【書評】『超一流の二流をめざせ!』(長倉顕太)

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 お薦めの本の紹介です。
 長倉顕太さんの『超一流の二流をめざせ!』です。

 長倉顕太(ながくら・けんた)さん(@forest_nagakura)は、プロデューサー・コンテンツマーケターです。

「世界一“残酷な”成功法則」へようこそ!


 長倉さんは、本の編集者として数々のベストセラーを生み出し続けてきました。
 その数は、10年間で累計1000万部以上。
 ジャンルは、成功法則、ビジネススキル、英語学習、ダイエットなど多岐にわたります。

 おわかりかと思うが、手がけてきた仕事はすべて人間のコンプレックスを刺激したジャンルである。そんな場所で10年間を費やし、累計数百億円もの売上を生み出してきた私だからこそ、あまりにもクソな情報によって、多くの人が人生を無駄にしていることが手に取るようにわかる。「なぜ、そうなってしまうのか?」という「カラクリ」もわかる。ある意味、コンプレックスを刺激するのは本当に簡単だからだ。
 この「カラクリ」を明らかにすることで、多くの人が「自由自在」に人生を楽しんでもらいたいと思いながら、本書を書いている。そして、この「カラクリ」を知っているのと知らないのとでは、人生はまったく変わるという点において、私には自信がある。
 本書を読み終えたあなたは、間違いなく成功できる人になると断言しよう。なぜなら人の持つ「特性」とあなたが置かれた「環境」を理解することができるからだ。

   1%の大成功者と99%の凡人たち。
   99%に値する人にこそ読んでもらいたい。


 これが本書の底流にあるメッセージである。あなたや私がいる場所は「99%エリア」なんだということを、まずは自覚するところから始めていただきたい。

 『超一流の二流をめざせ!』 序章 より 長倉顕太:著 サンマーク出版:刊

 人の持つ「特性」と私たちが置かれた「環境」を理解し、きちんとした「戦略」を打つこと。

 そうすれば、誰かの人生を歩くことのない「あなたの成功法則」がしっかり完成します。

 本書は、今までの常識や価値観を打ち砕く、「世界一“残酷”な成功法則」をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「当たり前」を好む私たち


 ベスト&ロングセラーの商品には、どれも「一般大衆」が潜在的に望む要素が含まれています。
 どこかウケる共通性のツボがあって、どこか安心できて、どこか馴染みのあるという要素です。

 私たちの特性は、一言で表現するなら「当たり前」のストーリーを好むというものだ。それを喜んで見たり、聞いたりする。いわゆる、それが私たちの特性でもあるわけ。そこでいろいろなものが生み出され、消費され、経済とも結びつきながら社会が出来上がっていったのだ。
 以前、『水戸黄門』という時代劇が、世界でも類のない長寿テレビ番組としてオンエアされていた(なんと42年間も!)。毎回、同じストーリー展開にもかかわらず、お茶の間では大人気の番組を家族で観ながら(観せられながら)、私は子ども心に、「なんで毎回、同じ話なのに観るんだ?」と思っていた。
 それを家族に聞いてみると、実に拍子抜けするような答えが返ってきた。
「あの印籠が出てくると、スカッとするんだよ」
 毎回、ほとんど同じ展開なのに!? そこで幼いなりにも感じたわけ。
「私たちはストーリーが大好物なんだ!」
 しかも、同じストーリー、知っている物語・・・・。
 ここに私は危機感を覚える。なぜなら、私がいた出版業界の世界に置き換えるならば、自分自身の向上のために手に取ったビジネス書を読んでいくうちに、いつのまにか「他人の物語」に巻き込まれていくことになるから。そこに書かれていたのは、紛れもなく、成功した誰かの、成功したストーリーなのである。
 たしかに、そこにはわかりやすいストーリーがあったかもしれないし、もともと知っている物語だったのかもしれない。
 ところが、それはとても浅い仕掛けになっていて、私たちはそういったストーリーを確認することで、実は快感や安心を得るだけにすぎないのではないだろうか、と感じるようになった。
 さらに、危険なのは、先ほども書いた通り、そこには「他人のストーリー」があるだけであり、他人の価値観が書いてあるにすぎない。
 そして、(何度も書くが)さらに危険なのが、それは「すごい人」のストーリー、「特別な人」のストーリーであり、私たち凡人の99%には何にも関係のない物語だということである。
 なお、私たちがストーリー好きということに関して興味があるなら、クリストファー・ボグラ−が書いた『神話の法則』(ストーリーアーツ&サイエンス研究所刊)という有名な本があるので読んでみるといい。この本は、映画や漫画など人気のあるものには、ある一定のストーリー展開があるのだということを解説してくれる。

 『超一流の二流をめざせ!』 第1章 より 長倉顕太:著 サンマーク出版:刊

 多くの場合、最も売れる商品は、「定番」と呼ばれるもの。
「それを選んでおけば間違いはない」という息の長いヒット商品です。
 確かに定番を選べば、間違いはありませんが、意外性もありません。

 多くの人が歩いたところには「道」ができます。
 ただ、それはすでに歩き尽くされている「他人の道」だということは、頭に入れておくべきです。

不安情報なんかに踊らされるな!


 長倉さんは、独立してから講演会やセミナーなどで多くの人の声を聞き、とにかく多くの人がいろいろな不安にかられていることを知り、愕然としたそうです。

 独立してからの3年間、集まってきてくれたみんなに向かって常に私が言い続けてきたのは、「不安なんて幻想だ」ということである。幻想の不安にどうして頭を痛めているのか、どうしてエネルギーを使うのか、何におびえているのかと、ずっと言ってきた。
 問題はそう単純じゃないんだなと多くの人を見て気づいたが、ては、どうして社会がこんなにも不安がるのか、どうしてみんなはこんなにも悩むのかと冷静になって考えてみると、いくつかの要因が浮かび上がってきた。

 それは、社会自体が「不安情報だらけだ」ということ。
 インターネットの中を見てみても、「老後の不安のために金融商品を買いましょう」みたいな情報だったり、ネットでお金を稼ぐ系のセミナーの呼び込みでもよく使われる「あなたの家族が病気です。今すぐ100万円の手術をしないと助かりません。そのときあなたは家族を救えますか?」のような、お金儲け系だったりと、とにかく不安を煽(あお)る内容の広告が多いのだ。
 これはファッションでも同じ。「この服着たらダサいよね」とか「あなたは格好悪いよね」「彼女ができなかったら人間としてダメだよね」のような不安を煽る内容のものがやたらと目につく。
 フェイスブックなどのSNSに掲載されているネット広告を見ても、「40歳なのに彼女もいないのはどうなの?」みたいなのが出てくるから驚きだ。
 そんなものは、はっきりいって大きなお世話である。彼女がいようが、結婚していようが、結婚していなかろうが、はっきりいってどうでもいい。
 または仕事に就いていようが、年収がいくらだろうが、まったく人としての価値に影響するものなんて何ひとつないにもかかわらず、そういうものがひとつでも欠けていると、「あなたは人間として失格なんじゃないの?」的な煽りの表現で、見た者の不安を助長させようとする。
 なぜ、このような状況になってしまったのか?

 戦後、一丸となって成長してきたこの国は、世界でも類のないほど豊かになった。経済不況といわれても、国民のほとんどが中流意識を持ち、物質的にも恵まれた環境が整っている。何も買えないのではなく、もうほとんど所有し、あえて欲しいものが見つからない状態になっているのだ。
 要するに、私たちは、ほとんどの人がご飯をちゃんと食べられていて、飢餓の恐怖などもとっくに忘れている。実は欲しいものなんて何も、ない。
 となると、どうやって購買意欲を湧かせるか? あとは何かと何かを比較し、その劣った部分、足りないものに消費者の不安を当て込むしかなくなってしまう。これでもか! というくらいに「足りないもの=不安に思わせるもの」をさまざまに形を変えて伝えていく方向が広告戦略となる。

 『超一流の二流をめざせ!』 第2章 より 長倉顕太:著 サンマーク出版:刊

 いわゆる「世論」とか「流行」は、誰かが情報を操作し、意図的に作り出されたもの。

 流行に乗り遅れてはいけない。
 周りと同じものを持たなければいけない。

 そんな「一般大衆」の不安心理をあおって、購買意欲を高めようとしているのですね。

 逆にいうと、私たちの不安心理につけ込まないとモノが売れない、ということ。
 私たちは、そんな豊かで恵まれた時代に生きているということです。

「唯一無二」のキャラクターを立たせろ!


 長倉さんが、著者をプロデュースするときに、もっとも重視したのが「キャラクターづくり」です。
 ここでいうキャラクターとは、その人物の「特徴」であり、「世界観」のこと。

 キャラクターづくりで、長倉さんが大切にしていることが、「何者であるかを認知させること」です。

 私自身を言葉で表すなら「ベストセラー請負人」となるだろうか。初めて本を出す人はもちろんのこと、他の出版社の編集者とつくった本が売れなかった人も、私と組むことでベストセラー著者にするのが私の役割だ。
 そのとき必要なのが、私は何者なのかを明確にすること、となる。それが具体的であればあるほど、キャラクター全体の背骨がしっかりとする。
 だから、私が仕事をするときのアプローチは一貫している。本を出すのは簡単だが、それがベストセラーとなるのは難しい。しかし、私にはそれを実現できるスキルと実績がある・・・・そこを認知させるのだ。
 出版業界には、この十数年のあいだに「出版プロデューサー」や「出版エージェント」「出版コーディネーター」と呼ばれる人たちが激増した。それは、裏を返せば出版社に所属する編集者の質や能力が低下していることの表れでもあるが、では彼らのような「出版〜」の方々全員がベストセラーを経験しているかといえば、決してそうではないところがが現実だ。
 中には出版社に著者と企画だけを丸投げし、紹介料というマージンだけで飯を食っている輩(やから)もいる。大した思い入れもなく「売れるかも・・・・」などと生温(なまぬる)いことをいっている力不足の編集者が、なんとなくの感覚で、なんとなくの本を出して返品率を上げてしまう。極端なことを書くようだが、実情はそんなところだ。
 しかし、私の場合は、圧倒的な結果で「ベストセラー請負人」を名乗る。ただ本を出す人間ではなく、ベストセラーを出す人間なのだ、ということを世の中に認知させるのである。それが自分の主催するセミナーの内容だったり、価格だったりを決めていくし、プロデュースをさせていただくときの価格にもなってくる。
 自分のことを引き合いにだして例え話をしたが、要はその人が、どんなことができる人間なのかというNo.1の部分をしっかり表現していくことである。

 『超一流の二流をめざせ!』 第3章 より 長倉顕太:著 サンマーク出版:刊

 商品を多くの人に買ってもらうには、まずは「目立つこと」です。
 その他大勢の中に埋もれてしまっては、お話になりませんね。

 目立つために何よりも重要なのが、「キャラクターづくり」です。
 自分がどんな人物で、何を得意としているのか。
 それを確立し、周囲に認知させることがポイントです。

落ちるだけ落ちてみよう


「他人の価値観」で生きているうちは、どうしても生きている実感が湧きません。
 しょせん、「他人の人生」だからです。

 長倉さんは、最終的には、「自分の価値観」で生きることしか、「自分の人生」を生きることはできないと強調します。

 私が20代の頃にはまった小説家にチャールズ・ブコウスキーがいる。
 はまっていた当時の私と同じ20代前半はアメリカ各地を放浪し、24歳で最初の小説を発表。30代からは詩も書き始め、50歳を過ぎて十数年間勤めた郵便局を退き、いよいよ本格的に作家活動をスタートさせた無類の異端児だった。
 彼の作品に登場する人たちは、ほとんどが世間的にはどうしようもない暮らしをしている人たちだった。でも、みんな心が温かい人ばかり。人間臭さがぷんぷん漂っている。自身も酒に溺れ、その日暮らしのような生活をしていたが、同業の作家やミュージシャン、俳優などには、彼の人柄や作品に対する熱烈なファンがいたことも事実だ。
 そんなブコウスキーが次のような言葉を残している。
 私の大好きな言葉のひとつである。

You have die few times before you can really live.
【本当に生きるためには、まず何回か死ななきゃダメだ】


 何回か死ななきゃダメだ・・・・ブコウスキーなりの独特の表現である。本当の自分の人生を生き抜くためには、幾重にも重ねられた価値観や常識を、まるで何度も死ぬような気持ちで脱ぎ捨てていけ! 彼が描く物語は、人の生き様や人生観が等身大の人物たちの日常生活の中で展開されていく。まるで音楽を奏でるように。

「落ちるとこまで落ちる」
 極端な表現かもしれないが、他人の価値観に縛られて生きている人間は、一度は落ちるような体験をするべきだと私は思っている。「落ちる」は何も淫(みだ)らな生き方をすることではない。それは自分が根こそぎゼロになる体験をするということで、それくらいの覚悟と気持ちがなければ染みついた価値観からは抜けられないほど、今は末期の状態がこの国を覆っているのも事実ではないだろうか。
 とくに日本は超がつくほど豊かなので、多くの人が下を見ないで一生を終えてしまう。生まれたときから地に足がついてない。生まれたときから誰かが垂らしたロープにしがみついていたわけで、それを手放すのだから、落ちるところまで落ちるしかない。そして、そこで初めて地に足をつけることができるようになるのだ。

 『超一流の二流をめざせ!』 第4章 より 長倉顕太:著 サンマーク出版:刊

 価値観や常識を脱ぎ捨てるということは、それまでの自分の生き方を否定することです。
 しがみついているロープを手放す、そんな勇気がいりますね。

 ただ、自分の足でしっかりと大地を踏みしめて歩くためには、ロープは手放さなければなりません。

「自分の人生」を生きるためには、絶対に必要な勇気。
「落ちるところまで落ちる」覚悟が、再び人生に躍動感を与えてくれます。

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 自分の世界観を持って、“超一流の二流”になる。
 そのために持っておくべきもののひとつが、「ライブ感」です。

 長倉さんは、「生きること」はリハーサルなんかではない。人生そのものであるし、生放送なのだとおっしゃっています。
 過去を後悔することも、未来を不安に思うことも、まったく無意味です。

 今、この瞬間にすべてを懸ける。
 そんな熱い“超一流の二流”人生を駆け抜けたいですね。


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