【書評】『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』(ハック大学 ぺそ)
お薦めの本の紹介です。
ハック大学 ぺそさんの『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』です。
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ハック大学 ぺそ(はっくだいがく・ぺそ)さんは、主にYouTubeチャンネル「ハック大学」を通じて、仕事術・キャリア戦略などビジネスに役立つ情報を発信されています。
上手な説明には、コツがある!
ぺそさんは、外資系金融機関に勤めながら、ビジネス系YouTuberとしても活躍しています。
社会人になりたての頃は、いろいろ挫折を経験してもがき苦しみ、その過程で得たビジネスノウハウを、動画という形で伝えています。
私がビジネスの世界に足を踏み入れたばかりの頃は、とにかく説明が上手くなるために、試行錯誤を繰り返しました。失敗もたくさんしましたし、「どうすれば説明が上手くなるのか」必死で考えました。
そして、私はビジネスの最前線で出会った「説明が上手い人」がどんな話し方をしているのか、じっと観察しました。
たとえば、営業職のAさん。飛び込み営業がメインなのですが、彼女の説明はなぜかもっと聞きたいという気分にさせられます。
そして、プレゼンで敵なしのBさん。どんなに厳しめのプレゼンでも、彼が前に出て説明し始めたとたん、形勢が変わりスルッと企画が採用されるのです。必ずしも、しゃべりが上手い人ばかりではありません。
むしろ、話し方は全く流ちょうではないのに、説明が抜群に上手い人もいます。
技術系の専門職のCさん。知識量が半端ないのはもちろんですが、彼に説明を求めればどんな疑問もすぐに解消されます。そんな人たちを見ていて、説明が上手い人に共通するテクニックがいくつもあることに気づきました。
そして、そのテクニックを私自身が模倣することで、さまざまな困難を乗り越え、今に至ることができました。
そう、「説明力」が今の私を作ったと言っても過言ではありません。
(中略)
ところで、ビジネスシーンにおいて、説明が上手いと、どんないいことがあるんでしょうか?
「話がスムーズに進む」
もちろんそうです。けれど、それだけではないはずです。「説明が上手い人」はあなたの近くにもいると思います。
そういう人を見てあなたはどう思いますか?「この人・・・・・デキるな」
「こんなにわかりやすく説明できるなんて、すごく頭がいいんだな」きっとそう思うのではないでしょうか。
ちなみに、相手に「すごい」と思われるのに、一番わかりやすいのは結果です。
営業成績が数ヵ月連続でトップとか、莫大な予算を注ぎ込んだビッグプロジェクトを成功に導いた、といった看板かあれば文句なしです。
でも、そんなに簡単に看板は得られませんよね。しかし、上手な説明ができるようになると、「この人はすごいな」「この人なら、大事な仕事を任せても、きっと上手くやってくれるに違いない」と、結果を出す前に評価が上がるのです。
そう、説明が上手くなるということは、単に「話が通じやすくなる」ということを超えて、あなた自身の「価値」を周囲に認めさせるツールにもなっているということです。逆に、説明が下手だったらどうでしょうか?
「何言っているかよくわからないし、この人とは仕事したくないな」
「この人はきっと頭悪いんだろうな」そんな判断を下されても仕方ありません。
説明が上手くなることは、最高のブランディングなのです。私は、自分の動画で、ビジネススキルとは自身の「市場価値」を挙げることだと説明してきました。
「市場価値」といいましたが、これは別に転職に限った話ではありません。
社内においても、あるいはあなたの身近な人間関係においても、自身の「価値」を上げることは重要です。
説明は、時として「何を話すか」よりも「誰が話すか」が重要な場合があります。
イチローが話すバッティングのコツと、中学生の野球部員が話すバッティングのコツ。仮に全く同じ内容であったとしても、あなたはどちらを信じるでしょうか。言うまでもないでしょう。説明力で、自身のブランド価値を上げることができれば、説明がさらに説得力を持つと言う好循環を作り上げることができます。
ひいては、信用・信頼へとつながり、重要な仕事を任せられて、最終的には年収に反映されます。精神的にも、経済的にもあなたの人生を豊かにするでしょう。『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 はじめに より ハック大学 ぺそ:著 アスコム:刊
ぺそさんは、説明力は誰でも上手く
なり、コミュ力は関係ありませんし、まして「センス」は不要
だと強調します。
本書は、ぺそさん自身が試して確実に「使える」とわかったテクニックだけを集めて、わかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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順序を変えるだけで、相手の理解は早くなる!
相手が理解しやすい上手な説明には、決まった「型」があります。
中でも「話す順番」は重要です。
取引先A店の売上改善策を上司に打診する場面で
× 今日、A店を訪問したのですが、
最近あの店、ちょっと気になるんです。
売り上げが少しずつ落ちてきているので。
何かしら対策が必要だと思うのですが、
ポイントカードの導入はどうでしょう?
B店でも、それで成功していますし・・・・・。
→自分の頭に思い浮かんだ順序で話しているので、結論がわかりにくく、聞いている相手も先を読みにくい。◯ A店にポイントカード導入を
検討できませんか?
今日も訪問しましたが、
最近売上減少が顕著なので、
てこ入れの必要がありそうです。
ちょうど、B店でポイントカードを
導入した成功例がありますので、
A店にも導入してはどうでしょう?
→結論が最初に示されていることで、話の主旨・話す目的がすぐにわかるため、検証や判断がスムーズに行える。「だから何なの?」と言われない説明、内容が正しく伝わりやすく、相手もストレスなく受け入れやすい説明には、大きく3つの特徴があります。
①順序が理にかなっている
②数字やデータを使用している
③速く、簡潔で、効率的ここではまず、①の「順序が理にかなっている」を考えましょう。ここで登場するのが、はじめにでも取り上げた「結論から話す」。そして、そのもとになっている「PREP法」です。有名な方法論なので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。
まず「PREP法」とは、P=Point、R=Reason、E=Example、P=Pointの頭文字を取ったもので、説明や話の順序をわかりやすくする4つのステップを示した、いわば「鉄板」の法則です。
ビジネスに代表される、「正確に」「素早く」伝えるべき説明の場面では、PREP法を理解し、説明したい内容をPREPの4つに分解するだけで、魔法のように説明力が上がります。
最初のPは「結論」、Rは「その結論に至る理由」、Eは「理由の具体例や根拠」、最後のPは「再度の結論」。つまり「結論ファースト」。説明はまず「結論」から始めるといいわけです。慣れないうちは意識して実践しなければならないかもしれませんが、やがて身に付ければクセとなり、自然に結論から話せるようになります。会話例で提示した、よい例と悪い例をもう一度比較してください。
両者は、説明しているという意味ではほぼ同じで、順序が違うだけですが、それなら、相手がとりあえず我慢して最後まで話を聞いてくれれば済むのではないか? と思う方もいるかもしれません。
しかし、両者には、相手にとって決定的な違いがあるのです。「A店にポイントカード導入を検討できませんか?」
このように、冒頭にはっきりと結論が示されると、相手側は「なるほど、この人はこれからその結論に向かって説明するんだな?」と理解して聞き始めることができます。ここで重要なのは、相手にとってその結論が正しいか、期待通りか、同意できるかは、とりあえず関係ないことです。
相手にとっては、提示された結論の理由や根拠を精査することが何より重要。そして、始めに結論がわかれば、説明を受けながら自分なりの知見や仮説でそれを検証することができるため、相手にとって「聞く効率」が格段に上がるのです。
相手の効率が上がる=よい説明です。正確で速く説明が終わりますし、説明をした側も「彼の説明はわかりやすい!」と評価を受けやすくなります。結論から言わずに理由や根拠などを説明しはじめた場合、相手の出方に左右されて、それがどういう話の筋になっていくのか、どこが重要なのか、最後まで聞かないとわかりません。全部聞き終わったあとで、「で、何だっけ?」と聞き返さなければならない頻度も高くなります。だからこそ、「先に結論を言え」という意味で「だから、結局何が言いたいんだよ!」と不快感を示されてしまうのです。
イライラせずに最後まで聞いてくれてもいいのでは? というのは自分勝手な考え方(相手ファーストではない考え方)だと言わざるを得ません。あなたの説明の順序のせいで、相手の大切な時間を奪ってしまっているからです。
ビジネスの場での説明では、まず「結論」から話すことを心がけてみてください。とりあえず結論から話せば、自然に「その理由」「理由の根拠」・・・・・という順序に伝えるべき内容が整理されていきます。『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 2章 より ハック大学 ぺそ:著 アスコム:刊
「先に結論を言う」のは、相手の理解率を上げるためにも必須です。
今の時代に合った「タイパ重視」の説明の仕方を身につけたいですね。
「抽象」から「具体」で説明力アップ!
説明が下手の人の特徴として「話がダラダラしていて長い」ことがあります。
的を射た、的確な説明をうまく進めるコツ。
それが「抽象(ざっくりした大枠)から具体へ」という流れを守ること
です。
ぺそさんは、さらに、「抽象→具体」と展開した流れを再び「抽象」に戻し、いわば往復することで、説明力をフックにして考える力までアップ
すると述べています。
取引先であるA社の部長から急に電話がかかってきて
× 課長、ちょっとよろしいでしょうか。
今、A社から急に電話がかかってきまして、
いつもの担当者ではなくB部長からで、
「今回が初めてじゃないぞ!」って
かなり怒ってらっしゃるんです。
3年前にも同じようなミスがあって、
それも未解決のままなのにと〜〜
→断片的かつ具体的、時系列も前後していて、聞いている側は何の話なのかがわからず、内容の把握に手間どってしまう。◯ 課長、急ぎのご相談なのですが・・・・・。
今、A社のB部長から
強い抗議の電話がありまして、
課長に出ていただかないと
収集が難しそうです。
今回起こったトラブルというのが〜〜
→説明の内容は「相談」であり、内容をひとまず「重大な抗議」と抽象化して伝えているので、相手は理解しやすい。
(中略)
「抽象→具体」の有用性は、メールの文面に置き換えればより理解しやすいでしょう。長く複雑で具体的な話を織り交ぜながら説明するなら、流れをつかみやすいよう段落を分け、見出しをつけますし、メール自体のタイトルも全体像をつかめるように工夫します。本当に長い場合は、冒頭に概略(ダイジェスト)をつけるのも効果的です。
警察や消防に通報すると、まず相手から「事件ですか? 事故ですか?」「火事ですか? 救急ですか?」と聞かれるそうです。通報者は焦っていることが多く、見たままの状況を断片的に説明し始める場合が多いため、一刻一秒を争っているのに全体像を素早くつかめません。そこでまずは「事件か事故か」「火事か救急か」という抽象度の高い情報を聞き取り、その後の行動を絞り込むわけです。
説明も全く同じです。「この場の説明テーマ」を共有したら、最初に何の話をし、次に何の話をして、最後に結論として・・・・・などと、具体的な説明に入る前に一通り抽象度の高い情報として整理しておくと、聞き手もわかりやすくなります。このテンプレは、常に役立ちます。実はこのテンプレを身に付けると、ビジネスパーソンとしての能力そのものも鍛えられます。情報を整理して見出しをつけるような思考は、さまざまな具体的要素から、共通しているポイント、一般的な概念を見つけ出す訓練になり、ビジネスでも有効な大発見にもつながります。
たとえば新製品・サービスの開発に関わっているとします。そのままでは抽象的ですが、いろいろと探ってみると、量販店の売上データではAが流行している、Bが最近SNSで叩かれている、Cという番組の視聴率が高い、Dという本がベストセラーになっている、当社のEという商品の注文が急増している・・・・・・といった、多岐にわたる具体的な情報が集まりました。
そこで、これらの具体を再び抽象化すると、世の中的には今こんな流れができているといった背景が見えるようになるわけです。その結果を、具体的な施策にしていきます。こうした「具体→抽象→具体」という行き来、往復ができると、成功の可能性や再現性の高い仮説がどんどん生み出せます。これは、やがて大きな力の差になります。「抽象→具体」、つまり具体化力は、アイデア出しのようなイメージです。集められるデータは入手するとしても、無限大に調べるわけにはいきません。そこで役立つのが「制約を作る」という手法です。「〇〇ではどうなっているか?」という方向で課題を探し、情報を探るテクニックが有効です。
「具体→さらに抽象」は、「抽象→具体」より難易度が高くなります。抽象化力を鍛えるには、お笑いでよく見る「謎かけ」が役立ちます。ランダムに選んだ、一見全く関連のなさそうな2つから、共通する特徴を探す思考を試みると、どこまで抽象化すれば共通点が見えてくるかが鍛えられます。ぜひ習慣づけてみてください。『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 3章 より ハック大学 ぺそ:著 アスコム:刊
プレゼンの資料でも、最初に概要を説明するページを置きます。
これから説明する内容を、大まかに捉えてもらえば、相手の理解は格段に高まりますね。
抽象化力は、説明だけでなく、あらゆるビジネススキルを高めます。
私たちも、普段から鍛えて、高めていきたいですね。
「中学生でも通じる単語」を使う!
まったくの初対面の人や前情報のない人に対して説明するときは、特に注意が必要です。
ぺそさんは、初対面、かつほとんど相手のデータがない場合は、とりあえず「低め」から入ること
を勧め、中学生にでも通じる単語を意識
すべきだと述べています。
その理由は、相手がどういう人物で、どんなキャリアや背景、目的を持っていて、しかもどういう「レベル」にあってどんな「期待値」を持っているかもわからない場合、うかつに「高め」から入るとデメリットが大きいから
です。
自社の業務内容を伝えるシーンで
× 初めまして!
当社は金融機関の基幹システムに
特化したグランドデザインのコンサルや、
各Slerへの
横断的プロジェクトマネジメントが
コアコンピタンスでして、中でも私は〜〜
→本人は専門性や賢さをアピールするつもりでも、相手には誤解を与えたり、警戒される恐れがある。◯ 初めまして!
当社の仕事は、いろいろな金融機関で
ひそかに使われているコンピュータが
ちゃんと作られ、動くかどうか
見張っている
監督みたいなものなのですが〜〜
→たとえやさしすぎる説明でも、誰にでもストレスなく接しようとする「いい人」に映り好印象。(中略)
相手の立場になってみましょう。
自分にとって全くの初対面、完全なノーデータの場合、実は相手にとっても自分が「全くの初対面」であり、「完全なノーデータ」である可能性が非常に高いのです。第三者からどんな人か聞かされているケースも想定はできますが、少なくとも生身の人間として接したことはありません。
そんなとき、もっとも避けるべきなのは、「ちょっと苦手なタイプかも・・・・・」という印象を与えてしまうことです。
当たり前すぎる話ですが、案外重大です。何も情報のない、全くの白紙の段階で、いったん「嫌な人」「とっつきにくい人」という印象が刻まれてしまうと、ひとまずそれが情報の全てになってしまいます。その後どれだけ秀でた説明をしても、常に身構えられ、裏を疑われ、割り引かれてしまい、挽回に時間がかかりかねません。
反対に、「この人って、やさしくて、ていねいな人だな」と思われれば、正反対のメリットを受けることができるでしょう。多少まずい説明でもゲタを履かせてもらえたり、一度くらいは失敗を大目に見てもらえたりするかもしれません。こうしたケースでの「低さ」は、本当に最低限のレベルで構いません。レベルの低い説明をされてバカにされたと捉える人はごく少数で、「未知の相手をていねいに扱うやさしい人」と思う人が大半ですし、実際相手のレベルが高かった場合は、いったん好印象を抱いた上で、自分の聞きたい説明のレベルを、質問のやり取りや使う言葉ににじませるはず。レベルを上向きに調整するのは、その後からで十分です。
私は、難しく説明するよりも、「やさしく」説明するほうが「難しい」と感じます。
同じ内容を、直属の上司に説明する場合は、説明内容としては「難しい」「レベルが高い」ものになりますが、自分でその「難しさ」や「レベル」を抑制する方向に調整する必要はありません。
なぜなら、原則として自分よりも上司の方が知識も経験も豊富ですから、自分よりもレベルが高く、自分の知っている内容は、ほぼ全て知っているという前提に立ってしまって構わないからです。考えるべきは時間の短縮や内容の省略などの効率化がメインであって、「これは難しいかな?」「これは言い換えたほうがいいかな?」「これはいった時間をかけてていねいに説明したほうがいいかな?」などと悩む必要自体がありません。自分の実力通りに説明すればいいわけです。
しかし、「やさしく」説明することは、常に調整を要求されるわけです。いろいろとボールを投げて相手の能力を測りながら、理解できる範囲と理解が難しそうな範囲を見極め、たとえ話や経験談、「具体」と「抽象」などを使い分けながら、かみ砕いて理解を得なければなりません。
相手に「自分のほうが劣る」と思わせては絶対にNGですし、相手が理解不能に陥り、説明の受け入れを遮断してしまってもいけないわけです。そう考えれば、「やさしく」説明することのほうがよほど難しく、気も頭もフルに使わなければいけないことになります。『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 4章 より ハック大学 ぺそ:著 アスコム:刊
事情がわかっている人に説明するより、まったく知らない人に説明する方が、確かに難しいです。
いかに一般的で平易な言葉を使って、簡潔に表現できるか。
それが、誰にでもわかりやすい説明をする秘訣です。
「わざと大事なところは話さない」から話が盛り上がる!
説明を通じて、相手とよりコミュニケーションを深めて、親密になる。
そのためのノウハウとして、「わざとツッコませるテクニック」があります。
このテクニックは、応用範囲が広く、説明をわかりやすくしたり、場の雰囲気をあたため、盛り上げたり、なにか不測のミスがあった場合も挽回できる武器として、あるいはいざというときの「お守り」のような存在として、オプション的に使えたりもできるもの
です。
ぺそさんは、さらに上級になってくると、わざと自分がミスをしたかのように見せるテクニックを使う
こともできると指摘します。
営業先の担当者との雑談でプロ野球の話をしていて
× 2点差の9回裏、2アウト満塁で
代打で〇〇が出てきて、
満塁サヨナラホームランを打って、
めちゃくちゃ劇的な試合でしたよ。→正確に順を追った説明で欠落もないが、「そうなんだ〜」と、そのまま話が流れてしまうリスクも。
◯ 2点差の9回裏、2アウト満塁で
代打で〇〇が出てきて・・・・・、
とにかくもう
めちゃくちゃ劇的な試合でしたよ。→相手が最も知りたい部分が欠けていることで、「それで? どうなったの?」と食いついてもらえる。
(中略)
重要なのは、事前に一定のシミュレーションをしておくこと。そして、自分がコントロールしているという意識を持つことです。それによって、説明の場に飲み込まれることなく、相手のペースによって見出されるリスクも最小化し、安定した説明が持続できるようになります。
常に安定した説明ができる人や会社は、相手からの信頼度が上がります。ビジネスにおいて説明が果たす役割は、それほどに大きいのです。実際はミスをしていないのに、あたかもミスをしたかのように見せるテクニックとは、簡略化するとこんな流れです。
説明する流れが「A→B→C→D→E」だったとしましょう。そこでたとえば、わざと、「A→B→C→E」にするのです
AがBになってCにつながるなら、当然次はDの話になるだろう・・・・・そんな相手の予想を、軽やかに裏切って急にEの話に飛んだとしたら? 当然相手は、「いやあの・・・・・Dの話ってどうなっているの? その間に何かあるはずだけど・・・・・」と聞きたくなります。
あるいは、順調に右肩上がりなっている実績を説明するために、データをグラフ化して説明する際、途中のある特定の1年だけガクッとトレンドから外れ、まさに穴が空いたようにへこんでいるとします。しかし、説明上はそれをわざと無視し、どんどん先に進んでいきます。
すると相手からは、「ある1年だけグラフが大きく下がっているが、それについてはどうなっているのか?」と質問が飛んでくるはずです
ここで初めて、Dについて、グラフのへこみについて、たっぷり、詳細に話をする機会を相手から与えられたことになります。
もうおわかりでしょうが、実はこの説明におけるキモは最初からDであり、グラフのへこみなのです。そこをもっとも詳しく説明したいという意図が最初からあったので、わざとツッコミが集中するようにしかけ、目立たせて、質問が出るように仕向けたということです。なぜそんなしかけをするのか。それは、説明する側の都合、タイミングで、通常の説明の流れのまま述べるよりも、質問を受けてから述べる方が、より詳細に、より長く説明できるようになるからです。
何せ、質問して説明を要求したのはあくまで相手からで、相手の求めに応じて説明されている以上、どんなに長く詳しくなっても、それは相手起点です。
説明内容自体も受け取ってもらいやすくなります。いったん相手の「知りたい」という欲求を刺激しているので、通り一遍の説明よりも、相手の頭の中にしみこみやすくなるというわけです。
また、「これはミスではないか?」と相手が思い込んでいる時点で、実は「期待値」も下がっています。残念な話なのではないか? そのポイントについては説明の準備をしていないのではないか? と一瞬でも思えば、相手への期待値が下がります。そこで見事に切り返せば、見かけ上のギャップが大きく、よりよい説明に聞こえるようになるのです。
さらに、相手はあくまで「質問したのは自分だ」「ツッコむべきポイントに自分で気づいた」と確信しています。自分の質問には、ある意味で愛着がわきます。そこで詳しい説明が返ってくれば、説明者への評価が高くなります。「この人、さすがによくわかっているな!」と思い込みやすくなるわけです。『「説明が上手い人」がやっていることを1冊にまとめてみた』 5章 より ハック大学 ぺそ:著 アスコム:刊
あえて言いたい部分を言わない。
あえて言い間違える。
相手にツッコませるような説明が、会話を弾ませます。
かなりハイレベルなテクニックですが、ぜひ身に付けたいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
インターネットやSNSの普及で、個人が興味のある情報を自由に発信する機会が増えています。
「せっかく発信した情報だから、多くの人に読んでもらいたい」
そんな願いを叶えるために、まず身につけるべきが「説明する力」です。
どんな有益な情報でも、相手に受けとってもらえなければ、意味がありません。
「説明する力」が求められるのは、情報発信だけではありません。
ビジネスでも、プライベートでも、人と関わるあらゆる場面で必要です。
ぺそさんがおっしゃるように、「説明の分かりやすさ=頭の良さ」とされる今の時代。
説明する力は、鍛えておいて損はありません。
説明が上手くなることは、最高のブランディング。
私たちも、本書を片手に「説明の上手い人」を目指しましょう。
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