【書評】『前祝いの法則』(ひすいこたろう、大嶋啓介)

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 お薦めの本の紹介です。
 ひすいこたろうさんと大嶋啓介さんの『前祝いの法則』です。

 ひすいこたろうさんは、作家、幸せの翻訳家、天才コピーライターです。

 大嶋啓介(おおしま・けいすけ)さんは、夢と希望を与える講演家、会社経営者です。
「居酒屋から日本を元気にしたい」と、居酒屋「てっぺん」とNPO法人居酒屋甲子園を設立されます。

古代日本人がやっていた、「夢の引き寄せの法則」とは?


 大嶋さんは、お花見こそ、古代日本人が実践していた、夢(願い)を叶えるための引き寄せの法則だったと述べています。

 つまり、春に満開に咲く「桜」を、秋の「稲」の実りに見立てて、仲間とワイワイお酒を飲みながら先に喜び、お祝いすることで願いを引き寄せようとしていたということ。

 これを「予祝(よしゅく)」といいます。

 古代日本人がやっていた、夢の引き寄せの法則、それが「お花見」だったのです。
 祝福を予(あらかじ)め予定するのです。
 いわば、「前祝い」です。


 先に喜び、先に祝うことで、その現実を引き寄せるというのが、日本人がやっていた夢の叶え方なんです。
 盆踊りも予祝です。秋の豊作を喜ぶ前祝いダンスが由来です。

 実は、奇跡はとてもシンプルな法則(原理)で起きています。


 まずは、ここに風船がありますので、風船のなかに小さく♥を描いて加えてください。


 描き加えたら、風船に息を吹きかけ風船を膨(ふく)らませてください。

 いま、心の内側に小さな♥を作ることこそ、未来を変える方法だってことです。

 日本のことわざ、「始めよければ終わりよし」
 というのは、現在の心の状態(始め)がよければ、未来(終わり)もよいって意味なんです。

 いま、あなたの内側に♥があれば、未来においても♥はドンドン大きく育っていきます。つまり、いまを喜んで生きれば、未来もまた喜びが待っているのです。
 これが奇跡の起こし方です。

 21世紀までは、いいことがあったら喜ぶという時代でした。
 しかし、22世紀は「順番」が違う。

 いいことなんか、なにもなくても先に喜んでしまう時代です。

 先に前祝いして、いいことを引き寄せる時代です。

 武田鉄矢さんも、この「予祝」でブレイクしています。
 フォークシンガーだった若い頃の武田鉄矢さん。歌が売れなくて、東京から故郷の博多に帰り、お母さんに「もう、歌をやめる」と言ったのだそう。すると、お母さんは「やめるな!」と。そして黙って冷酒をついでくれ、コップを高々と掲げて、こう言った。
「鉄矢さん、成功おめでとうございます。かんぱ〜い!!!」

 鉄矢さんは、「めでたかことは、なーんにもなかばい」と伝えると、お母さんは「とにかく先に祝おう」と。いったいなんのことかわからず、ポカーンとしていると、お母さんはこう言ったそう。
「お前には貧乏神が取り憑(つ)いている」
 えっ〜!!!!????

「でも、乾杯すればその貧乏神はここまで苦しめているのに、まだおめでとうとか言ってるよ」と拍子抜けして離れて行く。だから一芝居打ってお祝いするんだ」と。
 この日、親子で一芝居うち、祝杯をあげたわけです。
 すると、このあと一気にブレイクしていくのです。

 鉄矢さんは、これが日本古来の「予祝」だったということをあとで知るわけですが、「あの夜は忘れられない」と語っています。

 喜べば、喜びがやってくるのです。

『前祝いの法則』 プロローグ より ひすいこたろう、大嶋啓介:著 フォレスト出版:刊

 ひすいさんは、願いを叶える最高の秘訣は、先に喜んでしまうことだと強調します。

 本書は、日本古来の「予祝」を使った、新しい時代の願望実現法をわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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有名人も「予祝」でメイク・ミラクル!


 ひすいさんは、「未来」を変える方法とは、「いまの心の状態」を変えることだと述べています。

 これが「予祝」の本質であり、多くの有名人たちも実践していることです。

 たとえば、フィギュアスケートの羽生結弦さん。
 2014年のソチオリンピックに向かう飛行機のなかで、羽生結弦さんは泣いていたのだそうです。イメージのなかで、最高の演技をした感動で泣いていたのです。
 行きの飛行機で、すでにイメージのなかで金メダルを獲り、先に喜びに浸っていたのです。だから、実際に金メダルを獲ったときのコメントのなかにこんな発言があります。
「飛行機のなかでイメージしすぎて、飛行機のほうが感動しちゃいました」
 実際の喜びよりも、イメージのなかのほうが、もっと喜んでるんです。

「メイク・ミラクル」「メイク・ドラマ」という和製英語をつくった野球の長嶋茂雄さんの予祝例も劇的です。
 1959年、天皇・皇后両陛下を迎えて行われた天覧試合。
 巨人vs阪神。9回裏で4対4の同点。両陛下が警備の都合上、野球観戦できる時間は21時15分までだったため、延長線に入った場合、陛下は途中退席になるという状況でした。

 9回裏、この大事な場面に先頭バッターとして回ってきたのが長嶋茂雄さんです。天皇陛下が退席されるタイムリミットまであと3分という21時12分。
 実は、展覧試合前、長嶋さんはスランプのドン底にいました。だからこそ、本能的に「予祝」をやってのぞんでいたのです。

 長嶋さんは、試合前日、最寄りの駅でありったけのスポーツ新聞を買ってきて自分で見出しを書き込んでいったのです。用意した赤、青、黄、緑色のマジックで、新聞1紙ごとに「長嶋、展覧試合でサヨナラ本塁打」などと大きく書き込んでいった。
「長嶋の一発に尽きる。さすがにゴールデンルーキー。歴史に残る一発だ」
 そんなふうに監督談話まで勝手にマジックで書き上げ、試合前日に先に喜び、祝杯をあげていたのです(笑)。
 で、実際の試合はどうなったのか?
 すべて予祝どおりのサヨナラホームランです。

 さらに、1992年のプロ野球のドラフト会議の目玉、のちに巨人軍不動の4番となる松井秀喜選手の交渉権を獲得できたのも予祝です。
 なんと前日、自宅で、くじ引きをして松井を当てて先に喜ぶ予祝をしていたのです!(笑)
 さすが長嶋監督! めでたく、松井秀喜選手の交渉権を獲得しています。

『前祝いの法則』 第1章 より ひすいこたろう、大嶋啓介:著 フォレスト出版:刊

 予祝のポイントは、何を言うかではなく、未来に待っている喜びを想像し、先に味わうことです。

 目標を達成したときの、喜びや幸福感。
 それを想像することで、「ワクワク」や「ドキドキ」の感情を呼び起こす。

 それが願望を実現させるための秘訣です。

いまの「心」こそ、あなたの「未来」


 人生を劇的に変えるためのポイント。
 それは、「喜び」に意識を向けることです。

 大嶋さんは、見ると決めたものが見えてくる。それが人生だと述べています。

 もう1つ、おまけにクイズです。
 あなたが3年後に英語がペラペラになるという夢を抱いていたとします。
 この夢を確実に実現するために、あなたがやるといい一番大事な行動は次のうちどれでしょう?

 ①1日最低10個、新しい単語を覚える
 ②ネイティブの人を見つけて、できるだけ話しかけるようにする。
 ③毎日、部屋の掃除を少しずつする。

 ちなみに、このクイズは、はせくらみゆきさんの著書、『こうすれば、夢はあっさりかないます!』(サンマーク出版)に書かれているクイズなのですが、先に答えをお伝えすると、3年後に英会話をマスターしたい場合、大切なのは、ズバリ、③の部屋のお掃除が正解なのです。
「えっ!? 英語をマスターしたいのにお掃除するの?」とお思いでしょうが、これは22世紀の常識です。
 解説する前に、まずは小学校の頃、音楽の教室にあった、「音叉(おんさ)の原理」をお伝えします。
 まず、ここに2つの音叉があります。
 両方とも同じ周波数だった場合は、右の音叉をたたくと、離れている左の音叉も自然に共鳴して振動を始めます。
 しかし、周波数が違う場合は、共鳴しませんから、右を鳴らしても左の音叉はピクリともしません。周波数が同じものが共鳴共振するわけです。
 この音叉の原理がわかると、なぜ③が正解だったのか見えてきます。
 理由は、部屋をきれいにすると、いい気分になるからです。

 夢を叶えるために、ポイントになるのが「心」。
 いま、「いい気分」(ご機嫌)でいることなのです。

 音叉の例のように、同じ周波数同士が共鳴し合うように、いまの心の状態が、次に現れる現実と引き合うからです。

 似たものが引き合うように、「いい気分」は、「いい未来」を引き寄せるのです。
 アメリカの心理学博士であり、作家のウエイン・W・ダイアー博士は著書『ザ・シフト』(ダイヤモンド社)のなかで、こう書いています。
「人は“欲しいもの”を引き寄せるのではなく、“自分と同じもの”を引き寄せる」

『前祝いの法則』 第2章 より ひすいこたろう、大嶋啓介:著 フォレスト出版:刊

図1 音叉の原理 前祝いの法則 第2章
図1.音叉の原理
(『前祝いの法則』 第2章 より抜粋)

 大嶋さんは、「未来」を変えるとは、「いま」を変えることだと述べています。

 いま、そのときの気分が良くなれば、良い現実を引き寄せるということ。

 起こった出来事に反応して喜ぶのは、もう古いです。

 これからは、夢が叶う前に、先に喜んじゃう時代です。

「ナヤミ」のコインの裏側は、いつも「ノゾミ」


 人間関係のトラブル、病気、お金の問題。
 そんな悩みに対しても、「予祝」は効果的です。

 どんな状況でも、面白がれる見方はあります。

 大嶋さんは、「ナヤミ」(問題)というコインの裏側は、いつだって「ノゾミ」(望み・チャンス)だと指摘します。

 ほんとうの「望み」が裏に隠れているから、人は悩むんです。
 だから悩みや困難、トラブル、ピンチ。その背後に隠れている「ノゾミ」(チャンス・ギフト)を見つけて、それを予祝するのが問題解決型の予祝です。
 予祝は、叶えたい夢や願いがあるときだけではなく、人間関係のトラブル、病気、お金が足りないなど、あらゆる問題に使えるわけです。

 まずはそのために、ありとあらゆる悩み、トラブル、問題がなんのために存在するのか知っておくことが大切です。
 問題は、あなたがもっと飛躍するために存在しています。

 そのことを、経営の神様と言われ、生涯に500億円の資産を生み出した、松下幸之助さんのエピソードで説明させてもらいます。
 昭和36年。松下幸之助率いる松下通信工業(現在のパナソニック)の幹部全員が集まり会議が開かれていました。
 トヨタから大幅な値引き要求があったのです。松下が納めていたカーラジオを20%コストダウンしろと。松下の幹部たちは困り果て、静まり返る会議室に、あの男があらわれます。松下幸之助の登場です。
 幸之助の第一声はこうです。
「どうして、トヨタはこういう要求をしてきたんや?」
 トヨタのこの要求の裏には貿易の自由化問題がありました。GMやフォードといった大メーカーとの競争が本格化し、このままでは日本の自動車産業そのものが滅んでしまう、という危機感がトヨタにはあったのです。

「松下がトヨタさんの立場だったらどう考えるかや。やはり、同じ要求をしていたかもしれん。トヨタさんは、どうすればコストダウンを達成して、日本の自動車産業を発展させていくことができるかという危機感でいっぱいやろう。いわば業界全体、さらには国のためを考えてるんや。松下1社の話とは違うんや。ここはできません、と断ってはいかんと思う。なんとしてでも、値を下げなければならん」

 問題をマイナスとして捉えるのではなく、
 その背後のプラス(希望・チャンス)を見ようとするのです。


 幸之助は続けました。
「これは単に値引き要求を受けたというだけのことではないんや。日本の産業を発展させるための公の声だと受け止めなければならんのやないか?
 もし20%の値引きに耐えられる製品ができたら、どうや?
 トヨタさんだけやなく世界で通用する製品になるんやないか?」

 幸之助は、この問題を乗り越えることで、どんな最高の未来が待っているか、想像させたんです。
 最高の未来の先取り、これぞ予祝です。

『前祝いの法則』 第4章 より ひすいこたろう、大嶋啓介:著 フォレスト出版:刊

 問題が起こったこと自体が、問題なのではありません。
 問題をどう考えるかがほんとうの問題です。

 現実は、自分自身が創り出したもの。
 目の前の困難や試練も、乗り越えられないわけがありませんね。

 壁は、あなたを新しい時空へ導く「扉」

 苦しいとき、悲しいときほど、忘れないようにしたいですね。

「奇跡が起きる人」と「奇跡が起きない人」の違いは?


 夢を明確にするだけでは、実は、夢は叶いません。

 夢は、カーナビでいうところの「行き先」です。
 もう一つ、「現在地」も入力する必要があります。

 現在地とは、あなたが現在、ありのままに感じていること、そのすべてです。

 つまり、つまり、自分が感じてることを否定せず、いま、そう感じてるんだなとありのままに受け入れ、認めることができたら、「現在地」が定まるということです。

 たとえば、寂しいとき「あっ、私はいま寂しいんだな」とそのまま認めれば、現在地は明確になるのに「寂しい私はダメだ」とジャッジし、否定するので「現在地」がブレてしまうのです。
 自分が感じてることを、そのまま素直に認めてあげればいいんです。

 いままでにいろんな成功法則や引き寄せの法則が流行りましたが、結果が出る人と出ない人がいます。「その違いはなんだろう?」と研究した友人がいます。
 さて、なにが違ったのでしょうか?
 それは自分が好きかどうか、自分を受け入れているかどうかでした。
 つまり、「現在地」が定まっているかどうかだったのです。
 まさに、この方程式と一緒です(下の図2を参照)。

「未来」=「心」(あなたのいまの心の状態)×「行動」

 自分を嫌っているということは、「自分の心の状態」がマイナスなわけですから、どんなメソッドや行動を取り入れても、未来がなかなかプラスに反転しないのです。
 また、「やりたい」ではなく、「やらなければいけない」と嫌々やっているときも、心の状態がマイナスですから、奇跡は起きにくいわけです。
 そして、この心の状態が最高の状態はなにかというと、心から面白がれているときや、また、感謝があふれているときなのです。感謝のエネルギーが一番高く、感謝までいけば奇跡は頻発します。

 とはいえ感謝は、頭でするものではなく、心からあふれるものです。
 だから、どんなに言葉を尽くしても、誰かに感謝することできません。

 しかし、感謝があふれやすい環境は作れるんです。
(中略)
「喜び(予祝)」と「自己受容」と「感謝」。
 この3つのサイクルが循環することが最高の状態です(下の図3を参照)。
 そのために、「心」と「言葉」と「行動」がプラスに転じるような「習慣」を作っていくことが大切です。

『前祝いの法則』 第5章 より ひすいこたろう、大嶋啓介:著 フォレスト出版:刊

図2 未来 を決める方程式 前祝いの法則 第5章
図2.「未来」を決める方程式
図3 心の状態をプラスに保つ 3つのサイクル 前祝いの法則 第5章
図3.心の状態をプラスに保つ「3つのサイクル」
(『前祝いの法則』 第5章 より抜粋)

 予祝で叶うのは、心からワクワクすることだけです。
 つまり、心の底からの願い、魂の欲求が何なのかを知る必要があります。

 現在地がはっきりしない。
 目的地がコロコロ変わる。

 そんな状態では、どんな高性能のナビも役に立ちません。

「自己受容」の大切さ、よくわかりますね。

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「予祝」を成功させるための秘訣。

 それは、いま、一番したいことをしているという意識で、深く、深く、深く、その喜びを味わうこと。

 ひすいさんは、無理なくできることのなかで、いま、一番したいことをすればいいとおっしゃっています。

 心の中にふと浮かんだ、「これがしたい」「これがほしい」という小さな願望。
 それらを無視せずに拾い上げ、行動に移せばいいということ。

 厳しい現実の中でも、日常の小さな出来事に喜びや感謝を感じ、前向きに生きる。
 それは、私たち日本人が持つ能力の特長でもあります。

 日本人に組み込まれた「予祝」のDNAを最大限に活かし、自分が生きたい人生を思いっきり楽しみたいですね。

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