本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『動きたくて眠れなくなる』(池田貴将)

 お薦めの本の紹介です。
 池田貴将さんの『動きたくて眠れなくなる』です。

 池田貴将(いけだ・たかまさ)さんは、メンタルトレーナーです。
 その道の権威として世界的に知られている、アンソニー・ロビンスさんから直接指導を受けられ、そのメソッドを日本人向けに自分なりにアレンジして分かりやすく伝えられています。

行動は、すべて“感情”に支配されている

 池田さんは、人は皆、自分の行動は自分で決めているが、それを行動に移せるかどうかは、結局そのときの“感情”次第だとモチベーションにおける“感情”の重要性を指摘します。

 本当は「自分の行動は、すべて“感情”に支配されている」ことを、今までの経験からよく知っている。
 それなのに多くの人は自分の感情について知ろうとせず、
 どう向き合うべきなのかもあまりよくわかっていないようだ。
 なぜなら「自分の感情は、まわりの状況が決めているもの」
「感情に負けるのは、心が弱い証拠だから」という風に思われているからだろう。
 たしかに、もしまわりの状況が気分のすべてを左右するなら、
 人生の大半は感情の力に押し流されていく。
 でも、そうじゃない。感情は「眠い」とか「お腹が空いた」というのと同じように、
 自分の意志でコントロールすることができる。
 そして法則をつかんでしまえば、その力を活用することができる。
 あなたがのぞむ方向へと、あなた自身をどんどん動かすために。

 「動きたくて眠れなくなる」  プロローグ より  池田貴将:著  サンクチュアリ出版:刊

 やろうと思ったことができない、続かないのは、意志が弱いからではなく“感情”のコントロールが出来ていないだけということなんですね。
 逆にいうと、「意志の強い人」「心の強い人」というのは、“感情”上手く利用する術を理解しているだけだということです。
 
 本書は、過去の専門家たちが解きあかしてきた“感情の法則”の中から、実生活で使えそうなものを選りすぐってまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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“感情”の意味づけを変えよう

 池田さんは、人の感情は突き詰めると“快感”と“痛み”の2種類しかないと述べています。
 また、人は“快感”を求め、“痛み”を避けるために行動すると指摘します。

 “痛み”の感情は、一種の「警報機」です。
 正しい状態に戻るまで、鳴りやみません。
 つまり、痛みの感情は、あなたに「行動を変えろ」と知らせてくれているということです。

 こんな感情は、できれば消したい。忘れたい。でも感情は、逃げようとすれば追いかけてくるし、無視すればするほど、どんどん大きくなるから、結局「動きたくなくまる」意味づけに従ってしまう。でももし自分にとって不利に働く感情があるとしたら、それは感情が悪いんじゃない。その感情に「持たせている意味」がそうさせているだけなんだ。

 「動きたくて眠れなくなる」 1.Conversion(ヘンカン) より  池田貴将:著  サンクチュアリ出版:刊

「怖い」と思った時は、過去に経験した嫌な出来事と結びつけてはいけません。
 それを感情からのメッセージであると受け取ること。

「これから経験していないことが起こるかもしれない。だから、できるだけ準備しておこう。準備ができたら、心配せずうまくいくことについて考えよう。」と意識してその感情を解放するべきです。

ありえない目標を立てよう!

 池田さんは、目標の本当の価値は「達成するため」にあるわけではなくて、「感情にスイッチを入れるため」にあると述べています。

 目標を立てる→感情にスイッチが入る→動きたくて動く→結果が変わる→未来が変わる

 目標は、この流れを作るための道具。未来を変えるためではなく、今の自分を変えるための手段なんだと考えよう。
(中略)
 目標を立てるときに、慎重にならなくてもいい。
 まわりからの評価はとりあえず置いて、これはできそう、これは無理そうという判断もいらない。まずは自分がめざしたいかどうか、それだけだ。
 多くの人は、動く前からいろいろと決めたがる。でもできるかどうかは、どうせこれから決まることだ。
考えてみよう。
 絶対にうまくいくとわかっていたら、どんなことをやってみたいだろうか。
 絶対に失敗しないとわかっていたら、どんなことに挑戦してみたいだろうか。
 制限をとっぱらった目標。それが多ければ多いほど、動きたいという感情は大きくなっていくようにできている。
 なぜなら制限とは「昨日の自分」が決めているもので、「未来の自分」には全く関係ないものだから。
 もっとワクワクしたい。もっと毎日を輝かせたい。そのためにすぐにできることは、“自分にとって価値ある目標を増やすこと”だ。

 目標は単なる一つの道具。
 怖がらずに、自分に都合よく使ってみればいい。

 「動きたくて眠れなくなる」 5.Detonator(キバクザイ) より  池田貴将:著  サンクチュアリ出版:刊

 目標を達成するためにモチベーションを上げる。
 そうではなく、「モチベーションを上げるために目標を立てる」ということ。

 実現性よりも、「どれだけ自分のやる気を高められるか」がポイントです。

決断をくり返せ!

 池田さんは、人生は、たった一度の決断で作られてきたのではなく、無数の決断から生まれた結果だと、自ら決断し行動に移し続けることの重要性を指摘します。

「これをやったらどうなるだろうか?」
「次はどんな楽しいことをやろうか?」
「どんな人と一緒にやろうか?」
 そのやり方は間違っているかもしれない。でもまた今日も懲りずに決断してみればいい。考えるより先に、動こう。そして学ぼう。
 決断をくり返すあなたのことを、他人は「面倒くさいやつだ」と言うかもしれない。「変わった人だ」とか「あんまりかかわりたくない」と思う人もいるかもしれない。でもまわりを気にせず、失敗をくり返せばいい。誰にでもできることを、誰にでもできないほどやってみせればいい。そうすればいつかきっと誰かが、言いはじめるだろう。
「あの人は、なぜあんなにうまくいったんだろう」

「よしやろう!」を一日に何度言えるかどうか。

 「動きたくて眠れなくなる」 29.Continuance(レンゾク) より  池田貴将:著  サンクチュアリ出版:刊

 決断した結果が間違っていても、その失敗体験が、自らの血となり、骨となります。

 どんな小さなことでも、怖がらずに自ら決断し、行動する意識。
 それを持ち続けることが大事です。

もし今日が人生最後の日だとしたら・・・・

 池田さんは、最後に以下のようにおっしゃっています。

 私の人生が変わったのは、この質問を意識してからだ。
「もし今日が人生最後の日だとわかっていたら、どんな風に一日を送るだろうか?」
 すぐに答えを出せない自分が悔しかった。
 自分が「今すぐなにがしたいのか」ということを、自分でわかっていないことに気づいたからだ。
(中略)
 人生は先になにが待っているかわからない。
 ただでさえこんなに苦しいのに、もっとひどい目に遭うこともあれば、ある日突然今までの苦しみが消えて、大きな幸福をつかむこともある。
 だから、もう他人と比べるのはよそう。目標を達成できるとかできないとか、まわりからの評判がいいとか悪いとか、そんなことはどうでもいい。いまなにを持っているか、どこに住んでいるか、いくら稼いでいるか、そんなことで人生は決まらないからだ。
 どんな夢に向かって、どんな生き方をしているのか、
 ただその事実だけが、自分が自分であることを認めてくれる。

 「動きたくて眠れなくなる」 エピローグ より  池田貴将:著  サンクチュアリ出版:刊

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 夢をかなえられるかどうか、最終的に何を成し遂げられるか。
 それは大きな問題ではありません。

 今、この時をどれくらい充実して過ごすことができているか。
 そのほうがずっと重要です。
 オリンピックを目指すアスリートが輝いて見えるのは、そのせいでしょう。

「今日が人生最後の日である」
 そう告げられても、後悔しない。
 そんな充実した毎日を送れるようにしたいですね。

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