本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『運気をつかんで離さない人の習慣』(植西聰)

 お薦めの本の紹介です。
 植西聰さんの『運気をつかんで離さない人の習慣』です。

 植西聰(うえにし・あきら)さんは、心理学者です。
 長年にわたる研究成果から「成心学」という独自の理論を体系化されています。

運気を味方につける「ニューソート」 の考え方

 今から150年ほど前、米国でキリスト教の教えにインドの哲学を合体させ、人間の幸福を科学的な立場から探求する「ニューソート」と呼ばれる思想が誕生しました。

 簡単にまとめると、人間の運命というものは、その人の日頃の思い・考え方によって決定する、なぜなら、人間の心の奥底にある潜在意識は本能や習慣をつかさどるほか、思考を現実化させるエネルギーが備わっているからであるという考え方です。

 この教えを肝に銘じることで成功した人は、数多くいます。
 その中には、鉄鋼王とうたわれたアンドリュー・カーネギーや自動車王のヘンリー・フォードなどさまざまな伝説的な実業家も含まれています。

 本書は、植西さんが自らの理論の根本を成す「ニューソート」の考え方に基づき、心を明るくキープして、プラスのエネルギーを発生させることで運気を味方につけるために身につけるべき習慣を列記した一冊です。
 その中からいくつかピックアッしてご紹介します。

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心を明るく保つこと

 24時間営業のコンビニが、真夜中でも店内を明るくしている理由。
 それは、「人間は明るいものに引かれやすい」という性質を利用して、お客さんを集めようとしているからです。 

 では、その人間の心が明るいとどうなるでしょう。
 今度はその人間の元にポジティブなモノが集まり、ポジティブな現象が起きるようになります。
 実は、これが運気のある人の最大の特徴なのです。
 運気のある人は、心がいつも明るく、朗らかで、イキイキとしています。
 元気・活気に満ちています。
 すると、心の中にプラスのエネルギーが増えていきます。
 そのプラスのエネルギーが、応援・協力してくれる人、必要な情報、お金、素晴らしいアイディア、成功のチャンスといった良いことをどんどん引き寄せてくれるようになるのです。つまり、好循環の中に身を置くことで、無意識のうちに運気を上げているのです。
 運気のある人間に変身するためには、コンビニを見習い、自分の心を明るくする。
 これが、運気を上げるための前提条件なのです。

  『運気をつかんで離さない人の習慣』  第一章 より  植西聡:著  徳間書店:刊

 陰気で雰囲気の暗いお店には、お客の足も向かいません。
 同じように、いつも暗く無表情で何を考えているのか分からない人には、誰も近づきません。

 真夜中のコンビニのように、周りの暗さに引きずられず、自ら明るさを保つよう心掛けたいですね。

三割満足できれば上出来と考えること

 ある経営コンサルタントが名づけた行動心理学の用語に、「30パーセントの満足感」という言葉があります。
 何かをしたときに満足できる確率は、全体の30パーセントくらいしかないという意味です。

 世の中、自分の思いどおりにいかないということを考えると、当たらずとも遠からず、というところです。

 ここで認識しておきたいのは、70パーセントの満足できない部分ばかりに目を向けるとフラストレーションが増大し、「楽しくない。おもしろくない」というマイナスの意識で心が充満してしまうということです。
 そうなると、心の法則によって「楽しくないこと」「おもしろくないこと」ばかりを引き寄せる結果となります。

 ところが、運気のある人は違います。
 たとえ、30パーセントしか満足できなかったとしても、その部分にだけ目を向け、「これでよし」と考えます。そして、その30パーセントの部分の中にどっぷり浸かり、満足感を存分に味わおうとします。
 それゆえ、心の中にプラスのエネルギーが増え、「楽しいこと」「おもしろいこと」ばかりを引き寄せることができるというわけです。
 70パーセントの満足感を求め、心を曇らせるか、30パーセントの満足感でもいいから心を保つかで運気も変わってしまうのです。

  『運気をつかんで離さない人の習慣』  第三章 より  植西聡:著  徳間書店:刊

 プロ野球のバッターでも、10回の打席のうち3回ヒットが打てれば、「一流」と呼ばれます。

 自分の中の満足のハードルを、あらかじめ下げておく。
 そうすることで、欲求不満を大幅に減らすことができます。

 予想外に上手くいったときの嬉しさや幸せ感が増える、というメリットもありますね。
 ぜひ心がけたい習慣です。

日頃の言葉遣いに注意を払うこと

 トップ・セールスマンとして活躍している人と、そうでないセールスマンとの違い。
 それは、「日頃の言葉遣い」にあります。

 活躍しているトップ・セールスマンは、運気の上がる言葉、ツキを呼び込むプラスの言葉を口グセのように、多く口にしています。

 植西さんは、プラスの言葉を多く口にすると運気が上がる理由を、以下のように述べています。

 一つは、「毎日が楽しい」「できる」「将来の見通しは明るい」「いつも元気です」といった言葉を常に口にしていると、それがプラスの感情となって心に充満される点が挙げられます。
 すると、心の中はプラスのエネルギーが増えるようになり考え方も行動も前向きになります。
 その結果、磁石のように、ポジティブなモノを引き寄せたり、ポジティブな現象を引き起こすことが可能になるため、運気まで好転していくというわけなのです。
 もう一つは、プラスの言葉を多く口にすると、その言葉の持つ印象がそのままその人の印象につながるため、人に好かれやすくなる点が挙げられます。
 つまり、それによって応援・協力してもらえるチャンスに恵まれるようになるというわけなのです。

 運気のある人は日頃の言葉遣いに注意を払っている。言葉の選択ひとつで運気は上がる。まずは、このことを「法則」として理解しておくと良いかもしれません。

  『運気をつかんで離さない人の習慣』  第六章 より  植西聡:著  徳間書店:刊

 口グセは、口に出している本人は、なかなか気がつかないものです。

 自分が、普段、どんな言葉を口にしているのか。
 それを意識して生活してみるのも、自分の口グセに気づく一つの方法です。

 口に出す言葉を変えるだけで運気が上がるのですから、試してみる価値はありますね。

「人は自分の鏡」であることを認識すること

 植西さんは、私たち一人ひとりの心は、その奥深い潜在意識の部分で、他の人たちの心とつながっているため、その人の持つ雰囲気、相手に対する思いといったものは、良くも悪くもブーメランのように跳ね返ってくる仕組みになっていると述べています。

 つまり、鏡に向かって自分が元気のない表情をすれば、鏡の自分も元気のない表情を見せるという、いわば“鏡のルール”によって人間関係は成り立っているのです。
 相手の自分に対する態度は、自分の相手に対する態度そのものなのです。
 しかし、見方を変えれば、そこに大きな希望を見出すこともできます。
 鏡に向かって、微笑むようにすれば、鏡に映っている自分が微笑み返してくれるのと同様、自分自身の態度や相手に対する思いをポジティブな方向に改善していけば、相手もまた同様の態度をとってくれるようになるからです。
 良好な人間関係を築くことで、心を明るく保つためには、まずこの法則をキチンと理解しておく必要があるでしょう。 

  『運気をつかんで離さない人の習慣』  第八章 より  植西聡:著  徳間書店:刊

「人は自分の鏡」

 たしかに、その通りかもしれません。
 とはいっても、全ての人に対してポジティブに対応するのは、なかなか難しいです。

 ただ、相手の反応は、自分自身の思いや感情が跳ね返ってきたものだ。
 その認識を持つだけでも、相手への対応は、かなり違うものになります。

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「心をプラスに保ち続けること」

 言うのは簡単ですが、実行するのは至難の業です。

 それは植西さんも十分承知のうえで、100パーセントいつも心がプラスの状態ではなくても良いとおっしゃっています。

 日常生活で悩んだり、落ち込んで、一時的にマイナスになることは、誰にでもあります。
 それでも、トータルとしてプラスが50パーセント以上である状態を保てれば、心はプラスの状態となり、運気は上がっていきます。

 要は、どれだけ心をプラスに保とうという努力を継続できるかにかかっているということです。

「運気をつかんで離さない」

 日頃から、そんな習慣をできる限り実践し、楽しい人生を送っていきたいですね。

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