本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『2030年の宇宙エネルギー予報』(海部舞)

お薦めの本の紹介です。
海部舞さんの『2030年の宇宙エネルギー予報』です。

星が告げる「風の時代」の幸せな生き方 2030年の宇宙エネルギー予報

海部舞(かいべ・まい)さんは、ベトナム生まれの占星術師です。

新型コロナウイルスと「風の時代」

新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、世の中が大きく揺れ動いたのが2020年でした。

実は、この2020年は占星術的には時代の切り替わり、転換点でした。
ただ、この変化の流れは、ここで終わるわけではありません。

海部さんは、ここから2030年までが時代の大変革期、つまり、新時代への移行はまだこれからだと指摘します。

 本書を手に取ってくださった方の中には、「風の時代」という言葉を聞いたことのある方もいるでしょう。これは西洋占星術の概念ですが、想像以上にこの言葉が広がり、Twitterでもトレンド入りし、様々な方が「風の時代」をテーマに発信している様子を見てきました。ただし、そういうった中で正確な占星術的知識をもとに語っている人はほととんどいないように思えました。
風の時代は、いろいろなものが横展開していく時代です。情報、交通といった、人と人を繋ぐ力をあらわすのが風のエレメントです。つまり、知性、情報通信、自由な移動、人との広い繋がりなどが風の時代のキーワードで、従来の物質主義的な「地の時代」の生き方とは大きく異なっていきます。こうした、風の時代についての説明を聞いて、「え?それって今に始まったことではないのでは?」と、当然多くの方が気付くのではないでしょうか。
それもそのはず、風の時代は既に40年前からスタートしているのですから・・・・・!驚くのは、西洋占星術の本として「風の時代」をテーマに発信しているものでも、既に風の時代が始まっていたことを伝える人を伝える人がほとんどいないことです。風の時代の移行の前触れだとか、時代を先読みした・・・・・などという方もいますが、風の時代を象徴するインターネットなどの情報通信に関わる企業であるアメリカのGAFAMが世界の覇権を握っているといっても過言ではないこの状況は、「前触れ」でも「先読み」でもないのは当然だと思いませんか。
どう考えても、情報通信社会は既に始まっています。誰もがスマホやパソコンを持ち、今やインターネット抜きの社会は考えられません。日本にいながら世界中の食べ物を口にすることができ、飛行機に乗れば世界を一周することができるーーこれは紛れもなく、風の時代の象徴です。
では、「2020年末から風の時代に切り替わった!」と言っている人たちは嘘をついているのか、それとも無知なのか?いいえ。実はこれもまた本当のことなのです。
厳密にいえば、1981年から2020年末までは地の時代から風の時代への過渡期。そして、2020年末からは“本格的な”風の時代のスタートなのです!
意味がよくわからない方もいるかと思いますが、この詳細については、本書にて詳しくまとめています。

わたしは、月や太陽、他の星々のサイクルに合わせて星を読み、時代の空気や流れ、それに伴うわたしたちへの影響についての発信を続けてきました。『星使いの時刻表』という名の、1年分の星の流れを読む本の執筆も6年目となり、ブログでの発信も含めて喜ばれています。星の流れを知ると、自分の迷いや悩みの意味がわかり気持ちが落ち着く人、やりたいことに背中を押してもらえると感じる人などがいます。
星の流れは集合意識を読むことです。地球全体の一人ひとりの人間、あらゆる出来事や社会現象、ひいては災害などの自然現象にまで、すべてに必ず影響します。星の配置から世相を読み解くことは、天気の解析に似ています。天気予報はその日の天気として確実に結果が出て、体験することができますが、星のエネルギーはより微細な領域に影響することが多く、気付きにくいのです。しかし、本人が意識しなくても必ず心臓が鼓動を打つように、わたしたちの日々の意識や出来事に確実に影響しています。
同じエリアに住めば皆同じような天候の中で過ごします。けれども一人ひとりがその日をどう過ごすかは異なります。雨の日でも外出を楽しむ人もいるかもしれません。仕事に打ち込む人、本を読む人もいるでしょう。天気予報を知っているとその日の過ごし方のヒントになります。星の情報もそのように生かして欲しいのです。時代の流れや自分自身への影響を知ることで、自分がどのように毎日を過ごし、どう生きていくかを決める参考になります。
意識するかどうかに関わらず、時代の流れや物事の好機というのはあり、わたしたちはそれに抗うことはできません。占星術は星の配置からそういったものを読み解く「術(すべ)」です。一つのテクニックでありツールなのです。
パンデミックで世の中が大きく変わり、どう生きていくくのがいいか、今後の世界はどう変化していくのかを少しでも知りたい方が増えました。この『2030年の宇宙エネルギー予報』が、そのような多くの方のお役に立てると幸いです。

『2030年の宇宙エネルギー予報』 プロローグ より 海部舞:著 KADOKAWA:刊

2020年から10年間は、地の時代から風の時代へという、数百年に1度の大転換期。

本書は、その中で世界はどう変化していき、私たちはどう生きていけばいいかを占星術的な観点からわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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2020年が占星学的に特別だった理由

海部さんは、2020年は社会が劇的に変化する年であることは、占星術ができる人なら誰の目にも明白だったと述べています。

では、その根拠はどこにあるのでしょうか。

 1781年にドイツのウィリアム・ハーシェルが天王星を発見するまで、占星術では月、太陽、水性、金星、木星、土星という、目で観察することのできる7つのみを扱っていました。木星は宇宙の最高神ゼウスの星であり、土星はゼウスの父でありときの神であるクロノスの星とされ、これら2つの王の星が重なることは占星術的には最重大イベントでした。
土星の公転周期は29.5年で、木星は12年ですが、その周期比はおよそ5対2になり、20年に一度、地球から重なって見えます。地球から見て木星と土星が重なった地点を線で結ぶと大きな三角形が天空に浮かび上がります。更に、木星と土星が向かい合った位置も線で結ぶと、図のような六芒星になるのです。このように、星々の移動周期には多くの黄金比が隠れています(下の図1を参照)。
この、20年に一度の木星と土星の会合は、占星術上最も大きな時代の転換点をあらわし、「グレートコンジャンクション」と呼ばれています。
土星と木星は、20年ごとに重なりながら、天空に大三角を描くように会合を続けます。少しずつずれながら、およそ200〜240年にわたって同じエレメントの星座内で重なり続けるため、この周期が文明的な変化に関わるとされてきました。
占星術では太陽の見かけ上の軌道である黄道を30度ずつ12に分割し、それぞれ黄道沿いの星座の名前をあてがい、12のサイン(星座)を設定しています。これが一般にいわれる12星座です。空の星座と同じ名前ですが、実際は黄道を12の空間に分けた天空の部屋のようなものです。
この12のサインは火、地、風、水の4つのエレメント(元素)に分類されます。この源流はアリストテレスなどによる古代ギリシャの自然哲学や宇宙論の中で、この世界は4つの元素から成り立っているとされたことによります。なお、「地」のエレメントに関しては「土」と称することもありますが、本書では「地」で統一します。
次ページの図のように、星座のスタートである牡羊座は火、次の牡牛座は地、双子座は風、蟹座は水、獅子座は火、といった順番で12サインをめぐり、各エレメントにはそれぞれ3つのサインがあてがわれています。
そして、これら12サインの中の同一エレメントのものをホロスコープ上で結ぶと三角形になるのがわかるでしょうか(下の図2を参照)。
ここで話を先ほどの木星と土星の会合に戻します。木星と土星は20年に1度、天空に三角形を描くようなかたちで会合します。つまり、同じエレメントの星座で繰り返し会合を続けるのです。たいてい、同一のエレメントの星座で10〜11回程度重なりながら少しずつずれていき、200年から240年かけて次のエレメントの星座に移動します。

このように、木星と土星は20年に1度重なり、これをグレートコンジャンクションと呼びますが、時代の転換点でたびたびグレートコンジャンクションが起きています。
有名な話では、イエス・キリストが生まれた時、東方の三賢者たちが救い主の王の誕生をあらわすとした星の配置もこのグレートコンジャンクションだったのではないかとわれています。少し専門的な話になりますが、春分点(赤道と黄道の交点)が空の魚座(12サインではなく、恒星を繋いだ星座としての魚座)の位置に移ってすぐの魚座(12サインの魚座)でのグレートコンジャンクションだったから特別だったのではないかと恒星の占星術家は考えたようです。クリスマスツリーの上にあるベツレヘムの星は、木星と土星が重なったものかもしれません。
とはいえ、星の配置だけではなく、ユダヤにはかつて預言者がいて、預言書に救い主の王の誕生について書かれていたことも重要でした。旧約聖書によると、当時のヘロデ王は救い主の王の誕生におびえ、2歳以下の子どもを皆殺しにしました。権力者にとって星に示されていることがいかに重要視されていたかがわかる話だと思います。
他にも時代の転換点とグレートコンジャクションの相関関係は多数ありますが、これに関しては次の章で詳しく記載します。
さて、このような中でも、2020年末の天体ショーは本当に特別なものでした。わたしはこのころ、天体望遠鏡とカメラの望遠レンズを駆使して、南信州の家のベランダから毎晩、西の空で木星と土星が近づいていく様子を見ていました。生きているうちに、この天体ショーを見ることができてなんて幸せなのだろうと、興奮したものです。
それではいったいどのように特別だったのでしょうか。

●400年ぶりの近さで接近した

木星と土星が会合したといっても、軌道のずれによって高低差があり、肉眼では少し離れて見えることが普通です。
しかし、今回のグレートコンジャンクションは、木星と土星が肉眼でもかなり接近して重なり、まるで一つの大きな星のようになりました(下の図3を参照)。
これだけ接近したのは400年ぶりだったとのことです。2020年12月21日の晩から22日の朝にかけて、たくさんの衛星を引き連れた木星が土星に大接近して追い抜いていったのです。

●冬至に起きた

クリスマスは、古代ローマで信仰されてきたミトラ教(太陽信仰)で太陽の誕生を祝っていた冬至祭が起源だったとされ、イエス・キリストが12月25日に生まれたわけではないようです。
もし、イエス・キリストの誕生を告げた星が2000年以上前に魚座でのグレートコンジャンクションだったのだとしたら、イエスが生まれたのは5月だった、という説があります。西暦0年前後に木星と土星が魚座で重なった日付を調べると、紀元前6年の5月27日と9月29日、12月4日の3回でした。土星や木星は地球から毎年5ヶ月前後見かけ上の逆行をするため、グレートコンジャンクションが3度に分けて起こることがあります。イエス・キリストの誕生日は謎ですが、12月4日なら今のクリスマスに近いですね。
いずれにしても、今回のグレートコンジャンクションは正真正銘冬至に起こりました。太陽が冬至点にあったまさにそのころ、木星と土星が重なったのです。
冬至点は大事な天空上のポイントです。
その理由の一つは、冬至の太陽の位置が天の川銀河の中心部にあることです。天の川銀河の中心には射手座Aというブラックホールがあります。天の川は夏によく見えますが、冬至に太陽が天の川銀河の中心部を通過していても、太陽の光に消されて見えません。天の川銀河の中心部のエネルギーを太陽が受け取るのが冬至です。
もう一つの理由に、冬至点というのは、太陽が山羊座に入った地点(黄経270度)であり、陽が最も短くなる時で、地球のエネルギーが陰から陽に切り替わるタイミングとされます。
ミトラ教が冬至を太陽の再誕生といったのも、銀河の中心エリアを通過し、ここから陽が伸びていく特別なタイミングだったからでしょう。
木星と土星は、どちらもギリシャ神話では王の星です(クロノスとゼウスの壮大な親子喧嘩のギリシャ神話は有名ですね)。イエス・キリストが新しい時代の救い主とされたように、古き時代の王を象徴する土星と新しき王の木星が入れ替わる、そのタイミングが、太陽神の誕生とも重なったのが今回のグレートコンジャンクションだったのです。
幾重にも「王の交代」をあらわすような天体ショーでした。

『2030年の宇宙エネルギー予報』 第1章 より 海部舞:著 KADOKAWA:刊

図1 土星と木星の合衝 2030年の宇宙エネルギー予報 第1章
図1.土星と木星の合衝
(『2030年の宇宙エネルギー予報』 第1章 より抜粋)

図2 12のサイン 星座 と4つのエレメント 元素 の関係 2030年の宇宙エネルギー予報 第1章
図2.12のサイン(星座)と4つのエレメント(元素)の関係
(『2030年の宇宙エネルギー予報』 第1章 より抜粋)

図3 木星と土星の最接近 2030年の宇宙エネルギー予報 第1章
図3.木星と土星の最接近
(『2030年の宇宙エネルギー予報』 第1章 より抜粋)

2020年のグレートコンジャンクションは、約200年に及ぶ「地の時代」から「風の時代」への移行を示すものでした。
それだけでもかなり稀な現象ですが、他にも様々な「特別」が重なっています。

私たちは、そんな数千年に一度の時代の転換期を生きているのですね。

「風の時代」とは、どんな時代か?

まさに始まったばかりの「風の時代」。
今後約200年続くこの時代は、どのような特徴があるのでしょうか。

海部さんは、過去の「風の時代」を遡って以下のように説明しています。

 ●BC400年ころ〜

かなり古い時代なので詳細には語れませんが、2400年前の風の時代は紀元前400〜200年ころに相当します。
このころ特徴的なのは、学問や哲学、宗教の興隆です。風の時代の前の紀元前550年ごろ、インドで釈迦が、中国では孔子がほぼ時を同じくして誕生しています。彼らの教えは死後まとめられ、仏教や儒教として広まっていきました。これらが広まった時代と風の時代が一致します。
西洋ではマケドニアのアレクサンドロス大王が、プトレマイオス朝エジプトのアレキサンドリアに学問都市を作り、地中海世界全土の知識を集結させました。アレクサンドロス大王の家庭教師だったとされるアリストテレスとは万学の祖といわれ、多くの知の巨人がそこで学びました。そうして、中世まで続く思想体系がここで形作られていきました。
仏教、儒教、自然科学や哲学など、今現在にまで受け継がれている思想体系が広がったという点がこのころの大きな特徴だといえます。

●333年ころ(432年ころまでは過渡期)〜

今の2つ前の風の時代は、333年ごろからのおよそ240年続きました。ただし、333年から432年までのおよそ100年は、その前の地のエレメントと風のエレメントを行ったり来たりしながらグレートコンジャンクションが起こっており、地から風への過去期が特別に長くなりました。
日本では大和朝廷が日本国内をほぼ統一した古墳時代と一致します。世界最大の古墳である仁徳天皇陵(大仙陵)は5世紀前期から中期に作られ、ちょうどこの時代と一致します。また、このころの日本は朝鮮半島との交流があったことが知られ、漢字や論語、仏教などが伝来しています。今に続く文字や思想が伝来した点については風の時代らしい特徴だと思いますが、この時代についての記録などは残っておらず、他の特徴を明確に示すことは難しい状況です。
ヨーロッパでは、ゲルマン民族などの大移動が起きた時期にあたります。この大移動は、東方民族のフン族による略奪や虐殺をきっかけに始まり、逃げ延びるために東ローマ帝国の領内に殺到し、ブルグント族が今のフランス北部に、ランゴバルド族がイタリアに、アングロ・サクソン人とジュート人がブリタニアに、アレマン人が東西ドイツに、といった形で、現在のドイツやイギリス、フランスなどの国家の根幹を築くきっかけとなりました。民族の移動はこの後の水の時代にあたる700年ごろまで続き、この民族移動の終了後に中世が始まったとされます。

●1186年〜

現代の一つ前の風の時代は1186年からで、見事に鎌倉時代のスタートから室町時代の前半と一致します。鎌倉時代については歴史的な記録も多くありますし、同じ風の時代でも、地から風への過渡期がどれくらい続いたか、どの星座でスタートしたかなど、それぞれに特色があるのですが、この時代の星の流れは現代とそっくりです。鎌倉、室町時代については、この前の風の時代よりも多くの検証してきます。
かつては「いいくに(1192)つくろう鎌倉幕府」で覚えましたが、今は平家が壇ノ浦で滅びたのちの1185年からが鎌倉時代なのだそうですね。「いいはこ(1185)」だと、風の星座である天秤座でグレートコンジャンクションが起こり、切り替わった1186年の1年前だったことになります。
本書出版時の大河ドラマはちょうど、鎌倉時代がスタートする前後が題材となるようです。初めての武家政権が誕生し、封建社会に切り替わったことが鎌倉時代の大きな特徴ですが、権力が天皇や貴族から移ったことで、民衆の間にも学問や宗教、思想が広がりました。
このころ、法然、親鸞、一遍、日蓮などが作った新興仏教は現代続く日本独自の宗教としての改革のみならず、庶民の生活に大変革を起こすことになりました。これまでの仏教は貴族と繋がり、強大な権力を持ち、高度な学問として読み書きができなければ学ぶことができませんでしたが、「南無阿弥陀仏」と唱えればいいよ、座禅を組めばいいよ、などといったわかりやすいものとなり、「万民の救済」を目的とした教えとなりました。そうして、これまでなかった葬儀や埋葬の文化が生まれ、各地に寺が置かれ、インフラができ上がり、民衆に根付いていきました。現代では考えられないことですが、鎌倉時代以前の日本の庶民には、葬儀も遺体の埋葬の文化もなく、遺体が川べりなどに遺棄されていました。
また、鎌倉・室町時代は疫病、地震、大風雨、2度の元寇など、国難が非常に多い時代でした。新興仏教が広まった背景には神仏による救済を願う庶民の想いに応える必要性があったからでした。その裏付けとして、鎌倉時代の148年間には50回もの改元がありました。これは平均すると3年に1度の改元であり、そのうち災異改元は30回で、11回が地震による改元でした。なお、初めて元号が制定された645年の大化以降1375年の歴史の中で、地震に関わる改元は28回とのことで、鎌倉時代の災異改元がいかに多かったかがわかります。

文学では、『方丈記』『平家物語』『徒然草』『新古今和歌集』『小倉百人一首』といった、今に伝わる物語や歌集編纂されたのもこのころです。

また、「徒然なるままに日暮し・・・・・」と始まる『徒然草』も素晴らしい随筆ですが、兼好法師のような生き方は、今でいうノマドライフでしょうか。当時は土地を持ち耕す農民以外には定まった家が無いのが普通でした。江戸時代に入り、身分に分けて武士は屋敷に、商人は町屋に、と住処が定められる以前は、田畑を耕す農民以外は、住居が明確に定まっていない人も多かったのです。
『方丈記』をあらわした鴨長明は、現代と同じ、800年前の地の時代の終わりである平安時代末期から風の時代の始まりにあたる鎌倉時代初期を生きた人です。「ゆく川のながれは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と住処と、またかくの如し」という出だしは有名ですが、数々の飢餓や天災を目にし、家がもろくも倒壊するさまを見てきた鴨長明は、「美しい立派な都で、並んで競い合っていた貴賤の住居は、いつまでもなくなはしないもののようでありながら、どうだろう、とあちらこちらを回ってみれば、昔からある家がそのままということは稀だ」と続けています。そうして更に、大火災、竜巻、数年にわたる飢饉、大地震など記憶について生々しい描写が続きます。鴨長明は質素な暮らしを始めていき、住処を移動するたびに住まいがどんどん狭くなり、最後には1丈、およそ3メートル四方の家に住み、その家で『方丈記』をあらわしました。
(中略)
この暮らしぶりは現代のミニマリストに共通しているのではないでしょうか。
このように、800年も残る素晴らしいエッセイストが多く生まれた時代であり、その人々の暮らしがこれからの風の時代を象徴しているように思います。特に「住まい」というのは、地の時代の象徴とも思えるものですので、これからの風の時代もわたしたちの住まい方に大きな変化があらわれることでしょう。
更に鎌倉時代の文学の特徴としては、それが庶民にも広まったことでしょう。『新古今和歌集』や『小倉百人一首』を編纂した藤原定家は、800年前の地の時代から風の時代への移行期にあたる平安時代末期から鎌倉時代初期の公家であり歌人です。これらは後の世まで愛される歌集となり、かるたとして用いられるなどして大衆に広まり、読み継がれていきました。
また、鎌倉時代は博多が貿易都市として栄え、宋や明との貿易で貨幣が多く流通していました。幕府は貿易で富を得て、室町時代には金閣寺のような煌びやかな仏閣を建立できるほどでした。

こうして見ていくと、800年前の風の時代がこれからの時代の生き方をいかに象徴しているかがわかります。
鎌倉・室町時代をヒントに、これからの200年を予測し、まとめていくとこんな感じでしょうか。
・数々の災害をきっかけに個人や社会がパラダイムシフトを起こす
・新たな思想体系が社会や国民生活を刷新する
・これまでの権力構造が崩壊し、庶民や商人が力を得る
・ノマドワーカー、ミニマリスト、多拠点生活へ
・個人の発信が後世にまで影響を残すほどの力を持ち、広まる

世界に目を向けると、800年前の風の時代には、アジア・ヨーロッパ間の交易が盛んになり、ペストが大流行しました。ペストは風の時代全般と一致する13世紀初頭から、およそ200年にわたって世界中で流行を繰り返してきましたが、その発端は13世紀初頭のモンゴル軍の侵入だったとされます。
その中でも特に多数の死者を出したのは、14世紀半ばに「黒死病」という名でヨーロッパを襲った時です。このころのヨーロッパは農業の生産性が上がり、人口も増えて豊かになりつつありましたが、致死率が60〜80%の黒死病により、たった4〜5年の間に人口の3分の1から3分の2が亡くなりました。
その原因も治療法も全くわからないまま、町で毎日数百人も亡くなっていく中にあって、恐怖にかられた人々の中でデマが横行し、狂信的なカルト集団が発生し、暴徒が各地にあらわれました。疫病の原因となる毒をユダヤ人たちが井戸に投げ込んだのだというデマを信じた人々が、ヨーロッパ各地でユダヤ人の殺害を繰り返し、2000人ものユダヤ人が一気に焼き殺された町もありました。
このころの日本も疫病や自然災害が多く、2度のモンゴル軍の襲撃(元寇)により、鎌倉幕府が衰退していきました
風の時代は日本でも世界でも人やものが多く交わるためパンデミックが起こりやすいでしょうし、情報が広がりやすいためにデマや新興宗教のようなものはどうしても拡散しやすいと考えられます。
今回の新型コロナのパンデミックでも、ネット上などで多くのデマや陰謀論が飛び交いました。
ただ、今回の新型コロナがこれまでの疫病と違うのは、私たち人類の科学技術が発達し、感染の原因となるウイルスがすぐに判明し、ワクチンや治療薬などの開発が進んでいることです。そのことから、ここからの新しい風の時代は、黒死病のような悲劇は起こらないと考えていいでしょう。
なお、日本の奈良時代に朝鮮半島からやってきたとされる天然痘が大流行し、藤原家4子をはじめとする多くの人が亡くなった時期と、コロンブスの新大陸発見以降、南アメリカ大陸で天然痘が猛威を振るい、インカ帝国やアステカを滅ぼす要因になった時期は、800年のずれがありますが、どちらも水の時代でした。天然痘は水膨れが体内にできるというところから、水の時代に流行りやすいのかもしれません。
いずれにせよ、文明が衝突や交流をすれば疫病も流行する、という意味で、風の時代に流行しやすい側面はありますが、必ずしも風の時代だけではなく、人類の歴史において疫病は常に脅威でした。
他の自然災害に関しては、風の時代との相関関係は感じられません。ただ、時代の転換点で地震等の災害が起こりやすいことははっきりしています。例えば、阪神淡路大震災や東日本大震災は、動きの遅い天体が星座を移動する前後で起こっています。風の時代に関わらず、日本で生きている限り災害への備えは必要でしょう。

『2030年の宇宙エネルギー予報』 第2章 より 海部舞:著 KADOKAWA:刊

新型コロナウイルスの流行と、それに伴うリモートワークの普及。
さらにはSNSの普及による、個人の発信力の高まり。

これらは、まさに「風の時代」を象徴する現象といえます。

とはいえ「風の時代」は、まだまだ始まったばかり。

私たちの常識を覆すような価値観や思想。
これまでの生活を一新する革新的な技術や新発見。
さらには未曾有の疫病や自然災害。

この先、私たちに何が待っているのでしょうか。
楽しみでもあり、恐ろしくもありますね。

風の時代の技術革命、「4つの特徴」とは?

風の時代は、人々が、何かを所有すること、何かに所属することに価値を感じなくなり、社会のピラミッド構造が崩れ、ますます横に人やモノが広がっていく時代です。

2020年のコンジャンクションは「水瓶座」で起こりました。

水瓶座は、個人の自由や多様性を尊重すると同時に他者の自由や多様性も尊重し、視野が広く、博愛主義的なところがあるのが特徴です。

また、新技術を象徴するのも水瓶座で、これまで以上に新しい技術が急速に広がっていきます。

海部さんは、今後ますます普及していく新しいテクノロジーには以下のような4つの特徴があると解説します。

 1 古いものを一掃し、破壊する

石油に代わって石炭業が廃れたり、デジタル化によって写真の現像屋さんが消えたり、革新的な技術は旧システムや業界自体を消すほどのインパクトがあります。今後は更に脱炭素の時代になり、オイルメジャーが抜本的な変革を迫られています。
古いものを一掃することで、失業者が生まれ、旧産業に関わるシステムが崩壊します。新しい技術は、そういった破壊と痛みを必ず伴います。
今後なくなる可能性のあるもの、産業、サービスはなんでしょうか。それと入れ替わるのはどんなものでしょうか。情報を集め、調べ、想像してみてください。

2 諸刃の剣である

先ほどのプロメテウスの火の神話のように、火は人が暖を取り、調理することで飢えを凌ぐことができるため、今も欠かすことができません。しかしそれによって火災が起きて命を落とすこともあれば、人を攻撃することに使うこともあります。このように、新しい技術そのものに善悪はなく、用いるわたしたちがそれを欲望や暴力的な意識のもとに使用することで業を生みます。新しいものが次々生まれる時には、愛や思想を持って世の中を見渡し、行動していくことが重要です。

3 非物質化

これまでの技術革新は、工業化、物質の生産が主流でした。これからの時代は、(既に始まっていますが)デジタル化に伴い、形のない技術やサービスが主流になっていきます。家のテレビやスマートフォンで好きな音楽や映画を見ることができるようになったことでCDやDVDが不要になり、コロナ禍で実店舗販売からオンラインでの販売を主流にする衣料品メーカーも増えました。
また、無人の自動運転車が普及するれば、車を所有する人は激減するでしょうし、いろんな場所で仕事をすることがオーソドックスになれば、家を持たないノマド的な生き方をする人は増えるでしょう。
わたしは休日ともなるとオシャレをして繁華街に出かけてショッピングを楽しんだり、CDショップで音楽を選んだり、食べ歩きをして過ごしたりしてきた世代なので、楽しませてくれたデパートやセンター街が廃れていく様子は悲しくもあります。むしろ今の若者は休日に何を楽しむのだろう?と思いますが、一人で気ままに過ごすか、オンラインで友達とゲームなどをするか・・・・・が多いようです。そもそも今の若者は物欲が少ないといわれていますので、ウィンドーショッピングなどで時間を費やしていたわたしたち世代を理解できないかもしれません。
わたしも最近は本をKindleで読むことの方が多くなり、読みたいと思ったらすぐに読めるのでとても便利だと思っています。NetflixやAmazon Primeを楽しみだしたら、時間がいくらあっても足りない、まさに“沼”です。
日々の楽しみがモノの消費と結びつかない生活は、環境にはとても優しい暮らしです。今後はますます、様々な領域で非物質化が進んでいくでしょう。

4 大衆化までにタイムラグがある

新技術は、開発が進んでからそのインフラが整い大衆に広まるまでにある程度の時間がかかります。
今後、人工知能(AI)、IoT、ブロックチェーン、自動運転、新エネルギーの更なる普及・・・・・などといったテクノロジーが世の中を大きく変えていくだろうことは見聞きした人も多いでしょう。しかし、こういったテクノロジーが実際にどのように生活の中に入り込み、具体的にどう変わっていくのかを正確にイメージできている人はほとんどいないでしょう。携帯電話やパソコンなどの黎明期だった1980年代に、今のような働き方やスマートフォンの使われ方をイメージできた人がほとんどいなかったのと同じです。
パソコンやスマートフォン(携帯電話)も黎明期から普及する段階に至るまでに20年ほどかかっていますから、今後普及するといわれている技術が実際にどのようなものか、わたしたちが理解するまでには、少なくともあと10年はかかるのではないでしょうか。

テクノロジーはインフラの整備までがセットです。インフラが整うまでに法整備を含めて時間がかかることを考えると、現在、後々こんなことができるよ、このようにしていきましょう、といわれている方向性というのは、ほぼ間違いなくそうなる、既定路線です。脱炭素、自動車のEV化から自動運転、5Gや6Gなど、決まっていることに対して企業が動き、社会の流れが作り上げられています。
わたしの住んでいる南信州では、2027年までにリニア中央新幹線が通る計画になっています。個人的には、美しい南アルプスに25キロものトンネルを掘ることには反対です。削られた山は元には戻らず、水源も心配ですし、トンネルを掘ることで発生する残土処理の方法も未確定です。しかし、かつての黒部ダムなどもそうでしたが、人がいくら事故で死のうと、作る、と決めてそう動いているものは止められない場合がほとんどです。
5Gや6Gなども、電波の悪影響を危惧する声が上がっていて、いうなれば人類全体で壮大な人体実験をしているようなものです。
これからの社会はゲノムテクノロジーがものすごい勢いで進化し、肉も家畜からではなく培養して作りましょう、人の老化を再生医療で抑えましょうといった技術も既にあります。
知らないことが始まる時は誰もが心配ですし、倫理的価値観の違いから反発も生まれるものです。かつては蒸気機関車のような早いものに乗ったら、人間の脳が揺れて頭がおかしくなる、などといわれたそうです。しかし、今は電車に乗って、「頭がおかしくなったらどうしよう」と心配する人はいません。アスファルトに埋め尽くされた大地を見て、自然が破壊されたと嘆いて生きている人もあまりいないでしょう。
社会がそのように向かうと、止めることは難しくなります。止めることができないなら、それがどんなものなのかを知ろうとする、そして、自分はそれについてどんなスタンスでいようか、その変化をどう生かしていこうか、と考えるのです。
情報弱者という言葉がありますが、これからますます、情報弱者は時代の敗者になってしまいそうです。

『2030年の宇宙エネルギー予報』 第3章 より 海部舞:著 KADOKAWA:刊

海部さんは、ここから先200年前後で考えれば、情報、通信、交通、コミュニケーション、知性、といった分野が強くなると指摘します。

もうすでに数十年前から、そのような傾向が顕れてきています。
それがさらに急激に力強く推し進められるのが、これからの時代の流れだということですね。

2023年3月から「社会の膿出し」が始まる!

2020年から2030年の10年間は、「風の時代」を本格的に呼び込み、社会に大きな変革を促す占星学的な“節目”が目白押しです。

中でも、2023年の3月には時代の転換点に関わる特別な出来事が起こりやすいとのこと。

2023年3月7日には、土星が水瓶座から魚座に移ります。
また、同年3月24日には、冥王星が一度目の水瓶座入りをします。

海部さんは、動きの遅い天体が時期をほぼ同じくして星座を移動する時は、新月や満月のタイミングや他の動きの速い天体が引き金になって大きな出来事が起こりやすくなると指摘します。

 土星は魚座では非常に居心地が悪いとされ、集合意識的に鬱屈としやすくなったり、目に見えない領域のこと、あいまいなこと、芸術や精神性といった魚座が象徴するもので社会に定着させられるものとそうでないものとで振り分けて精査します。思想や自然療法を制限するようなことが起こる可能性もありますが、新しい社会のために有用なものは残してしっかりと定着させていきます。
30年弱前の魚座土星時代は1995年の地下鉄サリン事件が象徴的です。この事件によって、社会の新興宗教に対する眼が厳しくなりました。このように、非合理なこと、社会の秩序に反すると感じることに対して制圧しようとします。
新型コロナパンデミックによって多くのデマや陰謀論が飛び交いましたが、そういったものはここでいったん静かになる、という印象があります。また、精神性やスピリチュアルなどの思想についても、社会に有用なものかどうかで削ぎ落としがかかりそうです。社会が目に見えないものに対して批判的になり、そういった発言をしにくくなる印象があります。一方で、魚座は“I believe”の星座ですから、社会的、意図的に植え付けられた決まりや概念を無批判に信じてしまうようなことが起こりやすいとも考えられます。
一部の社会に有用な哲学や思想は残り、広がり、定着していきそうです。慈善事業や社会課題を解決するための動き、徳を持ってビジネスをする、といった流れが強まるでしょう。渋沢栄一は魚座なのですが、彼の『論語と算盤』の考えかたのように、全体にとって、皆にとってより良い社会を実現しようという動きが加速します。
また、音楽や絵画、映像などの芸術作品は社会に受け入れられやすいでしょう。伝統的な音楽や歴史のある絵画、古くからある思想などを掘り起こすことも好まれます。目に見えない領域のものを形にして固定化する、という流れも強まります。

2024年1月には太陽系の惑星で最も動きの遅い冥王星から水瓶座に正式に移ります。2023年3月にも一度水瓶座に入りますが、その後、見かけ上の逆行が起こり、山羊座に戻るので、冥王星の正式な水瓶座入りはこの時になります。ここから2043年までは冥王星水瓶座時代となります。
冥王星の公転周期は248年ですが、これ以前に冥王星が現代と同じ山羊座の終わりから水瓶座に滞在していたのは、1778年前後です。1776年にはアメリカ独立戦争を経てアメリカが独立を宣言し、イギリスのアダム・スミスが『国富論』をあらわし、現代に続くアメリカという強国と資本主義経済システムのもとになる思想が誕生しています。近現代を語るうえで要となる国家と思想が、いずれも冥王星が今と同じ位置にあった248年前の産物であることを考えると、現代がどれほど強烈な時代の転換点にあるのかが理解できます。
18世紀の終わり頃は、新たな政治、社会思想として、啓蒙思想が広がりました。これが1789年のフランス革命などの市民革命に繋がりました。
フランス革命時の星の配置を見ると、土星が魚座、冥王星が水瓶座にあり、2024年から26年の星の配置と非常に近くなります。つまり、現代はアメリカ独立戦争からフランス革命に至るまでの資本主義革命時と同じくらいの変革の時代です。今から2026年までに、このような強烈でダイナミックな社会変革が起こる可能性があります。
また、アメリカの大変革期にあたることは先述しましたが、冥王星が1周したことで、当時産声を上げた資本主義経済システムにも限界がやってきます。既に気候変動に伴う脱炭素社会への転換のように、これまでの経済システムの問題がはっきりと露呈し、その転換がうたわれています。当時の啓蒙思想と同様に、現代は新しい経済システムや今後の生き方を考える学者や思想家、哲学者がますますあらわれるでしょう。

大ベストセラーになった、たつき諒先生の『私が見た未来』という書籍には、彼女自身が予知夢で見た大災害について記されています。
その日付は2025年の7月5日で、南海トラフの南側にあるフィリピン海プレートが下から盛り上がり、巨大な津波となって周辺の国々に広がり、日本列島の太平洋側3分の1から4分の1が大津波に飲み込まれるという予知夢でした。その爆破が海底火山なのか人為的なものなのかはわからず、甚大な被害を出してしまう。しかし、その後の未来は明るい、とのことでした。
2025年7月の星の配置を見ると、土星と海王星が魚座から牡羊座に、天王星が牡牛座から双子座に移動する前後の位置にあり、その星座の組み合わせから、これまで内側にため込むエネルギーが強かったのに対し、今度は外にあふれ出すようなブレイクスルー、エネルギーの解放、という印象があります。よって、地中のマグマが外に出ていくことあり得るように思います。南海トラフが危ないというのはずっといわれていることですし、先述したように、動きの遅い星が星座を移動する前後は災害が起こりやすいのです。
特に、天災に関わりやすい海王星と社会現象に関わる土星が牡羊座で重なるのはとても気になります。牡羊座は大変エネルギッシュで、12星座で最も行動力や変化を起こす力があり、ある種の爆発力がある星座だからです。
前回土星と海王星が重なったのは1989年、山羊座においてでした。この年は中国で天安門事件が起こり、ベルリンの壁が崩壊し、マルタで米ソ首脳会談が行われ、冷戦終結宣言がなされました。20世紀は核兵器が広島や長崎で用いられ、世界の国々が核を保有し、原子力発電が生まれ、米ソの冷戦で世界中が長く緊張状態にありました。いつか核兵器で世界が滅びるのではないかと恐れられてきましたが、そのような緊張感がいきなり解かれたような年だったといえます。
土星と海王星の組み合わせは、固形物を溶かすような印象の作用が起こります。山羊座での会合だったので社会の緊張を溶かすような働きとなり、天安門事件のような抗議運動も起こりやすかったと考えられます。今度は牡羊座なので、予測不可能な何かが起きて、これまでの社会の形を全く新しいものにする、という感じがします。
「この災害の先の未来は明るい」とたつき諒先生が著書の中でおっしゃっていましたが、これも星の配置から理解できます。短期間で、土星、天王星、海王星、冥王星がほぼ時を同じくして星座を移動するこのようなことは非常に稀です。冥王星は20年、海王星は14年、天王星は7年、土星は3年弱に1度星座を移動するのですが、それが同時にほぼ2年のうちに起こります。冥王星が少し早いですが、他の星は2025〜26年というほんの1年の間に星座を移動します。
このような時、世の中を大きく変える「圧」のようなものが強くかかりますが、これらの星々の組み合わせは、とても調和的です。災害があった場合には不謹慎な表現になってしまいますが、葛藤や反発、危機的な状況を味わうことなく、調和的にスムーズに変容が進んでいきます。
気候変動による環境や社会危機への不安から、ダボス会議などの場で「グレート・リセット」が叫ばれるようになりました。「このままでは環境が持たない。今の社会経済システムのまま脱炭素を目指すのではなく、抜本的にシステムそのものを変える必要がある」との見解です。おそらく今、多くの学者や思想家が、持続可能な未来のあるべき姿を模索していると思います。あるべき未来の姿を、わたしたち一人ひとりが今、どう描くかによって、2025〜26年に起こるとされる大変容の形が変わっていくといえるでしょう。

『2030年の宇宙エネルギー予報』 第4章 より 海部舞:著 KADOKAWA:刊

過去の事例を紐解いてみても、動きの遅い星が星座を移動するときには、社会を揺るがすような歴史的事件や天災が発生しています。

土星より外側の星がすべて星座を動く、2023年から2025年の2年間。
これまでの社会の価値観を根底からひっくり返すような出来事が起こるのは間違いありません。

いよいよ「風の時代」の本格的な幕開け。
そう思うと、ドキドキしますね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

海部さんは、皆さんがここから2030年までの間に、これからの社会をどうしたいか考え、そのために行動して欲しいとおっしゃっています。

それは、多くの人が考え、行動した総量の結果が未来を方向づけていくからです。

占星術には、未来をある程度予測する力はあります。
ただ、その方向性を決めるのは、私たち人間だということですね。

私たちは今、時代の大きな荒波の中を生きている。
意識しようがしまいが、泣こうが笑おうが、そこは変えられません。

ただ、その時代の大波から受けるネガティブな影響を少なくすることはできます。
逆に、その波を乗りこなすことで、ポジティブな影響に変えていくこともできます。

本書は、いわば今後10年間を見通した“天気予報”といえるもの。
一家に一冊の必需品、ぜひ、みなさんもお手にとってみてください。

星が告げる「風の時代」の幸せな生き方 2030年の宇宙エネルギー予報


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