【書評】『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』(リー・ウェイウェン)

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 お薦めの本の紹介です。
 リー・ウェイウェンさんの『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』です。

 リー・ウェイウェン(李維文)さんは、中国出身の実業家です。
 広報・広告のスペシャリストで、渡米してPR会社を設立、世界的な企業のM&A交渉に参与されるなど、幅広くご活躍中です。

人生で大切にすべき「7人」とは?


 成功するために、最も大切にすべきことは何でしょうか。
 それは、「人間関係」です。

 リーさんは、あなたがどんな人間になるかは、どんな相手と付き合うかによって決まると述べています。

 人間が生まれ持つ知能にそれほど大きな差があるわけではない。だから若いころは、ずば抜けて賢い人も極端に愚かな人もそう多くはない。知能という点において、神様が配るカードはだいたい似たようなものだ。そして、自分では選べない「家庭環境」という要素を除いて、人生という戦いは孤軍奮闘、勝負に挑むときは誰でも独りだ。
 そんなとき、あなたを助け、支え、後押ししてくれる人物がいれば、配られたカードでどう戦えば勝てるのか、より早く的確な判断を下すことができる。
その結果、勝利を収め、退屈な勝負から抜け出すことができる。
(中略)
 人生のハードルをすべて上手に飛び越え、最後まで走り抜けられる確率は1パーセントにも満たないのだ。独りで走っていたら、1つハードルを倒しただけでライバルにどんどん置いていかれてしまう。
 これまで語られてきた人づきあいのノウハウは、案外でたらめなものばかりだ。人々は自分の望みを叶(かな)えるために人間関係を構築しようとするが、5年先、あるいはもっと先を見すえて行動する人は少ない。
(中略)
 一定の成功を収めた人々は、まったく異なる考え方をする。人生のステージごとに、自分を助けてくれる人物との付き合いを大事にする。その相手の力を借りて自らの潜在能力を引き出し、相手に支えてもらいながら、さまざまな高さのハードルを飛び越えていく。
 重要なのは、彼らが未来につながるチャンスへの「投資」を惜しまず、また、全力でそのチャンスをつかみに行くということだ。一歩先を行く理念に基づいて、優れた人間関係という資源を蓄え、そこから実質的な援助を得ている。
 もちろん、ここでいう「援助」とは、経験・人とのつながり・資金などの実利面に限った話ではなく、心理的な支えや啓発を意味する。考えを改めて進むべき道を見いだし、最善のルートを選んでしっかりとと決断を下すためのサポートだ。そうした「援助」があれば、心が鍛えられ、思考はより理知的で明晰(めいせき)になり、堅固で明確な意思を持てるようになる。
 他者に助けられてこそ、人は内面的な成長を遂げ、あらゆる人生のステップを確実に上れるのだ。

 『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』 はじめに より リー・ウェイウェン:著 藤原由希:訳 サンマーク出版:刊

 付き合う人を選ぶということは、自分の人生の行き先を決めること。
 だからこそ、慎重にする必要があります。

 本書は、人生のステージごとの「付き合う相手の選び方」を、詳しく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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20年後も力を与え続けてくれる存在


 子どものころに友達と一緒に体験した思い出は、歳を重ねても残り続けます。
「幼なじみ」の存在は、私たちの思っている以上に大きなものです。

 リーさんは、一緒に遊んで成長した幼なじみは、20年後、近くにいなかったとしても、あなたに影響を与え続けるとし、投資の神様、ウォーレン・バフェットを例に挙げています。

 バフェットは自分の身の回りの世界から大きな能力を身につけた人物だ。集団の力をうまく利用し、身近な人からの協力を得て、自身の商業価値を最大限に発揮する方法を熟知している。
 少年時代のバフェットにはラサールという友達がいた。9歳のとき、彼らは「ビジネスパートナー」となった。2人はガソリンスタンドの入口にある自動販売機から飲み物の瓶のフタを集め、銘柄ごとに何枚あるかを数えて、どの銘柄の飲み物が一番売れているかを分析したという。
 一見くだらないことのようだが、これこそがもっともシンプルな「市場調査」の原点といえる。こうした記憶が潜在意識の中に刻まれ、未来の成長を後押しする強力なエネルギーとなり、将来の進路の選択に大きな影響を与えるのだ。
 さらに、2人はゴルフのロストボールを拾い集めて仕分けし、近所の住民に売ってお金を稼いだ。ゴルフ場でボールボーイとしても働いたが、収入は月にたった300円ほどだった。2人は協力してお金を稼ぎ、少しずつ資本を蓄えていった。ビジネスの規模は小さく、稼げる金額もわずかだったが、投資と資産運用の基礎が着実に身についていった。その後、2人は公園でゴルフボールの売店を始めた。店はかなり繁盛したという。
 彼らはそんなにお金に困っていたのだろうか。ラサールの母親が2人に尋ねたことがある。バフェットはこう答えた。「お金が必要だからやっているわけじゃない。ただ、お金がどんどん増えていくのを見るのはすごく楽しいんだ」
 当時の経験が「投資の神様」バフェットの扉を開いた。前述の通り、大事なのは湿った雪と長い坂を見つけること。価値ある友達同士として遊びながら育った彼らは、どちらも成長して大事業を成し遂げた。
 実践は最高の教師だ。その点において、ラサールはバフェットにとって完璧なパートナーだった。

 『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』 第1章 より リー・ウェイウェン:著 藤原由希:訳 サンマーク出版:刊

「三つ子の魂百まで」
 幼いころの経験は、潜在意識に残り、その後の行動や考え方を支配します。

「湿った雪と長い坂」が大事なのは、投資に限ったことではありません。

 子どもたちにとっての「遊び」は自分の可能性を広げる大切なもの。
 もちろん、それは人間関係にも当てはまります。

「優れたメンター」はこうしてあなたと出会う


 成功への“高速道路”を走る方法のひとつ。
 それは、手本となる優れた人物、いわば「メンター」を見つけ、貴重な教訓やスキルを学び取ることです。

 リーさんは、効果的な学習方法とは、メンターとなりうる相手と出会う術(すべ)を身につけることだと指摘します。

 誰にでも友人はいる。あなたに引きつけられ、友人になりたいと願うのはどんな人か。
 中国の書道でたとえてみよう。書道では筆の勢いや、力強さや潔さが尊重される。書道を通じて、人は自分の力強さや潔さを見つめ直す。それが心に影響を与え、「人におもねらない」「途中で投げ出さず最後までやる」といった態度となって表れる。
 ほどばしるような熱気や情熱はなくても、杜甫(とほ)が「物を潤し細やかにして声無し(いい雨は万物を潤し、細やかに音もなく降りしきる)」(『春夜喜雨』より)と詠んだような、穏やかで力強い意思を持った人になれる。
 このように美しく影響を与える力は、どんな説教やアドバイスより有効だ。
 人を引きつけるのも、まさにこの力だ。美しく影響を与える力が強いほど、より優秀な人があなた引きつけられ、友人になってくれる。同時に、自分をより高い位置へと導いてくれるメンターにも出会いやすくなる。
 優れたメンターは個人コーチのように、あなたをさらに優秀にしてくれるだけでなく、客観的な視点で最適な手助けをしてくれる。また、あなたの仕事や会社についてよく理解し、必要なときに的確な指導をしてくれる。
 もちろん、メンターのレベルには差がある。メンターのレベルが低いと、視野が狭く「木を見て森を見ず」になりがちだ。逆に、レベルが高すぎる場合も、あなたの立場に立って同じ角度から問題に対処してもらうのは難しい。最高のメンターはその中間、有用なアドバイスをしながら、あなたと同じ目線で問題を解決してくれる人だ。

 『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』 第2章 より リー・ウェイウェン:著 藤原由希:訳 サンマーク出版:刊

 メンターになりうる人は、そんな簡単に見つかるものではありません。
 また、せっかく見つかっても、相手に認められなければ、教えを請うことはできません。

 生徒の準備ができたとき、最高の教師が現れるものです。
 他人からのアドバイスを聞き入れられる謙虚さや寛容さは、持ち続けたいですね。

上司の間違いに気づいたら、堂々と指摘すべきか?


「誰を手本とすればいいのか」
 そんな相談をされたとき、リーさんは、尊敬できる上司がいるなら、まずその人に学びなさいとアドバイスをします。

 学ぶべき上司とは、まず仕事を愛し、部下と苦労をともにする覚悟がある人。そして仕事の進め方を正しく教えてくれる人です。

 とはいえ、仕事を一緒にする以上、「服従」と「反抗」の間で揺れる場面は、必ず起こります。

「内心で矛盾を感じることなく、上司に服従するにはどうすればいいと思いますか?」
 これはとても難しい問題だ。だが、テクニックを磨くことで、この2つは両立させることができる。上司のメンツをつぶすことなく、自分の考えを表明し、かつ双方の関係を深められるのだ。これは上司の信頼を勝ち取るうえで非常に重要なことだ。
 ワシントンにある私の会社のアシスタントが中国へ出張に行き、帰国後、こんな話をしていた。彼女が親友に会いに上海へ行くと、家には細かくて口うるさい姑(しゅうとめ)がいたのだが、親友はうまくやっているようだった、と。
 私はその話に興味を持った。どうすれば自分を“殺す”ことなく、姑に気に入られることができるのか。これは世界中の女性が直面する問題だからだ。
 その日、彼女たちは外で食事をして、満腹で家に戻った。親友が彼女に牛乳を出すと、姑が飛んできて「牛乳を飲む前には何か食べたほうがいいのよ。お腹空(なかす)いてるんでしょう?」と言った。
 アシスタントは思った。(1時間前に山ほど食べてきたのに、お腹が空いてるわけないじゃない!)
 親友は彼女の気持ちを察したのか、そっと制止した。そばにあったパンを手に取ると、ちぎってアシスタントに渡し、自分の分もちぎった。2人がパンを口に入れるのを見て、安心したかのように、姑は部屋を出ていった。
 アシスタントは納得いかなかった。「どうして本当のことを言わないの? お姑さんが間違っているのに」
 親友は笑って言った。「こんな些細なことをいちいち気にしてたら、毎日ケンカになっちゃう。姑はちょっと小言を言いたいだけなんだから、わざわざ反抗することないでしょ。別に大したことじゃない。パンをひと口かじれば問題は解決するんだもの。もちろん深刻な問題なら私だって反論するけど、些細なことなら黙って言うことを聞いてあげればいい。いい関係を保つ秘訣(ひけつ)よ」

 『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』 第4章 より リー・ウェイウェン:著 藤原由希:訳 サンマーク出版:刊

 上司に対して、何でもかんでも率直に従えばいい。
 それでは、受け身すぎますね。
 自分で考えて行動することができなくなってしまいます。

 リーさんの提案は、小さなことは絶対服従する。大きなことは慎重に話し合うです。
 立場をわきまえ、相手と自分の両方を立てる、“大人の対応”を身につけたいですね。

“金魚のフン”のまま人生を終えないために


 自分の仕事にプラスの影響を与えてくれる「パートナー」は、どうやって探せばいいのでしょうか。
 リーさんは、パートナー選びで最も大事なのは「人柄」。仕事の能力はその次だと述べています。

 ある研修医が、全国的に知られた大病院で実習をし、有名な外科医の助手を務めることになった。
 ある日、病院に瀕死の患者が運び込まれ、十数時間の手術を経て、最後の縫合の段階に入った。このとき、助手の研修医が厳しい声で外科医に言った。「ガーゼを10枚使ったのに、先生は9枚しか取り出していません。もう一度よく調べてください」
 外科医は彼女にちらりと視線を向けただけで取り合わず、すぐに縫合するよう命じた。
 研修医は命令に従わず、さらに主張した。「医者として、このまま見過ごすわけにはいきません。絶対に10枚目のガーゼを見つけます。患者さんに対する責任がありますから」
 手術室にいた誰もが、この若い研修医の言葉に驚いていた。権威ある外科医にたて突く者など初めてだったからだ。彼女がこの病院で出世することは永遠にないだろうと、みんなが思った。
 しかしそのとき、外科医の態度が一変した。笑顔を見せながら、体の陰に隠していた左手を差し出すと、そこには10枚目のガーゼがあった。
 手術が終わったあと、外科医はこの大胆な研修医を正式に受け入れ、自分が執刀するすべての手術に立ち合いを許可すると宣言した。外科医は自分が本当に技術を伝えたい相手を見つけるため、研修医を試していたのだ。
 自分の意見をしっかり持つことは、人としての基本原則だ。物事の是非を区別し、権力のあるものに迎合せず、自分なりの判断基準を持つこと。それが、人生の壁を乗り越えるためのはしごになる。
 著名な投資家のピーター・リンチはこんなことを言っている。「ウォール街の専門家の分析を聞くぐらいなら、家に帰って昼寝でもしているほうがいい」
 誰かに指示されないと何もできない人は、一生誰かの“金魚のフン”となって生きるしかない。成功したければ、杖(つえ)に頼るのをやめ、足かせを外し、自分の足でしっかり歩かなくてはならないのだ。

 『成功する人はなぜ、「この7人」を大事にするのか?』 第5章 より リー・ウェイウェン:著 藤原由希:訳 サンマーク出版:刊

 ただ、言われたことを、言われたとおりにそのままやっている。
 それでは、本当の意味での対等な関係、真の「ビジネスパートナー」とは呼べません。

 お互いに自分を主張しつつも、妥協点を探りながら共に進む。
 個性や考え方がまったく異なっていても、信頼関係で強く結ばれている。

 そんな関係を築くことができるのが理想ですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 幼なじみ、メンター、同僚、上司、ビジネスパートナー、親友、結婚相手。
 本書で取り上げられている「7人」は、いわば生涯のパートナーです。

 もし、よい関係が築ければ、人生を共にする、かけがえのない存在となることは間違いありません。
 リーさんは、「彼ら」と出会うべく、あなた自身が自分を磨き、価値を高める努力を惜しんではならないと強調されています。

「類は友を呼ぶ」といいます。
 結局、自分に引き寄せられるのは、自分と同じレベルの人間です。

「こんな人に巡り逢いたい」
 そう願うなら、自分自身がまず、そういう人間になる必要があるということですね。

 付き合う相手だけでなく、自分自身と向き合わせてくれる「人間関係」に関する名著。
 ぜひ、皆さんもご一読ください。


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