本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『仕事消滅時代の新しい生き方』(本田健)

お薦めの本の紹介です。
本田健さんの『仕事消滅時代の新しい生き方』です。

本田健(ほんだ・けん)さんは、経営コンサルタント、作家です。

「仕事消滅時代」を生き残るためには?

2020年、中国の武漢で発生した新型コロナウィルスが大流行し、世界中で猛威をふるいました。
経済手な影響も計りしれず、ホテル業、観光業、飲食業などが壊滅的なダメージを受け、その他の業界も少なからず影響を受けました。

たった2ヶ月間で、世界中の人の行動が変わり、文化が変わってしまう。
私たちは、そんな未曾有の転換期に直面しているといえます。

本田さんは、この事態をこれはもう2008年のリーマン・ショックのような一時的な不況ではなく、大恐慌レベルの経済危機だといっていいと警鐘を鳴らします。

 ある日突然、会社がなくなる、仕事がなくなる、産業そのものが消えてしまう‐‐。
そんな「業界全体が消滅してしまう時代」がやってきたのです。

これからは多くの人が、人生最大のピンチに直面するでしょう。
収入は2割から3割減。悪くするとゼロになる人も出てきます。
「そのうち、なんとかなるだろう」と、のんきに構えている人もいるかもしれません。でも、残念ですが、なんともなりません。
私たちが知っているビフォアコロナの社会は、もう戻ってこないのです。
けれど、希望は捨てないでくだいさい。
こういう時代だからこそ、人生最大のチャンスもまた生まれます。
終戦後、焦土となった街で、焼け出された人々の家財道具をリヤカー1台で運ぶ商売を始めて、やがて運送会社を築いた人もいます。戸板1枚の闇市の露天商からスタートして、後にスーパーマーケットをつくり成功した人もいます。
とにかく食べていくために「何でもやってやる」の覚悟で、新しい仕事を創出したのです。まさに経済の焼け野原となった今、私たちにも、こうしたチャンスは必ずあるはずです。
ただ恐れや不安に取り込まれているだけでは、何も起こりません。
これからは、一人ひとりが、たくましく、真剣に、自分ができることを模索しなければなりません。考え、そして行動を起こすのです。

その際、大切になってくるのが、時代を読み取る眼力です。
たとえこれまで成功していたとしても、もはや需要のない仕事にしがみついていては、収入には結びつきません。
これからの時代、人々は何を求め、社会は何を必要とするのか?
それを冷静に分析し、あなたの能力を提供できることは何かをシミュレーションするのが、この「仕事消滅時代」を生き残るための唯一のカギなのです。

『仕事消滅時代の新しい生き方』 はじめに より 本田健:著 プレジデント社:刊

最大のピンチは、最大のチャンスでもある。

これまでの常識や社会環境、経済環境はリセットされ、ゼロスタートとなります。
新しい時代に、いかに適応し、その波に乗れるかが勝負です。

本田さんは、大切なのは、それぞれが持つスキルや才能を、いかに人や社会のために分かち合うかだと述べています。

本書は、「分かち合い」の視点を軸に、新しい時代の新しい生き方のノウハウを提案する一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「決断」は、「断つ」ことが大事!

コロナショックに始まる世界の事象に対して、私たちができることはあまりありません。
私たちにできることは、とにかく変わろう! と決めることです。

本田さんは、決めるだけで、人生は劇的に変わると指摘します。

 何も決めないのは、「決める」のが怖かったからではないでしょうか。
投資を例にとってみましょう。投資すると決めれば、どうしても失敗のリスクが発生します。けれど、「もうちょっと勉強してからにしよう」と決断を先延ばしにすれば、財産は減りもしないし、増えもしません。
それと同じで、何かにチャレンジしたくても、「もう少し実力をつけてから」「情報を集めてから」と保留ボタンを押し続けてさえいれば、現状維持という安心感にどっぷり浸かっていられます。
こうして「決めない」ことを決めていたから、チャンスに恵まれなかったのです。

ただ、もうすでにリセットボタンは押されました。あなたが押したのではないのです。もう世界全体で、リセットボタンが押されて、その影響がありとあらゆる人の人生を呑み込み始めたのです。
たとえ一流企業に勤めていても、会社はいつまで続くかわかりません。今が決断するときなのです。

決断力というと「決める」ことに気を取られがちですが、大事なのは、決断の「断」のほう。「断つ」ことです。
たとえば、なかなか結婚を決められない人が時々います。彼らが決断できないのは「後でもっといい人が現れるんじゃないか」というほかの可能性を断ち切れないからです。
その意味では、もう後がない今の時代では、断つことは比較的簡単ではないでしょうか。
これからたくさんの人が仕事を変え、住まいを変え、独立を決意することになるでしょう。
慣れ親しんだ仕事や仲間と別れるのは、つらいかもしれません。でも、新天地でゼロから自分の力を試し、新しい仲間と出会う人生は、きっと今以上におもしろくなると思います。

迷いを「断つ」ためには、スピードも大事です。
私のメンター(人生の師)のひとりである吉田潤喜さん(ヨシダソース創業者)は、アメリカでイチローの次に有名な日本人と言われる人物ですが、吉田さんは、全てを直感で決めるそうです。
「どんな重要な案件でも10秒で決める。それは、自分に迷う時間を与えないためだ」と言っています。自分が何をしたいかが明確なので、シンプルで無駄がないのです。
素早く決断する秘訣は、このように自分の人生の価値観や優先順位をはっきりさせることです。たとえば、あなたが「人生はワクワクと楽しむべきもの」と考えているなら、今のような岐路に立たされたとき、自分自身にこう問いかければいいだけです。

「それをやって、本当にワクワクするだろうか?」

実に簡単です。失敗が怖ければ、「何もかもうまくいく」と仮定したうえで、「どちらを選んだら楽しいか?」と考えてみてください。答えはおのずと出るはずです。
大切なのは、どんなときでも自らの意思で選択することです。
自分が全てを決められるという感覚が身につくと、この先同じように予想外のことが起きても、恐れず慌(あわ)てず、立ち向かえるようになるのです。

『仕事消滅時代の新しい生き方』 Chapter 1 より 本田健:著 プレジデント社:刊

時代の流れは、大きくうねり、これまでとはまったく違う方向に向かっているのは明らかです。
私たちが目指すべき目的地も、大幅な変更を余儀なくされるのは間違いありません。

問題は、ただ流されるままになるか、新たな目標を見つけて自力でそちらに漕ぎ出すか、です。

とにかく、最初の一歩は「決断する」ことです。
自分の直感を信じて、小さなことから始めてみましょう。

好きなことを探す3つのヒント

今やっている仕事が、自分の「天職」かどうか。
それを知るためのキーワードは、「やる気」です。

本田さんは、やる気を出さなければやれないような仕事は、本当は、あなたがやるべき仕事じゃないと述べています。
つまり、最初からやる気を出す必要がない仕事と出合うことが重要だということです。

天職は、「好きなこと」の先にある。
とはいえ、自分の好きなことは何なのか、よくわかっていない人が意外と多いです。

 では、好きなことはどうやって探したらいいでしょう?
1つ目のヒントは、自分が「自然と意識が向くもの」「自然とお金をかけてしまうもの」「自然と時間を使ってしまうもの」にあります。
たとえば本が好きな人は、書店を見れば自然と入りたくなるでしょうし、本を買うお金が惜しいとは思わないでしょう。カバンのなかには、いつも何かしらの本が入っていて、ちょっとでも時間があれば、読書しているのではないでしょうか。
ユーチューブを観ている人も多いと思いますが、そこにもヒントがあるはずです。
動物の動画ばかり観てしまうとか、車関係の動画ばかり観てしまうなど、単なる暇つぶしのつもりかもしれませんが、興味があるからハマるのです。自分では気づかなくても、その視聴履歴に、あなたの好みの傾向がはっきり表れるものです。

2つ目のヒントは、逆にネガティブな感情に隠されているものです。
たとえば、無用な森林伐採のニュースに、以前にも増して怒りや悲しみを感じたとすれば、あなたは自然や樹木が大好きなのかもしれません。
友人が撮影したベストショットに、なぜか嫉妬や競争心を感じたとしたら、実はあなたも写真やカメラが好きで、やってみたかったことかもしれないです。

3つ目のヒントは、あなたが「人からよく頼まれること」のなかにあります。
たとえば、「銀座でおいしい焼き鳥屋さん知らない?」「横浜で接待に使える店を教えて」など、同僚や友だちから、グルメ情報をよく聞かれる人はいませんか? それは、あなたが食べ歩きが好きで店情報に詳しいことを、周囲の人が知っているからです。
同じように、結婚式の2次会の司会、パソコンの設定や修理、社内旅行の幹事など、あなたにしょっちゅう声がかかるのは、「この人に聞けばわかる」「この人に任せれば安心」と周囲から認められている証拠です。
本人は簡単にできることだから、気軽に引き受けているだけだと思っているかもしれません。でも、まさにそれがあなたの好きなことなのです。

ただ、好きなことがすぐに仕事に結びつくわけではありません。
「好き」という気持ちは、才能の種(たね)です。花が開くまでには、ある程度時間がかかります。水をやり陽(ひ)に当て、種を育む努力が必要なのです。
猫が好きで写真も好きな人が、たまたま飼い猫の可愛いショットを撮れたとしても、それは単なる“奇跡の1枚”にすぎません。
それう仕事にするには、奇跡ではなく、最低でも打率3割で「誰が見てもかわいい」猫の写真を撮らなくてはいけません。猫のいい表情を引き出せるオリジナルのテクニックを編み出せるまで、コツコツ努力し続けるしかないのです。
友人のある女性は、もともと猫ならぬ、女友だちのポートレートを撮るのが好きでした。彼女に撮ってもらうと「1割、2割増しで美人に写る」と評判で、よくSNSのプロフィール写真などの撮影を頼まれていたそうです。
そのうち口コミで友だちの友だちからも依頼されるようになり、タダでは申し訳ないと、撮影料をもらえるようになりました。彼女には、女性を美しく撮る秘策があったわけです。そこでホームページをつくってそのテクニックを紹介したところ、これがまた話題となりました。そして今度は、その技術を教えてほしいと講師を頼まれ、やがて本を出版するまでになりました。
自分を信じてやり続ければ、必ず誰かが見てくれるものです。

『仕事消滅時代の新しい生き方』 Chapter 2 より 本田健:著 プレジデント社:刊

好きなことが、すぐに仕事に結びつくわけではありません。
ただ、やらずにはいられないくらい、好きなことでなければ、やる気を保って長く続けることはできません。

好きなことや興味のあることや長所は、自分にとっては当たり前すぎて、なかなかそれと気づかないものです。
上の3つのヒントを参考に振り返ってみて、「天職の種」を見つけたいですね。

脳の中にある「GPS」を利用する

自分のやりたいことをやりって夢を叶えるには、脳の仕組みを上手に利用する必要があります。

人間の脳には、網様体賦活系(もうようたいふかつけい)、通称「RAS」(ラス)と呼ばれる神経の集まりがあります。

RASは、脳に流れ込んでくる情報を、その人にとって必要なものと、そうでないものとに振り分けるフィルターのような役割果たしています。

 こんな経験はありませんか?
「青い車を買いたい」と考えていたら、街中に青い車ばかりが走っているように見えた。あるいは、「犬を飼いたい」と考えていたら、やたらと犬を散歩させている人ばかりが目についた。
偶然だと思うかもしれませんが、そうではありません。こんな現象が起きるのも、RASが必要な情報を見せてくれるからなのです。

夢を叶える理屈も、それと同じです。「営業成績トップになる」でもいいし「家を買う」「年収1000万円になる」でもいい。とにかく自分が何をしたいのか、どうなりたいのかをまず決めます。するとRASが稼働して、それを実現するためのヒントを片っ端から集めてきて見せてくれるのです。
グーグル検索にワードを入力すれば、関連した情報が即座に集まるのと似ています。

RASとは、目的地の住所を入力すれば、そこへ連れていってくれる車のGPSのようなものだと考えるといいでしょう。
必要なのは、まず「What?(何をしたいのか? どうなりたいのか?)」という未来の行き先を明確に決めること。「How?(どうやって?)」を考える必要はありません。
GPSを使うときも、大事なのは「どこへ行きたいか」であって、「どのようにすれば行けるか」を考える必要がないのと同じです。
GPSの仕組みを知らなくても、任せれば確実に道案内をしてくれるように、夢や目標にたどり着くためのヒントや情報は、RASが自動的に選別し集めてきてくれるのです。

にもかかわらず、とかく私たちは「How?(どうやって?)」のほうを先に考えがちです。実はそれが、多くの人が夢を実現できない理由です。
たとえば、誰かが成功したら「どうすればあんなことができるんだろう?」とため息まじりに考えてしまいます。でも、いくら考えてもわからないので、結局、チャレンジすること自体をあきらめてしまうのです。
それにたいていの人は、「How?(どうやって?)」と自問自答をしても、「資格を取る」「貯金する」など、今の自分が想像できる範囲の答えしか思いつきません。だから、想像を超えるようなミラクルを起こせないのです。
(中略)
夢や入力するときのコツは、頭で思うだけでなく書き出すことです。しかも、パソコンやスマホではなく必ず紙に手書きしてください。そうすることで脳の神経が活性化し、RASのスイッチが入りやすくなるからです。
その際も、書くのはあくまでも「What?(何をしたいか?)」だけです。「How?(どうやって?)」はいっさい書かない、考えないことが大切です。
そして、「What?(何をしたいか?)」を書くときは、できるだけ具体的に書くことです。たとえば「海辺に住みたい」と書いても、それだけではGPSにただ「東京都」と大雑把に入力したようなものです。具体的な住所がなければ、そこへ連れていってもらえません。
どこの海辺なのか、家はどのくらいの広さでどんな間取りなのか・・・・・など、夢や目標は視覚化できるくらい詳細に書き出すのがRASをうまく動かす秘訣です。

『仕事消滅時代の新しい生き方』 Chapter 4 より 本田健:著 プレジデント社:刊

脳には、現実と想像上の出来事、そして過去・現在・未来の出来事を等価なものとして扱う側面があります。

現実はどうであろうと、「なりたい自分」「ありたい自分」のイメージを脳にインプットする。
そうすれば、あとは脳が勝手に勘違いしてくれて、望む現実を連れてきてくれるということです。

脳をうまくだますためのカギとなるのが「RAS」です。

興味のあること、好きなこと、欲しいものを、ただ素直に脳にオーダーする。
それだけで、脳が自動的に必要な情報を集めてくれるのですから、利用しない手はないですね。

「与えた」分だけ、受け取れる

夢を叶えて成功する人は、例外なく「運」に恵まれています。

運に恵まれている人とそうでない人の差は、どこにあるのか。

本田さんの結論は、「運」のいい人には、必ず応援してくれる味方がいるということでした。

では、どうすれば、味方になって応援してもらえる人になれるでしょうか。
本田さんは、そのカギは「与える」ことにあると考えています。

 自分のところにいい情報が回ってきたときは、独占せずに周りの人と共有する。頼まれれば、自分の人脈のなかから人を紹介してあげる。また、相手の話や悩みをじっくり聞いてあげたり、手が空いたときは仕事を手伝ってあげたりするなど、要するに、あなたができる範囲のことを誰かにしてあげるのが、与える行いです。
私の周りには「ビジネスセミナーなどで知り合った仲間が本を出したら、必ず買って自分のSNSで紹介するようにしています」と言う人もいます。
このように、友人の成功を心の底から喜び、サポートしてあげるのもまた、与えることなのです。

アメリカの元ファーストレディーで国連代表も務めたエレノア・ルーズベルトさんは、「どんな関係においても大切なのは、何を受け取ったかではなく、何を与えたかなのです」という言葉を残しています。
人は相手に何かしてもらえば恩義を感じ、その分自分も相手に返していこうとするものです。決して見返りを求めるわけではありませんが、自分が先に与えれば、結果的に相手からも大切にされ、応援してもらえるのです。
日本にも「陰徳を積む」という言葉があります。人に知られなくても、ひそかに善い行いを続けるという意味で、これも与えることの一つです。信心深い昔の日本人は、与えることで“天の貯金箱”に幸運がたくさんたまり、いつか天からいいことが返されると考えたのです。
(中略)
与える行為は、ほかにもいろいろあります。
その一つが感謝することです。
あなたが、読んで感動した本を2人の後輩にプレゼントしたとします。
2人のうち一人は、その場でお礼するだけでなく、後からメールで「今取り組んでいる仕事のヒントになりました。本当にありがとうございました」と、改めて本の感想や感謝の言葉を送ってきてくれました。
そしてもう一人は、その場でお礼はしたものの、その後はなしのつぶて。職場で顔を合わせても、なんの感想の言葉もくれなかったとします。
あなたは、どちらの部下をかわいいと思い、引き立てたくなるでしょう?
たとえば、自分がかかわる新しいプロジェクトに誰か一人、後輩をメンバーに入れることになった場合、指名したくなるのは、やはり、感謝の気持ちを忘れない前者のほうではないでしょうか。
このように、感謝ができる人ほど人に愛され、運がよくなるのです。
能力があるのになかなか成功できない人がいたとしたら、もしかすると、普段から周りの人への感謝ができていないからかもしれません。
「ありがとう」という言葉を口にして、人に嫌われたり損をしたりすることは絶対にありません。また「ありがとう」は何度発してもいいものです。
些細なことにでも、何かしてもらったら感謝する習慣をつけましょう。

もう一つが、名誉や手柄を人に与えることです。
大口の取引先を獲得した、新商品がヒットしたなど、仕事で成果を上げて「おめでとう」「よくやった!」と褒められたとき、「さすが俺」とばかりに自画自賛し、手柄を独り占めしていませんか?
どんな仕事も、自分一人ではできません。たとえ一人でやったように見えても、縁の下の力持ちとなってあなたを支えてくれた人、陰(かげ)で応援してくれた人は必ずいるものです。全て自分の能力だと勘違いして天狗(てんぐ)になっていると、周囲の反感を買い、いつか足をすくわれることにもなりかねません。

「相手に花を持たせる」という言い方があります。成功の花束を受け取ったら、まず真っ先に「この花束を、自分以外の誰に渡すか?」を考えましょう。
「アドバイスをくれた部長のおかげ」でもいい、「いつも残業につき合ってくれた先輩のおかげ」でもいい。周囲の人をねぎらい、尊重する気持ちを忘れないようにしましょう。
その結果、「あいつは俺が育てた」と吹聴する人が周りにたくさん出現するかもしれません。けれど、それは決して迷惑でも煩(わずら)わしいことでもありません。
むしろ、そう言ってくれる人がいればいるほどありがたい話です。
なぜなら、自分が目をかけ育てたと思っている人間を大切にすることはあっても、潰(つぶ)そうとする人はいないからです。そんな人は、こちらから頼まなくても「〇〇をよろしく頼む」と、あなたを引き立ててくれることもあるでしょう。こうして、与えた分だけ運に恵まれるのです。

『仕事消滅時代の新しい生き方』 Chapter 5 より 本田健:著 プレジデント社:刊

「情けは人の為ならず」とは、よくいったものです。

与えたものが回り回って、結局、自分自身に返ってくるということ。
出し惜しみや独り占めは、自分の首を締めることになります。

私たちも、与えて与えて「天の貯金箱」に幸運をためこんで、運のいい人を目指したいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

今、私たちは「新型コロナウィルス」という、誰もが経験したことの大きな危機に直面しています。
何が正解で、何が不正解か、誰もわからない混沌とした状況が続きます。

生きるうえでの明確な指針がない以上、私たちは自分自身で人生観を決める必要があります。

本田さんは、自分にとって何が大切かを見極めたうえで、仕事、お金、住む場所などを積極的に選択していく必要がある、とおっしゃっています。

これからの時代、幸せは自分自身で探さなければなりません。
自分以外の誰かを頼っても、決して満足できる人生を歩むことはできません。

正解がないのなら、自分が心からやりたいことをやる人生の方が、充実感も幸福感も大きいのは明らかです。

一寸先は闇で、誰もが行き先に迷って、立ち止まっている。
本書は、そんな私たちの行方を照らし出し、一歩を踏み出す勇気を与えてくれる、そんな一冊です。

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