本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

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【書評】『実践 引き寄せの法則』(エスター・ヒックス+ジェリー・ヒックス)

 お薦めの本の紹介です。
 エスター・ヒックスさんとジェリー・ヒックスさんの『実践 引き寄せの法則 感情に従って”幸せの川”を下ろう』です。

 エスター・ヒックスさんとジェリー・ヒックスさんは、見えない世界にいる教師の集合体である「エイブラハム」との対話で導かれた教えを、全米でワークショップを開催して広める活動をされています。

「引き寄せの法則」を人生に生かすために

 この世には、『人の思考は「波動」であり、似たような波動の思考を引き寄せる』、いわゆる「引き寄せの法則」を中心とした、「永遠なる宇宙の法則」が存在します。

 エイブラハムは、この「法則」の意識的、実践的知識を持つ者だけが、自分自身の人生経験の「意識的な創造者」になれると強調しています。

(詳しく知りたい方は、こちらもお読み下さい↓)
 『引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』

 本書は、エイブラハムが教える「法則」を、私たちの人生にどのように当てはめるのか、具体例を挙げながら解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「物質世界の視点」と「見えない世界の視点」

 物質世界の身体に宿る前の私たちは、「見えない世界」からやってきました。
「見えない世界」とは、純粋で前向きなエネルギーの場のことです。

 私たちは、物質世界に生まれた後も、「見えない世界」にも同時に存在し続けています。

「見えない世界の自分」は、すべてを見通せる立場から、自分個人の力強い視点で見るものすべてを解釈しています。

 あなたかたはその見えない世界の広い視点からやってきて、物質世界の身体に宿った。見えない世界の純粋で前向きなエネルギーという存在の延長としてやってきた。そしてこの世界に生まれて、あなたやほかの人が「あなた」と考える身体と個性をまとっているが、「見えない領域」の「意識ある存在」も依然として向こうに存在している。人がある思考を抱くとき、その思想とは別に考えた当人が存在しているように、「見えない世界のあなたがた」は、今のあなたがたを「思考」したが、考えられた「あなたがた」とは別に、見えない世界にも依然として存在している。言い換えれば、あなたがたがある思考を生み出すとき、その思考とは別に存在するあなたがたは、また別の思考を生み出すことができる。
 さて、あなたがたは「見えない世界」という有利な視点から、物質世界のあなたがたを生み出した。「見えない世界」から物質世界に投影された思考の波動が収束して物質世界の身体になり、母親の胎内に宿って育ち、あなたがたが生まれた。こうしてかつては考えられイメージされた一つの思考だったものが、物質世界の現実になる。あなたがたという思考は、今や物質世界の現実だ。そして、その思考を生み出した「見えない世界のあなたがた」は「見えない世界」に焦点を置いたままとどまっていて、物質世界でのあなたがたの誕生によって、さらに充実した拡大成長を遂げる。
「見えない世界のあなたがた」が拡大成長するだけでなく、今のあなたがたには二つの力強い視点が備わっている。物質世界の視点と「見えない世界」の視点だ。そしてこの二つの視点のいずれにとっても、二つの相互関係ほど重要なものはない。あなたがたの人生とは要するに物質世界の視点と「見えない世界」の視点、それにこの二つがどのようにからみあうかであり、それに尽きる。

  『実践 引き寄せの法則』 Part1 第2章 より エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス:著 ソフトバンククリエイティブ:刊

 物質世界に存在する自分が「見えない世界の自分=(内なる存在、魂)」の視点を知る大きな手掛かりとなるのが、「感情」です。

 エイブラハムは、感情という驚くべき力を発見することを通じて、またその力を発見することによってのみ、「見えない世界の自分」との関係をはっきり理解できると指摘しています。

拡大する「自分」に同調することが重要

 私たちは、この物質世界で五感を通じて世界を認識しています。
 この「自分の視点で人生を認識する」という自然なプロセスのなかで、「自分はこちらのほうがいい」という新たな好みや願望が生まれます。
 望まないものにぶつかることで、自分が望むものをはっきり認識し、願望がより強いものになります。

 意識しているいないにかかわらず、私たちは拡大し続ける思考の「最先端」で生きています。
 そして、毎日毎日の出来事から新しい願望を生み出しています。

 エイブラハムは、これを「拡大のプロセス」と呼んでいます。

「内なる存在」は、意識するかしないかにかかわらず、その新たに拡大した思考に関心を集中し、“現実”を創り出します。
 物質世界の私たちの「創造的な役割」は、『日々生きていくなかで、新たな「人生のバージョン」が生まれるとき、その新しいバージョンに自分を同調させるか、それとも抵抗するかを選択すること』です。

 エイブラハムは、その選択によって人生が楽しくなるか、あるいは惨めになるかが決まると強調しています。

 自分が何を望まないかを知るとき、何を望むかがもっと明確になり、今の人生とは対照的なもっといい考え方が生まれる。日々、一瞬一瞬に、人生経験のディテールを経験しながら、あなたが常にさまざまな波動を(これをわたしたちは「願望のロケット」とよぶ)外に向けて打ち上げている。その願望の波動ロケットが打ち出されるたびに、あなたがたの内なる「源(ソース)」――あなたがたがそこから生まれ、今も「見えない世界」の視点から焦点を結び続けている「源(ソース)」――は、新たに拡大された人生のバージョンに集中的に焦点を結び、先取りして、それに「なる」。あなたがたは生きていくなかで、自分が何を望むかについて、言葉になるレベルとならないレベルの両方で、次々にもっといい、新しい結論を出していく。この終わりのないプロセスが続くことで、あなたがたのもっと広い「見えない世界」の部分が拡大していく。
「もっとよくなりたい」と思う希望や夢や意志や考え方は、いわば「波動の預託口座」に貯えられていく。この預金口座は、あなたが望めば保存され、きちんと管理され、育てられて、引き出されるのを待っている。保存されているだけではなく、あなたがたの大きな部分、「内なる存在」は既にその願いに「なり」、常にまた物質世界のあなたを呼び寄せている。つまり「見えない世界のあなたがた」は物質世界のあなたがたに、「自分のなかで生まれた思考を完成させなさい」と呼びかけている。その呼びかけの最も純粋で抵抗のない形、それがあなたがたが感じる情熱や意欲だ。
 そこで、いちばん大切な質問がこれだ。「あなたは自分をこの新たに創造され拡大されたバージョンの『自分』に同調させているか?」この最も重要な問いに対する答えは、あなたがたの感じ方にある。気持ちよく感じれば感じるほど、あなたは二つの自分のつながりを「許容・可能に」している。嫌な気持ちでいるなら、そのつながりを許容せず、抵抗している。
 愛や喜びなどの前向きな感情を感じるとき、あなたは文字どおり、人生がそうなるように仕向けた、拡大した「存在」に「なって」いる。不安や怒りや絶望などのネガティブな感情を感じるとき、あなたはその瞬間に関心を向けている思考のせいで、新しく拡大したバージョンの自分になることを妨げている。そうなるはずの自分になっていないのだ。

  『実践 引き寄せの法則』 Part1 第3章 より エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス:著 ソフトバンククリエイティブ:刊

「見えない世界の自分=(内なる存在、魂)」が呼び寄せた“新しいバージョンの『自分』”に物質世界の自分を同調させること。
 それが自分の願いや望みを叶える秘訣です。

 身の回りに起こることは、過去の自分の考えや感情によって「内なる存在」が引き寄せたこと。 
 それらをいかに受け入れて、ポジティブな感情を保てるかが、人生を好転させるポイントです。

「波動」が調整できれば気持ちが楽になる

 エイブラハムは、願望の実現とは「行動のプロセス」ではなく「精神的なプロセス」だと指摘しています。

 大事なのは、行動することではなく、「思考のエネルギーを整えること(波動の調整)」です。
 波動の調整ができていれば、努力のすべてが素晴らしい結果を生み出し、努力しただけの実りをもたらしてくれます。

 エイブラハムは、波動の調整を「川に浮かべたカヌーを漕ぐこと」に例えて説明しています。

「波動が乱れている」状態は、一生懸命、流れに逆らって上流にオールを漕いでいるのと同じ。
 いくら必死に漕いでも、目的地にたどり着くことはなく、最後には力尽きてしまいます。

 努力しても結果として現れないのは、「波動の調整」ができていないからです。

「波動を整える」ことは、オールを手放し、舳先(へさき)を下流に向けて、流れに乗ること
 感情的に楽になる方向に進めば、思考のエネルギーが整い始めます。

 上流にはあなたが望むものは何もないと断言するのは、わたしたちが「川」を理解しているからだ。わたしたちはその水源を見ているし、水かさを増し、流れが速くなっていくのを見ている。その「川」かなんなのか、なぜそんなふうに流れているのかを知っているし、あなたがたさえその気になれば「川」がどこへ連れて行ってくれるかも理解している。
 それは「生命の川」で、あなたがたが物質世界の身体に宿る前から流れている。地球という星の上の身体に宿ろうと決めたとき、あなたがたは見えない世界の視点から、この流れの速い「川」に流れを足すことにした。そして今、物質世界の身体に焦点を結んだあなたがたは、人生のデータのなかを移動しつつ自分が何を望まないかを決めることで(したがって自分が何を望むかをはっきりさせることで)川に流れを加える。大きい欲求でも小さな欲求でも、あなたがたが何かを求めるたびに、川の流量は増し、流れは速くなる。
 あなたが今の人生以上の何かを望むとき、あなたの「見えない世界の部分」は願望のロケットに乗って飛び立ち、文字どおり先取りしてあなたの願望の波動を実現する。あなたが何かを問い掛け、その答えが生まれるたびに、あなたの「内なる存在」はその答えに焦点を結ぶ。あなたが問題にぶつかり、解決策を見いだすたびに、あなたの「内なる存在」はその解決策に焦点を結ぶばかりでなく、文字どおりそれと同じ波動となる。
 あなたさえ「許容・可能にする」なら、この流れの速い川は、人生があなたに創造するように仕向けたすべてが実現する下流へと運んでくれる。すべては一種の「波動の預託(よたく)口座」として下流にあり、あなたが流れ着くのを待っている。

 『実践 引き寄せの法則』 Part1 第6章 より  エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス:著  ソフトバンククリエイティブ:刊

 この世界は、拡大し続けています。
「生命の川」の流れは、永久に普遍的で、変えることはできません。

 私たち自身も、思考を拡大し新たな願望を抱くことで、その流れに力を足しています。

 拡大する「内なる存在」からの波動に、物質世界にいる自分の波動を合わせることができるか。
 すべてはその一点にかかっています。

あとどれだけたてば解決策が見つかるのか?

 私たちはどんなときでも、「感情」を通して「内なる存在」からの波動に対する自分の反応を感じ取ることができます。

 抵抗せずに自然と「川」を流れていれば、その調和は前向きな感情という形で感じられます。
 拡大成長への自然な流れに抵抗し続ければ、否定的な感情という形で示されます。 

 本書では、「オールを手放し、流れに身を任せる方法」の具体的な事例を数多く紹介しています。

 その一例として、「身体の具合が悪く、専門家から深刻な診断を下され、不安を感じている」というケースの対処法を取り上げます。

 自分の言葉あるいは焦点の置き方が流れに逆らっているか、流れに乗っているかを知るためには、ホッとして楽な気持ちになるかどうかをしっかり感じ取ることだ。例えば、次の言葉はどうだろうか。

「あとどれだけたてば体調はよくなるのだろう」(流れに逆らっている)

 今度はもっと気持ちが楽になる質問の仕方、見方を考えよう。自分の感情にしっかり集中して、次の言葉で気持ちが楽になることを感じ取ってほしい。

「よくなるのがあたりまえだ」(流れに乗っている)
「時間がたてばきっとよくなる」(流れに乗っている)

 これはびっくりするようなインパクトのある言葉とは思えないだろうし、完璧には信じられないかもしれないが、それでもいい。大事なのは、ほんのちょっとでも自分の気持が楽になる考え方を心がけることだ。これでカヌーにモーターがつくわけでも、瞬時に奇跡的に治るのでもないが、抵抗はなくなる。あなたはオールを手放し、カヌーの方向が変わる。今必要なのはそれだけだ。
 ときには何かが起こり、何かが目に入り、誰かに何かを言われ、何かを思い出して、また流れに逆らって上流に向かってしまうかもしれない。だが、それでもいい。あなたは自分が「川」の流れにいることに気づいている。だからもう一度ちょっと努力して、気持ちが楽になることを考え、流れに逆らう考えを捨てればいい。
 例えば、重い病気で苦しんでいる人に会って、症状が自分とそっくりなのに気づいたとする。ただ、その人のほうがずっと病気が重そうだ。そのとき、あなたは不安になって考える。「わたしもああなるのかしら。ああはなりたくない」
 だが、今回はその考えはあなたのなかで優勢にはならない。自分がどう感じるかということのほうが大切になっている。どう考えるかよりどう感じるかのほうが大切だから、あなたはこの瞬間に気持ちを楽にしようと決意する。

「自分もああなるのだろうか。ああはなりたくない」(流れに逆らっている)
「あの人がどうしてああなったのか。自分にはわからない」(流れに乗っている)
「あの人は1ヶ月前よりはよくなっているかもしれない」(流れに乗っている)
「あの人のどんな考えがあの経験を生み出したのか、わたしにはわからない」(流れに乗っている)

「あの人の経験とわたしの経験は関係ない」(流れに乗っている)
「自分から問題を探すことはない」(流れに乗っている)
「わたしは自分のことだけを考えていればいい」(流れに乗っている)

 このような考え方も、急激によくなるとか、人生を根底から変えるようなことは求めていない。ただ穏やかに、少しだけ気持ちを楽にしようとしている。毎日いろいろなことが起こり、いろいろなことを感じるだろうが、いつも少しだけ流れに乗る努力を繰り返していれば、そのうちきっと自然と流れに乗れるようになく。そうすれば、身体の状態もあなたがたが望む方向に向かってよくなっていることががわかるだろう。
 気持ちを楽にしようと心がければ――それは今この瞬間にできる――身体的な改善の基盤となる波動が生まれる。だが、いつ、どのようにして体調がよくなるかを知ろうとすれば、そんなことはわからないのだから、抵抗の波動が生じて体調の改善は妨げられる。要するに、今すぐに体調を改善することはできないが、気持ちを楽にして感情を前向きにすることはできる。それだけで十分なのだ!

  『実践 引き寄せの法則』 Part2 事例1 より エスター・ヒックス、ジェリー・ヒックス:著 ソフトバンククリエイティブ:刊

 起こってしまったことは、いまさら悔やんでもどうにもなりません。
 大事なことは、その出来事をどのようにとらえるかです。
 
 どう考えるかよりも、どう感じるかのほうが大切。
 気持ちが楽になる感じ方、楽しい感情が得られる考え方を選択する習慣を身につけたいですね。

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「引き寄せの法則」が存在する、と頭では理解できても、それを実感して自分の人生にどう活用していけばいいか、いまいちつかめていない人は多いのではないでしょうか。

 エイブラハムは、宇宙を「大きな川の流れ」としてイメージすることの重要性を強調しています。
 望み通りの人生を生きたいのなら、この川の流れに身を委ねることだといいます。

 自分が流れに沿っているか、逆らっているか。
 それは、自分がどう「感じているか」を知ればわかります。

「幸せ」という目的地への道を妨げているのは、自分自身であることに気づくこと。
 それが「引き寄せの法則」を自分のものにするための第一歩です。

 つねに焦点を合わせるべきは、「自分の感情」だけ。

 物事の本質、普遍的な真理はつねにシンプルで美しいものです。
 エイブラハムの教えを実践して、人生をより楽しく豊かなものに変えていきたいですね。

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