【書評】『ヒーロー』(ロンダ・バーン)

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 お薦めの本の紹介です。
 ロンダ・バーンさんの『ヒーロー』です。

 ロンダ・バーンさんは、オーストラリアの作家・TVプロデューサー兼記者です。
 2007年には、タイム誌の「世界にもっとも影響を与えた100人」にも選出されています。

すべての人は、「ヒーロー」になるために生まれてきた!


 これまで、この地球上では、数限りない“物語”が語られてきました。
 世界中のあらゆる文化、あらゆる国々で形を変えて伝えられてきましたが、その本質は常に同じです。

 それは、勇気ある人生の旅を生きるヒーロー、つまり英雄の物語
 つまり、私たちの人生そのものです。

 そしてあなたが選んできたのは、大きな喜びや愛、困難や苦しみの、どの可能性も等しく存在するこの地球です。美しいけれど、しかし思うほど楽ではないこの地球で生きる冒険を経験しようと思ったのは、あなたなのです。そして、自分の中のヒーローを見つけるのを妨げる大きな壁などない、と決めたのもあなたです。ヒーローの旅をしたかったのはあなたなのです。そしてあなたがこの物語のヒーローなのです。
 このヒーローの旅をするに当たり、あなたは何の装備もなく地球にやって来たわけではありません。あなたはあらゆる試練や障害を乗り越え、夢を実現できる計り知れない強大な能力を、生まれながらに持っています。しかし、地球という限定された物質世界に生まれた時、あなたの思考も意識もまた、限定されてしまいました。あなたは本当の自分、そしてその自分がどんなに素晴らしい能力を持っているかを忘れてしまったのです。あなたはその力をあなた自身のためにも見つけなければなりません。

『ヒーロー』 はじめに より ロンダ・バーン:著 山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子:訳 KADOKAWA:刊

 私たちが地球に存在する理由は、ヒーローを旅し、自分の中のヒーローを見つけること
 どんな物語でも、何の試練や障害、トラブルに遭遇せずに、ヒーローになった人物はいませんね。
 自分の中にあるヒーローとしての能力に気づかせるために、それらは必要だということです。

 本書は、すでに「ヒーローの旅」を終えた12人の経験や言葉に学び、私たちがヒーローになるための道のりを指し示す一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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私たちが生まれてきた「使命」


 私たち、全ての人間は、夢を叶え、ヒーローになるべくして生まれてきました。
 生まれてきた社会、家庭、教育などの環境は、人それぞれですが、今どのような場にいようとも、その夢を叶えるために必要なものは、あなたに全て備わっています。

 この世に生を受けた人、そして、これから生まれてくる人は、それぞれ特有の才能と能力を持って生まれてきます。このあなたに特有なものこそが、あなたの使命です。使命を持たずに生まれてくる人はいませんが、多くの人はそれを見つけることも、それに従って生きることもせずに人生を送っています。

 あなたの使命は他の何物にも代え難く、あなたを突き動かすものです。それは、あなたが惹(ひ)かれ、情熱を注ぐもの、そしてあなたに喜びをもたらし、あなたの心に火を灯すものです。

 その特別な使命は、ビジネスやスポーツ、仕事や職業において何かを成し遂げたいという強い願望かもしれません。あるいはそれは趣味かもしれません。趣味は自分の使命の見つける手掛かりを与えてくれます。たくさんの人が趣味を大いなる夢に変えて、それを大企業にまで成長させています。

マイケル・アクトン・スミス

 小さいころからゲームが大好きでした。遊ぶのが大好きで、それが人間にとって、とても大切なことだと思っています。ですから、ゲームを設計したり人を楽しませたりするゲーム会社を経営することが私の大きな夢でした。

ピート・キャロル

 13歳の時からキャンプなどでコーチをしていましたが、それと将来の職業を結びつけたことはありませんでした。大学院に戻り、パシフィック大学でコーチをしていた時に、振り返って考えました。そして、「あぁ、これがフットボールをするのと同じように私にもできることだ」と思いました。その時初めて、コーチへの第一歩を踏み出したのです。


 あなたの使命とは、とても実現は無理だと思いながらも、そのことを行っている人生を想像すると、この上ない幸福感と充実感に満たされる何か、かもしれません。そしてその夢がどんなに不可能と思われても、あなたはそれを追って生きるように求められているのです。

『ヒーロー』 第一部 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子:訳 KADOKAWA:刊

 誰でも、小さい頃、将来成し遂げたい「夢」を持っていました。
 しかし、周囲の人の声を受け入れ、自分の能力を自ら限定し、使命と夢を封じ込めてしまいます。

「夢を追い求めたい」という気持ちになるのは、それを叶えるための手段がたくさんあるからです。
 バーンさんは、その夢を抱けるのは、その夢が叶うという証拠だと強調しています。

ヒーローの持つ「最も強力な力」


 私たちがヒーローになるために持っているもっとも強力な力は、「自分を信じる」ということです。
 その信念さえあれば、どんな困難な状況や辛い環境も乗り越えて、最終的に夢を実現することができます。

「夢を実現できる」と考えることは、潜在意識のプログラムを書き換えるのと同じです。

 潜在意識にある全てのプログラムは、思考によってインストールされたものであり、他の思考によってのみ、新しいプログラムに書き換えることができます。

 自分は何でもできると考え始めると、潜在意識の防火壁(ファイアーウォール)が、その考え方に対して拒絶反応を示すでしょう。しかし、自分はできる、という考え方を植え続けていくと、最終的にその考えが確信になり、プログラムを書き換えることになります。

レイン・ビーチリー

 人は誰でも考え方次第で、自分を信頼できるようになります。生涯ずっと、自分を信じて来なかったとしても、あらゆる努力を積み重ねると、短期間で自分自身を信じることができるようになります。


 潜在意識のプログラムを書き換えるのに一番効果的な時間帯は、夜眠りに就く時です。半分眠って、半分目覚めている状態の時に、自分は何でもできる、自分が決めたことは何でも達成できるという考えを植えつけましょう。

 眠りに落ちる最後の考えを「自分自身を信じる」ということにするのがその目的です。眠りに就く直前の思考は、ファイアーウォールを通り抜けて、潜在意識に直接入っていくからです。そしてその考えがファイアーウォールを通過すると、潜在意識はその考えが本当だと、受け入れざるを得ないでしょう。
 一旦潜在意識に自分を信じるという新しいプログラムができると、そのプログラムを動かし、その確信が真実であることを証明する事がらが起きます。急に自分を信じてくれる新しい人と出会ったり、知人から新しい支援を受けたり、自分の才能を証明し、自分への信頼を増すような特別な一歩を踏み出す勇気がでてきたりすることでしょう。

 何であれ潜在意識にある全てが人生に起こります。なぜならば、潜在意識のどの新しいプログラムもすぐに宇宙に送信され、宇宙は一旦その指示を受けると、あなたが信じていることを達成するために、あなたと一緒に動いてくれるからです。恐らくあなたは、何故「心が思い付き、信じることが全て達成可能である」と言われるのか、理解することでしょう。

『ヒーロー』 第二部 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子:訳 KADOKAWA:刊

「自分は能力がない人間だ」と思っている人も、実際に能力がないわけではありません。
「自分は能力がない人間だ」という思考が、潜在意識のプログラムにインストールされているだけです。

 自分でも気づかない、意識の奥深くに根づいているネガティブな思考をプラスに書き換えること。
 それが、「自分を信じる」力を呼び覚ますためのただひとつの方法です。

試練を乗り越えるための方法


 人生、夢への道のりは、予期せぬ出来事の連続です。
 壁にぶち当たっては他の抜け道を探す、その繰り返し。
 まさに、迷宮に迷い込んだかのようです。

 誰もが途中で諦めたくなる、目の前が真っ暗な状況。
 バーンさんは、その中でも一歩ずつ着実に進むことが、夢に近づく唯一の方法だと述べています。

 旅の間、必要なことは一度に一歩ずつ進むことだけだと、自分に言い聞かせましょう。一度に一歩ずつ進むとは、いつでもできることです。自分がどこでどういう状況にあろうとも、一歩進むことはできます。もし、これから起こるあらゆる可能性に意識を向けてしまうと、あなたは圧倒されて動けなくなってしまうでしょう。いずれにしても、夢までの道のりはあなたが思うようには展開しません。だから常に「一歩ずつ」進むことを思い出してください。この言葉は私たちが「ザ・シークレット」のDVDを作成する時、大変助けになりました。私の夢が自分の理性が指し示す道から大幅にずれていた時、私はただ次の一歩を歩むことだけに意識を戻しました。そうして一歩ずつ歩んできた結果、夢が実現したのです。

リズ・マレー

 もしあなたが全ての段階が見えると思っていたらそれは間違いです。全てをコントロールしなければいけないとか、全てができると考えるのは間違いなのです。母が麻薬治療施設へ行った時、そこの全ての人が「神よ、私に変えることができないものを受け入れる平穏を与えてください。また、変えることができるものを変える勇気を与えてください。そして、その違いを知る知恵を授けてください」と静かにお祈りをしていました。それが全てなのです。結局、私は母を救えませんでした。また、私は父のHIVを治せませんでした。私は天気も操れません。あなたがコントロールできないものは数多くあり、それらにあなたのエネルギーをいくらつぎ込んでも、無駄に終わるでしょう。それよりも、「わかった。それでは私に何ができるのだろうか?」と自問してみましょう。

マイケル・アクトン・スミス

 私は時々後退したり、壁に突き当たったりしましたが、一歩ずつ歩んで来ました。あなたも大きなヴィジョンを持ち続け、そこへ辿り着ける信じていれば、いずれはそうなります。


 そう、まるで迷宮のように、ある日角を曲がると、あなたは突然そこに到着するのです。このようにあなたの夢は叶います。

 夢を叶えた後であなたが辿った道のりを振り返ると、全ての壁が他の選択を強いてあなたを夢へと導いただけでなく、その夢はあなたが思っていた以上に素敵なものであったことに気付くでしょう。実際は、壁などなく、壁のようなものがあるだけです。行き止まりもなく、そのようなものがあるだけです。両方共、実はあなたを遠回りさせて、より良い夢へと導いてくれたのです。

『ヒーロー』 第三部 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子:訳 KADOKAWA:刊

 筋書きが分かっている物語を読むのは、退屈でつまらないものです。
「人生」という“物語”でも同じです。

「人生、一寸先は闇」
 だからこそ、さまざまな感情を味わえるということですね。

 今、自分にできることを、精一杯続けること。
 そうしているうちに、思わぬところから光が差し込み、出口に通じる道が見つかるものです。

「生き甲斐のある人生」とは?


 さまざまな困難を乗り越えて、夢を掴む旅を終えたヒーローには、さらに新しい“旅”が待ち受けます。

 ヒーローの旅では、あなたに驚くべきことが起きます。あなたは変容し始め、その変容によって、あなたは旅をもう一歩進もうという気持ちに駆り立てられるのです。それが最終ステップです。この最終ステップによって、あなたは本物のヒーローになり、ヒーローの旅が完成するのです。

 あなたがかつて夢の実現のために燃やした情熱の炎は思いやりの炎に変わります。そして、かつての自分と同じように逆境にある人々を助けるために、あなたはいわば家に戻るのです。あなたは彼らの苦しみを知っています。自分も経験したので、彼らの絶望感も分かります。そして、あなたは強力な呼びかけ、宇宙からの召命を受け取ります。あなたにできる全てのことを行い、あなたが持つ全ての手段を使い、この旅で獲得した全てのものを用いて、できる限り多くの人々を助け、元気づけるようにと、呼びかけられるのです。

 マスティン・キップ

 ヒーローが行き詰まる時が二回あります。第一は、冒険に出なさいと呼びかけられた時です。ヒーローの誰もがそれを拒否する段階を経ています。それはよく知られた話です。知られていないのは、帰るのを拒否することです。ヒーローは成功報酬をもらい、あまりの幸せと喜びに満たされるために、戻りたくないのです。しかし、その人生の真髄を故郷に持ち帰り、他の人たちと分かち合うまでは、その旅は完成しません。ヒーローのヒーローたる所以(ゆえん)は、それが利己的な旅ではないというところです。つまり、ヒーローとは、人生を自分のためではなく、他の人のために捧げる人なのです。


「私たちが自分のエゴや、保身について考えるのをやめる時、真のヒーロー意識へと変容します」
                     ジョセフ・キャンベル
                           神話学者


 全ての成功と全ての報酬を手にし、更に大きなヴィジョンがあなたの心を捉(とら)えた時、あなたの中からヒーローが現れます。そして、あなたは「魔法のような人生の真髄」と言われるもの、つまり、ヒーローの旅で学んた全てのことを、人々と分かち合いたいと思い始めます。それによって、あなたは多くの人々の人生に違いをもたらすようになるのです。

『ヒーロー』 第四部 より ロンダ・バーン:著 山川紘矢・山川亜希子・佐野美代子:訳 KADOKAWA:刊

 夢は、ヒーローの旅の終着点であり、新たな旅立ちの出発点でもあります。

 周囲の声に惑わされることなく、“内なる声”の指し示す方へ進み続ける人。
 目標を達成しても、それに安住することなく、すぐに新しい目標に向かって歩き始める人。

 そんな人たちが、“真のヒーロー”です。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 バーンさんは、ヒーローの旅が終わった時、あなたの求めていた永遠の幸せとは、本当の自分を発見することだったと気がつくとおっしゃっています。

 “人生”という旅の最終目的地は、自分の中に眠っている“本当の自分”。
 私たちは、生まれた時からいやおうなく、「本当の自分探し」の冒険に旅立っているわけですね。

 物語が、ハッピーエンドで終わるかどうか。
 それは、主人公である私たち次第です。

 自分の人生は、自分の手で切り拓く。
 そんな覚悟を胸に、自分の心の中に眠る“ヒーロー”を育て上げていきたいですね。


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