【書評】『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』(河野英太郎)

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 お薦めの本の紹介です。
 河野英太郎さんの「99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ」です。

 河野英太郎(こうの・えいたろう)さんは、コンサルタントです。
 現在、大手外資系ITメーカーで、人事制度改革やコミュニケーション改革、人材育成の推進などを手掛けられている「人材育成と効率的な仕組み作りのプロ」です。

「1%のコツ」の意味


 河野さんは、この本のタイトルに込めた意味を、以下のように述べています。

 書いてあることは当たり前のことや、本当に些細と感じるようなことかもしれませんが、意外に実行している人は少ないものです。おそらく99%の人が実行していない、と言っていいかもしれません。
 一方、これらの工夫をしている人を見ると、やはり周りからは一歩抜き出た、いわゆる「デキる人」が多いです。「デキる人」になるためには、特別なことを派手にやるというよりも、むしろ本書で紹介したような基本的なことを、愚直に積み重ねることが近道、というのが私の主張です。

 ただ、一つだけ越えなければいけない壁は、今までわれわれが重視してきた「まじめさ」に対する考え方を、少しだけ変える必要がある、という点です。

 それを「1%のコツ」という表現にこめました。

 「99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ」 はじめに より  河野英太郎:著  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 やはり、何ごとも「基本」が大事ということです。
 一生懸命、まじめにやれば上手くいくというわけではありません。
 ちょっとした工夫が必要です。
 
 それでは、河野さんのいう、仕事の生産性を上げる「1%のコツ」とは?
 いくつかピックアップしてご紹介します。

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自信があるようにふるまう


 まず、上司へのホウレンソウ(報告・連絡・相談)について。

 ホウレンソウをする前に「すみません、まだ準備段階なのですが」とか「うまく言えないのですが」と言い訳をしてしまうことってありませんか?
実はこれ、確実に逆効果です。無意識にこうした枕詞を習慣として使っているなら、今すぐやめるべきでしょう。
(中略)
 これは人間が持っている、「先入観」によるものです。
 心理学ではこれをプライミング(Priming:呼び水)効果と言います。
「効く」と聞かされて薬を飲んだ場合と、薬と知らないで飲んだ場合の効果の違い関する実験が有名ですが、ビジネスでも、最初に自信があるという暗示をかければ、相手からポジティブな反応が返ってきます。

 あえて自信満々にふるまうことで、相手の反応をポジティブなものとし、自分自身の追い風にする、裏を返せば自分からわざわざ逆風を作りだし、無用な労力・時間を生むような愚はあえて冒さない、ということです

 「99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ」  CHAPTER1より  河野英太郎:著  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 自信がない資料を見せる場合など、ダメ出しされるのが怖いので、予防線を張りたくなります。
 しかし、それがかえって逆効果になります。

 見せられる方の立場で考えると、自信なさげに持って来られたら慎重になります。
 厳しめの判断になるのは、当然ですね。

 ホウレンソウは自信を持って。
 気を付けたいですね。

会議の1/8の法則


 世界から見て日本のホワイトカラー(知識労働者)の生産性が低いと言われています。
 その大きな原因のひとつが、「会議の長さ」です。

 著者が提唱するのが、「会議の1/8の法則」です。

 日本人の働き方を見た外国人は、ふたこと目には、「Long,Long meeting」、「Lots of meeting」と言います。

 われわれが会議を招集するとき、常に心がけているのが1/8の法則です。

 会議の構成要素を「所要時間」「参加者数」「開催頻度」に分解します。それぞれを半分にできれば、1/2×1/2×1/2で、組織が投入する総時間は1/8になるということです。
(中略)
 あなたが会議のリーダーになるときは、習慣化した会議のすべてでこれを試してみてください。たいていの場合、1/8になっても組織運営には支障をきたしませんし、かつ、あなたがそうした会議を仕切ることで、その手腕は大きな話題となるでしょう。

 「99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ」  CHAPTER 2より  河野英太郎:著  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 日本人は、大勢で長い時間真剣に話し合うこと自体に満足感を覚えて、それで仕事をした気になっている感じは否めません。
 会議なんて、ちゃんとした結論が出ればいいんです。
 人数や時間を掛けたからって、いいアイデアが出る訳ではありません。

「KISS」を心がける


 報告書類などを書く際の心得です。

「KISSの原則」をご存知ですか?
 これは「Keep It Short & Simple」の頭文字を取ったもので、とかく冗長になりがちなビジネス文書は、何を置いても「短く」、「単純に」まとめることを心がけるべきだというメッセージです。
(中略)
 書類作りは正確で効率的に伝えることを最優先してください。
 特に文書は、調べた情報をできるだけ盛り込みたいという思いから、分量や枚数がつい多くなりがちです。そこでこれを意識して、思い切って情報をそぎ落とし、本当に伝えたいことだけを、短く単純にまとめる工夫をするべきです。
 ビジネス文書の場合、実はたくさんの情報を詰め込むよりも、単純にしたほうが、結果として相手に伝わることが多いという理由もあります。

 「99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ」  CHAPTER 4より  河野英太郎:著  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 これも情報を伝える相手のことを考えれば、当然のことです。
 人はつい、「出来るだけ多くの情報を・・・」という欲が出てしまいます。

 出来るだけ箇条書きで、ぱっと見分かりやすく、要点だけ。
 気をつけたいですね。

5000万人の組織人の底力を!


 河野さんは、日本を支えるサラリーマンたちにエールを送っています。

  ざっくり言って、日本の人口は約1億2500万人。そのうち働く人は7000万人弱。うち、組織に属している人は5000万人と言われています。
 この5000万人の人が、もしたった1%生産性を上げたとしたら、50万人分の労働力が生まれます。
(中略)
 竹中平蔵氏の言葉にある「サイレントマジョリティ」である5000万人の組織人たちが「自分たちが日本を変える」という少しだけ高い意識を持ち、本書で紹介したたった1%の工夫をしたなら、この国はまだいけるのではないか、などと柄にもなくアツく考えたりしています。

 「99%の人がしていない たった1%の仕事のコツ」 おわりに より  河野英太郎:著  ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 5000万人の1%で、50万人分の労働力。
 人材育成と人材活用に長けた河野さんらしい考え方です。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 急速に進む少子化の影響で、日本の労働人口は頭打ちとなり、近いうちに大幅な減少に転じます。
 少ない労働人口で、今の仕事量をこなす。
 そのためには、一人一人の労働生産性を上げるしかありません。

「日本のホワイトカラーの労働生産性は低い」
 それは逆に、まだ伸び代が大きいともいえます。

 河野さんがおっしゃるように、「1%の工夫」「1%のコツ」が日本を変える可能性があります。
 今こそ、我々日本のサラリーマンの底力を見せるときですね。

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