本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

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【書評】『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』(ジョン・C・マクスウェル)

 お薦めの本の紹介です。
 ジョン・C・マクスウェルさんの『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』です。


 ジョン・C・マクスウェルさんは、米国で毎年25000人以上のビジネスパーソンを指導し、「リーダーのリーダ」、「世界一のメンター」とも呼ばれている方です。

夢を実現するための「リーダーシップ」

 本書は、「リーダーシップ論」の権威であるマクスウェルさんが、心に響く名言や珠玉のリーダーたちのエピソードを盛り込みながら、リーダーに不可欠な「21の法則」をまとめた一冊です。

 世界中に影響を与えたマクスウェルさんの数多くの著書。
 その中でも、本書は世界47カ国で200万冊を売り上げた代表作でもあります。

 マクスウェルさんは、何年経とうと、テクノロジーがいかに進歩しようと、文化の違いがあろうと、どこに行こうと、この「21の法則」、つまりリーダーシップの本質・原理は不変だと指摘します。

 本書で紹介する法則を身につけ、実行すれば、必ず優れたリーダーになれるし、自分の夢を現実のものにできる強調します。

 ここでは、その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「実力」=「やる気」×「人を動かす力」

 マクスウェルさんは、どんな人でも成功できると信じていると同時に、大成功を収めるためには周囲を巻き込み、味方につけるとが欠かせないとも指摘します。

 つまり、「人を動かす能力」がなければ、本来の何分の一かの実力しか発揮できないということです。

 成果と業績は、「リーダーシップ力」「やる気・献身度」のかけ算で表されます。

 実力を向上させるには二つの方法がある。一つは、「やる気・献身度」を10点満点にするべく一生懸命に努力することだ。しかし、最後の2点分を引き上げるには、それまでの8点分を獲得するために要したよりも多くのエネルギーが必要になるだろう。死ぬほど頑張ったとしても、あなたの実力が目をみはるほど向上することは望めない。
 もう一つの方法は、頑張って周囲の力を自分の力に変えることだ。たとえば、あなたの持って生まれたリーダーシップ力は、平均よりやや劣る4点だったとする。しかし、神様が与えてくださったこの4点の力を発揮するだけで、あなたの実力は300%アップする。
 さらに努力を重ねて、リーダーシップ力を7点にまで高めることができたとしたら、あなたの実力はなんと最初の600%増しになるのだ。
 つまり、「人を動かす力」がつくほど、あなたの実力も成果も驚くほどに高まっていく。この目を見張るほどの効果を、私はこれまでいくつもの企業や組織で見てきた。

 『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』 1.「天井の法則」 より ジョン・C・マクスウェル:著 渡邉美樹:監訳  三笠書房:刊

これからのリーダー①これからのリーダー
 
(『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』 P33~34 より抜粋)

 リーダーシップ力は、「てこ」のようなものです。 
 その力が増せば、その比率に応じて成果と業績が上がります。

 リーダーシップ力は、組織にとって、とても重要であることがよく分かります。
 マクスウェルさんは、「リーダーの限界が、組織の限界」であると言い切ります。

「信念」は熱く、「判断」は冷静に

 マクスウェルさんは、リーダーとは、他の人よりも多くのものが見え、他の人より遠くが見え、他の人が見るよりも先にものごとが見える人だと述べています。

 タイタニック号の悲劇を例に挙げて、組織が大きくなればなるほど、リーダーは明確に未来を見通していなければならないと強調します。

「進むべき道」を決定するにあたっては、リーダーは積極的でなければならない。そして、「最後までみなを導くことができる」という信念が不可欠だ。もし、頭の中で「目的地までたどり着ける」という自信が持てなければ、目標の実現は難しいだろう。
 その一方で、リーダーは事実を事実として直視しなくてはならない。障害を矮小化し、問題を正当化していては、人々を導くことができない。目をしっかり開けていなければ、不意打ちを食らうこともある。
『ビジョナリー・カンパニー2――飛躍の法則』の中で、ジェームス・C・コリンズが「ストックデールの逆説」と呼んでいるのは、この「信念」と「事実」とのバランスのことである。コリンズはこう書いている。
「最後にはかならず勝つという確信を持ち続けると同時に、自分が置かれている現実の中で最も厳しい事実を直視しなくてはならない」
 楽観主義と現実主義、直感と計画力、信念と事実のバランスを取るのは、非常に難しい。しかし、針路を的確に決めるためにはリーダーはそれができなくてはならない。
(中略)
 十分に準備をしておけば、人々に自信と信頼を与えられる。準備不足は、それとは反対の結果をもたらす。
 結局、プロジェクトが受け入れられ、支持を得て、成功するかどうかは、リーダーの器の大きさによる。
 船の操縦は他の誰かでもできるが、針路を決められるのはリーダーだけとは、そういう意味である。

 『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』 8.「直感の法則」 より ジョン・C・マクスウェル:著 渡邉美樹:監訳  三笠書房:刊

 ハート(心)は常に熱く、マインド(精神)は常に冷静に。
 スポーツなどでもよく言われる言葉ですね。

 リーダーは、自分を律することが強く要求されます。

 自分自身についても、つねに前向きで楽観的に考える。
 同時に、自分の弱点や問題点などを的確に把握し、それらを克服しようとする意識を持つ。

 それが、良いリーダーになるための条件です。

何より先に「心」を動かせ!

 リーダーシップを発揮するためには、メンバーとの連帯感が不可欠です。
 リーダーはメンバーの手を引く前に、心に触れる必要があるからです。

「人を動かすには、何より先に心を動かさなければならない」

 それを、偉大なリーダーたちは、例外なく、ほとんど本能的に理解しています。

 人々とのつながりを強くする。
 そのための基本は、たとえグループであっても、一人ひとりのメンバーと関係を築くことです。

 私は、これまでに多くのすばらしい聴衆と語り合う機会に恵まれてきた。一番人数が多かったのは、スタジアムに集まった6万人の聴衆だった。私と同じように講演活動を仕事にしている人は、「そんなに大勢の人を前に、どうやって話すんだ」と不思議がる。
 実は、秘訣は簡単だ。大勢の人に話しかけるときは、相手が千人だと思ってはいけない。1人の人に話しかけるように話す。それが、聴衆と心をつなぐ唯一の方法だ。
 本を書くときも全く同じだ。これまでに私の本を読んでくれた何百万人という人を思い浮かべるのではない。
 私が思い浮かべるのは、あなた1人だけだ。もし、私が1人の人間として、あなたと何らかのつながり持つことが出来れば、きっとあなたの役に立つことができるだろう。そうでなければ、あなたは本を閉じて、他のことを始めるに違いない。
 大勢の聴衆を前にして話すときも、廊下で誰かと立ち話するときも、やるべきことに変わりはない。 

 『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』 10.「連帯の法則」 より ジョン・C・マクスウェル:著 渡邉美樹:監訳  三笠書房:刊

 リーダーは、構成する組織の一人ひとりと、心を通わせる必要があります。
 語りかける人の数も、組織の大きさも関係ありません。

 リーダーが、どれだけ誠実に、相手の視線に立って気持ちを共有できるか。
 それがそのまま、組織の力になります。

「人に投資する」ほど自分も大きく成長できる

 マクスウェルさんは、多くのリーダーを育ててきた経験から、地道な成長を目指すなら、従うものを導き、加速成長を目指すなら、リーダーを導けという「加速成長の法則」を発見しました。

 チームの能力を高めれば、組織が成長します。
 さらに、その中から多くのリーダーを養成して彼らの能力を高める努力をすれば、その成長は加速度的増加します。

 マクスウェルさんは、「リーダーを養成できるリーダー」こそが最強だと強調します。

 60歳になって、私はリーダーを養成していけば、利子が利子生むことに気がついた。人に投資する期間が長ければ長いほど、より大きく成長できるし、多くの成果を上げることができる。若い頃に比べると動きが鈍くなり、エネルギーも低下してきたが、私は今「利子生活」の段階に入っている。これまで続けてきた、人への投資が、今信じられないほど多くの利子を生んでいるのだ。
 すでに実績のあるリーダーでも、まだ駆け出しのリーダーでも、ぜひこの事実だけは覚えておいてほしい。あなたが、単に人を惹きつけるだけでなく、リーダーを養成できるようになって初めて、自分の能力を発揮し、組織が掲げる大きな目的の達成を助けられる。
 リーダーを養成するリーダーは、他の方法(資金の調達、コスト削減、利益率改善、システム改善、品質管理強化など)では実現不可能な加速度的成長を組織にもたらす。こうした爆発的ともいえる成長を経験するには、次世代のリーダーの育成に力を注ぐしかない。それが「加速成長の法則」の持つ驚くべきパワーなのである。

 『これからのリーダーが「志すべきこと」を教えよう』 20.「加速成長の法則」 より ジョン・C・マクスウェル:著 渡邉美樹:監訳  三笠書房:刊

 個人の成長には、限界があります。
 しかし、周囲の人の成長を助けることで、その限界を打ち破ることができます。

「人に与えた分だけ、自分に返ってくる」

 この真理は、リーダーシップ力においても当てはまります。

 自分自身の得た知識や知恵を、出し惜しみせず与え、周囲の成長を促すこと。
 つねに心掛ていきたいですね。 

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 マクスウェルさんは、全てはリーダーシップと共に浮き沈みするとおっしゃって、リーダーシップの重要性を強調します。

 2人が集まって何かしようとしただけでも、どちらかがリーダーシップを発揮しなければならない場面が必ず訪れます。

 リーダーシップによって、組織の成否が決まります。

 役職上のリーダーであるかどうかは関係ありません。
 自分のやりたいことをやり遂げようとしたときに、リーダーシップ力を発揮することは避けては通れません。

 本書の内容をよく理解し、「21の法則」を身につけられるべく、日々精進していきたいですね。

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