本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『押すたびにぽかぽか健康 手もみ力』(松岡佳余子)

 お薦めの本の紹介です。
 松岡佳余子先生の『押すたびにぽかぽか健康 手もみ力』です。

 松岡佳余子(まつおか・かよこ)先生は、鍼灸師です。
 手のツボを用いた手指鍼の治療で約20年間、延べ1万人以上の治療をされています。

「手もみ」は最強のセルフケア方法!

 松岡先生は、これまで鍼灸やツボに関することについて、ありとあらゆる治療法を研究し、実践してきました。
 そのなかで、セルフケア方法としてもっとも簡単で、しかも即効性のある方法として勧めているのが、「手もみ」です。

「手もみ」は、その名のとおり、手や指を自分の手でもむだけ。
 特別な道具は不要で、誰でも、いつでもどこでもできます。
 もむ時間も、5分から10分もあれば十分で、もんでいるうちに全身がぽかぽかと温まってきます。

 手もみは、低体温や冷え症の改善だけではなく、頭痛、肩こり、腰痛をはじめ、全身のあらゆる部分のこりや痛みの改善にも効果がある万能の健康法です。

 本書は、「最強のセルフケア方法」である手もみの具体的な方法を症状ごとに解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「手」は、脳と密接につながっている

 松岡先生によると、手をもむだけで全身の不調が治る理由は、以下の3つです。

  1. 手は全身のツボが集中する「全身の縮図」だから
  2. 手は体のなかでいちばん、脳と密接につながっている部位だから
  3. 手には体のなかでいちばん、単位面積あたりで見ると多くの血管や神経が密集している「全身でもっとも敏感な部位」だから

 手のツボを刺激して、直接ふれてもいない臓器の治療ができるのは、脳が仲立ちをしているからです。
 脳は、全身の機能をコントロールする司令塔です。ツボに与えられた刺激も、まず神経を通って脳へと伝えられます。ツボからの信号を受け取った脳は、病んで問題を起こしている臓器に向けて、修復の指令を出します。
 このプロセスは、体にあるツボも手のツボも基本的には同じです。しかし、手は体のほかの部位とは比べものにならないほど、脳と密接につながっています。
 手には、手首を含めると29個の骨、25以上の関節、30以上の筋肉があり、ものをつかむ、持つ、ふれるなど、とても多彩で複雑な動作ができ、質感や温度を感じ取る鋭敏な感覚を備えています。細やかな動作や感覚を可能にするために、手には約1万7000本もの神経があり、大脳の体性感覚野(体からの触覚情報を受取る部分)や運動野(体を動かすための指令を出す部分)など、脳の広い範囲と密接につながっています。大脳の運動分野では、手の運動を司る領域が全体の3分の1の面積を占めているほどです。このように、手と脳は密接につながっていることから、「手は第2の脳」「手は外に突き出た脳」などといわれています。
 動作を行う運動器としても、外からの刺激を感じ取る触覚感覚器としても、手ほど多くの神経と血管が密集している体の部位はありません。
 そのため、手は全身でもっとも敏感で、小さな刺激を受けても敏感に判別して、脳に向けて的確に信号を送ることができます。脳は手からさまざまな信号を受け取ることができ、即座に全身に向けて修復の指令を出せるのです。これが、足など体のほかの場所にあるツボに比べて、手のツボ刺激は即効性があり、効果も高い理由のひとつです。

 『手もみ力』 2章 より 松岡佳余子:著 ワニブックス:刊

 手のひら・手の甲には、体と同様に「十四経絡」と呼ばれる14本の気(生命エネルギー)の流れが走っていて、その流れに沿って、直径約1〜1.5mmという小さなツボが345個も存在します。

 それらは、まるで「全身の縮図」のように、人体の形に対応して規則正しく並んでいます。
 それをわかりやすく図式化したものが、「手の地図」(下の図1参照)です。

手の地図帳① 1章P24 手の地図帳② 1章P25
図1.手の地図帳(右側が手の甲、左側が手の平)
(『押すたびにぽかぽか健康 手もみ力』 1章 より抜粋)

「手もみ」はいちばん手っ取り早い冷え解消法!

 “万病の元”といわれるほど、私たちの健康に害を及ぼすのが、「冷え」です。

「手もみ」は、手足が冷えてつらいとき、道具いらずで即座に全身を温めることができる冷え解消法です。

 冷え解消の手もみのコツは、まず「手こすり」(下の図2左参照)で両手を十分にこすり合わせます。次に「手もみ・指また刺激」(下の図2右参照)で、両手のひらと手の甲、指先から指また、手の側面までまんべんなくもんで刺激します。
 冷え性の人は腹部の血のめぐりが悪く、お腹が冷たいので、手のひらをまんべんなくもんで、腹部の血液循環を促しましょう。手や指先が特に冷える人は、手に対応する薬指の第1関節から上の部分を重点的にもみます。足が冷える人は、足に対応する小指の第1関節から上の部分を特に念入りにもみましょう。

 『手もみ力』 4章 より  松岡佳余子:著  ワニブックス:刊

手こすり 1章P29 手もみ 指また刺激 1章P31
図2.冷え性対策の手もみ(左側が「手こすり」、右側が「手もみ・指また刺激」)
(『押すたびにぽかぽか健康 手もみ力』 1章 より抜粋)


 体温が1度下がると、免疫力(病気やウイルスから体を守る力)が37%低下し、基礎代謝量(生きていくために最低件必要な生命活動に使われるエネルギー)は12%低下、生命活動の維持のために生体内で行われるあらゆる化学反応に関わっている体内酵素の働きは50%も低下します。

「手もみ」を習慣にして、冷え知らずの生活を送りたいですね。

「中指もみ」でストレスを吹き飛ばす

「手もみ」は、病気や不調の改善だけでなく、もっと元気で健康になるための「元気の管理」にも役立ちます。

 松岡先生は、手と指をまんべんなく丁寧にもむだけで、元気な体の基本である、血めぐりが良好で、手足やおなかがぽかぽかと温かい体を維持することができるとし、「ストレスケア」として以下の方法を紹介します。

 元気の管理で重要のひとつは、ストレスケアです。精神的なストレスは、体にさまざまな痛みを発生させます。いろいろな治療をしてもなかなか治らない不調には、背後にストレスの影響があることも少なくありません。ストレスは免疫力の低下を招くので、病気にもかかりやすくなります。
 心も体も元気な状態を保つには、早めにストレスを発見して、ストレスの緩和や解消に務めることが大切です。そこで役立つのが、中指の爪の生え際の下にある「ストレスポイント」です。
 強い精神的ストレスにさらされている人や、気疲れしやすい人、うつ病やパニック障害、不眠症、拒食症、ノイローゼなどのメンタル疾患がある人は、先端が丸い爪楊枝の頭などの細い棒でストレスポイントを押すと、激痛が生じます。逆にいえば、ストレスポイントを押して痛みがあるかどうかで、自分のストレス度をチェックすることができるわけです。ストレスを抱えていても、自分ではなかなか気づかないこともあります。ときどき自分でストレスポイントを押してみて、チェックするとよいでしょう。

 『手もみ力』 6章 より  松岡佳余子:著  ワニブックス:刊

ストレスポイントもみ 6章P128
図3.ストレスポイントもみ
(『押すたびにぽかぽか健康 手もみ力』 6章 より抜粋)

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 手は、全身のツボが集中する「全身の縮図」

「手もみ」を習慣にすることで、自分の体の調子がわかるようになります。
 具合が悪い部位があっても、それに対応する手もみを行えば、一人でもケアすることができます。
 松岡先生がおっしゃっているように、手は、まさに、一人ひとりに備わっている「自分専属の名医」です。

 まずは毎日10分の「手もみ」から。
 自分の手を押して体をぽかぽかにして、健康的な生活を送りたいものですね。

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