【書評】『脳をやる気にさせるたった1つの習慣』(茂木健一郎)

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 お薦めの本の紹介です。
 茂木健一郎先生の『脳をやる気にさせるたった1つの習慣』です。

 茂木健一郎(もぎ・けんいちろう)先生は、脳科学者です。
 ご自身のご専門に留まらず、幅広い分野で活躍されています。

「書く」ことが“怠け者の脳”をやる気にさせる


 私たちの脳は、ふだんはアイドリング状態にあります。
 脳が怠けているからこそ、人間はリラックスしたり休息ができたりするわけです。

 しかし、勉強や仕事で成果を出すためには、脳を働かせなければなりません。
 アイドリング状態から、エンジンの回転数を上げて通常の運転モードに切り替える必要があります。

 脳をやる気にさせるには、ある一つの方法が有効です。
 それは、「書く」ことです。 

 なぜ夢や目標を絵馬に書くのでしょうか。またなぜ書くだけで、そうした願望が実現してしまうのでしょうか。それには脳から放出される「ドーパミン」という神経伝達物質が関与しています。
「◯◯になる」と書いたとき、人間は実際にそれを達成しているところを想像しています。それは「自分がなりたい姿になった瞬間」を脳の中で想像しているにすぎないのですが、その達成した気分を「いま、ここ」で前倒しでかみしめているのです。まだその願望が達成されていないにもかかわらず、報酬物質であるドーパミンが放出されて、人間は快楽を得ることができます。
 その快楽をさらに得ようとして、夢や目標を実現するための行動が強化されていく。それが継続されていくと、ついには本当にその夢や願望が叶っているのです。つまり、夢や目標を書くことはドーパミンを放出する脳の回路を強化すること、イコール脳をやる気にさせることなのです。

 『脳をやる気にさせる立った1つの習慣』 はじめに より  茂木健一郎:著  ビジネス社:刊

 やりたいことや夢、目標を書くと、実現しやすくなる。
 それは、脳科学の観点から見ても真実なのですね。

 本書では、脳科学者の目線から見た、「書く」ことで脳をやる気にさせる処方箋をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「レコーディングダイエット」は、なぜ成功するのか


「書くこと」は、「記録する」という意味もあります。

「記録する」ということは、「メタ認知」を働かせることでもあります。
 メタ認知とは、自分をあたかも外から観察しているかのように認識する能力のことです。

 たとえば、「レコーディングダイエット」という、ひたすら食べた物を記録していくダイエット方法があります。
 自分が毎日何を口にしているのかを客観的に把握することで、食べる量を抑止する効果を狙ったものです。

 茂木先生は若い頃、「自分GDP」という遊びをやっていたといいます。
 自分が意味のあるとみなした、さまざまな活動の時間を計算し、一日の「自分GDP」として概数を割り出し、生産性を記録するゲームです。

 この経験を通じて、茂木先生は二つの大切なことを学びました。

 ひとつは、人間というのは生産性を高めることができるのだということ。もうひとつは、不調なときには無理をして作業を続行するよりは、気分を切り替えて別の作業に集中したほうがいいということ。
 何かの作業をしていて「どうもやる気が出ない。0.7レベルだな」と思ったら、それを切り替えて別の作業にしてみると、とたんに1.3レベルの成果が出せたことがありました。
 僕は、いつもストップウォッチを利用しての勉強法をお勧めしているのですが、これも自分の仕事の効率に対する「メタ認知」を高める方法です。ある原稿を書いていても、「どうも詰まってしまって順調に進まないな」と思ったら、ぱっと席を立ち、別の作業をするなりシャワーを浴びるなりして気分を変えたほうがいいのです。そのためには常にストップウォッチを用意しておき、ある程度の時間が経過したら機械的に一度作業を止めて、改めて再び作業を開始する習慣を身につけると効果的です。もっとも、メタ認知の感覚がつけば、もうストップウォッチはいりません。
 そういう意味では、仕事や勉強の引き際のよさを身につけることができたのは、記録する経験がベースにあったからなのです。

 『脳をやる気にさせる立った1つの習慣』 2章 より  茂木健一郎:著  ビジネス社:刊

 文字や数字は誰が見ても分かる客観的な指標となります。

 やる気のレベルなど、感覚的に掴みにくいものを数字で記録する。
 そうすることで、ふだんの自分の状態と比較してどうなのかを簡単に知ることができます。

 ダイエットなども数字として結果に表れると、やる気がでますね。

書くだけで脳は変化する


 茂木先生は、書くだけで願いが叶うのは、その言葉を発した人間の脳の状態が変化するからだと述べています。

 ではなぜ書くだけで願いが叶うのかというと、その言葉を発した人間の脳の状態が変化するからです。
 たとえば「僕は将来宇宙飛行士になりたい」と子どもが言ったとします。
 ある願いを口にした人の脳は、その言葉を一度も発したことのなかったころの状態に比べると、明らかに仕組みが変化します。
 願いを口にする前の人間がαだとすると、「僕は宇宙飛行士になりたい」と言った人間は、αダッシュになる。同じ人間でも、新しい脳の回路が立ち上がり、「宇宙飛行士になるためにはどうしたらよいか」ということを常に考え、情報収集するようになるのです。それまでテレビやインターネットで流れていた宇宙飛行士に関する情報を前頭葉がいち早くキャッチしてどんどん脳に送り込まれるようになります。
 願いが叶うというのは、何か見えない力や神様が叶えてくれるということではなく、ほかならぬ自分自身の脳の状態が変わることで、自らの力でたぐり寄せていくということなのです。

 『脳をやる気にさせる立った1つの習慣』 5章 より  茂木健一郎:著  ビジネス社:刊

 自分で言葉を発したり書き留めたりすると、その言葉に関することに敏感になります。
 これまでなら、知らずに通り過ぎていたようなことにも、目が止まるようになります。

 それが茂木先生のいう、「新しい脳の回路が立ち上がる」ということです。

 自分の関心のあること、やりたいことを、口に出す、そして書き出す。
 それがなりたい自分になる第一歩です。

人前で夢を宣言すると脳が本気になる


 アルピニストの野口健さんは、「七大陸最高峰世界最年少登頂」の達成を公約に掲げます。
 公約した場所は、なんと大学入試の面接の場でした。

 野口さんは、その公約通り、最年少の25歳で、七大陸最高峰制覇を果たします。

 野口さんのように、「人前で夢を宣言する」と、ただ「自分の中だけで思っていること」よりも実現できる可能性は高くなってきます。
 人前で夢を宣言するということは、自分自身に対して課題が設定されたということです。課題が設定されると、目標が明確になった脳はやる気を出して、何としても実現させようと本気になります。
 同時に、「退路を断つ」という言葉どおり、人前で宣言することは自分で自分を追い込んで逃げ道をなくすことでもあります。脳にとってはプレッシャーにもなりますが、それは決して悪いものではありません。自分で課題を設定して自分自身にかけるプレッシャーは、脳のやる気を持続させていくためにも必要なものです。
 人前で宣言すると、夢や目標が叶いやすくなる理由はもうひとつあります。それは、たとえば「在学中に、最年少で世界七大陸最高峰に登ります」と宣言すると、周りの人の見る目が変わってきます。つまり、「あの人は世界七大陸最高峰を目指して、いろいろ訓練しているんだな」というふうに見てもらえるということです。
 なかには、「じゃあ、あの人のために何か協力してあげよう」という人が出てくることもあります。自分自身も周りの期待に応えようとして行動するようになるものです。

 『脳をやる気にさせる立った1つの習慣』 6章 より  茂木健一郎:著  ビジネス社:刊

「自分はこれをやる」と人前で宣言したり、文章として残す。
 それは、かなり勇気のいることです。

 できるかどうか分からないような、ハードルの高い目標だと、なおさらです。

 いったん口に出してしまえば、できないと恥ずかしい。
「もう、やるしかない」という気持ちになり、ふだん以上の力が出るものです。

 目標が明確になったときに、脳はやる気を出す。
 覚えておいて、ぜひ活用したい言葉ですね。

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 茂木先生は、言葉をものにすることは、言葉が利子を生み出すことだとおっしゃっています。

 自分の願いを言葉にして書いておくと、やがてそれが、利回り何%という利子を生んで自分に返ってきます。

 さらに、自分が普段どんな言葉を使って生きているかで、人生は変わってくるともおっしゃっています。
 言葉にはそれだけ大きな力があるということです。

「書く」ことは、神様から人間に与えられた、最大の贈り物。
「書く」ことを習慣づけ、夢や目標を引き寄せ、より良い人生を歩んでいきたいですね。


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