【書評】『マインドフルネス瞑想入門』(吉田昌生)

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 お薦めの本の紹介です。
 吉田昌生さんの『~1日10分で自分を浄化する方法~マインドフルネス瞑想入門』です。

 吉田昌生(よしだ・まさお)さんは、瞑想・ヨガ講師です。
 ご自身の精神的な不調和の経験をきっかけに、理想的な心と身体の在り方を研究されています。

マインドフルネス瞑想は、「心の整理術」


 最近、注目されている「マインドフルネス」
 マインドフルネスとは、今という瞬間につねに注意を向け、自分が感じている感覚や感情、思考を冷静に観察している心の状態です。
 妄想や雑念を追い払い、「今、ここ」に100%心を向ける在り方のこと。

 吉田さんの提唱する「マインドフルネス瞑想」は、マインドフルな状態を目指すことを目的としたトレーニングです。
 いわば、「心の整理術」といえるものです。

 マインドフルネス瞑想がもたらすメリットには、以下のようなものがあります。

  1. ストレスが解消され心が穏やかになる
  2. EQ(心の知能指数)が高まり、心が安定する
  3. 頭が明晰になり、洞察力が高まる
  4. 直感力、創造性が高まる
  5. 思いやり深くなり、人間関係が良くなる
  6. 内も外も若々しく、美しくなる
  7. 眠りの質が上がる
  8. 幸福感が高まる
  9. ゆるぎない自信が育まれる
  10. 影響力、リーダーシップ能力が高まる
  11. 自分らしい人生を実現できる
 世界中の有名なビジネスリーダーや成功者の多くが、瞑想を習慣にしています。
 それは、短い時間で大きな効果を実感できるからに他なりません。

 本書は、忙しい現代人でも、日常生活のなかで気軽にマインドフルネス瞑想を続けていく方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「マインドフルネス瞑想」をやってみよう!


 マインドフルネス瞑想は、今この瞬間、自分の内側に起こっていることに100%注意を集中させて観察し続けるため、いわば脳や心のトレーニング

 やることはシンプルで、誰でもすぐに実行できます。
 基本的には、姿勢を正しして、ただ自分のしている「呼吸」に意識を向けるだけです。

 意識が呼吸からずれたことに気づいたら、注意を呼吸に引き戻していく。
 ただ、この作業をくりかえすだけです。

 試しにさっそくやってみましょう。タイマーなどがあれば用意してください。
 三分間、自分の呼吸にすべての注意を向けて、観察してみましょう。

 改めて、自分の呼吸を確認してください。
 今この瞬間、あなたはどんな呼吸をしていますか。
 くりかえされている呼吸を、ただ観察します。
 まるで、呼吸という波に乗ってサーフィンをしているかのように、一つ一つの息の流れに注意を向けます。
 その入ってくる息、出ていく息の波に乗っていきましょう。
 呼吸はコントロールしようとせず、ただ感じるだけで結構です。
 呼吸の波に乗って、瞬間ごとに、注意を向けましょう。

 それでは、ここから三分間、スタートです。
 チーン(鐘の音)

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 いかがでしたか?
 三分間、何を感じましたか?
 長く感じたかもしれませんし、短く感じたかもしれません。
 もしかしたら、

「ながいな、まだかな。・・・・・退屈だ」
「こんなことして何の意味があるんだろう」
「あ、考えごとしていた・・・・・瞑想は自分には向いていない」

 といった思考が浮かんだりしたかもしれませんね。

 ハッと「我」にかえり、「気づいたら、呼吸のことを忘れて、ずっとほかのことを考えていた」というこは、誰にでも起こります。そのように考えてしまったことが、失敗というわけでもありません。
 人間の心は移ろいやすく、「今、ここ」に集中するのが苦手です。
 さっきまで呼吸に意識を向けていたのに、気づくと、頭のなかのおしゃべりに夢中になっていて、「今、ここ」に座っていることも、「呼吸」に注意を向けていたことも忘れていたりします。
 それはまるで、「思考」や「感情」という波にのまれ、「注意」というサーフボードから落っこちてしまい、海のなかでおぼれている状態です。思考におぼれていることに気づいたら、またサーフボードの上に乗りなおし、呼吸の波と一つになりましょう。
 このくりかえしによって心が鍛えられ、徐々に思考が鎮まっていきます。
 サーフィンを毎日やると、何も考えなくても波に乗れるようになり、波に乗っている時間が少しずつ増えていきます。これと同じで、瞑想も実践を重ねていくなかで、呼吸と身体と心が一つになる感覚が高まっていくのです。

 『マインドフルネス瞑想入門』 Chapter1 より 吉田昌生:著 WAVE出版:刊

 実際にやってみるとわかりますが、3分でも、呼吸に意識を集中し続けるのは、難しいものです。
 最初から上手にできる人は、ほとんどいないでしょう。

 とにかく、毎日やること。
 習慣にすることが大切です。

「呼吸と身体と心がひとつになる感覚」が高まっていく。
 その小さな変化を楽しみながら、続けていきたいですね。

「姿勢」が心を調える


 瞑想を長く続けるために重要なのが、「姿勢」です。
 吉田さんは、瞑想するときの姿勢のポイントについて、以下のように解説します。

 瞑想を効果的に深めてくれる姿勢の一番重要なポイントは、よけいな緊張をゆるめて、最小限の力で背すじを伸ばしていくこと。背骨が気持ちよく伸びていて、首や肩に、よけいな力が入っていないということです。
 座っていても立っていても、自分にとって「安定」して「快適」な姿勢をとることが大切です。

 まず、体の土台となる骨盤を起こして、左右の坐骨に均等に体重を乗せていきます。こうすることによって、骨盤が下向きに安定していきます。
 次に大切なのは、体の中心軸を探ることです。
 上体を前後左右にゆっくりとゆすりながら、だんだんとゆれを少なくしていき、ミリ単位で微調整して、自分の中心軸をさだめていきます。
 中心軸をさだめたら、次は背骨を最大限に伸ばしていきましょう。
 背骨を伸ばすときのイメージを三つ紹介します。

①頭頂からヒモが出ていて、それを誰かに引っ張りあげられるように背骨が受動的に引き延ばされる。
②頭の上に大きな荷物を乗せていて、それを押しかえすように腰をすえ、背筋を伸ばす。
③身長計を押し上げるときの感覚で、頭頂まで最大限に引き伸ばす。


 座っていても立っていても、背骨と背骨の間にある椎間板にもわずかにスキマができるかのように、まっすぐに伸ばします。
 背骨はエネルギーの通り道。詰まりがなくてすっきりした状態をつくることが基本になります。
 いかがでしょうか?
 姿勢を正すだけでも、気持ちまでもが、シャキッとしてくるのを感じるはずです。

 『マインドフルネス瞑想入門』 Chapter1 より 吉田昌生:著 WAVE出版:刊

座るときの姿勢 P29Chapter1
図1.座るときの姿勢 (『マインドフルネス瞑想入門』 Chapter1 より抜粋)

 瞑想中の姿勢は、骨盤を起こして、背筋を伸ばし、安定して快適であることが基本です。
 それさえ守れば、手の位置や足の組み方などに決まりはないとのこと。

 正座や椅子座でも構いません。
 それぞれがやりやすい方法で取り組みましょう。

瞑想に必要な「完全呼吸」


 瞑想において、姿勢とともに大事なのが、「呼吸」です。
 マインドフルネス瞑想における呼吸は、「完全呼吸」と呼ばれる呼吸法です。

 呼吸法には大きく分けて二種類、「胸式呼吸」と「腹式呼吸」があります。

「胸式呼吸」は、「肋骨」の動きで肺を圧迫し、空気を出し入れします。
 大量の酸素を一気に取り込むことができるので、交感神経が刺激され、体が活発になります。大きく呼吸できるので、特に、瞬発力が必要なスボーツに向いています。

「腹式呼吸」は、「横隔膜」の動きで、空気を出し入れします。
 ゆっくりと酸素を取り込むため、副交感神経が刺激され、体がリラックスするだけでなく、横隔膜が上下に動くため、内臓の血行も促進されます。

 理想的な呼吸法は、これらを合わせたもので、「完全呼吸」と言います。
 胸式呼吸と腹式呼吸を合わせることで、両者のいいところを取り入れながら、最大限に呼吸することができるのです。

 さっそくやってみましょう。
 お腹と、胸に手をあててみてください。呼吸によってお腹と胸がふくらむのを感じます。
 吸うとき、お腹がふくらみます。そして胸がふくらみます。吐くとき、お腹と、胸が同時にゆるみ、最後に、お腹をしぼって吐ききっていきます。

 また息を吸うと、お腹がふくらみ、続いて、胸がふくらんでいきます。
 息を吐くときは、お腹と胸がゆるみ、最後に腹で吐ききっていきます。

 身体のなかの気の流れをイメージすると、わかりやすいかもしれません。
 息を吐ききるとき、丹田にエネルギーが集まっていきます。
 吸う息では、その丹田の気が上昇し、胸を内側からふくらませていきます。
 吐く息では、お腹と、胸の力がゆるみ、そして、吐く息の終わりでは、また丹田にエネルギーが集まり充実していきます。

 まとめると、完全呼吸とは、吐くときに「腹式呼吸」を意識し、吸うときに「胸式呼吸」を意識すること。
 吸う息の終わりでは、胸が内側からもひろがっていき、吐く息の終わりでは、お腹が充実していく。そんなイメージで呼吸をしていくと、お腹と胸を使った完全呼吸になります。

 『マインドフルネス瞑想入門』 Chapter2 より 吉田昌生:著 WAVE出版:刊

 デスクワークが多い現代人。
 呼吸が浅く、日ごろの呼吸では、肺の約3割しか使っていない、と言われています。

 呼吸を深くすることで、精神を安定した状態に保つことができます。
 完全呼吸は、瞑想するときだけでなく、普段から日常的に取り入れたいですね。

思考の「ラベリング」


 頭のなかのおしゃべりは、自動的に湧きあがってきます。
 吉田さんは、普段の生活のなかで、妄想や雑念をとりのぞくテクニックとして、「ラベリング」を挙げています。

 妄想や雑念をとりのぞくための「ラベリング」というテクニックを紹介します。一瞬一瞬、生じている身体感覚や思考に「気づき」を続けることができれば、妄想や雑念はとりのぞけます。

 今経験している出来事に、気づいて、気づいたことを言語化し、自覚をすることを「ラベリング」と言います。
 まさに、ノートにラベルを貼っていくようなイメージで、感覚を感じたら、その直後に「ラベリング」し、「今、ここ」の出来事を「言葉」で確認していきます。

 ラベリングは声に出さず、心のなかで一度だけ唱えます。

 音が気になったら、「音」とラベリング。
 仕事のことを考えたら、「雑念」とラベリング。
 眠くなったら、「眠気」とラベリング。
 ほおがかゆくなったら、「かゆみ」とラベリング。
 足がしびれてきたら、「しびれ」とラベリング。
 食べ物のことを考えたら、「雑念」とラベリング。
 腰が痛くなってきたら、「痛み」とラベリング。

 と、感じた感覚を心のなかで言葉で確認し、気づきを入れていきます。
 また妄想や雑念をとりのぞくためだけでなく、感覚に集中するためのテクニックとしても使えます。

 息を吸うときに、「吸う」とラベリング。
 息を吐くときに、「吐く」とラベリング。

 と、一つ一つの呼吸をラベリングすることで注意を向けなおすこともできます。

 また歩きながら行う瞑想では、右足の裏の実感を感じたら、「右」、左足の裏の実感を感じたら「左」と心に留めながら歩きます。
 ただし、ラベリングは、かけ声にならないように、しっかりと感覚を受けとってから、言葉で確認するようにします。
 このような内側で起こっていることに気づきを入れていくことで、たいていの思考や不快な身体感覚は消えていきます。
「ラベリング」することで、それが対象化され、手放しやすくなり、また呼吸や身体の感覚に戻ることができます。

 『マインドフルネス瞑想入門』 Chapter2 より 吉田昌生:著 WAVE出版:刊

 マインドフルネスとは、「今、ここ」に100%心を向ける在り方
 大事なのは、「今、ここ」で、自分が何を感じ、何を考えているのか、「気づく」ことです。
 そのための訓練は、瞑想だけでなく、日常の生活のなかでも行うことができます。
 ぜひ、実践したいですね。

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 吉田さんは、マインドフルネス瞑想をはじめる前は感情的になることが多かったそうです。
 しかし、マインドフルネス瞑想を始め、日常生活でも、マインドフルネスを意識するようになってからは、「何もしない」で、「今、ここ」にいる時間が増えて、心も穏やかになったとおっしゃっています。

 マインドフルネス瞑想をマスターするのに重要なのは、「毎日やること」です。
 忙しい日は、3分の瞑想でも効果があるとのこと。

「継続は力なり」

 この言葉は、マインドフルネス瞑想にも当てはまるということです。
 本書の付属として、瞑想ガイダンス用のCDが付いています。
 それも活用しながら、ぜひ、習慣にしたいですね。


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