【書評】『現実は脳ではなくハートでつくる』(加藤シャンティ徳子)
お薦めの本の紹介です。
加藤シャンティ徳子さんの『現実は脳ではなくハートでつくる』です。
加藤シャンティ徳子(かとう・しゃんてぃ・のりこ)さんは、ハートリビングコンサルタントです。
あなたを最高の人生へと導く「ハートの力」
私たちが本当に幸せだと感じるのは難しいのはなぜでしょうか。
私たちが本当に幸せだと感じるには、どうしたらいいのでしょうか。
そのカギは「ハート」にあります。
加藤さんは、「ハート」には私たちが幸せになるために必要な大きな力が備わって
いると述べています。
さらに、「ハート」は常に私たちが本当に求めている幸せな人生へと私たちを導いてくれ
ていると指摘します。
ハートとは、「本当の自分自身」のことです。
ハートの力とは、「本当の自分自身が持つ力」を指します。
それは、私たちが「本来の自分らしい在り方をしている時に発揮される、自分自身の内にある力」
。
つまり、「愛の力」です。
あなたの内に眠っている、これからあらわれてくる素晴らしいあなた自身が、本当のあなたであり、そのあなたはあなたが想像もできないほど偉大で素晴らしい存在です。本書は、すべてを生み出す究極の力「ハートの力」を解き放ち、私たちが本当に望む幸せな人生を実現するための方法を具体的にまとめた一冊です。
そしてそんなあなたがおくることになる人生もあなたの想像をはるかに超えた素晴らしい人生です。
ハートの力は強大です。ハートの力を目覚めさせ、ハートの導きに従って生きていくと、本当のあなた自身の姿があらわれてきて、あなたがなり得る最高のあなたになっていきます。そしてあなたのハートが本当に望んでいる、あなたがおくり得る最高の人生、「あなたらしさを発揮して、この世界の素晴らしさを感じながら、喜びと豊かさあふれる、あなたが本当に望んでいる幸せな人生」をおくることになります。
私は長い間、古来、様々な国の伝統の中で伝えられてきたハートに関する知恵と、叡智に満ちた偉大な先生方から授かったハートに関する教え、そして数十年にわたる探求の中で見出したハートについての真実からなる、「ハートの秘密」を一人でも多くの方に分かりやすい形でお届けできたらと願ってきました。
その秘密とは、ハートの力を目覚めさせ、ハートが本当に望んでいる喜びに満ちた人生を生きるためのハートについての知恵です。この本を通してあなたにハートの秘密をお届けできることを本当に嬉しく思っています。 『現実は脳ではなくハートでつくる』 はじめに より 加藤シャンティ徳子:著 フォレスト出版:刊
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「マインド」には2つの状態(働き方)がある
加藤さんは、私たちは、「存在の本質・魂」+「ハート」+「感情」+「マインド(思考)」+「身体」の5つの要素でできている
と指摘します(下の図を参照)。
図.すべての存在に共通する存在の本質
(『現実は脳ではなくハートでつくる』 パート1 第1章 より抜粋)
上の図のように、「すべての存在に共通する存在の本質」が土台となり、その上に「魂」があります。
そして、魂を包んでいるのが「ハート」の部分です。
ハートは、
あらゆる真実を知っていて、あらゆるものとつながっていて、あらゆるものを生み出す、あらゆるものの根源にあるもので、あらゆるものとのつながりを感じさせ、真実を教えてくれるものです。
そのハートを包むように存在しているのが「感情」です。
次に外側にまたもうひとつのハートがありますね。これは「感情」をあらわしています。感情には「ハートから生まれるもの」と「マインドから生まれるもの」の2つの種類があり、私たちは通常このどちらかを感じていたり、この両方を同時に感じていたりします。感情は、「ハートから生まれるもの」と「エゴから生まれるもの」の大きく2種類に分けられます。
ハートから生まれる感情は私たちのハートが本当に望んでいるものを知らせ、ハートの願いが実現する方向へと導いてくれ、図2、3にあるエゴマインドが生み出すエゴの感情はエゴが望んでいるものを知らせ、エゴの願いが実現する方向へと連れていこうとします(上の図2、3を参照)。
ただし、どちらの感情も、その感情に気づいて感じ、そのもととなっている考えや信念に気づく、という作業をすることで、私たちのハートが求めているものを知ったり、ハートが求めているものを明らかにすることを助けてくれるパートナーとなります。
多くの場合、その感情に気づいて感じ切り、その感情が知らせてくれていることに気づくと、感情はその役割を終え消えていきますが、といった場合は、同じ感情が繰り返し出てくることもあります。図2をご覧ください(上の図2を参照)。
- 同じような感情を生み出す現実が続く
- あまりにも大きく感情が動く経験をした
- 過去に無視したり抑圧したりした未消化の感情がたくさんある
- 現在感じている感情の奥に、また別の感情が隠れている
- エゴマインドの中に、繰り返し同じような感情をつくり出すような考えがある
1 ハートの感情(内側の明るい方のハートの部分)
ハート(本当の自分)から生まれる、ハートの思いやシグナルとしての純粋な感情。
ハートが求めているものや、真実や、現在の自分自身の状態を教えてくれるもの。
私たちがハートの思いに従って、ハートの望む方向へ進んでいるかどうか、ハートの願いを実現する方向へ向かっているかどうかを知らせてくれます。
2 エゴの感情(外側の暗い方のハートの部分)
ハートのつながりを失って混乱した「エゴマインド」が生み出す、「エゴマインド」のシグナルとしての感情。「エゴマインド」が求めているものや、錯覚や、信じている幻想や思い込み、現在の自分自身の状態を教えてくれるもの。
「エゴ」の思いに従って、「エゴ」の望む方向ヘ進んでいるかどうかを知らせます。また「エゴの感情」に気づいて観察すれば、「エゴマインド」の中にある考えや思い込みや幻想に気づけたり、エゴの思いやエゴの欲望の奥にある、ハートが本当に求めているものに気がつけたりします。 『現実は脳ではなくハートでつくる』 パート1 第1章 より 加藤シャンティ徳子:著 フォレスト出版:刊
私たちが本当に望む幸せを手に入れる。
そのためには、この2種類の感情を区別し「ハートの感情」だけに従って生きる必要があるということですね。
「ハートの力」が目覚めると、何が起こるのか?
エゴではなくハートの思いに耳を傾けるようになると、どのような変化が現れるのでしょうか。
加藤さんは、今まで気がつかなかったあなた自身の本当の気持ちに気づくようになり、どんな自分になりたいのか、どんな人生を生きたいのかといったことがだんだん分かってくるように
なると述べています。
私たちは自分自身のことを、自分で思っているほど分かっていないので、自分自身がどのような才能を持っているのかということについてもぼんやりとしか分かっておらず、自分が持っている才能のほんの一部しか使わずに生きています。日常、本当の自分自身であるハートの思いを感じることなく、バタバタと過ごしてればなおのことそうです。ハートは、
私たちが持っている才能を、色鉛筆に例えると、そこに100色の色鉛筆があったとしても、使っていない色の存在を忘れてしまっていたり、不快な思いをしたり、失敗しないようにという思いから、使い慣れた色だけを使って絵を描いているのに似ています。
あなたの中には使うのが難しそうな色(才能)や、嫌いだとか不要だとか思い込んでいる色、以前使ってみたら人から批判された色、使ったことのない色、何回か使ってみてうまく使うことができなかった色など、使われることのない色がたくさん眠っています。けれども私たちのハート、ハートが好きな色を使って絵(人生)を描きたいという思いを持っていますし、その色を使うことで人から評価されたりいい気分になれたりするような色だけでなく、ハートの思いや願いを表現することのできる色(才能)を使って絵を描きたいと思っています。
もちろん、すべての色を使わなければいけないわけではありませんし、数色だけ使うことが悪いわけではありません。ハートがそれを望んでいるのならそれでいいのですが、ハートが使いたい色があるのに、その色がなかったことにされていたり、毛嫌いしていたり、使うのを躊躇しているのはもったいないことですね。
使ったことのない色にチャレンジしてみて、どんなふうにその色を使えばより豊かな表現ができるのか、より美しい作品が描けるのか試してみることで、あなたの内にある可能性が開花して、人生がより彩り豊かに、そして文字通り豊かになっていきます。
あなたのハートが使いたい色を使って人生を描けば、あなた自身も喜びを感じられ、あなたにご縁のある方々も、あなたのハートの思いのままに描いた美しい絵に触れ、喜びを感じることができます。そしてそんな絵で満ちあふれる世界はとても美しいものになりますね。
往々にして、私たちは自分自身の限界を決めつけ、過小評価しがちです。100色もの色鉛筆を持っているのに、数色しか持っていないと思い込んでいたり、自分の青色はあんまりいい色じゃないと思い込んでいたり、自分には100色も使えないとか、100色使ったとしても上手に使えないから大した絵は描けないと思っていたり、様々な形で自分自身のことを過小評価しています。
けれども、私たちは100色どころか無限の色を自由に使うことができます。勝手な思い込みや、決めつけ、恐れやあきらめからその色を使うことができなくなっているだけです。思い込みや、決めつけや、恐れをすぐになくすことはできなくても、まずは、あなたのハートの思いを感じてみることからはじめてみましょう。 『現実は脳ではなくハートでつくる』 パート1 第2章 より 加藤シャンティ徳子:著 フォレスト出版:刊
時として今までそんなことは無理だと思い込んでいたことをやるように伝えてきたり、エゴが絶対にやりたくないと思っていることをやりたいと伝えてきたりします。
最初は、ハートの声に従うことは不安や恐れが大きいかもしれません。
しかし、その不安や怖れこそが、私たちが捨て去るべき「エゴの声」の正体です。
自分自身で限界を決めつけず、無限の可能性を信じる。
ハートの声に従う勇気を持ちたいですね。
ナビゲーターとしての「コール」と「インスピレーション」
ハートは、常にあなたのハートが本当に求めていることを知らせようと呼びかけ、あなたが本当に望んでいる人生を生きて幸せになるために、あなたを導き、突き動かして
います。
加藤さんは、このハートが持つ「呼びかけ、導き、突き動かす力」を「コール」と「インスピレーション」と呼んでいます。
コールとは、私たちの内から沸き起こる思いや感覚」という形で、私たちを導いてくれ
るものです。
インスピレーションとは、「私たちの内から何かが沸き起こってきたりひらめいたりする感覚」という形で私たちを導いてくれ
るものです。
最初にもお話した通り、ハートのコールやインスピレーションは、私たちが本当に生きたい人生を生き、幸せになるための呼びかけと導きであり、ハートが求めていることを知らせようと呼びかけ、望んでいる未来へと、導き、突き動かす力です。加藤さんは、
それは、「私たちの内に沸き起こる思いや感覚」として感じられます。
私たちの内には常に、「これをやってみたい」「こっちに行ってみたい」「何だか心惹かれる」「抵抗を感じる」「わくわくする」「悲しい」「空しい」というような何らかの思い(感情や思考)や、願いや欲求、
「絶対にこっちに行った方がいい」「これはこうやった方がいい」「こういうことをやろう」「こうすべきだ」というようなひらめきや突然湧き上がる思いや衝動、
また、それらに伴った、「あたたかい感じがする」「清々しい感じがする」「引き込まれるような感じがする」「窮屈な感じがする」といったような感覚や、
「重い」「疲れた」といったような身体的な感覚が存在しています。
ハートのコールとインスピレーションは、このような、「思いや願いや欲求」や、「ひらめきや突然湧き上がる思いや衝動」、また、「それに伴う感覚や身体の感覚」などの形でやってきて、ハートが行きたいところへ向かうためのナビゲーターとして、私たちのハートが本当に望んでいることを実現し、幸せになる方向へと導いてくれます。
様々な形でやってくるハートのコールとインスピレーション気づいて、その導きに従って行動していくことができれば、あなたのハートの目的地である「あなたのハートが本当に望んでいる、喜びと幸福感に満ちた人生」が目の前にあらわれてきます。
どこに向かっているのか分からなくても、ナビゲーションシステムに従って進んでいくと、目の前に目的地があらわれるのと同じですね。
ここでひとつお伝えしておきたいことがあります。すでにお気づきの方もいらっしゃると思いますが、「思いや願いや欲求」や「ひらめきや突然湧き上がる思いや衝動」や、「それらに伴う感覚や身体の感覚」というものは、「ハート」からだけでなく、ハートから分離した「エゴ」からもやってきます。
ただ、よく観察してみると、ハートから生まれる思いや感覚と、エゴが生み出す思いや感覚には違いがあり、この2つの違いを認識できないと、エゴが生み出した思いや感覚に翻弄されてしまいます。この違いについてはまたお話させていただきますが、ここではハートからやってくるものについてお話させていただいているということを覚えておいてくださいね。
あなたは日頃どのくらいあなたのハートのコールやインスピレーションに意識を向けているでしょうか?ハートの思いや願いに気づいていますか?そしてハートのコールやインスピレーションに従って生きているでしょうか?少しあなた自身のことを振り返ってみてください。 『現実は脳ではなくハートでつくる』 パート2 第3章 より 加藤シャンティ徳子:著 フォレスト出版:刊
どんな方も、ハートに従っている時と、ハートから分離したエゴに従っている時があり、その割合は人によって、そして状況によって違っていると述べています。
幸せを感じる度合いは、まさに「ハートに従っている時間」と「エゴに従っている時間」の比率によって決まる。
そういっても過言ではないですね。
今この瞬間の自分自身の思いに気づくエクササイズ
加藤さんは、ハートのコールやインスピレーションに気づくためのエクササイズとして、以下のような方法を挙げています。
エクササイズ2何かと忙しい現代人は、外部からの刺激に振り回されることが多いです。
今この瞬間の自分自身の思い(感情や思考)や、今この瞬間感じていることに気づく
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静かな場所に座り、深い呼吸を3回繰り返します。
深呼吸をしたら、楽な呼吸に戻してください。
そして、あなたが「私」という感覚を感じるところ(ハート)に、手を当ててください。
手を当てたまま、「私」という感覚(ハート)を感じてみましょう。
こころが落ち着いてきたら、あなたの思い(感情や思考)に意識を向けます。
あなたの感じていることにも意識を向けましょう。
手は当てたままでも、下ろしていただいても構いません。
「思いや願いや欲求」「ひらめきや突然湧き上がる思いや衝動」「それらに伴う感覚や身体の感覚」など、あなたの内に起こっていることに気づきましょう。
今あなたはどんなことを感じているでしょうか?
今あなたの頭にはどんな考えが浮かんでいますか?
今あなたの内にどんなことが起こっていますか?
しばらくの間それを感じ観察してみてください。
※もし、手を当てることができない状況であれば、手を当てなくても大丈夫です。
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いかがでしょうか?あなたが感じている感情や感覚、あなたが考えていることに気がつきましたか?
感じていたけれども無視していたこと、感じたくなかったこと、そんなことを感じているということを認めたくなかったこと、感じていることにすら気づいていなかったこと、いろいろあったのではないでしょうか?考えについても、無視していたこと、考えたくなかったこと、そんなことを考えているということを認めたくなかったこと、考えていることにすら気づいていなかったことがあったと思います。
このように、意識を向けてみると、あなたがたくさんのことを感じ、考えているということや、その内容に気がつきます。ハートのコールやインスピレーションに気づくためには、このようにあなたの中で起こっていることに意識を向け、それに気づく必要があります。
意識的に気づこうとすることを繰り返していくと、忙しい日常の中でも、あなたの内に起こっていることに気がつくようになっていくので、まずはあなたの内に起こっていることに気がつくようになっていくので、まずはあなたの感じていることや、考えていることに意識を向け、それに気づく練習をしていってくださいね。 『現実は脳ではなくハートでつくる』 パート2 第3章 より 加藤シャンティ徳子:著 フォレスト出版:刊
ついつい、自分自身の感情や本当の気持ちを無視してしまいがちになりますね。
だからこそ、意識してハートの奥底から湧き上がる「内なる声」に耳を傾ける必要があります。
ハートの力を活用するためには、まずハートの存在に気づくことです。
そのためにも、このエクササイズを日々の習慣にしたいですね。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
加藤さんは、ハートは、ハートの願いを実現するために、あらゆるものにとっての最善の方法を見つけ、最善の形で、最善のタイミングでそれを実行することができるよう導く力を持って
いるとおっしゃっています。
ハートの力は、人生を変える力であり、世界を変える力であり、私たちが本来持っている大きな自由
です。
エゴではなく、ハートに従うことで自分が本当にやりたいこと、自分の使命に気づきます。
そんな人たちがハートから発する「幸せバイブレーション」は、周囲の人たちに伝染していくものです。
ハートに従って生きる人が増えれば、世の中の価値観も、システムも、大きく変わっていきます。
エゴが生み出した分裂と不安の世界から、ハートが生み出す豊かで美しい愛の世界へ。
そんな日が来るのも、意外と近いかもしれませんね。
私たちの人生を変える大きな可能性を秘めた「ハート」の力。
皆さんも、ぜひ本書を手にとって、その驚異の力に触れてみてください。
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