【書評】『ポジティブ・インパクト』(ボブ・トビン)

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 お薦めの本の紹介です。
 ボブ・トビンさんの『ポジティブ・インパクト まわりにいい影響をあたえる人がうまくいく』です。

 ボブ・トビン(Bob Tobin)さんは、経営コンサルタント、エグゼクティブ・コーチ、講演家です。
 数々の有名な世界的企業をクライアントに持ち、25年以上を日本で過ごされています。

いつでも、どこでも「ポジティブな影響」を与えることができる!


 お金を稼いで、経済的に安定する人生。
 人から尊敬され、認められ、「生きがい」を感じる人生。

 私たちは、この2つを同時に達成するのは、困難だと考えてしまいがちです。
 しかし、それは間違いです。

 トビンさんは、今取り組んでいる仕事や毎日のなかで、誰もがポジティブな影響――ポジティブインパクト――を与えられると強調します。

「いったいどうやって?」と思うかもしれません。
 どうすれば変化をもたらすことができるのかと聞かれたら、私はこう答えます。

  1. ポジティブな影響を与えることを優先する。
  2. まわりの人たちに目を向ける。
  3. 今すぐに行動を起こす
 仕事でもプライベートでも、あなたはポジティブな影響を与える存在になれます。何歳であろうと、どんな職業であろうと、たった今どう感じていようと、ポジティブな影響を与えるために必要な変化を起こすことができます。
 そうやって人の人生を豊かにするうちに、あなたの人生も想像できないほど豊かになります。
 本書のタイトルのとおり、ポジティブな影響を与えるために、あなたにできることを紹介しています。そうした行動が、人やあなたの人生に前向きな変化をもたらします。また本書は、自分の働き方を振り返るきっかけにもなるはずです。
 私自身の仕事人生は、ずっと右肩上がりで順調だったわけではありません。多くの浮き沈みを経験しました。教授やコンサルタントの他に、バーテンダーやマーケティングの仕事、おもちゃの実演販売、キャンプのカウンセラーもしました。失業も経験しています。
 若いころ、私が重視していたのは経済的成功でした。それでも、自分の仕事で人の人生に変化をもたらしたいという思いは常に持ち続けていました。
 自分にとって一番大切なことは何だろうかと私は葛藤してきました。経済的成功を収めながら、同時に人の人生に変化をもたらすことができるとは思っていませんでした。どちらか一方を選ぶ必要はないということに気づかなかったのです。あなたも、どちらか一方を選ぶ必要はありません。
 あなたにお願いがあります。どうか本書をゆっくりと読み進めてください。最大の効果を得るために、小説のように一気に読まないでください。
 ポジティブな影響を与えるには、自分の考え方や行動をある程度変える必要があります。私はこれまで人が考え方や行動を変える手助けをし、自分自身の考え方や行動も変えてきました。
 本書には余白がたくさんあります。また、本書全体に、自分で考えて答えを出してもらう質問を載せています。余白にメモをとり、質問に答え、心に響いた箇所に線を引きながら読んでください。
 読んでいる途中、立ち止まって考え、共感を覚えたことや腑に落ちたことを行動に移してみてください。そうすることで本書から最大の成果を得ることができます。

『ポジティブ・インパクト』 序章 より ボブ・トビン:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 トビンさんは、人の人生を豊かにすれば、あなたの人生も豊かになると述べています。

 本書は、誇らしい心の財産と人生を築くための「人にポジティブな影響を与える」ノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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あなたの言葉や行動で、誰かの人生がよい方向へ変わる!


 なぜ、ポジティブな影響を与えるよう心がけるべきなのか。

 トビンさんは、この問いに対して、二つの理由を述べています。

 一つは、人の人生をよりよいものにできるから。
 もう一つは、想像もしない形であなたの人生が豊かになるから。

 トビンさんは、あなたがどんな立場でも、ポジティブな影響を与えるように努めれば、まわりの人のあなたを見る目がはるかに好意的になると述べています。

 ポジティブな影響とは、あなたの発する言葉や行動で、相手に前向きな反応、変化、感情をもたらすことを指します。あなたの言葉や行動によって、他の誰かの人生がよい方向へ変わるのです。
 あなたの言葉に相手がほほ笑んだり、笑ったりするだけでもかまいません。(しかめっ面ばかりしている人を見ると、この人が笑ったらどうなるのだろうとよく思います)。あなたがとる行動で人をいい気分にさせたり、これまで考えもしなかったことを考えるきっかけを与えるのもポジティブな影響といえます。昇進の申請をするよう促したり、才能に気づかせたりするのもそうです。
 人生を変えるようなものでなくてもかまいません。人との日常的なやりとりがポジティブな影響を与えることもあります。それは職場だけに限りません。どこでも起こり得ます。あなたの存在自体がポジティブな影響をもたらすこともあります。あなたの働き方や生き方が、誰かの手本やヒントになるような場合です。あなたの仕事ぶりや生き方に魅力を感じたとき、人はあなたのような働き方や生き方をしたいという気持ちになるかもしれません。

▷あなたは誰に対してポジティブな影響を与えてきましたか?
▷あなたはどう行動し、どんな言葉をかけましたか?
▷それに対して、どのような反応が返ってきましたか?
▷ポジティブな影響を与えたとき、あなたはどう感じましたか?

『ポジティブ・インパクト』 第1章 より ボブ・トビン:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 人に影響を与える。

 といっても、何か特別で偉大なことをする必要はありません。
 日々の態度や何気ない会話でも、相手にポジティブな影響を与えることは可能です。

 自分が影響を受けた人たちを思い出しても、それが理解できるでしょう。

「影響を与える」という新しい習慣を身につける


 ポジティブな影響を与えるように努力することは、「自分にとっての変化」といえます。

 それは、自分で起こした変化は受け入れやすいものですが、人から変わるように望まれたり命じられたりしても、抵抗することが多いからです。

 ポジティブな影響を与えるように努力をしているとき、相手から受け取る賛辞や笑顔、感謝の言葉が励みになります。あなたが起こしている変化に周囲が気づくのにさほど時間はかかりません。すぐには気づかなくても、少し待てば必ず気づきます。
 人に会うときにあなたが与える印象が変わり、相手の笑顔が増えたり、あなたのそばにとどまる時間が少しだけ長くなったりするでしょう。何が変わったのだろうと不安に思う人もいるかもしれません。
 会話や話し合いを終えたとき、相手は気分がよくなっていいます。あなたも同じです。もしかしたら、それがいずれキャリアアップという形で報われるかもしれません。
 そのうちに、ポジティブな影響を与えるスキルが、振る舞いとして身につきます。そして、習慣になります。
 人にポジティブな影響を与えようという強い気持ちからすべてが始まります。その気持ちがあってこそ、新たなスキルを身につけ、今まで使わずに眠っていた既存のスキルを生かせるようになるのです。
 あなたが10年以上仕事をしている場合、変わるには遅すぎると思うかもしれません。でも、学校を卒業して学生から社会人になるときや、20代から30代、40代、50代、さらにその上の年代になるとき、あなたはすでに変わっています。
 今変わらずに、いつ変わるのですか?
 あなたが社会人になりたてか、働き始めて2、3年の場合、ポジティブな影響を与えるなど、自分には早すぎると思うかもしれません。でも、なぜ待つのですか? ぜひ今のうちからあなたの評判を築いてください。
 私が一緒に仕事をした多くの中高年の方が、キャリアのもっと早い時期に人に影響を与えるポジティブなマインドを築いておけばよかったと考えていました。私自身も、もっと早くからこういう働き方をしていればよかったと思います。
 私たちは人生を歩むにつれ、役割が変わるにつれ、自分のアイデンティティを変えていきます。転居や転職、昇進といった人生の転機におけるメリットの一つは、「仕切り直し」ができることです。たとえ物理的に移動せず、仕事や生活の場所が変わらなくても、人にポジティブな影響を与えようと心を切り替えることはできます。

『ポジティブ・インパクト』 第2章 より ボブ・トビン:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 自分が「ポジティブな影響を与える人になろう」と決意すること。
 それが一番大事であり、最初の一歩でもあります。

 そのタイミングに遅すぎることはないし、早すぎるということもないです。
 すべては、自分の意識次第だということですね。

ささいなことにも「ありがとう」を言う


 トビンさんは、「ありがとう」というシンプルな言葉には、魔法のような力があると述べています。

「ありがとう」を言うのはささいなことですが、大きなインパクトを与えます。一緒に働く人たちや、あなたのために働いている人たち、仕入先や顧客に感謝の言葉をかけてください。家族にも感謝を伝えましょう。その全員があなたの成功を支えているのですから。
 感謝を伝えるチャンスを逃さないで下さい。たとえ受け取った知らせががっかりする内容だったとしても、感謝を伝えてください。
 応募したポジションに採用されなかったときは、あなたの応募書類を検討してくれたことに対して採用担当者に感謝を伝えてください。あなたが出した数字が「合わない」ことに同僚が気づいたときは、そのために仕事が増えたとしても、指摘してくれたことに感謝してください。

 建築士の友人が特別フェローシップの最終選考に残ったという通知を受け取ったとき、私は、選考委員会に返事を書いて感謝を伝えるよう勧めました。
 2ヶ月後、友人はフェローシップ不採用の通知を受け取りました。
 彼女にどうすべきか相談された私は、再び返事を書いて「応募内容を検討してくださりありがとうございました」と感謝の言葉をつづるよう勧めました。こうして友人は、選考委員会の尽力に対する感謝の気持ちを伝えることができました。
 彼女は不採用の知らせにショックを受けたはずだと思うかもしれません。もちろんショックを受けたに違いありませんが、感謝を伝えることによって、彼女は失意から立ち直り、別のプロジェクトに集中できるようになったのです。
 今回の不採用は、選考委員会とつながりを持つチャンスでもあります。「ありがとうございます」の一言が選考委員会に好印象を与え、別の機会に委員が彼女の採用を検討する可能性が高くなることが期待できます。
「ありがとう」と言う理由を見つけてください。メールをありがとうございます。お返事をありがとうございます。翻訳に協力してくださりありがとうございます。この本を手にとってくださりありがとうございます。
 いつでもお礼を言う理由を見つけてください。

『ポジティブ・インパクト』 第4章 より ボブ・トビン:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

「ありがとう」の言葉をかけられて、嫌な気分になる人はいません。

 たとえ、意にそぐわない結果がでたとしても、自分に何かをしてくれた人に対しては、素直に「ありがとう」と言うようにしたいですね。

よそ見をせずに、相手に目を向ける


 ポジティブな印象を与えるために大切なこと。
 それは「相手に目を向ける」ということです。

 トビンさんは、目を向けるというのは、本当の意味で注意を払っているという意味だと述べています。

 人を見てください。そう言うと簡単に聞こえますが、実際はあまりできていません。私たちの目に入っていない人たち、その存在さえ認識していない人たちがまわりに大勢います。
 物思いにふけったり、携帯電話に気をとられたりすると、まわりが見えなくなります。私たちは、電車や、職場や、エレベーターに駆け込むときに、人と擦れ違います。まっすぐ前を見ないで、下を向いたりよそを向いたりしがちです。
 両親が携帯電話をいじっている間、放っておかれている子どもを見かけたことはありませんか? その光景を目にすると、私はつらくなります。子どもがそこにいるのに、目を向けられず、注意を払われていないからです。そんな状態が数時間続くこともあります。

 もっとペースを落として、まわりの人たちを見てはどうでしょうか? 今、スローダウンする必要性が叫ばれています。これはそんなに難しいことでしょうか? スローダウンするメリットとして、より多くのもの――たとえば、緑や、建築物や、人――が目に入るようになることが挙げられます。
 人を見ているとき、あなたは相手の自尊感情を高めています。自分を透明人間のように感じたい人はいません。あなたが目を向けると、相手は気分がよくなります。これはちょっとした心がけでできることです。
 何も言わなくてもかまいません。相手を見かけたときに、少しだけ目を合わせたり、ただうなずいたりするだけで、心を通わせることができます。人に目を向けて心を通わせると、相手の人生も自分の人生も豊かになります。あいてはそこにいます。存在します。私たちには相手が見えています。

 人を見ることは、思うほど難しくありません。
 どこかを歩いていて、近づいてきた相手が突然向きを変えたり、電話に集中し始めたりした経験はありませんか? そのとき、嫌な感じがしたことはありませんか? 目を合わせるのではなく、見えているのにあえて避けるような行為は、場合によっては相手を傷つけるかもしれません。
 視線を合わせるのが苦手な人もいるでしょう。難しい場合は、目に近い相手の鼻筋を見るようにしてください。

『ポジティブ・インパクト』 第6章 より ボブ・トビン:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 人と話すときは、他の作業をしない。
 そして、体の向きを相手に向けて、視線を相手の鼻筋あたりにもっていく。

 それだけで、相手への印象が大きく変わるのですから、やらない手はありません。
 つねに心がけて、習慣にしたいですね。

 

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 トビンさんは、ポジティブな影響を与える相手が増えるほど、あなたの人生は豊かになるとおっしゃっています。

 相手に対してしたことは、巡り巡って自分に戻ってきます。

 ポジティブな影響を与えれば、いずれポジティブなエネルギーとして自分に還ってくる。
 すると、ますます周囲にポジティブな影響を与えられるようになる。

 そんな好循環を生み出すことが、自分を成長させ、人生を豊かにする秘訣です。

 相手に対してポジティブな影響を与えることは、自分自身のため。
 まさに「情けは人のためならず」という言葉がぴったりですね。

 誰でも、「はじめよう」という決意さえあれば、いつでも始められる。
 それが「ポジティブ・インパクト」のノウハウのすごさです。

 とはいえ「言うは易く行うは難し」です。
 習慣として身につけるには、普段からの心がけが肝心です。

 人生をより豊かにするため、“最初の一歩”を踏み出す勇気を持ちたいですね。

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