【書評】『ホ・オポノポノ』(イハレアカラ・ヒューレン)
お薦めの本の紹介です。
イハレアカラ・ヒューレンさんの『ハワイに伝わる癒しの秘法 みんなが幸せになるホ・オポノポノ』です。
イハレアカラ・ヒューレン(Ihaleakala Hew Len)さんは、ハワイ在住の米国人です。
ハワイに伝わる癒しの秘法をアレンジして個人に応用した、「セルフ・アイデンティティ・ホ・オポノポノ」の第一人者です。
ハワイ・アメリカ本土だけではなく、ヨーロッパ、日本などでも普及活動に務められています。
「ホ・オポノポノ」とは?
「ホ・オポノポノ」は、もともと400年前からハワイの人たちに伝わっていた問題解決の方法です。
ホ・オポノポノの基本的な考え方は、潜在意識の中の「記憶(Memory)」が、私たちの生き方を歪めている
というもの。
世界が創造されて以来蓄積されてきたさまざまな記憶が、私たちの行動、生き方に反映され、数々の障害、苦悩を生み出しています。
このような障害や苦悩を生み出す潜在意識の中の記憶を消去することを、「クリーニング」と呼んでいます。
ハワイの人間国宝となった伝統医療のスペシャリスト、故モナ・ナラマク・シメオナは、インスピレーション得て、「セルフアイデンティティ・ホ・オポノポノ(Self I-dentity Through Ho’oponopono = SITH)」を開発しました。
「セルフアイデンティティ・ホ・オポノポノ」は個人がそれぞれ神聖なる知能と一体化し、インスピレーションを得る方法
です。
ハワイ語で、「ホ・オポノポノ」の「ホ・オ」は「目標」を、「ポノポノ」は「完璧」を意味します。すなわち、ホ・オポノポノとは、完璧を目標として「修正すること」「誤りを正すこと」という意味になります。
物事が完璧でなくなるのは、潜在意識の中の過去の記憶が再生されて、現在に投影されるからです。
私たちの潜在意識は、宇宙が創生されてからのすべての記憶にアクセスして、瞬間瞬間膨大な記憶を立ち上げています。私たちが認識しているのは顕在意識ですが、その百万倍の記憶が一秒間のうちに潜在意識の中で立ち上がっているのです。
その中の病気や事故、挫折、不幸など、過去のいまわしい記憶が、私たちの人生に反映されて不幸なことを引き起こしているのです。
いま、悩みや不幸を抱えていたり、経済的に恵まれなかったりしているのは、過去の記憶のせいなのです。
モナは、そういった潜在意識の中で毎秒立ち上がる過去の記憶を消去し、神聖なる知能と一体化する方法を示しました。これにより過去の記憶に惑わされることなく、神聖なる知能からのインスピレーションを受け、人間本来のあるべき生き方ができるようになります。
すなわち、自分自身であることを取り戻すことができるのです。
潜在意識の中に記憶が詰まっていると、神聖なる知能からのインスピレーションが降りてきません。潜在意識の中の過去の記憶を消去するためには、潜在意識の中の記憶をクリーニングしつづけなければなりません。
すべての原因は自分の潜在意識の中にあると考え、その記憶に感謝して慈しみ、そして消去するのです。
私はモナの跡を継ぎ、セルフアイデンティティ・ホ・オポノポノの普及に努めてきました。世界中を回ってセミナーを開催するとともに、人間が抱えるさまざまな不幸な記憶のクリーニングを続けています。
ただし、モナや私がいまやっていることは、とくに新しいことではありません。仏陀をはじめとする聖人たちが、人間がこの世に誕生して神と分離してからずっとやりつづけてきたことなのです。突き詰めると、みんな同じことなのです。『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』 第1章 より イハレアカラ・ヒューレン、櫻庭雅文:著 徳間書店:刊
特別なことをするわけではありません。
「すべての原因は自分の潜在意識の中にある」と考え、その記憶をクリーニングするだけ。
ホ・オポノポノで大切なことは、誰にどんなことが起きようと、100パーセント自分の責任
だと考えること。
もし、誰かの中にいやな部分、醜い部分を感じたら、それは、自分の中にもあるということです。
ヒューレンさんは、誰かの中のものをクリーニングして消去することができたら、その誰かのいやな部分、醜い部分も消えてしまう
と述べています。
本書は、「ホ・オポノポノ」のクリーニングの原理と具体的な方法について解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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潜在意識の記憶を消去するプロセス
潜在意識は、無意識のうちに、この世の創世からの膨大な量の記憶にアクセスし続けているとのこと。
自分の意志で行動しているつもりでも、実際には潜在意識の記憶によって行動しています。
ヒューレンさんは、人は生まれたときから、潜在意識の記憶をクリーニングするために生きて
いると指摘しています。
セルフアイデンティティ・ホ・オポノポノは、以下の三つの要素から成り立っています。
- 悔悛(Repentance)
- 許し(Forgiveness)
- 変質(Transmutation)
悔悛(かいしゅん)は、ホ・オポノポノのプロセスにおいて記憶を消去するための最初の段階です。潜在意識の中の記憶が再生される責任を顕在意識で認知し、悔い改めます。
許しをこうことも、悔悛と同じように潜在意識の中の記憶を消去するために不可欠です。顕在意識は悔い改めるとともに、神聖なる知能に許しをこうのです。
神聖なる知能は、悔悛し許しをこう顕在意識の願いを受けて、潜在意識の記憶を変質させて消去します。潜在意識の記憶を変質させることができるのは、神聖なる知能だけです。
潜在意識の記憶を消去し、神聖なる知能からインスピレーションを得て、本来の生き方を取り戻すプロセスは、具体的には次ページ(下図を参照)のようになっています。
- 顕在意識から働きかけて、潜在意識の記憶、すなわち自分のインナーチャイルドを慈しみ、記憶を変換に導く。
- 顕在意識から働きかけた願いが、潜在意識から超意識に上がっていく。
- 超意識は常に神聖なる知能と共鳴していて、潜在意識から上がってきた願いを整えて神聖なる知能に上げる。
- 神聖なる知能は、超意識から上がってきた願いを受け入れる。これにより、マナが超意識、顕在意識を経由して降りてきて潜在意識の記憶を消去し、無にする。
- 潜在意識の記憶が消去されたら、神聖なる知能から、超意識、顕在意識を経由して潜在意識にインスピレーションが降りてくる。
- インスピレーションにより、知らずしらずのうちに本来あるべき正しい生き方をするようになる。
4の「マナ(Mana)」というのはハワイの言葉で、もともと「神様がもっている力」を意味します。これが、洗剤とたわしのように、潜在意識の落ちにくい汚れ、記憶を洗い流してくれます。
マナが潜在意識をきれいにしたところに、インスピレーションが降りてくるのです。一度、記憶を消さないと、インスピレーションは降りてくることができません。
その前提として、私たちの顕在意識、潜在意識、超意識が“三位一体”にならないと、神聖なる知能にアクセスできないのです。そのためには、インナーチャイルドに愛の言葉をかけて慈しんであげなければなりません。
神聖なる知能から降りてくるインスピレーションは情報ですが、思考に基づくものではありません。インスピレーションが降りてきたときには、何も考えないでそうしてしまっています。
あとで、なんでこんなことをやったのだろうと思うようなことで、努力も何も必要ありません。
ただ流れに沿っているだけで、自分にとっても、さらにすべての存在にとっても、正しい行動をすることになります。その行動は、自分がそれまで思いもしなかったようなことかもしれません。
記憶に束縛されて生きるか、それともホ・オポノポノで本来の生き方を取り戻して記憶の呪縛から自由になるかは、自分の決意次第なのです。『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』 第2章 より イハレアカラ・ヒューレン、櫻庭雅文:著 徳間書店:刊

図.記憶を消去しインスピレーションを得るプロセス
(『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』 第2章 P69 より抜粋)
クリーニングとは、記憶を「手放すこと」。
潜在意識を記憶の束縛から解いて「空」にすること。
それが、仏教でいう「悟り」の状態です。
潜在意識をクリーニングする「四つの言葉」
クリーニングの具体的な方法についてです。
ホ・オポノポノでは、次の四つの言葉をとても大切にしています。
- ありがとう(Thank you.)
- ごめんなさい(I’m sorry.)
- 許してください(Please forgive me.)
- 愛しています(I love you.)
これらの言葉で、自分の潜在意識の中の記憶に感謝し、インナーチャイルドを慈しむのです。
しかし、難しく考える必要はありません。この四つの言葉すべてでなくても、「ありがとう」と「愛しています」の二つの言葉だけでも、もっと簡単には「愛しています」という言葉だけでも構いません。
「愛しています」という言葉には、「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」という気持ちが入っています。「愛しています」と言うことによって、神聖なる知能がそれを受け取ってマナを降ろして記憶を消去し、さらにインスピレーションが降りてくるのてす。
難しく考えずに、ただ「愛しています」と言うだけでいいのです。それが何を意味しているのかということなどわからなくてもかまいません。
「愛しています」と潜在意識の記憶、すなわち、インナーチャイルドに語りかけるだけで、潜在意識の記憶が変換に導かれるのです。
もし、「愛しています」という言葉が言いにくかったら、「ありがとう」でも構いません。男性には「愛しています」となかなか言えない人がいるようですが、「ありがとう」には「愛しています」と同じ効果があります。
また、「愛しています」の代わりに、「大切です」でも構いません。
これが、第二章で紹介した2のプロセス(上図を参照)に相当します。
この記憶の浄化が行われると、超意識、神聖なる知能に記憶のクリーニングを願う気持ちが上がっていき、次に神聖なる知能→超意識→顕在意識→潜在意識というようにマナが降りてきて、潜在意識の記憶をゼロにしてくれるのです。
しかし、記憶はすぐに蘇ってきます。そこでまた、記憶を浄化する・・・・というように、ホ・オポノポノのプロセスを繰り返さなければなりません。『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』 第3章 より イハレアカラ・ヒューレン、櫻庭雅文:著 徳間書店:刊
たった四つの言葉を潜在意識の記憶に語りかけるだけで、記憶の浄化につながります。
時間さえあれば、いつでもどこでも、だれでもできる簡単な方法です。
ぜひ、習慣にしたいですね。
ただ機械的に心の中でつぶやくだけ
「四つの言葉を唱えるだけでいい」といっても、最初は抵抗のある人が多いでしょう。
ヒューレンさんは、二人の雑誌の編集長、人見ルミさんと高岡良子さんとの鼎談(ていだん)のなかで、以下のように説明しています。
高岡 ホ・オポノポノを実践するときに突き当たる壁は、なかなか素直に言葉が出てこないことです。実感を伴わない言葉をうわべだけつぶやくことに抵抗を覚える人もいるのではないでしょうか。
ヒューレン その気持はとてもよくわかります。
でも、本当に心の底から、「愛しています」とか、「ありがとうございます」とか、言わなくてもいいのです。
同じような質問が、ロサンゼルスでセミナーをやったときによく出てきます。ロサンゼルスは、エンターテインメントが盛んなところですから、俳優さんが多いのです。「そういうときは、感情をこめてやらなきゃいけませんか」とよく聞かれるのですが、そんな必要はありません。
「汝の敵を愛しなさい」という言葉がありますが、ここで言っている愛は、最初から心の底から愛しなさいということではなく、まず受け入れて次に愛しなさいということなのです。ですから、言葉で言うだけでいいのです。
コンピュータで、デリート(削除)のボタンを押すときに、感情をこめてボタンを押すような人は誰もいません。ですから、デリートボタンを押すように、ただ機械的に言葉を心の中でつぶやけばいいだけです。
高岡 ただ、するだけ。とても重要なポイントですね。
ヒューレン 問題はいずれ気がつかないうちになくなって、何年後かに、そういえばそういうことがあったなということになるかもしれません。『みんなが幸せになるホ・オポノポノ』 第4章 より イハレアカラ・ヒューレン、櫻庭雅文:著 徳間書店:刊
最初は、形から入って構いません。
機械的に口をついて出てくるようになるまで、繰り返すことが重要です。
時間のあるときに思い出し、呪文のように唱えて習慣にしてしまいましょう。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
人はつらいことや悲しいことがあると、つい、周りのせいにしてしまいがちです。
しかし、そう考えているうちは状況が改善することはありません。
何度でもその問題は起こり続けるでしょう。
自分に起こるどんな出来事も、自分自身が引き寄せたもの。
そう考え、原因を自分に求めることが問題解決の糸口であり、他に方法はありません。
- ありがとう
- ごめんなさい
- 許してください
- 愛しています
この四つの言葉を毎日唱えて、記憶の中からきれいさっぱりリフレッシュ! したいですね。
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