【書評】『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則(山本真弓)

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 お薦めの本の紹介です。
 山本真弓さんと田中ひろみさんの『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則』です。

 山本真弓(やまもと・まゆみ)さんと田中ひろみ(たなか・ひろみ)さんは、カラーアナリストの資格をお持ちの、色彩コンサルタントです。
 大手百貨店や、通販、アパレルメーカーなどの企業を対象に、販売員のカラー研修や販売促進アドバイスなどを行なっている「カラーコーディネーションのプロ」です。

色は「感性」ではなく「理論」


 「色」は、第一印象を決める、大事な要素です。

 良い第一印象を持つか、悪い第一印象を持つか。
 それは、「色」にかかっているといっても言い過ぎではありません。

 色使いは、センスや感性だけがモノをいう世界だと思い込んで、敬遠する人が多いです。
 しかし、それは事実ではありません。

 実は、色は感性ではないのです。それなら感性は必要ないのかというと、それも違うのですが、感性よりもむしろ、きちんとしたルールとか理論が先にあるのです。ここでルールとか理論とかいうと、また難しそうでイヤな顔をされる方もいるかもしれません。
(中略)
 まず、色のルールや理論なりをしっかり知ったうえで、そこに自分なりの感性を入れていく。あるいは、ルールや理論にあった色使いをしていくうちに、感性も同時に磨かれていくというものだと思います。
 ルールというのは、誰が見てもきれいに見える色の組合わせや色の使い方があるということ。反対に誰が見ても、きれいに見えない色の組合わせもあるということです。
 きれいに見える組合わせや使い方が、ルールであり理論であるのです。
 配色論とか、カラーシステムがこれにあたります。
 最初にしっかりルールや理論を習得して、それをふまえて色使いやコーディネートをしていけばうまくいきます。

 『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則』 Chapter1 より  山本真弓、田中ひろみ:著  明日香出版社:刊

 色使いの技術にも、やはり、基本となる理論があります。

 本書は、「色」についての基本的な説明から、ビジネスや日常のコーディネートまで、幅広く応用できるアイデアをまとめた一冊です。
 いくつかピックアップしてご紹介します。

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色の「三つの特徴」とは?


 人間の目が識別可能な色の数は、750万色~1000万色とも言われています。

 すべての色は必ず、以下の「3つの特徴」を持っています。

 3つの特徴は、色彩の専門用語では『色の三属性』と呼ばれ「色相・明度・彩度」といいます。
 まずここで、この3つの特徴をわかりやすく説明しておきましょう。

●色相・・・色味・色合いのことです。
 色相は、色の円で表します。赤から時計回りに、「赤→橙→黄→緑→緑→青→紫」の順で覚えてください。(下の「色分類の図」参照)。
 これは、自然界の虹の色と同じです。虹色は一番上が赤で一番下が紫です。

●明度・・・色の明るさ、暗さのことです。
 明度が高い色が明るい色で、明度が低い色が暗い色です。
 最も明るい色は「白」、最も暗い色は「黒」です。
 その色の明度は、その色を白黒フィルムで写した際の色の濃さで判断すると、わかりやすいと思います。
 ●彩度・・・色の鮮やかさ、混ざり具合いのことです。
 彩度の高い色が鮮やかで、彩度の低い色がくすんだ(抑えた)色です。
 各色相で一番鮮やかな色を純色といいます。純色に白・黒・グレーを混ぜていくことで、色は徐々にくすんだ感じになります。

 『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則』 Chapter2 より  山本真弓、田中ひろみ:著  明日香出版社:刊

色相環

 図.色の分類の図(色相環と明暗について)
(『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則 P41 より抜粋)


 色相ごと、彩度順など、それぞれの特徴ごとに整理する。
 そうすれば、どんなにたくさんの色があっても大丈夫です。

 大事なのは、色の特徴をつかむ目を養い、色に目を慣らしていくことです。

「赤」と「緑」の組合せがきれいなのは、なぜ?


 クリスマスの頃になると、街中に「赤」と「緑」のクリスマスツリーや装飾が増えます。
 とても色鮮やかで華やかですね。

 もちろん、それにもちゃんとした理由があります。

「赤」と「緑」の関係を、色彩学では、「反対色」と呼んでいます。
 反対色とは、色相環(上図を参照)で向かい側、正反対の位置関係にある色どうしのことです。

 赤が緑の隣にくることで、赤が赤らしく、緑が緑らしく、より鮮やかに見えます。

 赤と緑がきれいに見えるのは、私たちの目のメカニズムによるところも大きいのです。人間の目は、同じ色ばかりを見続けていると疲労し、目はその反対色を要求してきます。赤をしばらく見つめた後には、赤の補色残像として青緑色の像が見えてきます。
 病院では手術をする際に、医師や看護婦が青緑色の白衣を着るのもこのためです。手術中は血液の赤い色を見続けますので、そこには反対色の緑がどうしても必要になってきます。こうした目のメカニズムからも、赤と緑は密接な関係であることがわかります。赤と緑はペアの関係であってこそ、きれいに見えたり、目を正常に保ったりします。

 『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則』 Chapter3 より  山本真弓、田中ひろみ:著  明日香出版社:刊

「反対色」を、うまく利用すること。
 それが、印象に残る色使いのカギになります。

心を癒す病院の色彩


 近年、医療施設などにおいても、壁や白衣などの配色に気を配るところが増えています。

 病院の色が、優しくなっています。
 体のケアと同じ位、心のケアにも力をそそぐ病院が増えているからです。心を落ち着かせたり、心理的に痛みを和らげるために、色が目的に応じて使い分けられています。
 病院の色を思い浮かべると、誰でも真っ先に白が思い浮かぶことでしょう。
 白は清潔感を感じさせる色でもありますが、冷たい感じもしますし、過去の病院での経験を思い出して恐怖感を感じる人も多いと思います。もちろん白は清潔な色として病院には欠かせない色です。また薬品の色を正しく見るために、白衣は白である必要があります。
 しかし最近の病院では、白は必要最低限に抑えられ、白以外の色、うすいパステルカラーが目につくようになってきました。
 白衣の色も、うすいピンク・うすい水色・クリーム色などがあり、役割に合った色を着る病院や施設も増えてきています。
 患者の心のケアを担当する看護師さんはピンク、身のまわりのお世話をする看護師さんはうすいブルー、そしてリハビリを担当する人はクリーム色を着るなど、仕事に応じた色を考えることも、必要なことです。
 ピンクは気持ちを和らげる色、ブルーは信頼感を与える色、黄色は希望を感じさせる色として、患者の心にプラスに働きかけてくれるでしょう。

 『お客様の心をグッとつかむ「色」の法則』 Chapter4 より  山本真弓、田中ひろみ:著  明日香出版社:刊

 少し前までは、病院の壁といえば、冷たい「白」のイメージがありました。
 壁の色が優しいパステル系になるだけで、心理的に圧迫感が少なくなりますね。

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「なんで、こんな色使いをしているのだろう?」

 普段、街を歩いていると、理解に苦しむ外装のお店がたくさんあります。

 お店だけでなく、駅やオフィスビルなど、街全体で、場所に応じた色使いがなされる。
 そうなれば、その街のイメージアップだけでなく、そこに住む人の気分も、明るくなります。

 さまざまな分野に応用できる、「色の理論」。
 ぜひ、身に付けて、自分なりのコーディネートを、より楽しめるようになりたいですね。

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