【書評】『大富豪インド人のビリオネア思考』(サチン・チョードリー)

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 お薦めの本の紹介です。
 サチン・チョードリーさんの『大富豪インド人のビリオネア思考』です。

 サチン・チョードリーさんは、インド出身の起業家、経営コンサルタントです。
 現在は、日本を中心に活動されており、いくつもの会社の経営を行なうかたわら、異文化戦略を指導する国際コンサルタントとしてご活躍中です。

インド人の成功の影に「ジュガール」あり


 多くの日本人が、目の前に立ち塞がる「見えない壁」を越えられず、閉塞感の中でもがいています。

 しかし、インド人はそのような状況でも決してあきらめません。
 壁やトラブルにぶち当たっても、それを乗り越える手段が必ずあることを知っているからです。
 彼らの不屈の精神を支えるのが、「ジュガール」です。

 ジュガールとは、「インドにおいてマハラジャの時代から広く知られている問題解決ソリューション」のことです。
 少しだけ発想と行動を変えるだけでも人生もビジネスも圧倒的に逆転する、マインドをイノベーションする考え方とのこと。

 ジュガールの概念をおおまかにまとめると、以下の7つに集約されます。

  1. 少ない力で多くのものを得る
  2. 自分の枠を超えた発想で考え、行動する
  3. やわらか頭で考えてピンチをチャンスにする
  4. シンプルに考える
  5. 決してあきらめない
  6. 自分を抑えつけない
  7. セルフ・エフィカシー(自己効力感)を大事に育てていく
 ジュガールによって巨万の富を得ることに成功しているのが、「印僑(いんきょう)」です。

 印僑は、インド国外に住んで活躍しているインド人を指します。
 全世界に2500万人おり、全世界のビリオネア(億万長者)の10%を占める一大勢力です。

 チョードリーさんが、日本で成功を収められたのも、このジュガールのおかげだと断言しています。

 本書は、今、世界中から注目を集めているジュガールを、日本で初めて解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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相手が誰であっても「いきなり電話する」


 チョードリーさんは、相手がどんな重要な人物であろうとも「いきなり電話する」という選択をとるそうです。

 大好物の「カレーハウスCoCo壱番屋」のカレーを「インドに店を展開したい」と思ったとき。
 チョードリーさんは、次の瞬間には携帯電話でCoCo壱の社長に電話をしました。

 とにかく、多くの日本人は“向こうの迷惑にならないか”という心配を過剰なまでにふくらませすぎです。どうしてそんなに怖がるのか、私には不思議です。
 あるいは、“相手の迷惑になる”というのは、本当は“断られたらどうしよう” “力がないと思われたらどうしよう”といった不安の表れであって、その不安を先延ばししたいがための口実なのかもしれません。
 でも、そうやってだらだらと不安を先延ばししているくらいなら、いま思い切って相手のふところに飛び込んでしまったほうがすっきりすると思いませんか?

 それに、たとえ飛び込んでみてもうまくいかなかったとしても、失うものはなにもありません。失うものはないにもかかわらず、「飛び込む」か「やめる」かで迷っているなら、いますぐ「飛び込む」を選んだほうがいい。でも、「飛び込む」を選んで実行に移してみれば、必ずそこに何かの変化が生まれます。目の前の状況が進展したり、自分が人間として成長したりといった変化が生まれるのです。
 それに気づいてしまえば、次はたとえもっと大きな壁が立ちはだかったとしても、余裕のある状態でチャレンジし、クリアしていくことができるでしょう。
 そして、そういうチャレンジと成功を何度も繰り返していくことによって「いつでも行ける」「いますぐでも飛び込める」という自信がついていくものなのです。

 『大富豪インド人のビリオネア思考』 第1章 より サチン・チョードリー:著 フォレスト出版:刊

 わずらわしい手続きや下準備をすっ飛ばして、目標に向かって最短距離で向かっていく。
 それがジュガールを使っている人のやり方です。

 自ら「飛び込む」ことで、変化を起こしながら成長していく。
 引っ込み思案な多くの日本人には、おおいに参考になりそうな考え方ですね。

買い物は、「交渉」の鍛錬の場


 日本人はよく、駆け引きや交渉が苦手だと言われます。
 しかし、それは「経験の差」による部分が大きいです。

 交渉する機会が少なければ、「日常の生活でそういう機会を積極的に持つようにすればいい」
 それがジュガール的な考え方です。

 交渉術を鍛えるのに最も効果的なのが、「値切り交渉」をすることです。

 たとえば、家電量販店に行って、店員さんと値下げ交渉をしてください。通常、店頭に飾ってある展示品は安くしてくれることが多いものです。「展示品でいいから、値下げしてくれ」と言えば、きっといいトレーニングになるはずです。
 最近は「他店で1円でも安ければ、値下げに応じます」というキャンペーンを打ち出している店も多いので、どんどん利用して交渉してください。

 また、海外を旅行して、交渉や駆け引きの渦中に積極的に身を投じるのもおすすめです。
 とくに、インドの人はみんな交渉好きです。
 ジュガールの精神が根づいているからかもしれませんが、街中いたるところで人々が激しく交渉している光景が見られます。露天や土産物産店でも値切り交渉はもちろん、タクシーの運転手と運賃交渉をしたり、ホテルマンとサービスについて交渉してみたり・・・・・。あなたも「交渉や駆け引きが日常的になっている世界」にどっぷり自分を浸してみてはいかがでしょうか。
 
 とにかく、日本の人々には、そうやって場数を踏んで交渉慣れしていくしかありません。“値切り交渉なんかしたら恥をかくかも”とか“貧乏人だと思われるかも”なんて考えでは絶対にジュガールを身につけることは無理です。

 『大富豪インド人のビリオネア思考』 第2章 より サチン・チョードリー:著 フォレスト出版:刊

「習うより慣れろ」ということですね。

 日本では、値下げ交渉についていいイメージを持っていない人が多いです。
 ただ、世界を見渡すと、交渉一つせずになんでも手に入る国のほうが少数派です。

 普段の生活の一部を、ビジネススキルの鍛錬の場にしてしまおう。
 そういう発想が、ジュガールのすごいところですね。

「ポジティブ・パラダイム」をキープするには?


 ジュガール・マインドを手に入れるために重要なこと。
 その中のひとつに「ポジティブ・パラダイムに入る」ことがあります。
 ポジティブ・パラダイムとは、「ポジティブな考え方や行動のパターン」という意味合いです。

 ネガティブな考えに支配されそうになったときに、いつでも瞬時に、意識的に考え方や行動をポジティブなサイドに切り替えられるようにすることが大切になります。

 たとえ考え方や行動をポジティブにキープしていたとしても、暗いニュースや嫌な情報は目や耳に飛び込んできます。そうすると、どうしても気持ちがネガティブな方向へ傾きやすくなってしまいます。
 日本のマスメディアは、テレビも新聞も暗いニュースばかりを大きく扱いすぎです。
 テレビのワイドショーでも新聞の社会面でも、誰それが殺されたとか、火事で小さい子どもが犠牲になったとか、オウムの誰それがとうとうつかまったとか、芸能人の誰それが借金に苦しんでいるとか・・・・・。そんなネガティブな情報ばかりを次から次に流しています。
 私はネガティブ・パラダイムに入るのを防いで、ポジティブ・パラダイムに入っていくためには、自分に入ってくる情報を取捨選択する必要があると考えています。テレビや新聞が流しているネガティブな情報に関しては、意識的に目や耳を塞いでください。嫌な気分にさせられる暗い情報を知ったところで、ろくなことはありません。
 実際、私はいつもテレビで嫌な事件や暗い話題のニュースが流れそうになると、すぐにチャンネルを変えます。また、インターネットの「2ちゃんねる」など、誹謗や中傷などのコメントの多いサイトは極力見ません。
 いろいろな情報があふれかえっている時代においてポジティブ・パラダイムを維持していくには、こういう姿勢を貫くことが不可欠です。

  『大富豪インド人のビリオネア思考』 第3章 より  サチン・チョードリー:著  フォレスト出版:刊

 暗いニュースや嫌な情報が世界中に流れる現実は、自分ではどうにもならないことです。

 ただ、それらの情報を見るか見ないか、取り入れるかと拒否するか。
 それについては、自分自身でコントロールできる部分は大きいです。

 普段の食事が、自分の体をつくるのと同様に、目や耳から入る情報が自分の精神や心をつくります。
 受け取る「情報の質」には、十分気をつけたいですね。

ジュガールに、「満足」という言葉はない


 ジュガールは、「個人や企業の埋もれた可能性をどんどん掘り起こして実現していくメソッド」です。
 それは「欲」を掘り起こすようなものです。

 目の前の状況をよりよいものにするために、次から次に解決策を引っ張ってきます。

 そもそも、ジュガールには、「満足」という言葉はないのです。
 ジュガールは、「物資に恵まれず、必要なものさえ手に入らない状況が当たり前の国」で生まれたメソッドですから、自分の「欲」や「可能性」を決してあきらめることなく、あくなき追求をするようにできているのです。
 たとえ、ビリオネア、ミリオネアになったとしても、ジュガールを学んだ人であれば、さらなる成功や富を求め続けるのです。

 そして――
 このように決して満足することなく「欲」や「可能性」を求めつづける姿勢は、成熟化した国々の経済や社会を大きく活気づけることにつながります。
 日本の停滞した経済や社会も、ジュガールによって多くの人が「欲」や「可能性」の追求に目覚めれば、意欲的で躍動感のある行動を再び取り戻すでしょう。そして、人々にも笑顔が溢(あふ)れ、溌剌(はつらつ)とした「元気な日本」が戻ってくるはずです。

 『大富豪インド人のビリオネア思考』 第4章 より サチン・チョードリー:著 フォレスト出版:刊

 社会を革新させるアイデアや商品は、例外なく誰かの「欲」から始まっています。
 社会を活性化させるには、この「欲」の力を上手に使う必要があります。

 日本人には、もともと「欲」を持つことに罪悪感を感じる人も多いです。

 成熟した社会になり、欲しいものはだいたい手に入ってしまう。
 そんな恵まれた環境が、欲を持つことをさらに難しくしています。

 先進国の日本も、ジュガールの考え方から学ぶことは大いにありそうですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 インドは古い歴史を持ち、独自の文化を発展させた国です。
 仏教の始祖である、お釈迦様を生んだのもインドです。

 生と死、苦しみや悲しみの根本は何なのか。
 お釈迦様は、それをあきらめずに徹底的に追求し、ついには悟りを開かれました。

 自分の心に率直に、ものごとを突き詰めて考え、新しいアイデアを生み出す。
 数千年前から脈々と受け継がれているインド思想の結晶が、「ジュガール」です。

 これからの時代に必要な発想がぎっしり詰まっているジュガール。
 私たちもぜひとも、身につけたいですね。


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