【書評】『非学歴エリート』(安井元康)

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 お薦めの本の紹介です。
 安井元康さんの『非学歴エリート』です。

 安井元康(やすい・もとやす)さんは、都立高校を経て明治学院大学を卒業後、ベンチャー企業を渡り歩き、実績を積み上げられています。
 02年に入社したMCJでは、同社のIPOD実務責任者として東証マザーズ上場達成後、26歳でCFO(執行役員・経営企画室長)を務められています。
 現在は、経営共創基盤(IGPI)のディレクターとしてご活躍中です。

どんな状況からも逆転可能な「努力の方法論」とは?


 平凡な学歴・小さい会社からキャリアをスタートさせた安井さんは、「このまま人生の負け組では終わらない」と一念発起します。
「人生を逆転させたい」という決意を胸に、自分自身の「個」の力を高めて、高学歴者に勝つためのスキルを磨くことに全精力をつぎ込みました。

 安井さんが目につけたのは「英語」「財務や会計といった数値スキル」です。

 この2つのスキルを武器に次々とキャリアアップを果たし、26歳で役員にまで上り詰めます。
 その後も順調にキャリアを積み重ね、年収は32歳の段階で、初任給から10倍以上になりました。

 学歴やコネがなくても、自分が望んだとおりのキャリアを歩み続ける安田さん。
 もちろん、その成功の裏には明確な理由があります。
 安井さんが強調しているのは、逆転したいなら自分にあった方法で努力しようということ。

 本書は、安井さんが自らの体験から得た、正しい努力を積み重ね、学歴や職歴に関係なく成功する方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「努力できるのも才能」は間違い


 安井さんの基本的な考え方は、「個」としての目標をしっかりと持ち、今、ここから圧倒的に努力することです。
 よく、「努力できるのも才能」と言いますが、安井さんは、これをきっぱりと否定しています。

 よく「努力できるのも才能」という言い方をする人がいますが、それは絶対に間違いです。
 条件さえ整えば、誰でも圧倒的な努力を積み重ねることは可能なのです。その努力のための条件とは、ただ一つ。
「自分はこういう人間になりたい」という確固たる目標を持つということです。
 この目標は、自分のための目標でなければなりません。会社や組織のための目標ではいけません。それでは、まわりにいいように利用されて終わりでしょう。そうではなく、「個」としての目標。これが大切なのです。
 そして、この目標をいったん肚(はら)に据(す)えたら、不要なことはいっさいやらないと覚悟を決めること。これだけのことで成功は約束されます。
 そして、ここが大切なところなのですが、本当に「自分のためになる」と確信できることであれば、人間は放っておいても努力をするものです。
 逆に言えば、世間の怠け者のほとんどは、目標がない。おそらく、ただそれだけのことで怠けざるを得なくなっているのだと思います。
 そして、もし職場や世間に、「がつがつ努力するのはカッコ悪い」という空気があるのだとすれば、それは、ますますチャンスです。ちょっと努力すれば、あっという間にまわりに差をつけることが可能だということなのです。
 ただし、同時に努力ではどうにもならないことがあることも知る必要があります。
 私は昔から、「自分がコントロールできる要素」と「コントロールできない要素」を分けて考えるクセがありました。この習慣は、精神的なエネルギーの消耗やストレスから自分を守るのに役に立ちます。

 『非学歴エリート』 第1章 より 安井元康:著 飛鳥新社:刊

 継続した努力できないのは、才能がないからではなく「自分はこういう人間になりたい」という確固たる目標がないからです。

 周りに努力できる人が少ないということは、大きなチャンス。
 自分が圧倒的に努力をすれば、短期間で先輩たちをゴボウ抜きすることができます。

 何ごとも、考え方次第だということですね。

努力を続けていくと視界が変わる


 安井さんにとっての「努力の定義」とは、「チャンスが巡ってきたときに、それをつかむための準備」です。
 むやみやたらなものではなく、自分の目的のためにポイントを絞った努力が大切とのこと。

 努力をしている人間としていない人間では、同じ世界に生きていても見えているものが違います。チャンスが見えるか見えないかは日々の過ごし方によるのです。
 なにかがあれば、それをステップアップの機会にしてやろうと、牙を研いでいなければ、絶好球も見逃してしまいます。
 会社にしがみつこうとする人たちの多くが八方ふさがりになるのは、自分の不作為で八方をふさいでいるからなのです。
「個」としての自分を重視し、日々の自分の問題意識の中で生きている人間には、世の中のほとんどの人に見えていないチャンスが見えます。
「流行っているかどうか」「その世界の権威がそれについてなんと言っているか」といった表面的な部分ではなく、自分自身の目で「それがどういうものか」という本質を見るクセがついているからです。
 そういう視点を持っていると、自然と「こういうサービスが長い目で見れば開花するはずだ」などと、物事への判断が鋭くなります。他の人よりも早くチャンスを見つけることができるようになるのです。
 その意味で、世の中がチャンスに満ちているかどうかは、まったくあなたしだい。「この会社に、なんとかあと20年いよう」と思った瞬間、チャンスは消え去りますし、「今からでも自分がなんとかしてやる」決断した瞬間から、さまざまなチャンスが見えてくるはずです。

 『非学歴エリート』 第2章 より 安井元康:著 飛鳥新社:刊

 人間の意識は、眼や耳などの感覚器官を通して、自分の興味のあることを探し出す働きがあります。

 一瞬一瞬「自分に役立つものはないか」とアンテナを張り巡らせている。
 そんな人は、それだけ多くのチャンスを捉えることができるということです。

 自分の大きな目標を達成するために必要なことは何か。
 問題意識を強く持ち続けていたいですね。

通勤中にスマホでゲームをしている人は生き残れない


 安井さんは、組織で働きながらも、他の職場・職種に行っても横展開できるようなスキルや経験を獲得していくことは、「個」として生きていくための必須条件だと指摘します。

 覚えたスキルは、自分を差別化していくための武器になります。
 このような武器を手に入れるためには、「圧倒的なインプット」をするしかありません。

 同じ会社にいても、10伸びる人、5の人、1の人・・・・・と差が出てきます。
 それは、どれだけの時間を自分のインプットに当てているかの差であって、それ以外にはありません。つねに「自分はもっとできるはずだ」と考えて、一秒でも多くインプットの時間を絞り出していきましょう。先ほど妄想することの重要性を申し上げましたが、マンガやゲームに萌(も)えているヒマがあったら、成功している自分を妄想して萌えましょう。
 たとえば、通勤時間。電車で通勤している人にとって、行き帰りの電車内の時間などは絶好のインプットの時間です。ぜひ、自分の強みを伸ばすための勉強にあてましょう。
 電車の中で寝るなんてもったいない。スマホでゲームなんて論外です。息抜きなのかもしれませんが、息抜きが必要なほど努力しているのか考えてみましょう。
 私は電車内だけでなく、駅からの歩きの時間も勉強にあてていました。
 かつては家賃を節約するために、最寄駅から歩いて20分はかかるボロアパートに住んでいましたので、帰りは暗い中、街頭の光に入っては英語のテキストを読み、次の街灯の光に入るまで歩きながらぶつぶつ暗唱していました。道ですれ違った人は、さぞかし不気味に思ったでしょう。
 学生時代もアルバイトは基本自分一人の時間を確保できる仕事をやっていました。たとえばピザ屋の宅配やバイク便ですが、これも運転しながらぶつぶつ暗誦(あんしょう)したり、イヤホンで聞きながらだって勉強していました(危ないのでおすすめはしません)。
 自分の成長のための時間、インプットの時間をいかに捻出するかは、成長のスピードに直結する問題です。よくよく工夫しなければいけません。学びのない時間が不安になるくらいの感覚でやっていけば、「個」としての能力は、あっという間にまわりを圧倒できるぐらいに伸びるでしょう。
 学びを継続できるかは自分の生活の中で、それを習慣化できるか否かにかかっています。逆に言えば、さぼること・遊ぶことを習慣化してしまってはいけない、ということでもあります。

 『非学歴エリート』 第3章 より 安井元康:著 飛鳥新社:刊

 時間は、すべての人に平等に与えられている貴重な資源です。

「一秒でも多くインプットの時間を絞り出そう」

 その意識を持って過ごすのとそうでないのとでは、数年後、大きな差となって表われます。

飲まないと本音で話せない人はプロではない


 安井さんは、「飲み会にいくのは、意味がないのでやめたほうがいい」と指摘します。

 仕事の問題は、仕事でしか解決できません。
 それに、酒の席で深まる交流は、たかが知れていますね。

 安井さんは、酒の力を借りなければ本音を話し合えない人は、「コミュニケーション能力に問題があるという意味で、社会人失格」だとも述べています。

 仕事のあとの酒の席で、「今日は言わせてもらう」などと言って急に説教をはじめる人がいます。酔った脳で考えた支離滅裂な説教で相手の貴重な時間を奪っていることについて、いったいどう考えているのでしょうか。
 仕事上の注意は、仕事の時間にすべきです。
 くだらない説教を聞かされているその時間にも、自分を磨くために勉強をしている人たちが確実にいるのです。
 それに、普段本音で話をしているわけでもない相手に、酒の席でいきなり「おまえ、こうだよね」なんて言われても、説得力が皆無です。言われたほうは、「あんたに、なにがわかるんだよ」となるでしょう。
 そもそも、職場で本音を話せない人間はプロとは言えないと私は考えています。
 一緒に働きながら、いちいち「これは本音なのかな」なんて余計なことを考えなくてはいけないとしたら、そんな人とは一緒にやっていられないでしょう。それよりも、それがどんなに厳しいものだとしても、言葉を額面どおりに受けとることができる人とのほうが、はるかによい仕事ができるはずです。
 職場で自分の本音を話せないのだとしたら、これは「個」としても大きな問題です。
 自分の本音を話せないということは、その会社にいて仕事をしている自分が、「本当の自分」ではないということにもなります。そうした状況は改善すべきではないでしょうか。

 『非学歴エリート』 第4章 より 安井元康:著 飛鳥新社:刊

 飲み会に出なくても、仕事でしっかり結果を出していれば、会社は評価してくれます。
 そのためにも、職場では、普段から本音で話せる人間でいたいですね。

 くだらない飲み会に費やすお金とエネルギーを、自分が成長するための自己投資に使う。
 そうすれば、周りとの差を更に広げることができます。
 健康のためにもなりますし、いいことずくめですね。

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 安井さんは、他人の言葉に流される『浮遊層』になるなと繰り返し強調されています。

 努力することは、成功するための条件です。
 だからといって、ただやみくもに頑張っても、たいした成果が得られません。

 大切なことは、まわりに流されず、自分にとっての正しい努力の方向性を見極めること。

 社会人になって会社に入ることは、ゴールではなくスタートです。
 そこから努力次第で、どこからでも逆転は可能です。

 目標をもって、「正しい努力」を積み重ねることが人生を逆転させる秘訣。
「自分にとってのベストはなにか」を意識し、思い描いた自分だけの人生を切り開きたいですね。


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