本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『テハナシ』(松本良美)

お薦めの本の紹介です。
松本良美さんの『テハナシ 重たい波動を「手放し」100%魂のカタチを生きる』です。

松本良美(まつもと・よしみ)さんは、手相カウンセラーです。
約35年にわたる独学での手相研究を通し、〈自らの魂を生きることが生まれてきた意味〉を着地点に、〈魂のカタチを生きる方法〉を伝えながら、オリジナルの手相観&リーディングを生み出されています。

「手の話(テノハナシ)」と「手放し(テバナシ)」

松本さんの手相観は、手の甲から「魂のカタチ」を読む、というオリジナルのスタイルが特徴です。
(ちなみに、手の平からは、魂のカタチを生きる為の自分らしい在り方、その方の潜在意識からのメッセージを読み解けるとのこと)

「テハナシ」という言葉には、「手の話(テノハナシ)」「手放し(テバナシ)」という二つの意味が含まれています。

 私たちのエネルギーは全て、この手を通して循環されています。
だからこそ、手には全てが表れています。
私は一つとして同じ形がない「手」に興味を持ち始め、全ての「魂のカタチ」は存在するだけで価値がある、ということを知りました。
全ての人がありのままの魂を生きられた時、どんな素晴らしい世界が描かれるのだろう! それが今も尚、私が沢山の方の手に興味を持ち続ける原動力となっています。

私は、手に表れた「魂のカタチ」を生きる為には、「手放し」をせずには進んでいけないことも知りました。
無意識に握りしめていた、固定観念やエゴ、出してはいけないと思っていた重たいエネルギーなど、手放すものは様々です。

抱え続けていた様々なものに気づき、向き合い、不要となったものは手放していく。
いくつもの手放しが完了した時、手放したい、手放さなければ、という認識はなくなり、手から離れている「テハナシ」の状態になる。
「テハナシ」の意識になれた時、同時に、「魂のカタチ」を生きるスタートラインに立っています。
(中略)
「私の魂のカタチは?」
「魂のテーマが知りたい!」
「ありのままの私で生きていきたい!」
「なんとなく手相を観てもらおうかな」
など、いらっしゃる方のきっかけは様々ですが、これまで1万人以上の方々の手と対話してきました。
手に表れた魂からのメッセージをお伝えすると、皆さんの中に宿る魂が共鳴するので、「魂が震えるってこういうことか!」と、その体感に感動してくださいます。
その後、全ての方にもれなく共通して起こることがあります。
それは、いざ「自分の魂のカタチを生きよう!」と進み始めた途端、それを良しとして自分に許可できないことに苦しみ、もがいてしまうことです。

魂のカタチを知っても、実際にその通りに生きることができなければ、知るより前よりも、しんどいのです。

その経験を踏まえて、私の手相観&リーディングでは、セッションに入る前に必ず「魂のカタチを生きる方法」を、時間をかけてお伝えしています(本書ではPART1にあたる部分)。

2017年には、『100%「魂」のカタチ』(ヒカルランド)を通して、魂のカタチを生きる方法、手放しの必要性、私自身がどのように手放しを進めてきたのか? という体験談を含めた手放しにまつわる本を出版しました。

その当時は、みなさんが感覚的に、
「嫌だと思っていることを手放さないとダメだよね」
「魂のカタチを生きるにはズレた自分になっているよね」
と気づいてはいるものの、現実の日常において、手放しの必要性は、まだ感じていませんでした。

それから6年。

2020年からのコロナ禍を通して、ずっと続くと思っていた関係性や仕事、様々な体制など、目の前の現実がひっくり返るような現象を目(ま)の当たりにすることで、これまで自分たちが〈外側の世界に期待していた=依存〉を持ったままでは、常に不安と向き合わされていくことに気づかされました。

変わり続ける現実を通して、個人レベルでも、今までは誤魔化(ごまか)せていた違和感、不快な感情、身体の疲弊などを明確に感じ取ることができるようになり、自分の中の重たいエネルギーを解き放ち、楽になりたい、スッキリしたい! と、心底望む方が増えました。

ひっくり返った先に現れる新しい時代を生きていく為には、この重たいエネルギーを引き連れたままでは進んでいけない。
「まずは、これらを手放すことが必要だ」
それを自発的に気づいた時が、その人にとっての「手放しのはじまり」です。
そして「手放そう」「手放しが大切」とは聞くものの、「手放す方法」について、これまで誰も教えてはくれませんでしたし、進もうとすれば、とても厳しい道です。
だからこそ、「手放し」との向き合い方を必要な方に伝えていくことが私の使命だと思っています。
(中略)
頭では「魂のカタチ」を生きる為の理想的な在り方を理解しているのに、現実ではエゴを振り回してしまい人と対立したり、途中で諦めたり、逃げ出したくなったり・・・・・・。
他者から見れば、失敗や、不成功と思える体験を繰り返しながら生きています。
だからこそ言えるのは、間違えずに、正しい道、成功の道へと直通で行こうと思っても、それはなかなか難しい、ということ。
むしろ、道から外れてしまったことで、それ以上進むことができなくなった時に、魂のカタチを生きる道に引き戻され、また進み始める時には、自分のエゴや固定観念の手放しを余儀なくされる。

私はいくつもの失敗体験から、魂のカタチを生きる為には本来の自分に戻る為の手放しが必要だということを学ばされました。
これらのことから特に、大切なこととしてお伝えしたいのは、この本を「間違わない為、失敗しない為」のルールブックのように捉え、読みながら自分を責めてしまったり、理解しただけで終わらせないようにしてほしい、ということです。

この本を読んでいく中で、過去の失敗、勘違いや間違いを思い出したり、今日1日を振り返ったりした時に、理想通りの自分で過ごせなかったことが思い当たるかもしれません。
この本が効力を発するのは、それらから目を背(そむ)けず、自分の内側と向き合い、手放しを実践した際、自分の疑問に対する手引きや、感想の答え合わせとして読んだ時です。

そして、
「こうだから、私はこうなったのか? では、こっちをトライしてみよう」
と、トライ&エラーを続けていってください。
失敗体験をして外れてみた時にこそ、この本のメッセージは、心底「そうか!」と腑(ふ)に落ちるものです。

頭で理解したことと体験が合致して本物の理解になっていく。
それ以外は、分かったつもり、です。
体験こそが宝です。
私自身、今も尚、内側と向き合い続けては手放しをさせられ、その度に、自分自身の発見と気づきが生まれ、まだその先に奥行きがあることを知り、進む度に古い自分を壊し、新たな自分に出会っていきます。
それは、自分自身が進化しているということですが、「手放し続けているから進化し続けられる」ということをしみじみ感じています。

この『テハナシ』は今現在の完全版となっていますが、きっとまだまだ進化していく終わりのない世界だと思っています。

『テハナシ』 テハナシ & まえがき & この本の使い方 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

本書は、松本さん自身の体験からの気づき、読者の皆さんからの質問を通して、全て実体験から生み出された、魂のカタチを生きる為の手放し方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「魂のカタチ」を生きるとは?

魂とは、私たちひとりひとりの中に宿っている、非物質のエネルギーです。

松本さんは、魂は、この地球上で生命を授かった時から今日に至るまで、全ての人の中に存在していると述べています。

 では、この肉体が生まれる時に、魂も一緒に生まれたかというと、そうではありません。
私たち人間の中に宿る前の魂は、宇宙の一部として、この太陽系地球を包み込む宇宙のどこかに存在していました。
宇宙を大海原(おおうなばら)にたとえるならば、魂は、大海原の中の一滴のしずくです。地球にやってくる時に、大海原から飛び出して一滴のしずくとなって私たちの中に存在しています。

魂は輪廻転生(りんねてんせい)を繰り返すことで、自分の魂に必要な様々な体験や経験を重ねます。
今回、私たちの中に宿る魂は、この地球を体験のステージに選びました。
この地球上で、肉体と感情を持った人間として存在し、二極の相対するエネルギーがある世界を学びにきたということです。
有限な物質世界・地球で、いずれ寿命がきた時、肉体は土に還ります。

その時、魂は肉体を離れて、故郷である無限世界・宇宙へと戻ります。

この地球で〈私〉として体験した情報を携えて、魂は宇宙の一部になるということです。〈私〉という個の体験が、宇宙全体に共有されます。

私たちの中に宿る魂には、転生をする意味があって、今この地球に存在しています。
それは、魂が持つテーマや使命を体験する為です。

ここでちょっとイメージしてみてください。
ひとりひとりが宿した魂は、それぞれ、特徴や性質、能力や個性を有しています。
その本来の魂のカタチを100%として、そのまま100%のエネルギーを全身で表現しながら生きることができたら、それは全く抑圧がない生き方ということになります。
この魂が、前世では、100%のうち40%のカタチしか表現できなかったとしたら、残りの60%は自らを抑圧してきたということになります。
抑圧した理由は様々あると思います。
出してはいけないと言われたことに従った、出すのが怖かった、出さなくもいいと思ったなどなど。いずれにしろ、自分を60%我慢させることを赦(ゆる)してきた状態で、宇宙に戻ったということです。
それが自らを抑圧することを良しとする、癖やパターンとして魂に刻まれています。
そしてこのクセやパターンは、重いエネルギーです。
この重さを手放さないと、魂のカタチ100%で生きることができません。

前世からの続きを学ぶ為に、魂は自分にとって最高最善の転生先を探します。
魂が持つ癖やパターンを再現できる最高最善の国、時代、環境、両親が揃っている場所です。
生まれた時は100%ありのままの魂のカタチを生きていますが、そのまま生きていくと、抑圧されるというドラマが始まります。その状況とは、前世と同じパターンで抑圧をしてくれて、諦めて我慢してしまい、自分の魂のカタチを40%までしか出せない癖がしっかりと現れる、プログラムしてきた通りのドラマの再現です。
プログラム通りに重たいエネルギーに抑圧されることをうんざりするまで体験しなから、癖やパターンを手放すことが、魂のテーマです。
テーマをクリアして魂のカタチ100%を生きていける状態に辿り着いた時、テハナシの状態となり、そこからいよいよ魂の使命を最大限に体験します。

個としての現実生活を送りながら、重たいエネルギー・波動を手放すことは、同時に、魂と繋がっている宇宙の波動が上がることになります。

魂のカタチを生きる、とは、全体意識を生きること。
それは、私、という個人のエゴを満たす個人意識とは真逆の意識です。

全体意識を生きるとは、決して、何かの為に生きるべき、という自己犠牲的な我慢の上に生きているのではなく、歓びや感謝が湧き上がりながら自分が得意なことを循環して生きていることが、自動的に全体の為になっている状態です。

私たち、という宇宙全体の一部である自分の中の魂が歓ぶ生き方を重ねるということ。
そして、その状態は、宇宙全体の波動上げに自然と貢献しているということになるのです。

想像するとワクワクするけれど、実際に「魂のカタチを生きよう」と、日常生活を送り始めると、
「今すぐ、そのように生きていくことは難しい」
「現状でまだやることが沢山ある」
「自分のことだけで生きていくわけにはいかない」
など、様々な置かれた立場によって、立ち止まってしまう時もあります。

魂のカタチを生きてみたい、と思った時から、まずは私というエゴを体験し尽くす為に、どんどん、自分のエゴに出会っていきます。

魂のカタチを生きる為には、エゴ(個人意識)を生ききらないと、魂のカタチ(全体意識)を生きる、というステージには入れません。
入ったと思っても、またエゴに引き戻され、私に向き合わされます。
その時に、本書でいう「手放し」と向き合っていくことが実感できると思います。

もともと宇宙の一部だった魂は、この地球上で〈私〉が生まれた時に宇宙からやってきて〈私〉の内側に宿り、今もずっと自分の内側に存在している目に視えない非物質のエネルギーです。
その非物質のエネルギーを、この現実世界では目に視える形にする必要があります。

その為に、地球上で私たちは、人間、という物質の存在で生きます。
人間には、感情、思考、肉体というエネルギーが備わっており、それらエネルギーを自分の内側にある魂に向けて注入します。内圧が高まると自動的に外側の世界に向けてエネルギーの放出が起きます。
魂のままに表現する、創作する、コミュニケーションする、など、得意なツールを通して、全心身で魂のカタチを視える化します。

魂のカタチを生きる、とは全エネルギーを内側の魂に注入し、それを視える形にして循環し続けている状態、ということです。

魂は自分の内側にあります。
魂のカタチを生きる、とは、内側の中心軸である魂にエネルギーを集めて生きること。
言葉を換えると、自分の人生の司令塔は魂であり、自立をしている状態です。
その対極は、自分の外側の世界に合わせて生きる、ということ。
人生の司令塔は他者となります。依存、という状態ですね。

どちらも、自分で選択できることです。幸せなあり方は千差万別。
どちらが楽で、どちらが幸せか? 今の自分に合っているのはどんな生き方か?

答えは自分の中にあります。

魂のカタチを生きるということは、自分の内側にある魂に、感情、思考、肉体のエネルギーを注入して生きていくこと、とお伝えしました。

では、まず、今の自分はどんな状態なんだろう? と気づく為に、ひとつ、質問させてください。

「本当に自分が好きなことってなんですか?」

自分に問いかけてみてください。
その答えは自分の内側にあります。
すぐには答えられないかもしれません。

改めて、自分の内側に答えを知ろうと思った時に・・・・・・
・自分への問いかけ方が分からない
・自分の答えがはっきりしない
・知ってしまうのが怖い
ということに私たちは気づきます。

自分自身と向き合うことより優先してきたことが、相手を気遣い思いやり行動を合わせること、自分を我慢させてでも生活の安定を優先すること、だった方は、いざ、自分の内側と向き合うとなると、戸惑(とまど)って当たり前だと思います。
同時に、日々の体験を重ねる中、自分の内側にある違和感や身体の疲れなど、心や身体の反応は置いてきぼりになっていたことに気づきます。

これまでの教育論、道徳論は、相手を優先し、自分を優先するのはわがまま。社会的に見て評価を受けるの、自分に我慢を課している状態でした。
また、生まれてから義務教育期間までは、他者から愛やお金、スキンシップなどのエネルギーを注がれて成長していく依存時期です。
相手からのエネルギーを受け取る為に、自分の感覚や感情を抑えることを覚え、相手の言うことを聞き、周りが評価してくれる方法を必死に身につけて生き抜いてきました。
いつしか、
「自分は我慢できる。強い人間だ」
と、自分のことを理解してきました。

良かれと思って抑え込んできた自分の内側と向き合うことは、過去を引きずる未練がましいこと。自分は何の不満もないし、怒りもないし、悲しくない。まぁ、いろんなこともあったけど、それはそれで仕方がなかったこと・・・・・。
「自分のことは一番自分が分かっている」
そう思いながら前だけを見て生きてきました。

魂のカタチを生きる為の手放し。
その最初の一歩は、「自分のことは分からない」と気づいてあげられること。
そして、自分の内側と向き合っていく準備からとなります。

『テハナシ』 Chapter 01 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

私たち人間は、目には見えませんが、それぞれ固有の「魂のカタチ」を持っています。
魂のカタチのままで生きれれば、何の不満も苦しみもなく、自分らしさを存分に発揮して生きることができます。

しかし、実際には、魂のカタチから外れた自分を生きている人がほとんどです。
魂のカタチからはみ出たり、欠けてしまった部分が、抑圧されたネガティブな感情として湧いてくるのですね。

最初の一歩は、「自分のことは分からない」と気づくこと。
すべてはそこから始まります。

私たちを構成する「四つのエネルギー」

松本さんは、私たちは、「感覚」「感情」「思考」「肉体」四つのエネルギーで構成されていると述べています。

そして、それぞれの特質と、それらが流れる順番を以下のように解説しています。

〈感覚エネルギー〉
宇宙からやってきた魂は、感覚エネルギーを司っています。
直感、気づき、ひらめき、などと表現されています。
この感覚エネルギーが、全ての行動の最初のスイッチを入れる役割を担います。

〈感情エネルキー〉
魂が受信した感覚エネルギーの情報は感情エネルギーに送られます。
感情エネルギーの役割は、その情報が自分にとって好きか嫌いかのベクトルを指し示す、それだけです。好きと嫌いに理由はなく、正解不正解もありません。
とてもシンプルです。

〈思考エネルギー〉
感情エネルギーが受け取った、好き、もしくは嫌い、の情報は、思考エネルギーに送られます。
好きと嫌いの感情に問いかけ、それを明確にし、その情報を形にするまで働くのが思考エネルギーの役割です。

〈肉体エネルギー〉
思考エネルギーの情報は肉体エネルギーへと送られます。肉体エネルギーの役割は、思考エネルギーの形を具現化すること。その為に、言葉を伝える、電話をかける、メールを送る、歩く、電車に乗る、階段を上る、ドアを開ける、用意された椅子に座る・・・・・・・。肉体を使って行動という具現化をします。

このように、魂が受け取った感覚エネルギーの情報を、感情→思考→肉体の順番に伝搬しながら、視えない感覚エネルギーを肉体エネルギーで視える化させます。
これが、四つのエネルギーが流れていく順番です。

手の平を広げてみてください。
そこには、エネルギーの取り扱い説明書が描かれています。
五本の指は感覚エネルギーを受信するアンテナだと思ってください。
それぞれの指は、発信元の太陽系の惑星に対応しています。木星、土星、金星、水星・・・・・・・などと繋がり、無意識に私たちは、その惑星が持つ意味を指で表現しています。
方向を示す人差し指、指切りげんまんの小指・・・・・・・といったように。

そのまま、指を手首側に下になぞると、最初ぶつかる手の平を横断している線が感情線です。そして、そのまま下になぞると次にぶつかる手の平を横断している線が頭脳線(思考)。そのまま下になぞると、弓状に手の平に描かれている生命線(肉体)にぶつかります(これは、手相講座の内容になってしまうので、詳しくはこの本とはまた別の場所で)。

感覚エネルギーが受け取った情報は感情エネルギーに送られ、次に思考エネルギーに送られ、最後に肉体エネルギーに送られる。
手の平には、しっかりとエネルギーが流れる順番が描かれているのです。
生まれたての赤ちゃんの頃は、この順番通りに、滞(とどこお)りなくエネルギーを循環できていました。
好きや嫌いの感情も、快・不快の肉体の反応も瞬時に全心身で出しきれている状態です。

さて、今、私たちはこの通りに全心身を使って、エネルギーを循環させられているでしょうか?
発動した四つのエネルギーを、どんどん流し続けられたら、詰まりのない自分のまま軽やかでいられますが、今の状態は四つのエネルギーのどこかに滞りがあり、循環不良が起きて、詰まったまま固まって動かせない状態になっています。

それでは、魂が感覚エネルギーを受け取っても、カタチにできません。
いつから、感情のままに行動できなくなったのだろう?
いつから、自分の好き嫌いのベクトルが曖昧(あいまい)になってしまったのだろう?
いつから、好き・嫌いの形にする為ではなく、好き嫌いを我慢させる為に思考を使い始めたのだろう・・・・・・?
魂のカタチを生きる為には、本来のエネルギーの使い方を思い出すことが必要です。

「感覚」「感情」「思考」「肉体」四つのエネルギーは全て私たちの内側にあります。

そしてこれらのエネルギーには、方向性があり、意識を向けたポイントに流れ、働きます。

生まれたての赤ちゃんの頃は、意識が自分に向けられているので、全てのエネルギーは内側に向けて、自分の為に使われていました。
それは、今何を感じているか? を常に把握して、全身でエネルギーを滞りなく循環し続けられている状態です。

その状態を「エネルギーを内側に向けて使う」と表現しています。

これが本来のエネルギーの使い方です。

それから成長してくる過程で、両親をはじめ、沢山の人に育(はぐく)まれ、教育され、いつしか、意識は常に外側に向けられていきます。
今の自分は、四つのエネルギーを外側にある対象に向けて使っていることに気づきます。

エネルギーを、〈内側・外側に向けて使う〉という言葉がこの本には沢山出てきます。

手放しをしていく中で、まずは四つのエネルギーそれぞれの働き方をしっかり理解することが重要です。
そして自分自身がエネルギーをどのように扱っているかを認識することで、本来の自分に戻る為に何を手放していくのか、気づくことができます。

『テハナシ』 Chapter 03 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

エネルギーは、外側に向かって使うと,どんどん失われて消耗します。
逆に、内側に向かって使うと、循環して蓄積されていきます。

外側に向いている「四つのエネルギー」を内側に向ける。
内側にエネルギーが溜まれば溜まるほど、魂は本来の姿を取り戻すことができます。

「潜在意識」が、目の前のドラマを映し出す!

「手放し」とは、自分自身と向き合い、内側の世界を変えるということです。

松本さんは、現実とは、内側の変化が、外側に映し出されているだけだと指摘します。

松本さんのいう「内側の世界」とは、〈潜在意識〉のことを指します。

 私は〈潜在意識〉について、クライアントさんとイメージを共有する為に、目の前に置かれたペットボトルをたとえに使って説明することがあります。その部分を引用して、お伝えしていきますね。

私は現在、52歳です。52年間の体験、経験の上に今、存在しています。
52年間の中で、私が普段から認識できていること、言葉で表現できることは、たったの5%です。
これを500mlのペットボトルにたとえてみます。
ボトル全体像が100%だとして、キャップの部分が5%くらいです。
私の52年間の歴史の中で、今、自覚できていることはこのキャップの部分くらいしかないということ。
この部分を顕在意識と言います。

例えば、
「今日食べた朝のご飯は?」と聞かれたら
「私は昨日の鍋の残りでうどんを食べました」
うん。これはすぐに答えられる。
「昨日鵜の夕飯は何を食べた?」と聞かれたら、
「昨日の夜はお鍋でした」って。うん、これもすぐに答えられる。
だけど「三日前の朝ご飯は何だった?」と聞かれたら途端に
「んー???」となってしまう・・・・・
その「んー???」となったことも実際は、リアルに体験をして今ここに至るのだけれど。

その三日前の体験は消えたわけではありません。
覚えていない、忘れてしまっただけのこと。
顕在意識の5%の中には入っていないということです。
では、どこに?

それは、顕在意識という領域に蓄えられています。

潜在意識には、私が生まれてから今日までの中で、すぐに言語化できずに忘れている、潜っている、52年間分の95%の体験が貯蔵されています。

これから進めていく「手放し」とは、この潜在意識を変えること。
潜在意識を変えると、なぜ外側の世界が変わっていくのでしょうか?

潜在意識を変えると外側の世界が変わる。
その仕組みについて説明します。

私たちの目の前で毎日展開されるドラマ。
そこには誰かがいて、会話が生まれて、様々な状況が起きています。
目の前の現実世界がテレビのスクリーンだとしたら、そこにドラマを映し出すチャンネルの主導権を握っているのが、潜在意識です。

ちょっとここで、イメージを共有してみましょう。
潜在意識を水槽にたとえてみます。
まだなんの経験も体験もない、生まれたての赤ちゃんの潜在意識の状態は、透明な真水に満たされた水槽です。
0歳以降、目の前にドラマが起きます。水槽は真水の状態なので、目の前のドラマに投影される情報はなく、全ては初めて見たこと、聞いたこと、知ったこととして体験をしていきます。
例えば、お母さんが知らない食べ物ののったお皿を目の前に置く。興味を持って、口に入れる。「美味しい! もっと頂戴」とお皿に手を伸ばす。
またある時は、お父さんが初めて見る色の飲み物をグラスで飲んでいる。手を伸ばして飲ませてもらう。「美味しくない!」と思い、瞬時に口から出す。

このように、潜在意識の水槽が透明な真水の状態であれば、目の前に映し出された未知な世界に、赤ちゃんは好きと嫌いのベクトルの通りに行動を起こします。
それ以降も、新しい体験が日々繰り広げられていく中で、四つのエネルギーは内側に向けて働き続け、入れたら出す、湧き上がったら出す、とエネルギーの循環は滞ることなく、水槽の中は真水の状態を維持します。

しかし、成長していく過程で、内側のエネルギーを外側に向けて放出した際に「我慢しなさい」「静かにしなさい」と怒られ、注意され、それに従うという体験が始まります。
それによって、体験の中で実際に湧き上がった違和感や霊感など感覚、好き嫌いの感情、溢れんばかり知識、肉体からの悲鳴・・・・・など、抑圧したエネルギーは循環させられずに水槽に抱え込まれ始めます。
その抑圧に慣れていくと、循環不良を起こした水槽は濁った状態となり、もはや濁っていることにも麻痺してしまい、自分の内側のエネルギーは、気づかないまま水槽に蓄積し続けられていきます。

その水槽=潜在意識が、自分の目の前の現実ドラマのチャンネル主導権を握っています。

潜在意識は、蓄積し抱え込んだ情報と、今の自分が全く同じ状態になるように、ぴったりな人、環境、状況を引き寄せ、目の前のスクリーンにドラマを映しだす、ということです。
0歳以降、こんな状況では弱音を吐かずに歯を食いしばって頑張った、この人の前では泣き止むことに専念した、こんな場面では馬鹿な自分を演じた・・・・・、など、四つのエネルギーを抑えたパターンと同じところで抑圧されるドラマが現実で繰り返され、そしてこのパターンを超えた世界にはその抑圧を突破しないといけません。

これが潜在意識の働きです。

今の状況をなんとかしたい! 新しい自分を生きたい! ともがき、目の前の現実を変えてみても、また同じパターンで壁にぶつかる。

「なんでこんなことが起きたのだろう? どうしてなのだろう?」と、外側に原因や解決方法を探してしまいますが、自分の内側の声を無視している限り、何度もドラマを体験させられます。

今、現れていることは、もうすでに過去の自分が土台を作り上げていた。いや、決めてきたことです。

「今起きていることは過去」
それに気づくと、「私はこれからどうやって生きていきたい?」と、自分に問いかけ、これまでの自分の在り方と向き合い、自分のパターンを手放して、これまでの自分を終わらせていく、という自分の内側と向き合っていく意味も、より腑に落ちていきます。

(中略)

顕在意識5%と潜在意識95%が今日までの私の主成分100%とお話ししました。
そして、あなたにもあなたの今日までの意識層があります。
私とあなたは、この顕在意識と潜在意識を足した、100%自分の主成分の意識の上にそれぞれ存在しているということです。

私たち、それぞれの意識下には、三層目の意識層があります。
一層目は顕在意識
二層目は潜在意識
三層目は全ての意識を繋いでいる、集合無意識です。
この世界は三層の意識で成り立っています。

この現実は三次元です。ひとりひとりが分離していて、時空の制限がある世界です。
そのひとりひとりは、顕在意識と潜在意識が成り立つ〈私〉という個人ですが、全ての個人意識は、集合無意識で繋がっています。

集合無意識は五次元です。全てが同一に繋がり、時空の制限がない世界です。
前世や来世、過去、未来、全ての意識が繋がっています。

私、あなた、あの人、この人・・・・・・一見全員がバラバラに存在して見えるけれど、全員の意識は集合無意識で繋がっている。
偶然のように誰かと縁ができて、出会いが起きるのも、集合無意識で繋がっているからこその必然。集合無意識は、宇宙の図書館、神の領域、アカシックレコードといった言葉でも表現されています。

さて。現在までの自分主成分100%が蓄積された個人意識が、最終的に全ての意識を繋げている集合無意識と繋がっていることで、気づかないうちに、個人の情報は自動的に集合無意識にアップロードされています。
常に自らが「潜在意識の情報と同じ状況を見つけてきてください」と集合無意識にオーダーを出している、というと分かりやすいでしょうか。

全ての意識を共有している集合無意識は、それぞれの個人意識がアップロードした情報と、ぴったり一致する情報をネットワークから集め始めます。
潜在意識の働きとして、「潜在意識が目の前のドラマのチャンネル主導権を握っている」とお伝えしましたが、チャンネルのオーダーは集合無意識に出している、ということです。
集合無意識は、時空を超えた宇宙のネットワークから、ピンポイントで潜在意識のオーダー通りの情報を繋ぎ、この三次元に具現化させます。
これがシンクロニシティ現象ですね。引き寄せとも表現されていますね。

潜在意識に抱えたままの様々なエネルギーは、自動的に集合無意識にオーダーされて、その通りの再現ドラマになる人や状況を繋ぎ合わせ、あるタイミングでポンッとその人の目の前に登場させます。

現実では、
・ある日、目の前の人と仲良くなって、恋に落ちて結婚。
・パッと目にした求人情報を通して、再就職。
そして、最終的に、潜在意識の情報通り、嫌な思いも嬉しいことも、ドラマを通して再現する。

集合無意識の仕事は完璧です。

お父さんみたいな旦那を選んだとか、お母さんみたいな上司がいつもいるとか、思い当たることはありますか?
それらは、潜在意識が自ら、集合無意識にオーダーを出して目の前に引き寄せました。
いわゆる、
〈引き寄せているのは自分です〉ということ。
〈この現実は全て自分の鏡〉と言われていることと同じです。

引き寄せや、イメージをする、など、いろいろな技法を聞いたことがある方もいると思います。
でも、それらの技法を実践する前に、潜在意識に抱えた、自分にとっての重たいエネルギーを手放していかないと、重たいエネルギーを含めた愛され方、褒められ方、お金の稼ぎ方を、ずっと引き寄せてしまうのです。

『テハナシ』 Chapter 04 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

顕在意識、つまり私たちが自覚できてる部分の意識は、たった5%。
ペットボトルに例えると、キャップの部分でしかない、ということ。

私たちが体験する現実を創り出しているのは、残りの95%の部分です。
潜在意識、つまりペットボトルの本体に相当します。

ペットボトルに何が入っているか。
潜在意識の状態が、全てを決めるということですね。

「手放し」は、意識を内側に向けていくこと

「手放し」は、外側に向けていた意識をひっくり返して、内側に向けていくことです。
たとえるなら、今いる場所から踵(きびす)を返し、自分の内側に向かって、一段ずつ階段を降りていくような感覚です。

松本さんは、階段を下りきった一番深いところに、自分の魂が存在していると指摘します。

具体的な手放しのプロセスは、いくつかの段階で成り立っています。
第一段階は、「いい人でいる為に、自分を感じないようにしていたこれまでの自分を手放す」です。

手放しの第一段階 / いい人でいる為に、自分を感じないようにしていたこれまでの自分を手放す。

今日はなんだかモヤモヤしている。
そのモヤモヤを見ないフリしてきたけど、身体も重く、やる気もなくなってきた。
いよいよなんとかしないとしんどい。
「一体このモヤモヤは何?」と立ち止まり始めます。

ここから手放しの始まりです。
自らが「なんとかしたい!」と自発的にならないと、手放しはできません。
第一段階では、そのモヤモヤを誤魔化(ごまか)してきた今までの自分を手放します。
このモヤモヤは、これまで意識を内側に向けて使ってきたことで気づかなかった、自分の内側に湧き上がっていた潜在意識に抱え込まれた四つのエネルギーです。
ひとつの塊の重たいエネルギーとしてモヤモヤする、イライラする、とスッキリしない体感となります。

四つのエネルギーを抱え込んだときの例を挙げてみます。

・なんか気になっているのだけど、気のせいかな? (感覚を押さえ込む)
・嫌だけどここは我慢しておこう(感情を抑え込む)
・自分の頭の中は言わずに馬鹿なふりをしよう(思考を抑え込む)
・みんな忙しくテキパキ動いているから合わせなければ(肉体を抑え込む)

このように四つのエネルギーにはそれぞれの働きがあります。
曖昧になっていた四つのエネルギーをしっかり認識することが、これから先に続いていく手放しをスムーズに促します。

まず、四つのエネルギーを認識して、自分の内側に意識を向けてみてください。
何のエネルギーに問いかけているのか? 明確にすると、問いかけられたエネルギーは反応します。

四つのエネルギーは、それぞれ反応する場所が違い、人によっても違います。

私の場合、四つのエネルギーに問いかけて反応する場所は、
・感覚の時は、松果体と身体を取り巻く空間。
・感情の時は、ハート。
・思考の時は、脳内。
・肉体の時は、全身。
となります。
あなたはどこで反応を感じますか?

反応した場所を感じ取ることができたら、その場所と対話をしていきます。
例を参考にしながら、その四つのエネルギーそれぞれの反応を体感してみてください。

ーー会社で上司との打ち合わせが終わった。なんだか、モヤモヤが残る。

この状況に対して、四つのエネルギーを認識しながら、自分に問いかけてみましょう。
抱え込まれた四つのエネルギーはしっかりと答えてくれます。

まずは、そのモヤモヤする体感に向けて、
ーー何が気になるの?(感覚エネルギーに問いかける)
「あの時のあの人の目線に違和感があった」

ーーその目線はどうして嫌なの?(感情エネルギーに問いかける)
「人を見下すような態度は嫌い」

ーー本当は何を伝えたいの?(思考エネルギーに問いかける)
「あなたが言っていることは一方的なので、その状況に対して、双方の言い分を聞いた方がいいと思います。と言いたかった」

ーー身体はどんなしんどさなの?(肉体エネルギーに問いかける)
「言いたいことを実際に言うことは怖いし、喉が苦しい。でも自分を誤魔化して知らないふりをしているのはしんどい。伝えたい」

これらが、潜在意識に抱え込まれていた四つのエネルギーとの対話です。
〈自分に問いかける、自分と向き合う〉という状態です。

一つのドラマに対しては、常に四つのエネルギーはこの順番に働き続けています。
自分の内側に意識を向けていないと、気づかないまま、これら四つのエネルギーの声は潜在意識に抱え込まれます。

今、気づいていない、5%の顕在意識になかったことでも、自分に問いかけることで、潜在意識はその問いかけの答えを95%の領域から探し出し、共鳴した情報を顕在化してくる、という状態を体験してください。

第一段階では、日常の中で、何かモヤモヤを感じた際に、自分に問いかけ、この四つのエネルギーの声を聞いてあげられる自分を常に意識づけていきます。

この問いかけがスムーズにできるようになると、モヤモヤの原因が理解でき、自分の内側が整えられます。その後はスッキリした体感となります。

この過程を今日、もしくは最近感じたモヤモヤに当てはめて、自分に問いかけてください。
・仕事場で引っかかっていること
・パートナーとの間で感じたモヤモヤ
・同性の友人との会話で感じたイライラ
・SNSを見て気になったこと・・・・・・など。

実際に自分自身に起きた状況を思い出し、自分と向き合おうとすると、抵抗が現れてきます。

例えば・・・・・・

ーー同性の友人Cさんとの会話後。
家に帰ってきたら、何か重たいものを感じていることに気づいた。
その重さに問いかけていくと、今日の会食でのCさんの物言いや態度に対して、イラッとしていることに気づく。実はこれまでも違和感があったけれど我慢してきた。確かに、Cさんと別れた後は、ドッと疲れを感じていたな・・・・・・。
自分の内側か訴え始めた。そこに向き合ってみよう。
そう思うと同時に、
「でも、ずっと仲良くしてきたし、困った時は相談に乗ってくれた。立派な会社に勤めていて、いろいろ忙しい人なんだから・・・・・」と、思考エネルギーは内側から外側へと向き、Cさんへの理解や感謝をし始める。

その先に進むことを阻(はば)む扉が出てくるのです。

その扉には、
「いい人でいなければいけない!」
と書かれています。

いい人、という基準は人それぞれです。
例を挙げてみます。
・人を嫌ってはいけない。
・自分の気持ちを優先することは良くない。
・感謝や理解を周囲に感じないといけない。
これらの言葉が、自分と向き合う際に抵抗として感じられたら、それは固定観念です。

扉を開ける鍵は、固定観念を外すこと。
この固定観念を外していきましょう。
これらの言葉をいつかの誰かに言われたことはありませんか?

・人を悪く言ってはいけない。
・自分のことばかり考えるなんて、自分勝手だね。
・感謝を忘れてはいけない。
自分のものだと思っている固定観念は、最初は誰かが自分に言ってきた言葉。
受け入れた当時の自分は、その人の考えを受け入れ従わないと、その先に進めなかっただけです。

この言葉を誰から言われたか? 思い出せたら、その人を認識してください。
《固定観念を外すワーク》(下記を参照)に従って、固定観念を外していきます。

自分と向き合う度に、それに抵抗する扉は現れますが、扉を開けないと、その先には進めません。
《固定観念を外すワーク》は続けるほどにスムーズになります。

固定観念を外したら、改めてその思いエネルギーに問いかけ、対話する。

「どうしてモヤモヤしてるの?」
「何にイライラしてるの?」

自分への問いかけに慣れていくと、次第に、四つのエネルギーはその理由をすぐに教えてくれるようになります。
固定観念がなくなるほどに、自分の内側が自分の嫌いを伝えてきても、自分がどうしたかったのかを言ってきても、それを否定せずに耳を傾ける自分へと変化していきます。
ただただ、自分の本当の声を知ってあげるだけです。

何か違和感があったら、そのつど内側に問いかけ、自分の声に耳を傾けてください。
固定観念の扉が向き合うことを拒否してきたら、《固定観念を外すワーク》です。

自分の内側と対話をするようになると、自分の内側の反応に敏感になり、外側に意識を向けていても、一旦立ち止まって自分の内側に意識を向け直すようになってきます。

例えば・・・・・

・これまでは、自分が何をどうしたいのか? 感じてあげられなかったげど、自分のことを分かりたい、と思うようになった。
・モヤモヤしている状態を何日も引きずっていたけれど、そのモヤモヤに問いかけることで、スッキリするのが早くなった。
・外側ばかり気にしていた自分が、自分を大切にしていく、という意味を分かり始めた。

今日は昨日よりも少し生きやすくなっている。

これまでの自分のパターンを手放し、あの頃の自分を取り戻していきます。

「いい人でいる為に、自分を感じないようにしていたこれまでの自分を手放す」
これが、第一段階の手放しです。

『テハナシ』 Chapter 06 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

本来の自分以外のもの、外から取り入れたもの。
それらは「固定概念」として、あたかも自分自身のような顔をして存在しています。

「固定概念」は、潜在意識の中にあるため、自分ではなかなか自覚できません。
それらを探る鍵となるのが「違和感」です。

普段、何気なく感じている違和感が、手放すべき固定概念にたどり着く扉になっています。

違和感を気のせいにして見逃さず、その正体を突き止めること。
それが手放しの第一歩です。

「固定概念を外すせワーク

「固定概念を外すワーク」の具体的な手順は、以下のとおりです。

 固定観念を外すワーク

①自分の固定観念気づいたら、それは最初に誰に言われたか? 自分に問いかけ、その相手を認識する
相手が分かったら、顔や名前を明確にしてください。顔を覚えていない、名前が分からない、という場合は、シルエットでも大丈夫です。

②その相手になんと言われたか? 当時の言葉を思い出す
外したいと思っているその固定観念は、主語が「私」になっています。実際はその相手の考えです。
例えば固定観念が「私はこんな言葉を使ってはいけない」だとしたら、実際は、相手に「そんな言葉を使ってはいけない」と言われたということです。
当時言われた言葉を明確にしてください。

③イメージの世界で、自分の前に相手を呼び出す
イメージの世界で、その相手を自分の目の前に呼び出します。しっかり自分と相手が向き合った状態です。顔がはっきりしない場合はシルエットでも大丈夫ですが、その相手が目の前にいる、と認識してください。

④「私は、〇〇さんに、この固定観念を返します」と自分自身に向けて宣言する
目の前の相手に、「この固定観念を返します」と伝えることを、自分に向けて宣言します。
相手に伝える、と自分が認識すると、自分の中の七つあるチャクラの第五チャクラ(喉)というコミュニケーションを司るチャクラが、開く感覚が分かると思います。
コミュニケーション(相互間の対話)は、第五チャクラからしか外に出ていくことはできません。

⑤「この△△△という考えは、私のものではありません。〇〇さんのものです。〇〇さんに返します」と、目の前の相手に伝える
目の前の相手にしっかりと意識を向けて、「この△△△という考えは、私のものてはありません。〇〇さんのものです。〇〇さんに返します」と伝えてください。抱えていた固定観念は、第五チャクラを通って、意識した方向に返っていきます。
伝える際は、しっかりと相手の目を見てください。

⑥伝えた固定観念を、袋や箱に閉じ込めて、集合無意識まで送り返したら完了
「固定観念を返します」と相手に伝えたら、その固定観念をイメージで黒い煙や白い光などに変えて、袋や箱に閉じ込めます。どんなイメージにするかは感じるまま、自由です。その袋や箱を、相手も繋がっている集合無意識まで送り返します。
「この固定観念を〇〇さんの集合無意識に送り返します」
と、閉じ込めた固定観念を送り返す方向として、しっかり「〇〇さんの集合無意識に」と示し、集合無意識までイメージで送り届けます。

これで固定観念を外すワークは完了です。

全て、イメージの中だけで大丈夫です。
イメージワークで大切なことは、自分自身でしっかりと、「何を、どこへ、どうする」と認識することです。意識したところまで、イメージは届きます。

【大事なPOINT】
・初めてワークをする方は、イメージで伝えることを難しく感じるかもしれません。最初はこれでいいのかな? と思っていても、続けていくと、イメージすることに慣れていきます。はっきりと相手を感じられない場合でも、自分は誰に向けて伝えているのか認識できれば大丈夫なので、ご自身のできる範囲で進めてください。
・イメージで相手に伝えることで、自分の思考だと思い込んでいた固定観念を潜在意識から手放すことになります。しっかりと伝えてください。
・集合無意識まで送り返して固定観念を外すワークは完了です。
・集合無意識のイメージは、ご自身が自由に思い描いてください。黒い雲のような空間や光の空間、また、上空でも足元でも大丈夫です。「集合無意識に送り返します」と場所を認識できればそれだけでも大丈夫です。
・①〜⑥まで、ひとつひとつ丁寧に進めていってください。大切な過程なので、ひとつでも抜けると、ワークは不完全です。
・固定観念を外すワークをしている時、四つのエネルギーは自分にしっかり向いている状態です。意識が外に向かい始めると、ワークは止まってしまいます。
・目の前の相手に伝える時は、お互いが向き合い、目を見てコミュニケーション(伝えている)している状態をイメージしてください。相手に自分の意思をしっかりと伝える、ということをイメージで繰り返していくことが自分の意識に定着していくと、実際の現実の自分に変化が起きてきます。
・固定観念を外すワークをしてもその固定観念が外れていない、と感じたら、繰り返しワークを実践してください。固定観念のはずしやすさは、自分に定着していた年月や深さに比例しています。

手放しを進めていくほどに現れる固定観念ですが、固定観念が外れていくと、思考エネルギーは、好きな世界を形にするために自由に働き始めます。
自由な思考とは、限定された枠がなく、
「これがダメなら、こうしてみよう」
「それでもダメなら、他にどんな道があるかな?」
「分からないから誰かに助けてもらおう!」というように、やりたいことを具現化する為に、柔軟に思考を働かせている状態です。

誰の思考にも染まっていない頃の私たちは、まだ宇宙的意識=立体意識です。
「どうしてだろう」「なんでだろう」と今この瞬間を生きる為に思考します。
結果を先に考えて行動するのではなく、自分の興味に従って行動し、未知なる体験の先に結果がある、という認識になります。

すでに、様々なものに染まっている私たちの状態は、地球的意識=平面意識です。
思考は「こうでなきゃいけない」「こうあるべき」と枠を持ち、正解・不正解、成功・失敗といった二極の世界を認識します。

もしも目の前に、東京タワーの平面図と、立体模型があるとしたら、それぞれの認識の仕方は違ってきますよね。平面図は一方向から眺め、頭で理解しようとしますが、立体模型だったら、上下左右に動かしながら様々な角度から見え方の変化を体験すると思います。

生まれた頃の私たちは、思考優位ではなく、全身で目の前のモノを認識していた立体意識でした。それを思い出していくだけです。
固定観念を外すことで、思考は自由で柔軟になり、立体意識に戻るのです。
この先、手放しを進めていくほどに、固定観念は外れていきます。
その分だけ、自分の中に好奇心が湧き上がってきます。
柔軟な思考を取り戻していきましょう。

『テハナシ』 Chapter 06 より 松本良美:著 ヒカルランド:刊

固定概念は、私たちが自分の望む現実へ飛び立つ”重し”になっています。
固定概念を外すほど、潜在意識は、より自由に働くわけですね。

「固定概念を外すワーク」を繰り返して、変幻自在な立体思考を手に入れましょう。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

手放しの最終目的は「ゼロになること」です。

ゼロの状態とは、自分の全エネルギー「感覚・感情・思考・肉体」を、自分の内側に向けて使っている状態のことです。

松本さんは、エゴが潜在意識から昇華されていき、テハナシのゼロになる体験を重ねる度に、何者でもない、なんにでもなれる、という意識になっていき、同時に、ゼロに向かいながら、所有意識の手放しも進み、何もないけど、なんでもできる、という状態になるとおっしゃっています。

私たちが、「自分」だと思っているものは、ほとんどは「自分以外のもの」です。
それらを手放して、手放して「何もなくなった」状態が、実は最強だということです。

私たちは、すべての根源である宇宙の一部です。
ゼロになるということは、全体である完全に宇宙と重なることです。

人生は、魂のカタチという、宇宙という巨大なジグソーパズルの一片になる壮大な旅。
本書は、そのガイドブックとして最適な一冊です。

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