【書評】『できる人の仕事のしかた』(リチャード・テンプラー)

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 お薦めの本の紹介です。
 リチャード・テンプラーさんの『できる人の仕事のしかた』です。

 リチャード・テンプラーさんは、英国の実業家です。
 旅行代理店、スーパーマーケット・チェーン、レストラン、カジノなど、幅広い分野で30年以上のマネジャー経験をお持ちです。

優秀な人の仕事には、「ルール」があった!


 テンプラーさんは、以前、経歴や専門知識の量で劣る同僚にマネージャーへの昇進争いで遅れをとったという痛い経験をします。

 そのことをきっかけに、認められる人は、どういう原則に従って行動しているのかを観察し、集めて、整理することに取り組み始めました。

 時間をかけて職場を観察していくうちに、優秀なマネージャーには、それらしい歩き方、服装、身だしなみ、話し方や態度があることに気づきます。

 テンプラーさんは、何年もかけてそれらを拾い集めて「仕事のルール」という形にして熟成を重ねました。

 本書は、それらの「仕事のルール」を108個の項目にまとめた一冊で、英国では70万部売り上げ、世界40カ国以上で読まれているベストセラーになっています。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分のエネルギーを管理する


 テンプラーさんは、時間管理の上達にはあらゆる努力をすべきだと述べるとともに、管理すべきものがもう一つあると指摘します。
 それは“エネルギーの管理”です。 

 健康管理もエネルギー管理の中に含まれる。
 いつも健康的な体を保つこと。翌日も仕事があるなら、すべてを今日片付けようと、くたくたになるまで働くのは禁物だ。夜更かししたり、食べすぎたり、酔っぱらったり、朝食を抜いたりして、仕事に支障を来すようなことがあってはいけない。
 精神のエネルギーも忘れてはいけない。
 あなたは、一日のうちの何時ごろが、最も仕事に集中できるだろうか。食前か、食後の満腹のときか、それとも適度にこなれたころだろうか。
(中略)
 また、エネルギーには感情のエネルギーもある。
 家庭生活がうまくいっていないようなとき、または、職場で何か心に重くのしかかることがあるときは、親しい人に相談したり、休み時間に体を動かすなどで、エネルギーレベルを上げ、気持ちを盛り上げる方法を見つけなければならない。
 
 仕事には、かなりのエネルギーが必要だ。仕事に必要な分のエネルギーをきちんと確保しておくことはあなたの責任なのだ。

 『できる人の仕事のしかた』 第1章 より  リチャード・テンプラー:著 桜田直美:訳  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 最近は、世界的に電気やガスなどを無駄にしない、省エネルギーの製品が流行しています。

「少ない消費エネルギーでより長く、より強く」

 がトレンドです。

 人間も、省エネ型のより効率の高さを求められるようになっていくでしょう。

「時間」と「エネルギー」。
 この二つの資源をきっちり管理して、有効に活用していきたいですね。

周りに惑わされず“孤高の存在”となる


 身の回りには、自分を大いに利用して、貸しを作って自分の身代わりや踏み台にしたいと思っている人が少なからず存在します。

 テンプラーさんは、そんな社内政治や、足の引っ張り合いには巻き込まれない“孤高の存在”にならなくてはならないと強調します。

 あなたは静けさの泉だ。嵐の中で無風状態を保つ台風の目。頼りになるチームの大黒柱。常にどっしりと構え、微動だにしない。
 誠実さを守るあなたは、すべての基準となる。周囲は、あなたを基準に自分を評価する。あなたが「それはダメだ」と判断すれば、周りの人間もそう考える。あなたが「問題ない」と判断すれば、周りも安心して取り組むことができる。すべてはあなたを基準に評価されるようになる。

 あなたの意見やアイデアは無料ではない。あなたが何か助言するたびに、そこには代価が発生している。その代価とは“信頼”だ。あなたは群れと一緒に狩りはしないかもしれない。しかし、群れのメンバーは、信頼できる本物のリーダーを求めるものだ。
 大切なのは、親切さ、思慮深さ、誠実さ。いつも明るく、頼りにされる人でいる。自分のためにも、人のためにも嘘をつかないが、必要となれば、それと似たようなことは実行する。思いやりを持ち、周囲の人を守り、人間としての彼らに心から興味を持つ。

 『できる人の仕事のしかた』 第5章 より  リチャード・テンプラー:著 桜田直美:訳  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 周囲の騒乱に惑わされずに、自分を冷静に保ち続け、淡々と行動する。
 そんな“孤高の存在”であり続けることは、難しいことです。

 難しいからこそ、一目置かれる存在になり、信頼されるのでしょう。


「動かざること山の如し」

 すべての“基準となる存在”を目指したいですね。

絶対にカッとならない


「絶対にカッとならない」

 テンプラーさんは、このルールに例外はないと述べています。

 自制心を失うとは、つまり、コントロールを失うことです。
 コントロールは、すべてのルールの象徴だからです。

 カッとくるような状況でも平静さを失わずにいるには、いったいどうしたらいいのだろう。
 それは簡単だ。ただ天に目を向けるだけでいい。これは冗談ではない。私は真剣だ。
 自制心を失うのは、自分が当事者、つまり問題の一部になったときだけだ。そこで目の前の争いではなく、もっと高い次元、たとえば会社全体の問題に目を向ければ、原因が何であれ、新しい視点で見ることができる。
 または、単純に争いの場から去るという方法もある。ただオフィスやミーティングから出ていくのだ。この方法は相手に衝撃を与えることができ、たいていはとても効果的だ。心の中で10まで数えるという方法もいいだろう。

 『できる人の仕事のしかた』 第8章 より  リチャード・テンプラー:著 桜田直美:訳  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

「短気は損気」

 やはり、それは世界共通のようですね。

 つい、カッとなって相手に当たり散らしても、何も解決しません。
 それどころか、相手を余計に刺激し、反感を買ってしまうだけです。

 気に障る相手に対しては、より高い次元で物ごとを考えること。
 頭の片隅に入れておきたい言葉ですね。

同僚を味方にする


 出世するためには、同僚からの支持が不可欠です。
 しかし、同僚より早く出世するために全力を尽くす必要もあります。

 では、それでも同僚と仲良くなり認められるには、どうしたらいいでしょうか。

 あなたの取るべき行動は、彼らの仲間になりながら、完全に同化せず、わずかな距離を保つことだ。羊と一緒に走りながらも、狼と一緒に狩りもしなければならない。同僚たちの「仲間」であると同時に、上司たちの一員でもある。
 同僚たちと楽しく付き合いながらも、羽目を外してはいけないし、同僚の一人と深い関係になるのもいけない。彼らのジョークに笑っても、休暇の旅行は一緒に行かない。
 彼らが困っていたら助けの手を差し伸べるが、あなたも一緒になってパニックを起こすことはない。あなたはあくまで冷静で落ち着いている。彼らの仲間で、お遊びの共犯者でありながら、彼らの母親のようでもある。上司や経営陣に対する愚痴に耳を貸すが、自分の正体は明かさない。
 あなたは同僚の仕事を手伝い、彼らから頼られる存在になる。あなたは外交官であり、調停役、レフェリー、仲間、司祭である。あなたはとてもいい人で、とても親しみやすいので、同僚たちはあなたを愛さずにはいられない。
 あなたは、同僚にとって力強くそびえ立つ塔であり、頼りになる支えであり、気のおけない仲間でもある。
(中略)
 以上のようなことは、すべて可能だ。もちろん簡単ではないが、不可能ではない。同僚と本当にうまくいっていれば、むしろ彼らのほうからあなたを押し上げてくれるだろう。あなたに上司になってもらいたい、あなたに先頭に立ってもらいたいと思うようになるのだ。

 『できる人の仕事のしかた』 第10章 より  リチャード・テンプラー:著 桜田直美:訳  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 出世することだけでなく、ものごとをうまく進める。
 そう思うのなら、何よりも敵を作らないことが優先されます。

 敵を作ってでも強引に前に進もうとすると、大きな摩擦を生みます。
 結局、余計なエネルギーを使うことになりますし、思わぬところから足を引っ張られることもあります。

 仲間でいながら、「完全に同化せず、わずかな距離を保つこと」。
 職場の人間関係には、そんな微妙な距離感も求められます。 

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 自らの職場という「実戦」の場で拾い集めた。
 テンプラーさんが、自らそうおっしゃるだけあって、実用的で即効性のある「仕事のルール」ばかりです。

 テンプラーさんは、本書を読んで、しばらくはすべてのルールを厳格に守ることが正しい姿勢だとおっしゃっています。

「だいたい自分はできているし、問題ない」

 そう考えて厳格に取り組まない人は、たいていが自信過剰です。
 知っているからといって、それができるというのとは別の問題だからです。

 まずは、本書の内容をしっかり頭に刻んで、「ルール」に従って生活してみる。
 そして、ルールが完全に身についたとき、ルールは「第二の本能」になります。

 真剣に取り組んで、新しい自分を創り上げていきたいですね。

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