)先生は、脳生理学がご専門の医師です。

「ストレス」はコントロールできる!


「日本人は、他の国の人たちより、ストレスを溜めこみやすい」

 よく言われる言葉です。

 日本の社会は、ストレスの多い社会であることは、間違いありません。
 ストレスを溜めこまない方法(技術)を、身につけていない人も多いのでしょう。

「3・11」大震災以降、日本全体を取り巻く環境は、激変しました。
 ストレスのコントロールは、今後、ますます重要になります。

 有田先生は、ストレスに打ち勝つことはできない、ただ、受け流すことは出来ると指摘します。

 ストレスを受けたときに、しっかりと対応できる人と押しつぶされてしまう人がいますが、そのもっとも大きな違いは、「ストレスには勝てない」と気づくこと、たったそれだけなのです。そして、それに気づいた人こそ、ストレスを「受け流す」ことができる人となるのです。
 
 「脳からストレスを消す技術」  第1章より 有田秀穂:著 サンマーク出版:刊

 本当の意味で「ストレスに強い人」というのは、ストレスを打ち負かしていく人ではありません。襲い来るストレスを上手に受け流し、自分にとって適度なストレスにコントロールできる人のことなのです。
 重要なのは、その方法を知っているかどうか、それだけです。
(中略)
 ストレスには「痛み」や「寒さ」といった身体的ストレスと、「つらさ」や「悲しみ」といった精神的ストレスの2種類があります。
(中略)
 私たちがストレスに対してこれまで何もできなかったのは、精神的ストレスを「心のストレス」ととらえてしまったことによって、原因も症状も曖昧なままにしていたからだと思います。
 
 「脳からストレスを消す技術」  第1章より 有田秀穂:著 サンマーク出版:刊

 有田先生は、“身体的ストレス”と“精神的ストレス”では、実際に脳で起こってくる現象が違うと述べています。
 
 精神的ストレスは、人間特有のストレスです。
 それから引き起こされる、うつ病なども、やはり、人間独自の病気です。

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「泣くこと」は、精神的ストレスに対抗する能力


 人間には、精神的ストレスに対抗する能力が与えられています。
 それが、「泣くこと」です。

 では、なぜ人間だけが「情動の涙」を流せるのでしょう。
(中略)
 人間だけが情動の涙を流せるのは、他の動物にはない脳を人間が持っているからです。それは「前頭前野」と呼ばれる脳です。
 前頭前野というのは、脳の中ではとても新しい部分で、人間への変化の過程で生まれた脳です。他にも前頭前野を持つ動物はいるのですが、人間ほど発達した前頭前野を持っている生き物はいません。
 だからこそ、涙を流せるのは人間だけなのです。
(中略)
 私たちは、涙を流した後は気持ちがスッキリとし、精神的にも楽になることを経験的に知っています。
 でも、それがなぜなのかは長い間わかっていませんでした。
 つまり、私たちはこれまで、人間特有のストレスは受け続けながら、人間特有の抗ストレス能力にはまったく気づかずに生きてきたのです。
 
 「脳からストレスを消す技術」 第1章より 有田秀穂:著 サンマーク出版:刊

「セロトニン神経」を活性化させること


 精神的ストレスに対抗するうえで、欠かせないこと。
 それは、「セロトニン神経を活性化させること」です。

 ここでセロトニン神経の働きをまとめておきましょう。セロトニン神経には、全部で五つの機能があります。
   ①クールな覚醒
   ②平常心の維持
   ③交感神経の適度な興奮
   ④痛みの軽減
   ⑤よい姿勢の維持
 
 「脳からストレスを消す技術」 第3章より 有田秀穂:著 サンマーク出版:刊

 セロトニン神経を活性化させるには、「リズム運動」が効果的です。
 1日5分でも十分、とのことです。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 有田先生は、ストレスと上手に向き合っていくためには、何よりもコミュニケーション能力を高めることがもっとも重要である説いておられます。

 触れあいや、互いに面と向かって行われる会話では、共感脳を刺激するノンバーバルコミュニケーションがふんだんに用いられています。人は、そうして共感脳を働かせることで、人を癒しながら自分も癒し、よりよい人間関係を築き上げるのです。そして、そうしたよりよい人間関係が広がっていけば、ストレスに悩むことはなくなり、おのずとよりよい社会がつくられていきます。
 セロトニン神経を鍛えること、そして、共感脳を活性化すること、この二つは、抗ストレス能力であるとともに、人間が、そして社会全体が幸せに生きていくための大切なツールだったということです。
 
 「脳からストレスを消す技術」 第5章より 有田秀穂:著 サンマーク出版:刊

 周りの人と、いつも楽しく過ごしている。
 そんな人が、自殺をしたりすることは、考えにくいですね。

 精神的に孤立している、孤独である。
 それが、一番のストレスの原因になる。

 それは、知っておいた方がいい、事実です。
 今の日本こそ、助け合いや支え合いは、必要です。

 ストレスという現象も、しっかりと理解すれば、怖いものではありません。
 本書は、その理解の手助けになります。
 
 震災を機に、ストレスについての理解が進み、ストレスの少ない社会へ変われば、言うことはありませんね。

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