【書評】『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』(信長)

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お薦めの本の紹介です。
信長さんの『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』です。

信長(のぶなが)さんは、元歌舞伎町ナンバーワンホストであり、作家・出版社代表・出版プロデューサーです。

「4カ月指名ゼロ」から「No1ホスト」へ上り詰めた秘策とは?

信長さんは、ホストになった当初「引っ込み思案で、人付き合いが大の苦手」だったとのこと。
入店から4カ月もの間「指名ゼロ」の日が続きました。

 どうすればお客さまを楽しませ、指名していただけるようになるのか。考えた結果、それには「勉強する」しかありませんでした。
私は、お客さまからいただいた感想を真摯に受け止め、ひとつひとつ、自分なりに解決していくことにしました。
「信長くん、話が長い」と言われれば、翌日の昼間に「話し方」の本を読み漁り、夜にはお店で実践しました。
「ちょっと信長くん、私の話聞いてるの?」と言われれば、翌日の昼間に「聞き方」の本を読み漁り、夜にはお店で実践しました。
「信長くん、女心が全然わかってない」と言われれば、翌日の昼間に「心理学」の本を読み漁り、夜にはお店で実践しました。
加えて、多くの指名を獲得する人気ホストのトークをそばで聞いては、「なぜこのトークが効果的なのか」を検証すべく、翌日の昼間に文献を探しました。

幸いにも私には、毎晩、「実践」と「フィードバック」の機会がありました。
昼に読書をしてインプット、夜に実践。そしてお客さまからフィードバックをいただき、また昼にインプット、夜に実践・・・・・。
このサイクルを回しているうちに、いつの間にか私には、「相手の気持ちを汲(く)みつつ、自分の欲望を叶える(つまり、指名をいただき、お店でお金を使っていただく)」スキルが身についていたようです。デビューから4カ月後には、念願の初指名を獲得。そこから瞬く間に、ナンバーワンホストへの道を駆け上がっていくことになるのでした。

『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第2章 より 信長:著 KADOKAWA:刊

信長さんは、自身が身につけた相手の心も、自分の心も傷つかない「人付き合い」のスキル「メンタルトーク」と名付けました。

本書は、最強のコミュニケーション・メソッド「メンタルトーク」のノウハウを、脳科学的な根拠も交えてわかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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成功している人には「メンタルブロック」がない

テレビでインタビューに答えている政治家や、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で持論を展開している経営者。
彼らを見ていると、「自信満々で、偉そうで、上から目線だな」と感じることが多いです。

ただ、信長さんは、そういう人ほどとにかく、ありとあらゆる欲望を叶えていると指摘します。
その理由は、彼らが周りに対して、臆面もなく「自分と組む明確なメリット」を発信しているからです。

とはいえ、急に「明確なメリット」を提示して「一緒に何かをしよう」と声をかけるのは、意外と難しいものですね。

「本当はこうしたい」という思いがあるのに、「自分には無理だ」「できるはずがない」という意識が強く働いて、行動に移せない。行動を遮るこのような意識を「メンタルブロック」といいます。
多くの人は、「自分と一緒にいるとこんなにもいいことがありますよ!」と周囲にアピールすることを「おこがましい」「恥ずかしい」と考え、躊躇します。メンタルブロックが働くわけですね。
しかし成功している人はほぼ例外なく、「メンタルブロック」がありません。だから臆面もなく相手を誘い、「こうなったらいいな」という願望を叶えています。欲望に対して一直線に進むのです。
たとえ断られたとしても、過度に落ち込みません。「まあ、こんなこともあるさ」と受け止め、次に進みます。必然的にチャレンジの回数も増え、欲望が叶う確率も高まります。いざというときにメンタルプロックを外せるかどうか。これが「欲望を叶えられるかどうか」の分かれ道なのです。

私は24歳のころから13年間、ホストとして生計を立ててきました。
金銭欲、性欲、出世欲、名誉欲・・・・・ありとあらゆる欲望にまみれた世界を毎日見続けてきた中で、気づいたことがあります。
メンタルブロックがなく、いろいろな欲望を叶えしている人は、「自己肯定感」がとても高いということです。
自己肯定感とは、「ありのままの自分を『価値ある存在』として認められる感覚」です。「『自分はOK』と思えるかどうか」と言い換えてもよいでしょう。
27ページの表(下の図1を参照)に示すように、自己肯定感の高い人は、「自分はOK、他人もOK」か「自分はOK、他人はNG」、どちらかの感覚を抱いて世の中を生きています。「自分はOK、他人はOK」というスタンスの人はおおらかで、「自分はOK、他人はNG」というスタンスの人は偉そうになる傾向にあります。
一方、自己肯定感の低い人は、「自分はNG、他人はOK」または「自分も他人もNG」ととらえます。
自己肯定感の差が「人を誘う」という行動においてどのような違いをもたらすかは、ご想像の通りです。
自己肯定感の高い人は、「自分」を価値のある存在ととらえていますから、「誰かに声をかけてもOK」と考え、堂々と誘います。しかし自己肯定感の低い人は、ありのままの「自分」を認められていません。だから「誰かに声をかけるなんてNG」と考え、誘うのを躊躇してしまうのです。
まずは、ありのままの自分を認め、「自分はOK」と考えてみましょう。それが「メンタルトーク」を使いこなすための第一歩です。
「そんなの難しい」と考えるのであれば、せめて、この本を読んで学んでいる自分を認めてあげましょう。
よりよい人生にしようと自分を磨くあなたは素晴らしい。それだけで「OK」です。

『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第1章 より 信長:著 KADOKAWA:刊

図1 自己肯定感 のマトリックス 1分間で相手の心を開かせるメンタルトーク 第1章

図1.「自己肯定感」のマトリックス
(『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第1章 より抜粋)

「自分はOK」

そう思えれば、周囲の視線をそんなに気にすることはありません。
他人から拒否されたとしても、それほど落ち込むことはないでしょう。

何はさておき「自己肯定感を高める」こと。
自分の望む人生を歩むためには、必要不可欠な要素ですね。

メタ認知で「傷つかない自分」をつくる!

信長さんは、メンタルトークを磨き上げるにあたり、何より重視したのは「自分が傷つかず」の部分だったといいます。

ホストという職業上、「自分がいかに傷つかずにすむか」が大切だったからです。

 なるべく傷つかずにすむためには、どうすればよいのか。さまざまな本を読んでいる中で発見したのが、「メタ認知」を利用する方法です。

メタ認知とは、「自分」という存在を俯瞰(ふかん)して見る「もうひとりの自分」をつくることです。
ロールプレイングゲームで考えてみましょう。
ゲームを始めてすぐ、主人公に名前をつけることになります。ここでは便宜的に、自分の名前をつけることにしましょう。私の場合は「のぶなが」です。
ほどなくして「のぶなが」は、冒険の旅に出ます。旅の途中ではさまざまなモンスターが登場し、「のぶなが」に戦いを仕掛けます。
戦いの中で、「のぶなが」は敵の攻撃を食らい、ダメージを受けます。しかしゲームをしている私・現実の信長はダメージを受けません。どうすれは「のぶなが」が窮地を脱し、戦いを逆転できるかに思いを巡らせます。

メタ認知も、これに近い考え方です。
「誰かに話しかける自分」とともに、「その自分を俯瞰してみる、もうひとりの自分」をつくる。そして仮に相手に拒絶されたとしても、それは「自分」そのものが否定されたのではなく、「そのときの自分の話し方」が悪かったのだと考えるのです。
すると、「自分の人間性が否定された」と絶望することなく、「行動をどう改善すれば相手に受け入れてもらえるのだろう」と、前向きに修正策を練ることができるようになります。

「自分」を俯瞰して見る「もうひとりの自分」という視点を持つと、あらゆる批判や助言を前向きにとらえることができるようになります。加えて、思い切った行動もとれるようになります。
ホストクラブに入りたてのころの私は、無駄にプライドが高く、お客様を盛り上げるためにバカを演じることができませんでした。
しかし「メタ認知」の考え方を取り入れることで、「バカを演じる信長」と「それを俯瞰して見るもうひとりの信長」、2つの視点を持てるようになりました。
「バカを演じる」のは、ロールプレイングゲーム風に言えば、「バカを演じる」という魔法が有効な状況で、その魔法を使うようなもの。そう考えると、お客様のために一時的にハメを外すことにも抵抗がなくなったのです。
確かに、人生はゲームではありません。ただ「ゲームのように考える」ことで心が軽くなり、「自分」が守られるのもまた、心理学的に正しいことなのです。

『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第2章 より 信長:著 KADOKAWA:刊

演じているのは、あくまでキャラクターである「のぶなが」です。
信長本人は、それを後ろで操っているにすぎません。

失敗しても、攻撃を食らっても、自分自身はダメージを受けない。
しかもキャラクターの人格として、思う存分に動き回ることができる。

「自分を俯瞰してみる、もうひとりの自分」をつくる。
「メタ認知」の考え方は、身につけて損はないですね。

相手に「チューン」する

東京通信工業(現在のソニー)の創業者のひとりである盛田昭夫さん。
盛田さんは、人心掌握術に優れた、いわゆる「人たらし」だったそうです。

仕事相手の誰もが、盛田さんに「もう一度会いたい」と思う秘密。
信長さんは、それは「相手に『チューン』する話術」にあると指摘します。

「相手に『チューン』する」とは、ラジオで聴きたい局の周波数にチューニングするように、相手との波長を合わせるように気を配ることをいいます。
ラジオのチューニングのように繊細に自分に合わせてくれているのですから、相手はさぞ気分よく話せたことでしょう。その心地よさこそが、「あいつには、もう一度会いたいと思わせる何かがあるんだよなぁ」と言わしめる、その「何か」の正体だったのです。

私は彼の逸話を知り、試行錯誤を繰り返して、自分なりに「相手に『チューン』するとは、こういうことかな」と見つけた話術があります。
相手との「テンション」を合わせることです。
難しいことはありません。陽気な相手には陽気に接し、慎重な相手には慎重に接する。基本的にはただそれだけです。
数千人のホストを見てきてわかった、お客さま
「つまらない」と思わせてしまういちばんの原因。それは「テンションが合わない」ことです。
数人のグループでホストクラブを訪れ、明らかに盛り上がりたいお客さまを相手に、地球の環境問題をまじめに語っても、場は盛り下がる一方でしょう。
一方、彼氏と喧嘩して暗い気持ちになっているお客さまに「ドラゴンボールの話をしようぜ!」と話を振っても、やはりうまくはいかないでしょう。
事例が少々、極端すぎたかもしれません。しかし「テンション」が合わないことで話の内容もかみ合わなくなり、結果としてお客さまが「つまらないな」と感じる時間が流れる。そんなケースは枚挙に遑(いとま)がないのです。

「テンション」を合わせる。これは「相手が気にしていることを共有する」ことでもあります。
自動車を売る営業マンで考えてみましょう。新車を買うには、「値段」「大きさ」「燃費」「デザイン」「安全性」など、さまざまな検討事項があります。
二流の営業マンほど、売ろうとする車の素晴らしさをすべて、満遍なく伝えようとします。
メリットを伝えるのは確かに大切です。しかし、お客さまがとくに気にしていない事項のメリットまで長々と伝えては、もはや単なる「自慢話」です。お客さまは途中で嫌気が差し、成約には至らないでしょう。
一流の営業マンは、売ろうとする車の素晴らしさをサラッと簡単に伝えながら、お客さまの反応を見ています。そして「安全性の話をしたときに食いついたな」と察知し、その後はお客さまが最も興味を持っている「安全性」に絞って、ピンポイントにプレゼンテーションします。
意識を「自分が話すこと」ではなく、「相手は何を気にしているのか」に向けているのです。
相手に「チューン」する。細かな話術はなくとも、相手と「テンション」を合わせるだけで、仕事はうまく回り始めます。

『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第3章 より 信長:著 KADOKAWA:刊

ある人にウケた話題が、他の人にもウケるとは限りません。
相手が何を望んでいるのか、興味の中心は何なのか。
それを知らないことには、トークが弾むことはないでしょう。

相手との「テンション」を合わせる。
会話の際には、まずはその部分を意識したいですね。

「軽さ」と「まじめさ」を両立させる

メンタルトークは、恋愛におけるコミュニケーションにも威力を発揮します。

たとえば、まじめで誠実な男性はとくに、初対面の女性に対してその「まじめさ」「誠実さ」をアピールしようとします。

しかし相手の女性はそのアピールを「堅苦しい」「重い」「つまらない」ととらえます。

信長さんは、ここでミスマッチが生じ、うまく恋愛に発展しないことが多いと指摘します。

 恋愛は「まじめな人」が勝つわけではありません。ありていにいえば「この人といると、自分の心や生活に何らかのプラスがある」と思わせた人が最終的には勝ちます。
もちろん「まじめであること」「誠実であること」そのものは素晴らしく、美徳です。しかし「まじめさ」や「誠実さ」は初対面でいきなりアピールするものではなく、自然とにじみ出るもの。初対面ではむしろ「軽い」「チャラい」くらいのテンションで話しかけ、「自分といるとこんなに楽しいんだ」とアピールしてみましょう。

「軽い・チャラいくらいのテンション」とは、具体的には次のような言動をいいます。

  • いつもよりちょっと高めの声で話しかける
  • いつもよりちょっと早口です話す
  • 必要以上のオーバーリアクション
舞台に登場する芸人をイメージするとわかりやすいでしょうか。
芸人も、お客さまを笑わせるためにとことんバカを演じます。同じように初対面では、軽く、チャラく、相手を楽しませることに重きを置いてみましょう。

ただ、「初対面では軽く、チャラく」「人間性は自然とにじみ出る」とはいえ、受け取る側の女性によっては「根っからのチャラい人」と思われかねないおそれも、あるにはあります。
そこで目指すべきは「軽さ」と「まじめさ」の両立です。

出会いの場では、男性は両極端に分かれます。
ナンパ目的の人はとことん軽く、真剣な交際目的の人とことんまじめ。この両極端です。
理想は、この中間にあります。初対面では軽く話しかけ、だんだんとまじめさや誠実さがにじみ出てくる。そのような「理想」を叶えるには、どうすればよいのでしょうか。
答えは、「話すトーンは軽いままに、話の内容をまじめなものにする」です。
私はホストクラブに来ていただいた初対面の女性と話すとき、自分のまじめさを示すエピソードをエピソードをいくつか用意して、会話に盛り込むようにしていました。
たとえば、

・読書が好きで、週に2冊は必ず本を読んでいる

・ホストでありながら、著者である。著書を100万部売りたい

・ホストを10年以上続けてきた。チャラい仕事に思われがちだけど、勉強になる部分も多く、得るものも大きい

などです。

軽い語り口の中にこのような「まじめさ」の種を植え付け、いつか相手の心のなかで大きな実をつけるのを待ってみましょう。
話のトーンが軽い分、話を聞いた瞬間の相手の反応もまた軽いかもしれません。しかしまじめの内容の話は、相手の心に残ります。そしてひとりになったとき、相手は「一緒にいると楽しいだけじゃなく、まじめで誠実な人でもあるんだな」とあなたのことを思い返すのです。ある意味、最強のイメージをまとうことができるといえるでしょう。

「軽さ」と「まじめさ」は車の両輪。どちらにも偏らず、バランスをとり続けることが大切です。

『1分で相手の「心」を開かせる メンタルトーク』 第4章 より 信長:著 KADOKAWA:刊

人間、単純なもの、わかりやすいものには、なかなか興味が惹かれません。

思っていたのと違う部分、意外な一面を持っているものについては、なぜか気になり、目を逸らすことができなくなるものです。

相反する性格を共有しているというのは、そのギャップが異性にとっても魅力に映ります。
“引き出しの多さ”が、人間的な深みにつながるといえますね。

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浮き沈みの激しいホストの世界で、長年にわたってトップクラスの実績を残している信長さん。
もちろん、もって生まれた才能もありますが、それだけでNo1ホストに上り詰めたわけではありません。

心理学をはじめとしたコミュニケーションのハウツーを学び、実践していくことで、その道を究めることができたのですね。

理解するのは簡単だけれど、実践するのは難しい。
それが人と人との関係です。

一流の“人たらし”である信長さんのテクニックの粋を集めた本書。
ぜひ、皆さんも「気になるあの人」に使ってみてはいかがでしょうか。
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