本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『悩みがなくなる魔法』(高橋ナナ)

 お薦めの本の紹介です。
 高橋ナナさんの『悩みがなくなる魔法 ~好きなことだけにエネルギーを使う生き方』です。

 高橋ナナ(たかはし・なな)さんは、心理カウンセラー・コーチ・セミナー講師です。
 人気ブログ『美女養成講座』の執筆者でもあります。

「命の欲求」に従って生きるとは?

 高橋さんは、多くの人は、何かを追いかけたり、手に入れようとするゲームが大好きだと指摘します。

 人間の脳(エゴ)は、つねに足りないものを探しています。
 そして、どこかに不足を感じると、それを生理的に補おうとします。

「足りないから欲しい」という「エゴ満たしゲーム」には、ゴールがありません。
 死ぬまで「足りないもの」を追い求めることになります。

「何を手に入れても、何を達成しても幸せを感じられない」

 そんな虚しさから解放される方法。

 それは「エゴ満たしゲーム」から抜け出し、「命(魂)の欲求を満たすゲーム」に移ることです。

 命の欲求とは、今、頭のなかにある願いがすべて叶って、すべての悩みや問題が解決し、どこにも偏りのないニュートラルな状態で、やっと出てくる欲求のことです。

 命は、頭と違って、「今日は疲れているから、心臓と胃を動かすのはお休みにします」とか言わないですよね?
 命というのは片時も休むことなく、無尽蔵のエネルギーを持っており、いつもやる気満々なので、自分に流れている、その命のエネルギーに触れるだけで、元気になるのは当たり前のことなのです。
 だから、思考で本当の欲求を抑え続けてきた人ほど、爽快感があると思いますよ!

 毎朝、起きたら、その日の自分のフィーリングをしっかり感じるクセをつけてみてください。自分の感覚に敏感になればなるほど、命の欲求は簡単に出てくるようになります。
 そして、この命の欲求を叶えていくことこそが、あなたがこの世に生まれてきた理由でもあります。だから、エゴレベル(思考レベル)の欲求を叶えたときとは、比べようもないような、魂が震えるような喜びを感じ始めます。

「命の欲求」というのは、それに従っていくことで、どんどん進化し、拡大、繁栄して、自分だけでなく、まわりの人まで勝手に幸せになっていくという特徴があります。
 なぜなら、エゴの欲求ではなく、命の欲求に沿って生きている人は、生命力に満ちあふれて、イキイキと輝いているので、そんなイキイキしている人がたった一人いるだけで、まわりが勝手にその輝きに感化されるからです。自分のなかに眠っている力を発揮して、「あんなふうに生きたい!」と自発的に思うようになり、命の欲求が発動されてしまうということです。
 やってみればわかると思いますが、物理的なお金やチャンス、時間なども、どんどん用意されていくのでびっくりすると思いますよ!
 逆に、それらが全然回らないし、何となくやる気が起きないとか、なぜかあまり楽しくないという違和感があれば、それはエゴレベルの欲求であり、あなたはこの地球においてそれをする担当ではない、その欲求に従う必要はないということです。

「エゴ満たしをもう充分やりきった! 飽きた!」という感覚があるのなら、ぜひこれから毎日、命の欲求を意識し、着手してください。
 まるで憑き物が取れたかのように、世界が鮮やかに見え始めますよ!

『悩みがなくなる魔法』 第1章 より 高橋ナナ:著 大和書房:刊

 本書は、「命の欲求」に従い、自分の才能や魅力を存分に発揮して生きる方法についてまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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一瞬にして悩みを消す“魔法の薬”とは?

 一瞬で、すべての悩みや苦しみ、あらゆる不安やトラブルを消してしまう。
 そんな“魔法の薬”があります。

 それは、以下の2つです。

  • ジャッジしない
  • 過去や未来ではなく今に集中する

「ジャッジしない」とは、どのようなことなのか。

 高橋さんは、以下のように解説しています。

 ジャッジする(裁く)というのは、善・悪、優・劣、有・無などに振り分けで、評価・評論することを言います。
 ジャッジをするには、判断基準になる「モノサシ」が必要です。
 この「モノサシ」とは、生まれてから大人になるまで、親や学校の先生、そして世間から刷り込まれた思い込みのこと。これは「思考のブロック」とも言います。

 たとえば・・・・・
「いい大学を出て、いい会社に入れば幸せになれる」
「必死に頑張れば成功できる」
「愛で飯は食えない」
「働かざる者、食うべからず」・・・・・などなど。
 育った環境によってもさまざまですが、人間の頭のなかには、膨大な量の「思い込み」があるということを、まずは自覚してください。

 特に、まだ自分にとって「それが正しいかどうか」を判断できないくらい小さいころ(潜在意識と顕在意識の境界線がはっきりしていないころとも言います)に親がよく口にしていた言葉などは、大人になってからも根深くあなたのモノサシとして残っていて、深いところで作動していると思って間違いないでしょう。

 さて、日々の生活でモノサシになっているこれらの思い込み、果たして真実なのでしょうか?
 先ほどの例で言うと、「いい大学を出て、いい会社に入れば幸せになれる」とよく聞きますが、いい大学を出ていい会社に就職しても心を病んでしまい、幸せを感じられない人もいます。
「必死に頑張れば成功できる」というのもなかなか変な話で、遊ぶように楽しみながら成功している人もたくさんいます。
「愛で飯は食えない」もよく聞きますが、私はむしろ、「愛があるから飯が食える」「愛がなければ飯は食えない」ということを実体験として知っています。
 また、「働かざる者、食うべからず」というのも、じゃあ病気などで働けないときは、ご飯を食べちゃいけないのか? って話になりますし、よくよく考えてみると、へんてこなものがとても多いのです(笑)。

 これらの思い込みのプログラムは、それが真実なのかをしっかり吟味(ぎんみ)されることもなく、本人の意思とは関係ないところで、頭が勝手にエンドレスで作動させています。
 簡単に言ってしまうなら、「〜べき」「〜ねばならない」というモノサシこそが、そうでない自分や他人をジャッジし、責め、さまざまな悩みを作りだしていると言っても過言ではありません。

 逆に、頭のなかに「〜べき」「〜ねばならない」というモノサシが一切ないと、物事の善・悪、優・劣、有・無、がすべて同じ価値を持ち、どちらでもOK! という境地になります。その境地になると、激しい感情にジェットコースターのように振り回されることもなくなります。
 でも、これは、すべてに賛成するとか、すべてを受け入れるということではなく、物事をありのままに、サングラスを外して、裸眼で「ただ見る」という感じです。すべての物事や人を
「ただそうである。以上!」
 というふうに受け取る
ということです。

『悩みがなくなる魔法』 第1章 より 高橋ナナ:著 大和書房:刊

 世の中には、絶対的な価値基準など、ありません。

「正しい」
「間違っている」

 は、単に、その人のモノサシに照らし合わせた結果です。

 思い込みが、世間一般に正しいか、どうか。
 それは、あまり重要ではありません。

 高橋さんは、「その思い込みを持つことで、自分が幸せかどうか?」だけが重要だと指摘します。

 自分に対しても、他人に対しても、ジャッジしない。

 幸せに生きるために、ぜひ習慣にしたいですね。

「ダメ人間」の恩恵

 高橋さんは、早くから自分がダメ人間だと自覚し、「立派な人」や「すごい人」というジャンルの人物になることをあきらめたことで、実は素敵な恩恵がたくさんあったと述べています。

 私は、今思えば人生で一番どん底だったという時期に、「どうせはなからダメなんだからさ、誰も私に期待なんてしないだろうーから、好きにやらせてもらうよ」的な、非常に前向きなハジケ方をしていたのです。開き直った、とも言います(笑)。
 そのおかげで、私はダメ人間だと落ち込むことも、何かの行動を起こす勇気が出せないということも、あまりありませんでした。
 自分がダメであることを認めてしまえば、すべてが「ダメ元」なので、何をするにも、めちゃめちゃ気楽です。だから、立派にはなれないし、すごいこともできないけれど、逆に幸せでいられます。

 もし今、自分がダメ人間だと思う人は、
 立派なことは立派な人に、すごいことはすごい人に任せましょう(笑)。
 冗談抜きで、これで本当に幸せに生きられますから!
 自分が自分以外の何かになろうとすると、満たされないので、幸せになれないゲームが始まります。

 人間、誰しも感覚的に、自分はどっち側の人間かわかっていると思うのです。
 たとえば、広くいろんな分野に精通している、なんでも器用にできるジェネラリストタイプなのか、特定の専門分野でズバ抜けた力を発揮できるスペシャリストタイプなのか。
 ジェネラリスト気質の人がスペシャリストになろうとしても、本来の力は発揮できません。反対も同じです。
 これと同じく、立派な人間がダメ人間になるのも不自然だし、ダメ人間が立派に生きようとするのも苦しくなります。

 どっちが良くて、どっちが悪いということはありません。
 たとえば、立派な人は素晴らしいけれど、反対に、立派じゃない人を苦しめてしまうときがあります。また、ダメ人間は気楽で陽気なので、人を緊張させないけれども、人に迷惑をかけたり、自分自身がもろかったりします。

 中立に見るなら、どちらも諸刃(もろは)の剣であり、どちらも愛おしい存在です。だから、どちらかだけがすごいわけでも、ダメなわけでもありません。

 もし今、どこかに力みがあったり、苦しさがあったら、それは「あなたのキャラはそっちじゃないよ」という自分自身からのサインです。
 私は本当にラッキーなことに、早くそのことに気づけました。
 自分がはなから立派な人間ではなく、神様に選ばれて生まれてきたスターのような人間でもなく、王道の隣の雑草が生い茂るちっこい細い道を「王道の人ってすごいな〜、かっこいいなぁ〜」と横目に見ながら、走ってきたアウトローな人間だということに(笑)。

『悩みがなくなる魔法』 第2章 より 高橋ナナ:著 大和書房:刊

 自分に対する、過度の期待は、「足かせ」です。

「自分は、これくらい、できて当たり前」

 という思いが、「失敗したらどうしよう」という怖れを生み出し、行動できなくなります。

 人は、自分自身でいるとき、自然体でいられるときは、幸せを感じます。
 逆に、自分以外の何かになろうと、頑張っているときは、幸せを感じられません。

 ありのままの姿を自覚し、ありのままの自分を受け入れる。
 それが幸せに生きる秘訣だということです。

「頭」を使うと貧乏になる

 お金というものは、本当にやりたいことをやれば、やるだけ大きく回ります。
 お金が回っていないのは、本当にやりたいことではなく、お金のためや不安から逃れるためにそれをやっているからです。

 高橋さんは、頭を使うと、人生のすべてがスケールダウンしていくと指摘します。

 一般常識というのは、その人にとって必ずしも正しいとは限りません。むしろ、その人にとっては、当てはまらないことのほうが多いのではないかという気がしてなりません。
 だから、頭を使っているかぎりは、その人のオリジナリティなど出てきません
 損得勘定や効率性、利便性、合理性などを重視するようになり、ワクワク感や、愛やときめきなどのエネルギーを無視してしまうようになるのです。

 愛やときめきなどのエネルギーはとても強いので、お宝満載です!
 それが土台にある仕事や買い物などのすべての行動は、必ず拡大し、その人を幸せにしていきます。愛のエネルギーというのは、拡大し、繁栄していく性質があるからです。
 信じられないかもしれませんが、不安や欠乏感ではなく、ただ純粋に「欲しい!」「やりたい!」という愛からお金を使うと、必ずそれと同じだけか、それ以上のお金がしっかり戻ってくるのでびっくりします!

 つい先日も生徒さんで、「宮古島に行きたい!」と思い、行くのを決めた途端に、10万円の臨時収入があったという人がいました。ほかにも、突然、家族全員を旅行に連れていきたいと心から思い、貯金を全部使って旅行に連れていったら、帰ってくるころには、なぜか使う前と同じ残高だったという人もいました。

 愛から使ったお金は、お金で返ってくる場合もありますが、違うもので返ってくる場合もあります。憧れていた仕事のオファーがきたとか、ときめいて買ったワンピースを着てたら、素敵な人に声をかけられたとか。
 でも、何かが返ってくることを期待してお金を使うのは、純粋な、心からの愛ではありません。それは頭で見返りを期待したギブ&テイクレベルの行動なので、拡大したり、反映していくという流れはこないでしょう。
 だから、もし食い扶持(ぶち)のためにイヤイヤ働いているとしたら、やはりそこにはエネルギーが少ないので、食い扶持をやっと稼げるくらいしか稼げない、という現実になります。

『悩みがなくなる魔法』 第3章 より 高橋ナナ:著 大和書房:刊

 理性ではなく、感情で動く。
 自分が「欲しい!」「やりたい!」ことに、お金を使う。

 行動に、どれだけ「愛のエネルギー」を注ぎ込めるか。
 それが、お金を呼び込む秘訣です。

逆風が吹くとき、順風満帆のとき

 やりたいことをやって生きていると、ときには、逆風(困難や逆境)を感じることもあります。

 高橋さんは、逆風が吹いたときに大事なのは、絶対に失速しないことだと述べています。

 逆風が吹いてきたら、むしろスピードを上げること。これがとても大切です。

 飛行機は離陸するとき、翼に逆風が強く吹き、揚力が生まれないと飛び立てません。
 それによく似ていて、人生のステージが変わり、高みへと上がっていくときというのは、思考のブロックが出てくるとか、思いがけないトラブルが発生するとか、人間関係が急に変わるとか、その形はさまざまですが、何らかの圧力がかかり、「なんだか進みづらいな」と感じることが往々にしてあるものです。
 この状態を感じたら、その圧力でさらなる高みへと押し上げようとする、神様(大自然)からのサポートだと思ってみてください。

 エンジンをかけ(デビューして)、スロットルを開けた(行動を始める)とき、この逆風にビビってスピードを落としたら、飛ぶこと(それをやりながら生きる)ができないばかりか、下手すりゃまっさかさまに墜落(人生に無気力になる)してしまいます。
 ジェット気流に乗って安定飛行になれば、エネルギーをそんなに使うこともなく、呼吸レベルで自然にいろんなことができるようになっていきます。
 だから神様は、圧力をかけて、早くその気流に乗せようとしてくれているのです。

 逆風って本当にありがたいです。
 そこで失速せずにスピードを上げることで、自分がやっていることの精度が上がり、磨きがかかります。すると、ジェット気流に乗ったときに、いちいち考えなくても、呼吸をするように、ラクに行動していくことができるのです。
 逆風のおかげでさらなる高みへと舞い上がれるのだから、それを使わないのはもったいないですよ!
(中略)
 では、逆に人生が気流の乱れもなく順風のとき、ジェット気流に乗った後はどのような姿勢でいればいいのでしょうか?

 私は仕事や恋愛で、人生が怖いくらいに順風満帆のとき、
「あたしゃー、前世でよっぽといいことしたんだろうな! サンキュー神様! サンキュー自分! 前世のおかげ!」と思うことにしています。前世で何をしていたかなんてまったく覚えていませんが(笑)。
 勝手にそういうことにしているのです。
 そして、それ以上は考えないようにしています。

 喜びすぎたり、考えすぎたりすると、自尊心が低い人ほど、「これがずっと続けばいいのに!」という執着をかすかにし始めるからです。
 昔は私もそうでした。自尊心が足りなかった証拠ですよね! 私のような者が、こんなに何もかも順調に行くなんてありえないという(笑)。

 だから、
 順風デイズ、超感謝! 以上!
 って感じにしておくと、変に力むこともなく自然体でいられて、気分もいいですよ!

『悩みがなくなる魔法』 第4章 より 高橋ナナ:著 大和書房:刊

 空高く舞い上がろうとするならば、「逆風」は、必要不可欠です。
 つまり、逆風が吹いている状態は、大空へ飛び立つ準備が整ったということです。

 飛行機は、離陸する直前に、最も強い逆風を受けます。
 風圧に負けず、エンジン全開にして、さらにスピードを上げること。

 それが人生のステージを引き上げるための、大切なポイントです。

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 高橋さんは、「人生」とは、幸せも不幸もひっくるめて、すべて自分で選んだ「遊び」だとおっしゃっています。

 子どもが遊園地で、好きなアトラクションで、好きなだけ楽しんでいる。
 そんなイメージですね。

 目の前のことだけに集中して、その瞬間だけに生きている姿。

 そこには、「過去」も「未来」もありません。
 悲しいことも、つらいこともありません。

 私たちが、人生を「遊び」だと思えない。
 それは、余計な「偏見」と「思い込み」で頭をいっぱいにしているからでしょう。

 ジャッジしない。
 今、目の前のことに集中する。

 この2つの魔法が、そんな世界から抜け出すカギです。

「平凡で、つまらない人生を変えたい!」
「自分らしく、幸せに生きたい!」

 そう願うすべての人に一読頂きたい一冊です。

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