本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』(アキ・ソラーノ)

お薦めの本の紹介です。
アキ・ソラーノさんの『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 ―お金と幸福のヨガ哲学の教え』です。

ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 ―お金と幸福のヨガ哲学の教え

アキ・ソラーノさんは、ヨガ指導者・実業家です。
ヨガ哲学、マインドフルネス(瞑想法)、呼吸法など、西洋と東洋の知見を統合化させた「ディープマインドフルネス」開発者です。

「幸せなお金持ち」になるには?

なぜ、お金持ちになりたくてもなれないのでしょうか。
なぜ、お金があっても幸福感が得られないのでしょうか。

お金持ちになれない人は、なぜお金が欲しいのか、得たお金を何の目的に使おうとしているのか、理由と目的がはっきりしていないから。
お金があっても幸福感が得られない人は、心が「満悦モード」に入っていないから。

ソラーレさんは、愛を持って生きている人は、心が「満悦モード」に入っていると述べています。

 私はこれまで、逆境に出会うたびに乗り越え、さらに飛躍して生きてきました。それができた秘訣は、「今、ここ」の自分が満たされている、という点にフォーカスしたからです。
今生きていることが幸運であり、奇跡だから感謝しかない、という気持ちに意識を向けた結果、逆境でも進化できました。
ヨガの教えにある「足るを知る」という考えを大切に実践しながら、満足と感謝と喜びに浸った状態に入る。これを私は「満悦モード」と呼んでいます。
満悦モードに入ると、今に満足し、感謝し、今の自分を愛し、信頼できます。未来に起こるすべてを受け入れる、覚悟が決まります。まだ見ぬ未来に、恐れを感じなくなります。
満悦モードに入るには、「使命感」も重要です。自分のためだけに生きていると、人生の満足度が低くなります。
私も、幼い頃は自分を卑下し、自分を嫌って生きていました。人前に出られないほどの引っ込み思案で、誰かのための使命なんて、一つもありませんでした。ですが現在は、多くの人の前に立ち、講義やセミナーを開催しています。誰かにとっての喜びや生きる糧になる命の使い方をしよう、という使命を得たからです。
ガンジス川での光景や、命を失っていてもおかしくなかった阪神淡路大震災。そしてアメリカでの、数々の試練と逆境。これらの壮絶な体験が、自分の命をまっとうしたいという願いに変わりました。
今の私は、逆境に出会うと、ひそかにニヤリとしてしまいます。
なぜなら、「また学べる」「誰かの役に立てる材料を、宇宙からいただける」そう理解しているからです。
満悦モードを体験した人は、どんなできごとも受け取り、進化成長できます。さらに、強運や幸せを引き寄せられるようになります。
ぜひ本書を最後まで読んでいただき、「満悦モード」に入れる自分を手に入れてください。

満悦モードに入ると、いつも目の前のことにワクワクできます。
「この命を使って、どんなことができるだろう」
「誰をどうやって幸せにできるだろう」
と考え、行動するのが、幸せなお金持ちになる道です。
自分が好きなこと、興味関心があること、人の役に立ち喜んでいただけることを、満悦モードで実践すると、永遠に成長し続けられます。
巡り巡って、周りからの感謝やお金を受け取れるようにもなります。得たお金を学びに投資すれば、自分の価値がさらに高まります。価値の高い人間には高い報酬が与えられるようになり、幸福とお金のポジティブな連鎖が続くでしょう。
私はハワイ時代、住む家を失い、お金も仕事もないどん底を経験しました。その後、ヨガの実践で健康を取り戻しはじめた頃、ありのままをブログに書き綴りました。すると私の考え方や生き方に共感してくれたたくさんの女性が、「アキさんに会いたい!」と言って、ハワイにやってくるようになりました。
その流れがどんどん大きくなり、ヨガ講師育成スクールを開校。「アキさんから学びたい!」という生徒さんで講座はつねに満席になりました。
私もここで満足せず、より深く学べる講座、スクールにするため、いただいたお金を自分自身やスクールへ投資しました。
すると、さらに私やヨガのファンになってくださる生徒さんが増え、現在にいたります。これが、先ほどお話した、お金と幸せの循環です。
満悦モードに入ると、自分が満たされていると実感できます。自分や周りの人たちが成長し、幸せになれると、心から信じられます。私自身もこの実践で、自分の内側にある夢や希望、感動、愛、喜び、満足というポジティブエネルギーが循環していると、日々感じています。
お金と幸せを手に入れるなら、小さな行動で構いません。持っているお金や幸せを、誰かの喜びのために循環させてみてください。その一歩が、幸せなお金持ちへの道につながります。

『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Prologue より アキ・ソラーノ:著 さくら舎:刊

本書は、幸せなお金持ちになるために必要な、ヨガ哲学や最新科学に裏づけされたマインドフルネスなどの知識、現代社会に生きる私たちが実践しやすい成功法則を、わかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「サティ」で人生を切り開く!

ソラーノさんは、ヨガは、心を制御するための実践法であり、外側のできごとに振り回されず、自分を見つめ、心を意のままにコントロールすることこそが、ヨガの実践だと述べています。

ネガティブな感情は、連鎖しやすく、一度この負のスパイラルに陥ると、なかなか抜け出せません。
この逆境の連鎖を防ぐには、「最初の逆境」が訪れた時点で、手を打つ必要があります。

 ヨガ哲学には、「最初の逆境に気づき、逆境の連鎖を食い止める道具があります。
それが、3500年前から伝わる「サティ」という行法です。日本語では「正念」、英語では、「マインドフルネス」とも呼ばれています。
過去の経験や価値観にとらわれずに、中立的な立場で「今、ここ」に存在する自分とあるがままに向き合う実践法がサティです。
その時々の、心や身体の状態を認識しながら、心穏やかに、「今、ここ」で何が起こっているのかを、ありのまま正確に観察します。
すると、まるで巨大迷路を上から見ているかのように、逆境から抜け出す方法が見えてきます。静かな心で次の逆境を予測して予防線を張る、といった対処もできるようになります。
サティを実践すると、自分に内在する無限の可能性や才能、人生の一瞬一瞬に自由や幸福を感じられるようになります。
もし私がサティを実践していなければ、生死を分ける逆境を、乗り越えられなかったでしょう。サティの実践で、心静かに、物事をありのまま見る洞察力が育まれた結果、自己理解や他者理解が深まり、「満悦モード」で人生を切り開けました。

私はいつも生徒さんたちに、感情を雲にたとえて説明しています。来ては去り、流れて消える雲のように、感情も流れゆくものです。
感情に支配されている自分=雲のような不確かなものに支配されている自分です。
たとえば、過去に抱いた感情にとらわれ、悲しむ人がいます。それは、今の空は晴れているのに、過去の雨雲を思い出し、悲しんでいるのと同じです。
未来に対する不安を抱いている場合は、未来の天気は晴れるかもしれないのに、勝手に雨雲を予想するイメージです。
つい悪いほうに考えてしまいがちですが、雲のように日々揺れ動く感情に、貴重な命の時間を使ってしまっては、もったいないですよね。
だからこそヨガでは、サティ(マインドフルネス)を重要視します。「今、ここ」にある感情にマインドフルな状態であれば、感情の手綱をとり、好きなように操れます。
次に、サティの実践に加えて、私がいつも実践している「4つのステップ」をみてみましょう。私はこの「4つのステップ」を実践できたからこそ、幸せなお金持ちになれました。
わかりやすく、感情を例にとってみましょう。

1つ目のステップは「観察」。「私は悲しいんだな」「怒っている自分がいるな」こんな風に、「今、ここ」ある自分の感情を、ありのままに観察してください。素直な気持ちで雲の色や形を観察するイメージです。
幼い頃に、空に浮かぶ雲を見てワクワクした記憶があるかと思います。自分の好きな形でない雲(感情)でも、オープンな気持ちで「ありのまま」観察してください。

2つ目のステップは「受け入れ(受容)」。観察したすべての感情は、無条件に受け入れます。それがたとえ、ネガティブな感情でも考えるのをやめて、すべてあるがままに受け入れます。
否定も肯定もせず、ただ受け入れられると、執着から解放され、心に平静が訪れます。心の中から戦う存在が消え、気持ちが自由になります。
負の感情を受け入れるのは簡単ではありません。長年ヨガの実践を積んできたヨガマスターの私でも、ネガティブな感情を前に動揺する日もあります。
人間である以上、ネガティブな気持ちからは逃れられません。「今、ここ」に存在するすべての感情は、あなたが生きているからこそ存在します。命に感謝し、泣いている私も、怒っている私も無条件にやさしく受け入れましょう。

3つ目のステップは「手放し」。心の揺れや怒り、悲しみをすべて受け入れた後、受け止めた感情を、静かに手放します。“手放す”という行為は、それが苦しみであっても、楽しみであっても、感情にしがみつくのをやめる、ということです。やがて、心の中のモヤモヤがなくなり、目が覚めたような気持ちで「今、ここ」と向き合えるでしょう。
手放しは、簡単ではありません。ですが、感情は雲のような存在です。雲はいずれ形をなくして目の前から消えてしまいます。ですので、ちょっと早めにその感情を手放す、というイメージでトライしてみてください。苦しみを手放せるようになると、「満悦モード」に入りやすくなります。

4つ目のステップは「選ぶ」。あなたが本来持って生まれた「自由」を謳歌するために、感情を自分で選びましょう。外側で何が起きようが、人から何を言われようが、あなたの内側はあなたのものです。

あなたには永遠の「自己決定権」という自由があります。今こそ、この自己決定権を行使する時です。「今、ここ」で「満悦モード」になれる感情を、自由に選んでください。
たとえば、喜びという感情。
「今、私はこうして生きている。苦悩を抱えた状態だと気持ちが落ち込むだけ」
「今、こうやって生きていることに感謝しながら、喜びという感情を持とう」
こんな風に自分で決めます。

自己決定ができるようになると、失敗がポジティブな情報に変わります。成功の糧に変えられます。それは、脳科学的にも正しく、裏付けされています。逆に自己決定権が低い人は、失敗をネガティブにとらえ、他人のせいにしてしまうでしょう。
私が知っている幸せなお金持ちは、男女年齢関係なく「自己決定」できる人ばかりです。自己決定できれば、どんなに失敗しても、ネバーギブアップの精神が生まれます。不安をもろともせず、難しい課題を「満悦モード」でこなす、強靭(きょうじん)なメンタルの持ち主になれるでしょう。
自己決定権を行使すると、「今、ここ」にある運は自分の力でコントロールしたもの! という感覚を持てます。根拠のないマヤ(幻)であっても問題ありません。好きな感情を選び続けることで、いつしかそのマヤがリアル(現実)になるのですから。
私が、幸せとお金の両方を手に入れられたシークレットの一つは、このマヤの仕組みを理解し、とことん活用したからです。マヤの仕組みについては、また後でくわしく説明いたします。
ここでは「観察する」「受け入れる」「手放す」「選ぶ」この4つの手順を覚えてください。
この手順のことを私は「満悦モードになる4つのステップ」と呼んでいます。本書では何度も出てくる重要な実践法です。ぜひ頭に入れていただき、読み進めていただければ思います。

「私たちは自由になるために生まれてきた」というヨガの教えがあります。この自由とは、先ほども触れた通り、「自分の感情をコントロールできる」「いつでも自分の感情を選べる」という意味です。
ヨガ哲学には、「今、ここ」が一番幸せな場所、という教えもあります。今を最高に輝かせる責任者はあなたです。今、どのような感情を持つべきなのか。誰もが自分で決める自由があります。誰もが持つこの自由を使って、幸せを手に入れましょう。
満悦モードは「今、ここ」にいる自分という存在に感謝し、満たされ、愛を感じ、喜びが得られている状態です。
どんな人でも、どんな状況にいても、「今、ここ」を満悦モードで生きられる、それがヨガの教えです。
重要なことなので、もう一度言います。感情はあなた自身が選べます。自分以外の人間や環境の変化は、一切気にしません。“感情を選ぶ自由を持っている”こと。そしていつでも、“感情を選ぶ自由を放棄しない”ことを忘れないでください。
一期一会の「今、ここ」があなたの未来につながっています。今に意識を向けて、一瞬一瞬において、自分が喜ぶ感情を持ち続ければ、あなたの人生はかならず輝きで満たされます。

『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Success 1 より アキ・ソラーノ:著 さくら舎:刊

不安や怒り、恐怖などのネガティブな感情は、心が「今、ここ」にないときに生まれるもの。
逆にいえば、「今、ここ」にいる限り、ネガティブな感情を感じることはありません。

逆境の連鎖を止めるためには、とにかく「今、ここ」に戻ることです。
満悦モードに入る「4つのステップ」をぜひ、身につけたいですね。

心身を整える「5つのニローダ」

自分の心身を上手に整えるために、最初に心がけるべきこと。
それは「ニローダ」です。

ニローダとは、サンスクリット語で「制御する」という意味です。

ソラーノさんは、「今、ここ」に注意を向けたマインドフルな状態で、身体をニローダすると、自己に内在する偉大な存在を感じられると述べています。

「今、ここ」にある身体や苦悩、楽しいこと。すべて偉大なる存在が与えてくれました。ニローダすると、この偉大な存在から与えられたギフトに気づけます。私たちの身体には数えきれないほどの宝物が詰まっている! そう気づけると満悦モードに入れます。
それでは、人生に欠かせない5つのニローダをみてみましょう。自分を大切にするには、「食事」「睡眠」「運動」「呼吸」「瞑想」の5つが欠かせません。栄養バランスを考えた食事、質の良い睡眠、適度な運動、呼吸を意識する、瞑想を実践する。私はこれを「5つのニローダ」と呼んでいます。
定期的、継続的に「5つのニローダ」を実践すると、自分の心身の調子を把握できます。いつもと違うぞ! という違和感に気づきやすくなり、早めに対処できるようになります。いつも身体が健康だと、公私ともに充実して、セレンディピティ(偶然なる幸運)を獲得しやすい自分になれます。
あなたもぜひ、人生を好転するため、毎日の習慣である「5つのニローダ」を取り入れてみてください。
私はニローダを16年以上続けています。ヨガの教えで、手に入れたいものがあるなら、途中であきらめず、感謝の気持ちを持ち、継続的に努力しなさい、という「タパス」という実践法があります。
私自身、タパスを大切に「5つのニローダ」を継続できたからこそ、幸せなお金持ちになれたと断言できます。
ここで、私が実際に取り入れている「5つのニローダ」をご紹介します。

1つ目の「食事」。食事は四季折々の新鮮な食材を中心に、バランスの良いメニューを心がけています。自炊が多く、主に日本食です。暴飲暴食は避けています。食べられることに感謝して、満悦モードでいただきます。無理しすぎないように、たまには、スイーツも口にします。

2つ目の「睡眠」。自分の意志で寝る時間と起きる時間をしっかりコントロールしています。寝る前に「満悦モードになる4つのステップ」を実践すると、スムーズに入眠でき、目覚めがよくなります。目覚めたあとは、「今、ここ」に存在している身体に感謝し、心静かに身体と心の状態をサティ(マインドフルネス)します。ニローダには「静かにする」という意味もあります。

3つ目の「運動」。自分が決めた運動を、1日の行動計画に入れておきます。私はヨガの行者ですのでヨガのポーズ(アーサナ)をします。サティ(マインドフルネス)状態で、ヨガのポーズを実践すると、自分自身に立ち戻れます。心と身体のつながりを感じ、精神と身体が一体になる「心身一如」の境地に近づけます。ヨガのポーズは血流が良くなる、自律神経が整う、免疫力を向上させるといった効果があります。朝散歩も日課です。

4つ目の「呼吸」。呼吸に操られず、呼吸を意のままに動かすのもニローダです。呼吸は、「今、ここ」にいる自分と向き合える生命活動の根幹。呼吸をサティ(マインドフルネス)し、「今、ここ」にある呼吸を冷静に認識すると、するべき呼吸がみえてきます。呼吸法を実践すると、脳に酸素が供給され、心身の状態が整います。

5つ目の「瞑想」。瞑想を実践すると、心を統制できます。心を思うままに操れれば、人生は確実に変わります。サティ(マインドフルネス)も瞑想法の一つです。瞑想だからといって、座禅を組む必要はありません。料理をしながら、歯磨きをしながら、食事をしながら、気軽に実践しています。

「5つのニローダ」は脳へ影響を与えます。マサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジンやハーバード大学のサラ・ラザールなど、信頼できる高名な学者によって、マインドフルネスが脳の機能と構造に変化を与えると実証されています。
私は、毎年IQテストを受けるのですが、「5つのニローダ」を継続しているおかげで、年々スコアがアップしています。
このように、日々実践している「5つのニローダ」ですが、5つのうち、どれか一つでも十分にニローダできない日が続くと、心身の調子が乱れはじめます。また、どれか一つだけを一生懸命やっても、健康を維持できません。
あらためて言います。私はこの「5つのニローダ」でセレンディピティを味方につけ、幸せとお金の両方を得ました。あなたもぜひ、あなたに合ったニローダを無理なく実践してください。
最初は、小さな一歩で大丈夫です。心身の調子が整い、人生が開けていくのを感じていただけると思います。

私たちの頭の中で起こること。つまり「思考」は、過去や未来に瞬間移動します。ふいに過去を思い出すように、意識的にも無意識的にも、時間や空間を超え、居場所を変えます。
一方で、私たちの身体は、「今いる場所」にしか存在できません。身体は意識と違い、「今、ここ」にしか生きられません。過去をやり直したり、未来に生きたりは不可能です。
この、「今、ここ」にある身体をニローダすると、現実に意識が向きやすくなります。身体がまるでマグネット(磁石)のように、過去や未来に飛んだ意識を引き寄せるイメージです。「身体は今を引き寄せるマグネット」だと、頭に入れておいてください。
幸せなお金持ちになるためには、意識を「今、ここ」に向けた、「5つのニローダ」の実践が必要です。
そのためにも食事や睡眠、運動、呼吸、瞑想がきちんとできているのか、チェックする習慣をつけましょう。ニローダのためにノートを新調して、日記を書くのがおすすめです。
毎晩寝る前に、その日のできごとで感謝すべきことを意識し、「5つのニローダ」を振り返ります。ニローダが上手にできていなくても、自分を責めてはいけません。
「5つのニローダ」に取り組めている身体に感謝してください。身体があるからチャレンジできる、そう感謝できるようになると、「満悦モード」のスイッチがオンになります。
ヨガ哲学は、過去のできごとや思考のすべてが、「今」の身体に表れると考えます。また身体への接し方は、かならず「未来」に結果として表れます。
あなたも、「今、ここ」にある身体をニローダして、素敵な未来に進みましょう。幸せなお金がない状態でも、「5つのニローダ」を実践すれば、あなたが求める世界の扉が開かれます。
かつては「生きる逆境の博物館」と言われ、お金も幸せも感じられないどん底にいた私が言うのですから、間違いありません。

『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Success 2 より アキ・ソラーノ:著 さくら舎:刊

ヨガ哲学では、「肉体は魂の乗り物」ととらえます。
目的地が決まっても、肝心の乗り物が思い通りに動かなかったら、どうにもなりません。

身体という乗り物をメンテナンスするには、やはり日々の習慣が大切です。
「5つのニローダ」を身につけ、ピッカピカの身体を手に入れたいですね。

ヨガの基本「プラーナヤーマ」

数あるヨガ哲学の考え方の中でも、「呼吸」は重要な教えです。

ソラーノさんは、無意識に行われている呼吸を意識的・能動的に変えると、「今、ここ」につながる深い呼吸になると述べています。

 何度も繰り返しますが、呼吸を語らずしてヨガを語ることはできません。ヨガを実践する際、最初に学ぶのも呼吸法です。
3500年前から伝わるヨガの呼吸法は、サンスクリット語で「プラーナヤーマ」と言います。プラーナは「生命エネルギー」、ヤーマは「止める・コントロールする」という意味です。
つまり、宇宙にある生命エネルギーを身体の中に取り入れ、自分の力として高め循環させる営みが、プラーナヤーマです。プラーナヤーマを実践すると、生命エネルギーが高まり、健康長寿につながると考えられています。
プラーナヤーマの基本は、深くて長い腹式呼吸です。深い呼吸を意識するだけでなく、できる範囲で長い呼吸も心がけてください。
深くて長い腹式呼吸ができていれば、吸う時にお腹や胸が膨らみ、吐く時に元の状態に戻ります。これを意識的に繰り返すと、腹式呼吸が上手になります。
普段の呼吸が浅い人は、深くて長い呼吸が難しいかもしれません。でも大丈夫です。呼吸に意識を向けるだけで呼吸は深まり、次第に楽に腹式呼吸できるようになります。
呼吸は自律神経でコントロールされながら、あえて意識しなくても24時間休むことなく続けられています。この自然な呼吸とは別に、自分の力で意識的に呼吸を速めたり、深呼吸をしたり、息の量を調節したりできます。
今まで無意識に何気なく行っていた呼吸を、意図的に戦略的に使いこなせれば、脳や身体、心を自分が求める状態に制御できるでしょう。
私も、104ページで紹介する基本の呼吸法を、24時間とは言いませんが、気づいた時にはつねに取り入れています。私が「満悦モード」でいられるのも、呼吸法の恩恵と言えます。
慣れれば難しくありませんので、ぜひ習慣づけてください。
(中略)
基本的な腹式呼吸法
私たちは無意識に呼吸をしています。その呼吸を「意識的」に行うことで、呼吸からさまざまな恩恵が得られます。
自分に「私は今から呼吸に意識を向ける」と伝えるだけで、いつもより深くて長い呼吸ができます。すると自然に「今、ここ」へ意識を向けられます。
呼吸法の練習だからといって、座禅を組む必要はありません。なぜなら私たちは365日24時間呼吸をしているのですから、呼吸法のレッスンはいつでも、どこでもスタートできます。気が向いた時、気軽に練習してみてください。
呼吸をする際に、一つだけ注意をしてください。それは、「鼻呼吸」を意識することです。鼻呼吸は肺へ入る空気に適度な温度や湿度を与え、体にとってやさしい空気にしてくれます。
鼻粘膜や鼻毛は空気洗浄フィルターの役割を果たし、空気中の細菌やホコリを除去してくれます。
さらに、鼻呼吸をすると、「呼吸筋」を鍛えられます。練習するたびに、腹式呼吸が上手にできるようになります。呼吸はいつもあなたのサポーターです。自分のペースで練習してみてください。

※鼻呼吸ができない場合は無理をせず、口を少しだけ開けての呼吸法で大丈夫です。

①背筋を伸ばす
腰が反らないように背中を真っすぐに伸ばします。肩が緊張しないように肩を耳から離してください。顔の緊張を解放させてニコッと笑い口角をキュッと上げると顔や肩の緊張がほぐれ、呼吸がしやすくなります。視線は前。顎を下げません。(喉が締まり呼吸が上手にできなくなるため)

②呼吸に意識を向ける
「今から呼吸に意識を向ける」と自分に伝えます。伝えることで、意識が呼吸に向かい、速くて浅い呼吸が、深くてゆったりした呼吸に変わります。

③息を吸う(横隔膜が下がる)
今ある息を吐ききったら、鼻からゆっくりと息を吸う。鎖骨を左右に伸ばすイメージでゆっくりと胸を広げましょう。お腹全体がゆっくりとふくらむのを感じてください。

④息を吐く(横隔膜が元の状態に戻る)
鼻からゆっくり息を吐きます。胸とお腹が元の状態に戻り小さくなるのを感じましょう。お腹がしっかりと凹むまで息を吐きます。

⑤ゆっくりと③と④を3分から5分ほど繰り返す。

Point・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
腹式呼吸が難しい場合は、仰向けに寝て練習しましょう。吸う時に胸やお腹がふくらんでいたら上手に腹式呼吸ができている証拠です。お腹や胸に手をあてるとチェックしやすいですよ。

『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Success 3 より アキ・ソラーノ:著 さくら舎:刊

図 基本的な腹式呼吸 ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 Success3

図.基本的な腹式呼吸
(『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Success 3 より抜粋)

呼吸法は、いつでもどこでもできる手軽なメンタルトレーニングです。
ぜひ、身につけて習慣にしたいですね。

「幸せの種」が育つ土壌の作り方

ソラーノさんは、幸せなお金持ちになるには、“土壌”が必要だと指摘します。

その理由は、「幸せの種(たね)」と「お金持ちの種(たね)」、両方が育つ土壌でなければ、種を植えても、芽が出ず、実もならないからです。

 幸せの種とお金持ちの種が育つ土壌には、正しい作り方があります。
まずは、幸せの種が育つ土壌作りの方法を見てみましょう。
ヨガ哲学では、私たちの思考は「苦悩を持つ考え」と「苦悩を持たない考え」この2つに分類されるといわれています。
苦悩を持つ考えは、サンスクリット語で「クリシュタ」と言います。混乱や迷い、疑い、不信感、執着、困惑、嫉妬、憎しみ、不安などを指します。
一生暮らせるお金があるのに生来の心配ばかりしている、誰かにお金をだまし取られるのではないかと疑念でいっぱいになっている、そんなお金持ちがたくさんいます。この人たちは、クリシュタに心を奪われています。
少し前、私が住むコンドミニアムに引っ越してきたミリオネアが、このタイプでした。
初めてお会いした時です。私が「このフロアの住人は、みんな仲がいいのよ」と言うと、彼は「ああ、信じられない! そうか、本当にここに引っ越ししてきてよかった」と涙を流し、泣いて喜びました。不安が安堵に変わったのだなと思いました。
ところがその後、彼は隣人とトラブルを起こしてしまいます。コンドミニアムに来てからも、彼はいつも文句ばかり。ネガティブな感情や態度が行動に表れていました。前の住まいでも同じようなトラブルを起こしていたのでしょう。彼を見て、いくら場所を変えても、クリシュタにとらわれていては幸せになれないのだと改めて感じました。
クリシュタと反対に「苦悩を持たない考え」を「アクリシュッタ」と言います。喜び、愛、満足、達成感、新しいアイデア、楽しいこと、前向きなこと、自己信頼、自由などを指します。
幸せなお金持ちを見ていると、可能な限り「アクリシュッタ」に意識を向けています。苦悩にならない考えを積極的に持っているからこそ、幸せとお金を呼び込めるので。
ハーバード大学の調査でも、幸せだと思えば思うほど、幸福を引き寄せると立証されています。これを、「幸福優位性」といいます。お金持ちだから幸せなのではなく、幸せだからお金持ちに近づけるという考え方です。
もちろん、幸せなお金持ちにも、クリシュタ(苦悩)は存在しています。この事実から目を背けてしまうと、苦悩が解消されないまま、潜在意識に影響を与え、ネガティブなサンスカーラ(潜在意識に記憶される印象)を生んでしまうでしょう。
この時、自分をしっかりと観察し、受け入れ、手放し、選ぶ「満悦モードになる4つのステップ」ができていれば、サンスカーラが自分の中に残りません。前頭前野が活性化され、お金持ちに必要な創造力や記憶力、集中力もアップできます。
今日からは幸せなお金持ちになるために、できるだけアクリシュッタを意識しましょう。クリシュタが出たら、「満悦モードになる4つのステップ」ステップを使い、クリシュタさえも人生の味方にする。これが、「幸せの種」が育つ土壌作りです。

次に、「お金持ちの種」が育つ土壌の作り方についてお話いたします。
あなたは、「お金を愛している」と言えますか? 思えていますか?
私はお金をとても愛しています。お金があれば、自分がやりたいことでもできますし、家族のサポートもできます。社会的な支援もできますし、親しい人に惜しみなく贈り物を差し上げられます。このようにお金は決して悪いものではありません。
ただし、お金はニュートラルでもあります。あなたがお金をどうとらえるか、どう使うかによって、良くも悪くも変わります。たとえば、

「お金持ちになりたい!」
頭ではそう思っているのに、潜在意識で、
「お金持ちになるのはよくないこと」と考える人が、非常に多いと感じます。特に日本人はこの傾向にあります。
「お金は汚いもの」
「お金持ちは悪い人」
そんな風に、お金にまつわるネガティブな言葉を、幼い頃から家族や周りの大人たちから聞いてきたからかもしれません。
ここで、幸せなお金持ちになっている自分の姿を想像してみてください。イメージできなかったり、嬉しい気持ちが湧いてこなかったり、不安や恐怖の感情が湧いてくる場合は、お金に関係するネガティブなサンスカーラ(潜在意識に記憶された印象)に縛られている可能性があります。
この状態を、お金のマインドブロックと呼びます。
お金のマインドブロックがあると、ヨガ哲学の「心の平和を邪魔する9つの症状」が現れます。

①心身のコンディションが崩れる
②心が冴えない状態になる
③疑いや不信感が湧く
④集中できない、心が定まらない
⑤怠惰になる
⑥物事への執着、依存が起こる
⑦困惑や間違った価値観、考え方を持つ
⑧達成感がなく、欲求不満になる
⑨継続できない

このような症状が出ると脳は、
「お金持ちになりたいの? なりたくないの? どっちが本当なの?」
そう混乱します。
これは脳にある「RASシステム」が関係しています。「RASシステム」は、重要度の高い情報を認識する仕組みです。
あなたも、赤い車が欲しいと思った瞬間から、赤い車ばかり目に入るようになる、というような経験があると思います。同じように、素直に「お金持ちになりたい!」と思えていれば、お金持ちになるための情報を脳が勝手に集め出します。
しかし、「お金持ちになりたいのに、なりたくない」という矛盾があると、「RASシステム」が働きません。心で思っていること、言葉に出すこと、行動することが一致し、矛盾がない状態になってはじめて、「RASシステム」が味方してくれるのです。
これは、豊かな人生を歩むために、とても大切な知識です。
「お金持ちになりたい!」と願うなら、その気持ちにとことん向き合い、受け入れてください。お金があなたのもとへ来てくれるように、「お金持ちになるのは幸せなこと」という強い気持ちを持って、100%に認めてください。
お金を使ってなにをしたいのか。なんのためにお金持ちになりたいのか、というイメージをワクワクしながら、鮮明に持ってください。
「私はお金を心から愛している」という言葉が腑に落ちた時、「お金持ちの種」が育つ土壌ができあがるでしょう。

『ミリオネアヨガマスターの9つの習慣』 Success 6 より アキ・ソラーノ:著 さくら舎:刊

「幸せ」や「お金」に対してどのようなイメージ、考えを持っているか。
それがそのまま、その人の「幸せ」や「お金」の現実として反映されるということ。

やはり「心の状態がすべて」だということです。
「幸せの種」が育つよう、“土壌”をしっかり耕したいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

人生を好転させて、幸せなお金持ちを目指す。

ソラーノさんは、その鍵は、自分を探求すること。自分を知ること(スヴァディアーヤ)。そして「今、ここ」にある自分のすべてを、愛をもって受け入れることだとおっしゃっています。

幸せを感じられないとき、私たちは「今、ここ」ではないところにいます。

「後悔」や「トラウマ」は過去にしかありません。
「不安」や「恐れ」は未来にしかありません。

ヨガのゴールは、「本当の自分」であるプルシャに出会うこと。

「今、ここ」にいることは、余計な感情に振り回されず、ニュートラルでいることです。
そして、その先に「本当の自分」がいます。
ソラーノさんのいう「満悦モード」は、まさに「今、ここ」の状態を指すのでしょう。

何千年にもわたり受け継がれてきたヨガの叡智。
本書には、そのエッセンスがぎっしり詰め込まれています。

ミリオネアヨガマスターの9つの習慣 ―お金と幸福のヨガ哲学の教え


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