【書評】『ザ・パワー』(ロンダ・バーン)
お薦めの本の紹介です。
ロンダ・バーンさんの『ザ・パワー』です。
ロンダ・バーンさんは、オーストラリアの作家・TVプロデューサー兼記者です。
2007年には、タイム誌の「世界にもっとも影響を与えた100人」にも選出されています。
素晴らしい人生を送るための“パワー”とは?
バーンさんは、人生のポジティブで素晴らしいものを得るパワーをとは愛
だと指摘しています。
有史以来、偉大な思想家、哲学者、預言者が残した多くのメッセージ。
それは、すべて“愛の力”についてです。
世界の偉大な思想家や救世主が物語ってきた愛は、ほとんどの人が理解している愛とは大きく異なります。家族や友だちや大好きな物への愛よりもずっと大きなものです。愛とは単なる感情ではなく、愛は肯定的な力だからです。愛はもろくも弱くも柔らかくもありません。愛は人生のポジティブな力なのです! 愛はすべてのポジティブで素晴らしいことの源泉です。人生のポジディブな力には何百もの種類があるわけではありません。たったひとつしかありません。
引力や電磁力のような自然の偉大な力は人間の目には見えません。しかし、それらの力が存在することに疑問の余地はありません。同様に、愛の力は私たちには見えませんが、その力はどの自然の力よりも強いのです。世界のあらゆるところでその証拠を見ることができます。愛がなければ人生はありません。
少し考えてみて下さい。愛がないと人生はどうなりますか? まず、第一に、あなたは存在しません。愛なくしてはあなたは生まれなかったからです。あなたの家族も友達も生まれていません。地球上に愛がなければ人類は一人も誕生していないのです。今日、愛の力がなくなれば、全人類は途絶え、絶滅してしまうでしょう。
『ザ・パワー』 ザ・パワーとは何なのでしょう より ロンダ・バーン:著 山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子:訳 角川書店:刊
人類による全ての発明、発見、創造は人間の心の愛から生まれ
ました。
本書は、宇宙で最強のパワー
である「愛の力」を使い、素晴らしい人生を手に入れる方法を解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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人生を変える“感情の分岐点”
人は良い感情か悪い感情のどちらかを抱いています。
素晴らしい感情は全て愛から生まれ、逆に否定的な感情は全て愛情不足から生まれ
ます。
バーンさんは、歓びに満ちて良い気分でいる時には愛を放出
し、たくさんの愛を与えれば与える程、より多くの愛を受け取る
と述べています。
肯定的な思考や感情を50パーセント以上放出すると、ちょうど分岐点に達します。
さらに肯定的な思考や感情加えると、“人生の天秤”が良い方向に振れていきます。
人生を変えるには、よい思考や感情を通して愛を51パーセント与えて、天秤の傾きを変えることです。ネガティブなことより多くの愛を与え、愛が半分以上の目盛りまで達すると、引き寄せの法則が作用して、その愛はもっと多くの愛を引き寄せながら何倍にも膨らんで戻ってきます。すると突然、素晴らしいことが何倍にも加速して体験できるのです! ネガティブなものが加速度的に生じて何倍にもなっていく代わりに、今やあなたのあらゆる人生の分野でたくさんの良いことがもたらせ、どんどんそれが増えてゆきます。本来あなたの人生はそうあるべきなのです。
毎朝目を覚ますと、あなたはその日の分岐点に立っています。一方は幸せ溢(あふ)れる素晴らしい日になり、他方は問題だらけの一日になります。どちらになるかを決めるのはあなたです。あなたがどういう気分でいるかによるのです! あなたの気分の状態がその日のあなたが与えるものを決め、その日あなたは同じものを受け取り、どこに行こうことあなたはそれに取り囲まれるのです。
幸せな気分で一日を始め、そのまま幸せな気分を保つと、その日一日は最高になります! 一日を悪い気分で始め、そのまま気分を変えようとしないと、その日はまったくひどいものになるでしょう。
素晴らしい気分の一日はその日だけを変えるのではなく、翌日、更にはあなたの人生までも変えます! その素晴らしい気持ちを持ち続け、よい気分で寝付けば、翌日も勢いのある最高の気分で始まります。できるかぎり幸せな気分でい続けるように心掛けると、引き寄せの法則でその気分は持続し、来る日も来る日も良い気分が続いて、あなたの人生はどんどん好転していきす。
「今日を生きなさい。昨日や明日を生きるのではありません。今日だけです。この瞬間を生きなさい。生きることを明日まで延ばしてはなりません」
ジェリー・スピネッリ(1941〜)
児童作家『ザ・パワー』 感情の周波数 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子:訳 角川書店:刊
自分自身に起こることや出会う人はすべて自分自身が引き寄せたもの。
いわゆる「引き寄せの法則」です。
その「引き寄せの法則」を発動させるための“パワー”が、「愛の力」だということ。
その時の思考や感情が、意識的、無意識的にかかわらず、自分の人生を引き寄せています。
肯定的な思考や感情を持つことの重要性を改めて教えてくれますね。
「愛」に意識を集中させる方法
愛するためには、周りのすべてのことに気づく必要があります。
周りの愛を感じ取れるくらい、敏感にならなければならないからです。
バーンさんは、周りにある愛するものにできるだけ気づくように毎日意識的に努力すれば、あなたはより繊細で敏感に
なれると述べています。
敏感でいるための一つの方法は、次のような質問をして意識を手なずけるやり方です。
「自分が愛するものとして何が見えるか?」「愛するものは幾つ見えるか?」「愛するものは他に何があるか?」「自分がわくわくするものは何か?」「興奮するものは何か?」「情熱を抱けるものは何か?」「自分の愛するものはもっとないか?」「興奮するものは聞こえるか?」すると、その答えを出すために意識は忙しくなり、すぐに他のことを考えるのはやめてその質問の答えを出そうとします。
定期的にそうした質問を続けるのが秘訣です。より多く質問すればするほど自分の意識をうまくコントロールできるようになります。すると、あなたの意識はあなたに逆らうのではなく、あなたが望むような働きをしてくれるでしょう。あなたが意識をしっかりとコントロールしないでいると、意識は運転手のいない貨物列車が山を下るのと同様になってしまいます。あなたが意識の運転手なのです。責任を持ち、絶えずどこに自分は行きたいか指示を出して、意識を支配してください。的確に指示しなければ、あなたの意識は勝手に自分の行きたい方向に行ってしまいます。
「意識をコントロールできない人にとって、意識は敵のような行動を起こします」
バガッド・ギーター(紀元前5世紀頃)
古代ヒンズー教典意識(マインド)はあなたが利用できる力強く偉大なツールですが、しっかりコントロールする必要があります。意識に散漫な思考であなたの気を散らすのをやめさせ、その代わりに愛を与える手伝いをさせなさい。愛に集中できるように意識を訓練するのには、それほど時間はかかりません。そのあと人生に何が起こるか、観察してください。
『ザ・パワー』 ザ・パワーへの鍵 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子:訳 角川書店:刊
意識は、現実の中から自分が強く興味を持つものを探し出します。
「自分の“愛するもの”に意識を集中すれば、今まで気付かなかったことに気づく」
ことができます。
バーンさんは、愛を与えれば与えるほど、どんどん敏感になり、注意深く
なるとも述べています。
愛を与えることで、より愛に気づくことができる。
愛に気づくと、より大きな愛を与えることができる。
愛に気づくことで、このような好循環を作ることができるということですね。
感謝は「愛」への架け橋
バーンさんは、私たちが望む人生を創造するための“パワー”の源にアクセスする。
そのための鍵は「感謝」である、と指摘しています。
感謝には、「人生の全てのものごとを増幅するだけでなく、ネガティブなものを取り去る」効果があります。
日常生活で何か良い事が起きたら感謝してください。それがどんな些細(ささい)なことでも「ありがとう」と言いましょう。完璧な駐車スペースを確保できたり、ラジオで大好きな曲が流れたり、信号に近づいたら青信号に変わったり、バスや電車で空席があったりしたら、「ありがとう」と言って下さい。これらはみなあなたが受け取った素晴らしいものなのです。
あなたの五感に感謝しましょう。目のお陰で物が見えます、耳のお陰で聞こえます、口のお陰で味わう事ができます。鼻のお陰で匂いが分かります、皮膚があるから触ることができます。さらに、歩くための足、何でもできる手、自分を表現し、会話するための声、健康を保ち、病を治してくれる驚くべき免疫機能、生存するために完璧に機能している全ての内臓器官などにも感謝して下さい。あなたの肉体はこの地球上でもっとも偉大であり、それを複製できるものはこの地球上にはありません。あなたは奇跡そのものなのです!
あなたの家、家族、友人達、仕事、ペットに感謝して下さい。太陽、飲む水、食べ物、空気に感謝しましょう。そのどれがなくても、あなだは生きてゆけません。
樹木、動物、海、鳥、花、植物、青空、雨、星、月、そして私達の美しい地球に感謝しましょう。あなたが毎日利用する交通手段、快適な生活を送るための基本的なサービスを提供してくれる会社に感謝して下さい。あなたが水道栓をひねるだけできれいな水が飲めるようにするために、多くの人々が必死に働きました。あなたがスイッチを押すだけで電気が使えるようになるために、多くの人々が命をかけて働いてきました。世界中を繋げるための鉄道網を建設するため永い永い年月をかけて献身的に働いた多くの人々のことを考えて下さい。世界中の人々を繋ぐ道路網を建設するために、どれほど多くの人達が骨の折れる仕事をしてくれたのか、想像もできません。
「普段、私たちは与えたものよりもずっと多くを受け取っていることに、ほとんど気づいていません。そのことに感謝して初めて生活は豊かになります」
ディードリッヒ・ボンヘッファー(1906〜1945)
ルター派神学者感謝のパワーを使うにはそれを実践するしかありません。感謝をすればするほど、愛を与えます。愛を与えれば与えるほど、多くのものを受け取ります。
『ザ・パワー』 ザ・パワーへの鍵 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢、山川亜希子、佐野美代子:訳 角川書店:刊
身の回りには、私たちが生きていく上で欠かせないものであふれています。
普段は気にも留めないような、それら一つひとつに感謝の気持ちを表すこと。
それが、人生を前向きに変える“パワー”を得るための秘訣です。
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バーンさんは、人生の最大の喜びは「与える」こと
で、人が与えることができるのは唯一つ、それは愛
だとおっしゃっています。
愛を与えれば与えるほど、多くの愛を受け取ることができ、自分の中の“パワー”が増幅していきます。
よく、「欲しいものを手に入れるためには、まず、それを人に与えることだ」といわれます。
その言葉は、「愛の力」の本質について表したものだったのですね。
人生のあらゆる富を引き寄せる「愛の力」。
最強の“パワー”を上手に利用して、豊かな人生を歩んでいきたいですね。
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