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【書評】『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』(小森圭太)

 お薦めの本の紹介です。
 小森圭太さんの『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』です。

科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方

小森 圭太 PHP研究所 2019年03月20日
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by ヨメレバ

 小森圭太(こもり・けいた)さんは、ビジネスコーチ・メンタルコーチです。
 量子論と脳科学の解釈を加えた引き寄せ実践体験を元に、独自の「量子論的引き寄せ理論」を構築、セッションや講座、セミナーなどを開催されるなど、ご活躍中です。

科学的な視点から「引き寄せの法則」を考える

「はー、もっとお金があればな〜」

 このご時世、そんな悩みを抱えている人が大多数だと思います。

 では、なぜ、私たちは、そのような考えを持ってしまうのでしょうか。

 ところで、なぜあなたは「はー、もっとお金があればな〜」なんて考えてしまうのでしょう?
 実際にお金が足りず困っているから?
 お金の蓄えが十分ではないので、不安だから?
 お金がもっとあったほうが幸せだと思っているから?
 理由はいろいろあると思いますが、いずれにしても共通しているのは「今、お金が不足している」という意識です。前提として「不足している」と意識しているので、「もっと欲しい」と考えるわけですよね。
 ただ、残念なことを申し上げると、「はー、もっとお金があればな〜」なんて考えている限り、お金はますます不足していきます。なぜそうなるかは、量子力学で確認されている物理現象と脳の仕組みが関係するのですが、それについては本文で詳しく述べていきます。
 いずれにしても、あなたが今意識していることが、ますます拡大していくのです。
 それが物足りなさであっても、あなたが今意識していることに合わせてそのような現実が現れ続けるのです。
 私は「量子論」と「脳科学」をベースにした引き寄せ理論を、セッションや講座、ブログを通じて提供しています。
 私のところには、引き寄せの法則について初めて学ぶという方はもちろん、
「実践してみたら、なぜかわからないけど、うまくいった!」
「自分のこれまでの成功体験を思い返すと、確かに引き寄せの法則でいわれていることが当てはまっている」
 という、すでに引き寄せの法則についてご存知で、その効果を実感されている方も「なぜそうなるのか、その原理を知りたい」ということで、多くいらっしゃいます。
 そうした方に「量子論」や「脳科学」をベースにした理論をお話すると、ありがたいことに「小森さんの説明が一番わかりやすいし、納得できる」と言っていただいています。
 私自身が理屈っぽい性格なので、「原理を知りたい!」という人の氣持ちがよくわかりますし、会社に勤めていた時は広報や広告の仕事を担当していたので、難しい技術や理論を誰にでもわかるように伝えることが得意、ということも役立っているのかもしれません。
 理論をお伝えする中で目にするのが、私の話を聞いて引き寄せについて納得感を深めて、それを実践された方に、すごいことが起きているという事実です。
 引き寄せが加速し、人生に劇的な変化が起きているのです。多くの方から、その後自分に起こった、驚くような変化についてのご報告をいただいています。

『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』 はじめに より 小森圭太:著 PHP研究所:刊

 本書は、小森さんが、科学的な始点から「引き寄せ」を考えて、試行錯誤を繰り返して実践してきたノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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そもそも「意識」ってなんだろう?

 量子とは、原子核以下のミクロ領域の総称で、量子論(量子力学)という物理学は、その量子を取り扱う学問です。

 量子の世界での不思議な現象の一つ。
 それは「量子は波であり、粒でもある」ということです。

 小森さんは、量子には「物質」の時と、「非物質」の時がある、ということが確認されていると述べています。

 さらにいうと、人の意識が介在している時は物質化し、人が意識していない時は非物質化しているとのこと。

 この現象を、量子力学の世界では、「非実在性」と呼びます。

 この「非実在性」を考えると、「意識」というエネルギーが量子の状態を確定しているといえます。
 この宇宙に存在するものは物質かエネルギーのどちらかです。そうすると必然的に、物質でない意識はエネルギーになります。
 そして、ここで大事なポイントとして知っておいていただきたいのは、「思考=意識」ではないということ

 昔は「意識とは脳内の電氣信号である」と考えられていました。
「思考=意識」であると考えるお医者さんが多く、また思考は脳内の電氣信号だからです。
 ところが、量子力学的に考えると「意識がないということは、そもそも脳がない」となります。
「意識は肉体的な死とは別物である上、脳が意識を生み出しているわけではない」という意味のことを再生医療の専門家ロバート・ランザ博士は述べています。
 当たり前ですが、脳も量子でできています。その量子は人間の意識が介入しないと物質化しません。そうなると、意識とは、「思考とは別の何か」ということになります。とはいえ、これは、まだ科学で完全に解明はされていません。

 ただ、確かなこととして、「何を常に思考しているかが、あなたの意識の向け先に影響を与えている」ということだけはいえます。
 例えば、「何かツイてないなー」と思考している時は、必ず「ツイてない自分」を感じる場面やできごとに意識が向いています。
 そういう意味においては「思考している内容=意識していること」といえるかもしれません。
 でも「意識がそちらに向くから思考が起きる」ともいえます。
 ツイてないと感じることに意識が向くので、その結果「ツイてないなー」と思考することにもなるはずなのです。
 頭の中でつぶやいている言葉である「思考」と「意識」が向いていることには、相関関係が見られます。

 科学的にいうと、意識は「バイオフォトン」という光子(素粒子の一種)です。
「バイオフォトン」は、人間の身体全体から発せられていると考えられています。
 光子は光の元です。だから、光が身体全体から発せられているというわけです。

 そうすると、このバイオフォトンという意識エネルギーが、周りにある量子に照射されることで、周りにある量子の「時間」と「位置」が決まります
 これが、量子が「波(エネルギー)」の状態から、「粒(物質)」になるということ。
「粒(物質)」になるということは、自動的に時間と位置が決まるということです。

『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』 第1章 より 小森圭太:著 PHP研究所:刊

 例えば、私たちが「車」を頭に思い浮かべるとき。
 その車を運転する様子やエンジンの音をイメージしたりするのは「思考」の働きです。

 一方、頭の中に“車そのもの”を生み出す働きは「意識」の働きといえます。

 意識には、形のない「波(エネルギー)」で満たされた宇宙から、形のある「粒(物質)」を創り出す力があります。

 意識は、無意識という暗闇を照らすサーチライト。
 意識を向ける先が、私たちの人生そのものを映し出すといっても過言ではないですね。

「本当の自分」を生きることが、幸せへの近道

 小森さんが実感している引き寄せの本質。
 それは、「本当の自分を自覚し、幸せに生きること」です。

 つまり、幸福感と満足感は、幸福感と満足感を引き寄せるからということ。

 小森さんは、引き寄せの対象を人、モノ、金に限定した時点で、それらの不足を逆に引き寄せてしまうと指摘します。

 なぜなら、「お金を引き寄せよう」と意図した時点で、自動的に「今それがない」という意識が無意識で働くからです。

 例えば私がセッションで使用する「青山一丁目」の部屋の近くにはホンダ(本田技研工業株式会社)の本社があります。ホンダは、もともとは浜松市にあった自動車修理工場ですよね。
 そこの社長だった本田宗一郎は無類の自動車、バイク、エンジン、レース好きだった。好きがこうじて、エンジンやバイクなんかの改良に取り組んで、自分でバイクも作るようになり、レースにも出るようになった。そうしたら自然と会社の規模が大きくなってきて、人、モノ、金も自然と集まってきた。
 つまり、本当の自分が喜ぶこと。好きなことをやっていたら、自然と充実の人生、意味のある人生にシフトしたわけです。
 で、今や、世界に冠たる大企業ホンダです。
 もちろん紆余曲折(うよきょくせつ)はあったでしょうが、簡単にいうとこんな流れですよね。
 つまり、本田宗一郎氏は自分が魂レベルで「やりたい」と思ったことを素直に取り組んでいたら、自分の才能もどんどん開花し、自然と会社も大きくなって、上手くいった。
 結局、そういうことなんだろうと思うのです。

 本当の自分を押し殺して、「お金のため」と称してがまんして嫌な仕事をして、休日はそのストレスを発散するためにお金を使っている。
 そういう人が豊かで楽しく、幸せで、充実した生活を送れますか?
 私は無理だと思います。
 結局、「満たされていない」とか、「そうでもしないとお金が稼げない」という自己卑下(ひげ)の意識が、さらにそのような状況を引き寄せるからです。

 幸せで豊かな人は、本当の自分を生きることで本来の才能(能力)が開花し、それが多くの人から評価され、感謝されることで、結果的にお金を引き寄せている。
 私は、これが豊かさを引き寄せる王道のパターンだと思っています。

『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』 第2章 より 小森圭太:著 PHP研究所:刊

「お金がほしい」と願うのは、もちろん、それを使うことで幸せになりたいからです。
 しかし、その裏には、「お金が不足している」というネガティブな考えが潜在意識に入り込んでいるのですね。

 一方、本当に自分がやりたいことをやり、充実して生きると、潜在意識に幸福感や満足感が刷り込まれます。
 そのポジティブな感情は、さらにポジティブな現実を創造します。

 その過程で、幸せな人生に必要な、人、モノ、金も自然と集まってくるわけですね。

夢を手放したほうが上手くいく?

 夢が実現するスピードを一気に早める秘訣。
 それは、夢や目標に執着するのをやめ、「今ここ」で良い状態、本当に望んでいることを選択し続けることです。

「而今(にこん)」という言葉をご存知ですか?
「生命の真実は今この時をおいて他にない。だから、今この瞬間を大切に生きなければならない」ということを表した禅の言葉です。
 過去の失敗を悔(く)やんでばかりいたり、来るかどうかもわからない未来の不安や望みばかりを意識していたりするのは、大切な「今」をないがしろにすることになるからです。だから、今が大事なんです。
 結局、「今、その状態を作る。そしてさらにそのような状態になる選択をする」ということが大事なのです。何度も言いますが、それは「今」作れますし、さらにそうなる選択ができます。
 こんなことを言ったら、怒られるかもしれませんが、私は、「こうするとお金が引き寄せられますよ」とか、「こうすると理想の人に出会えますよ」とか言いたくありません。
 なんだか、「薄っぺらい」「表面的」「本質的ではない」と感じてしまうからです。
 すなわち、私の「軸」からズレるのです。
「人」「モノ」「金」なんて、と言ったらこれも怒られるかもしれませんが、意識が本当の自分が求めている状態になり、その意識状態での行動を増やせば勝手によってきます。
 私も、過去には「人」「モノ」「金」を追いかけていた時代はありましたが、その時は一向に寄ってきませんでした。今はそのカラクリに氣がついていますので、勝手に寄ってきます。
 なにせ、量子力学の波動関数から導き出せる物理法則ですからね。
 だから、あなたも、「人」「モノ」「金」を「絶対に手に入れよう」なんて意識しないで、本当に大切な「今」本当に望んでいる状態を作ったほうがいいのです。
 加えていえば、さらに本当のあなたが望んでいる状態になるような行動を選択するのです。
 表面的な現象や手段にとらわれず、その元となっている「本質」をコントロールしてください。それが、本当の意味であなたの現実を良い方向に変化させる、とても有効な方法なのです。

『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』 第3章 より 小森圭太:著 PHP研究所:刊

 夢に縛られるということは、未来にばかり気を取られているということ。
 未来を重視するあまり、一番大事な「今この瞬間」をないがしろにしては、本末転倒です。

「今この瞬間」を大切に生きる。
 自分が幸せに感じることにフォーカスする(意識を向ける)が、いかに大切かということですね。

幸せな成功者は「Be→Do→Have」

 多くの人は、幸せになるため「まずは自分の外側、つまりお金の環境を整えよう」と必死になります。
 しかし、多くの場合、なかなか上手くいきません。

 小森さんは、その理由を実際は「外側が整うと内側が整う」ではなく、「内側が整うと外側が整う」だからだと述べています。

 ビートルズの名曲「Let it be」。
 きっとあなたも一度は聞いたことがあるはずです。
 というか一度も聞いたことがない、という人を探すほうが難しいかもしれませんね。
 それほど多くの人に知られている名曲です。
 ところで、このLet it beって、どういう意味かご存知ですか?
 訳し方は様々ありますが、ニュアンス的には「ありのままで」という感じがいいと思います。Let it beの「be」は存在とか状態を表す動詞なので、その存在のままでとか、という感じがピッタリです。
 で、「ありのままで」という言葉で思い出すのが「アナと雪の女王」の「Let it Go」ですよね。
 こちらの曲も世界的に大ヒットしました。
 Let it beとLet it Goは似ていますが、見ての通り、動詞の部分が違います。
 Let it Goの「Go」は動作を表す動詞なので、少しニュアンスが違います。
 こちらも約し方は様々ありますが、歌詞の内容からすると「好きなようにする」という感じ。
 なので、ニュアンスとしてはLet it beのほうがより「ありのままで」という日本語に近い感じなんですよね。
 まー、そんな細かいこと氣にしないでいいのですけど。

 ただ、私個人的としては「go」という動作(行動)よりも、「be」という、まず「存在としてどうあるか」のほうが大事だと思っています。
 なぜなら、そもそもどのような状態でありたいのか、どんな存在でありたいのか、を認識しているかいないかで、その後の行動が変わるからです。
 でも多くの人は、そもそも自分がどんな存在でありたいのか、どんな状態を本来望んでいるのか、なんて自覚していません。
 そういう自覚をしないまま、ただ闇雲に行動、つまり「go」や「do」をしています。
 そして、その場合の行動は、大抵「have」にフォーカスしています。
 つまり、何かを持つ(have)と、何かができる(do)ようになり、その結果幸せな状態(be)になる、という思考です。
 そのhaveは、人、モノ、金はもちろんのこと、地位や名誉なども含まれます。
 それらが手に入ると、いろんなことができるようになる、その結果自分が望んだ状態になる、つまり幸せになる、ということですね。
 一見至極まっとうで、当たり前と思えます。

 でも、先ほどから言っている通り、実は逆です。
 逆という事は、順序がまるっきり反対、ということです。
 つまり、自分にとっての幸せな状態(be)を自覚し、今ここからすでにそうあろうと(be)とする。そして、その状態を増やすための行動をする(do)。そうすると、結果的に人、モノ、金などのhaveが満たされるようになる。 (中略)  つまり、幸せな成功者は、思考と行動のパターンがbe→do→haveという順序です。
 本当の自分が望んでいる状態、すなわちそれが幸せな状態ですが、今ここからすでにそのような状態になってしまえば、自然と意識も「幸せ」に向かい続けることになります。
 そして、そのような意識状態でいることは、ますますそのような現実が確定し続ける確率が上がる、ということになるんです。

 あなたは、haveが満たされないと幸せになれない、と勘違いしていませんか?
 本当は逆なんですよ。
 どのような意識状態であれば本当の自分が満足するのか、すなわち幸せなのかを自覚し、今ここからなるべくそうであろうとすること。
 そして、そのような意識状態をさらに増やすための行動をすること。
 それらを通じてhaveが満たされていくのです。

『科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方』 第4章 より 小森圭太:著 PHP研究所:刊

 意識が物質を創り出す。

 そんな量子力学的な観点からすると「内側が整うと外側が整う」という考え方は、当然といえます。

 逆に言うと、現実は、私たちの内面を映し出す「鏡」だといえますね。

 結果である「have」ではなく、原因である「be」を変える。
 それが、幸せになるための近道だということです。

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 小森さんは、本当の自分で生きれば、誰でも自動的な上手くいくとおっしゃっています。

 それは、つまり、本当の自分の感覚や感性をないがしろにせず、あなたが充実感や喜び、楽しさを感じることを理屈抜きで素直にやっていけば、それが思いもよらない形で幸運やお金を引き寄せるということ。

 すべての起点は、自分の「意識」であり「あり方」。
 それが小森さんの提唱する科学的「引き寄せ」の基本です。

 潜在意識の中から呼びかけてくる“魂の声”に耳を傾け、それに忠実に生きること。
 それだけで、心はワクワクし、幸福感や満足感で満たされます。

 今ある現実は、あくまで過去の意識や思考の結果である。
 これから先の現実は、意識の向け先を変えるだけで、いくらでも好転させることができる。

 本書は、これまで繰り返し語られてきた成功の秘訣を、筋道立てて明快に示してくれます。
 理屈から入りたい人にオススメの「引き寄せの法則」実践本です。

科学的「お金」と「幸運」の引き寄せ方

小森 圭太 PHP研究所 2019年03月20日
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