【書評】『「あたりまえ」から始めなさい』(千田琢哉)

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 お薦めの本の紹介です。
 千田琢哉さんの『「あたりまえ」から始めなさい』です。


 千田琢哉(せんだ・たくや)さんは、文筆家です。
 大学卒業後、大手損保会社に入社、その後大手経営コンサルティングを経て独立。
 現在は、イノベーション・クリエーターとして執筆活動や研修講師としてご活躍中です。

「あたりまえ」からはじめよう。


 カフェや居酒屋に群がって、弁舌爽やかに夢を語り続けているような人たち。
 千田さんは、彼らのことを、語ることだけしか取り柄のない「アゴマッチョ人間」と呼びます。

 千田さんは、アゴマッチョ人生に別れを告げるためには「とりあえず動くことだ」と述べています。 

 断言してもいい。

 あたりまえのことを、
 あたりまえにできるようになるだけで、
 あなたは突出できる。
 豊富なボキャブラリーを駆使した言い訳の天才集団「アゴマッチョ人間」を置き去りにして。
 
 嘘だと思うなら、本書の項目を
 1日に1つずつでいいから試してみよう。
 拍子抜けするほど簡単なことばかりなのに、
 効果絶大である。
 古き悪しき習慣を「やめる」ためには、
 まずはあたりまえのことを1つ「はじめる」ことだ。

「あたりまえ」からはじめよう。

 『「あたりまえ」からはじめなさい』 巻頭の著者の言葉 より  千田琢哉:著  星海社:刊

 本書は、大事なことだけれど大半の人ができていない、そんな「あたりまえ」な項目をまとめた一冊です。

 どの程度「あたりまえ」なのかというと、幼稚園児でもできるようなごく基本的なレベルの話です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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あいさつをする。


 幼稚園でも、小学校でも、真っ先に教わるのは、「あいさつ」です。
 大人になると、いつの間にかおざなりになって、やらなくなってしまう人も多いですね。

 あいさつは人としての基本だ。
 あいさつのできないものはどんなに才能があっても必ず干される。
 誰にも応援されず、実力を広めてもらえないからだ。
 あいさつは100%自分から先にすることだ。
 あいさつができない大人が急増中だ。
 あいさつにはレベルが2つある。

 1つは相手からあいさつをされたら返すレベル。
「おはよう」と言われたら「おはよう」と返す。
「こんにんは」と言われたら「こんにちは」と返す。
 これができなければ幼稚園児未満のレベルだということになる。だが実際には幼稚園児に満たない大人は少なくない。
(中略)
 もう1つはあいさつを自分から発信するレベルだ。
 年齢・入社年次・性別・役職にいっさい関係なく、視界に入った瞬間にあいさつするのが成人式を迎えた大人のスタンダードだ。
 相手と目が合った瞬間にあいさつを交わすのでは遅いくらいだ。
 相手が気づいていなくてもこちらが気づいたら振り返らせるつもりでちょうどいい。
 たったこれだけであなたの周囲はあいさつに溢れる環境になる。
 職場のあいさつが溢れるから売上や年収がアップするとは限らない。
 だがこれだけは断言できる。
 あいさつがない職場は必ず衰退していずれ消滅する。

 『「あたりまえ」からはじめなさい』 職場の10の「あたりまえ」 の章より  千田琢哉:著  星海社:刊

 あいさつをするのは、相手のためというよりも、むしろ自分のため。

 周りがしていないから、しない。
 それではダメだということです。

『あいさつは人としての基本』

 肝に銘じたいですね。

つべこべ言わずにまずやる。


「つべこべ言わずにまずやる」

 これも、子どもの頃は、みんなできていたこと。
 しかし、いろいろな人生経験を積んでいくうちに、やらなくなる人が多いです。

 やらなかったことに「ごめんなさい」と謝る人生は惨めで退屈極まりない。
 やっちゃったことに「ごめんなさい」と謝る人生は、毎日がエキサイティングだ。

 上司から何か指示を与えられた際、受ける注意には大きく分けて2通りある。
 上司が「ポイントは3つある」と説明している傍から、2番と3番を聞かないうちに動き出してしまって受ける注意。
「お前はちゃんと説明を最後まで聞け」と叱られるタイプだ。
 もう一方の注意は上司の説明が終わった後に、食い下がって質問を繰り返していつまで経っても動かないから受ける注意。
「とりあえず一度自分でやってみろ」と叱られるタイプだ。
 どちらが伸びるかといえば、明らかに前者だ。
 人の話は聞くなという意味ではない。
 人の話はぜひ聞くべきだ。
 だがどんなに長時間にわたって丁寧な説明を受けても、一度自分でやってみて転ばなければ理解できないものは理解できないのだ。
 食い下がって質問してくる後者のタイプの口癖はこうだ。
「根拠は何ですか」「もし間に合わなかったらどうするのですか」「前にもやりましたがダメでした」と言って傍を離れようとしない。
 単に動き出すのが怖いから質問攻めにして時間稼ぎをしているだけなのだ。

 あなたが上司なら前者のタイプと後者のタイプのどちらを応援したくなるだろうか。
 そしてどちらが10年後や20年後に花開くだろうか。
 他人事だと実によくわかるだろう。

 『「あたりまえ」からはじめなさい』 職場の10の「あたりまえ」 の章より  千田琢哉:著  星海社:刊

 できない理由を考えるのは簡単ですし、いくらでも出てきます。
 でも、やらなければ経験することはできません。

 何事も、経験しなければ、それ以上の成長はありません。
「アゴマッチョ人間」へ、まっしぐらですね。

「わかりません」「知りません」と告白する。


 知らないのに、知っているフリをする人は、意外と多いです。

「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」

 そういうことわざもありますね。

 なにごとも初歩が肝心だ。
 初歩的な部分を知ったかぶりをして次に進もうとすると師匠からはウンザリされる。
 虚勢を張る臆病者ではなく、正直な勇者になろう。
 
 知ったかぶりをすると、師匠から嫌われる。
 一流の師匠ほど、初歩的なことをバカにせずきちんと教えてくれる。
 初歩こそが最も奥が深いことを熟知している。
 初歩こそがその道の本質であることを熟知している。
 にもかかわらず、初歩的なことを知ったかぶりする人は少なくない。
 初歩がボロボロなのに「早く次を教えてくれ」と主張して、師匠をウンザリさせる人も多い。
「わかりません」「知りません」と正直に告白しておかなければ、受け容れ態勢が整っていないと判断されて師匠から相手にしてもらえない。
 受け容れ態勢を整えなければ、吸収率はガクンと落ちるからだ。

 吸収率を決めるのは能力ではなく性格だ。
 正直になるということは、素直になるということだ。
 素直になれなければ、吸収できない。
 その道何十年と経験した師匠は細部の表情や言葉によって、瞬時に素人の嘘を感じ取ってしまう。
 だから師匠の前では下手な悪あがきをしたり、虚勢を張ったりしないことだ。
 師匠が初歩的なことを質問してきた際、「そんなのわかっています」「知っています」と答えてしまう人は「もう一度ゼロからだな」と評価される。
「わかりません」「知りません」と正直になれた人は、「お、少しは分かってきたな」と評価される。
 虚勢を張る臆病者より、正直な勇者がかっこいい。
 虚勢を張る人は、本人以外のすべてに器の小ささがばれている。
 正直になれる人は、本人以外のすべてに器の大きさが伝わっている。

 『「あたりまえ」からはじめなさい』 勉強と情報の10の「あたりまえ」 の章より  千田琢哉:著  星海社:刊

 知ったかぶりは、聞く人が聞けば、すぐにばれます。
 メッキは、やっぱりメッキです。

 つねに「正直な勇者」でいたいですね。

すぐ動く。


 千田さんは、人生を本気で変える秘訣は、「すぐ動くこと」だと述べています。

「すぐ」とは、思い立った次の瞬間、という意味です。

「今日から動こう」
 そんなことを言っていては一生動けない。
「今日から」では遅いのだ。
 本気で人生を変えたかったら「今この瞬間から」動く。
 読書をしていていい言葉に出会ったらその瞬間に行動に移すことだ。
「人生を変えたかったら、明日からではなく今日から動きなさい」と教えてくれた自己啓発書は多かった。
 だが現実問題としてこれはどうだろう。
 今日からやろうと思っても、1分後にはモチベーションが半減している。
 午前中にいい言葉に出逢ってもモチベーションを頂点まで高めても、ランチ後にはすっかりいつものテンションにクールダウンしていないだろうか。
 人生を変えたかったら、今日からでは遅いことに気づくことだ。
 今、この瞬間に動き出してしまうことが人生を変えて夢に近づいていくコツだ。
 しかも午後から動き出すより、今、この瞬間に動き出したほうが難易度も低い。
 難易度が低い上にモチベーションは高いのだから、一石二鳥だ。
 一度試してみればわかることだが、すぐに動くことに病みつきになる。
(中略)
 読書に限らない。
 夢を本気で語っている子どもたちは、いつだって今、この瞬間を楽しんでいる。
 あなたはいつから今、この瞬間を味わうことを後回しにするオジサンやオバサンに溶け込んでしまったのだろう。
 うっかり本書を最後まで読んでしまったあなたへ。
 さあ、この本を放り投げて、今、この瞬間に走り出そう。

 『「あたりまえ」からはじめなさい』 人生の10の「あたりまえ」 の章より  千田琢哉:著  星海社:刊

 何気なく過ごしていると、年齢を重ねていくごとに、動きが鈍くなります。
 肉体的にも、精神的にもそうですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 本書に書かれている内容は、誰でもできることです。
 というより、誰でもできていた「あたりまえ」のことです。

 新しく身に付けるべきこと、というよりも、むしろ、思い出すべきことですね。
 とはいえ、言うのは簡単、実際にやるのは、意外と難しいです。

「周りもやっていないからやらない」ではなく、「周りがやっていないからこそやる」。
 そんな発想の転換が必要です。

 千田さんのあたりまえのことを、あたりまえにできるようになるだけで、あなたは突出できるとおっしゃる意味は、そこにあります。

 一つずつ、できることから、始めましょう。

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