【書評】『だから、僕らはこの働き方を選んだ』(馬場正尊、林厚見)

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 お薦めの本の紹介です。
 馬場正尊さん、林厚見さん、吉里裕也さんの「だから、僕らはこの働き方を選んだ 東京R不動産のフリーエージェント・スタイル」です。

 馬場さん、林さん、吉里さんの3人は、ネット上で話題の不動産会社、「東京R不動産」の中心メンバーです。

「東京R不動産」は、いかにして生まれたか?


「東京R不動産」のサイトが立ち上がったのは、2002年。

 最初は、趣味の延長のような感じ。
 個人が数人集まり、物件を持ち寄ったりと、ゲリラ的に活動が始まりました。

 ユーザーの反応が想像以上に良かったことから、本格的に「仕事」や「組織」としての枠組みを作ります。
 そして、徐々に規模を広げていき、月間300万PVを誇る、日本で有数の人気不動産サイトにまで成長します。

 中心メンバーである著者の3人は、建築学科卒業という共通項はあります。
 しかし、卒業後はそれぞれ、建築とは関係のない道を歩んでいます。

 彼らの組織構成や雇用形態は、今までの一般的なやり方と、一線を画す新しいものです。

 僕らのワークスタイルや価値観のあり方を象徴するのが「フリーエージェント・スタイル」という組織のかたちである。
 それは「会社員」でもなく「独立したフリーランス」でもない、その中間のあり方であり、両方の「良いとこ取り」をしたスタイルだ。
 やりたいことをやって、個人も組織もたくましく生きていくために、僕らが自然に行き着いたやり方なのだ。
 それを通して、僕らが何を大事にしているのか、どのように仕事を楽しく、かつ、たくましく続けていこうとしているのかを伝えたいと思う。
 
 「だから、僕らはこの働き方を選んだ」 はじめにより  馬場正尊、林厚見、吉里裕也:共著 ダイヤモンド社:刊

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「フリーエージェント」とは何か?


 著者の言う、「フリーエージェント」とは何か?

 フリーエージェントとは、アメリカの作家ダニエル・ピンクが『フリーエージェント社会の到来』(ダイヤモンド社)という本で提案した概念で、「正規雇用者として組織に所属することなく、他者による時間的、空間的、対人関係、また職務内容的な制限を受けずに、本人の自由裁量に基づいて働くこと」と定義されている。
 簡単にいえば、組織に所属せず、個人がプロジェクト単位で契約を結びながら、チームとして自分のやりたいことを実現するための働き方だ。
 
 「だから、僕らはこの働き方を選んだ」 序章 より  馬場正尊、林厚見、吉里裕也:共著 ダイヤモンド社:刊

彼らは、自分達の組織を、会社というより「音楽ユニット」に近いと表現しています。

 フリーエージェントのプレーヤーたちは、仕事のスタンスも自由だ。だから、もちろん兼業もできる。そもそも僕らは会社より音楽ユニットに近い。
 つまり、同じ音楽をやりたいメンバーが集まってバンドを組んで、それぞれに違う楽器(役割)を担いながらも
一つのコンセプトで音楽をつくっていく。でも一方で、別のジャンルの音楽をやりたいメンバーは、別の仲間とユニットを組んで活動してもいいわけだ。

 「だから、僕らはこの働き方を選んだ」 第3章 より  馬場正尊、林厚見、吉里裕也:共著 ダイヤモンド社:刊

 ソリストとしても、演奏できる実力を備えている。
 それでいながら、自分のやりたい音楽を求め、色々なユニットを掛け持ちする。

 そんな感じです。

 自分が属している組織を抜けたい。
 そう思った時の選択は、これまでは、転職するか、独立するかの二者択一でした。

 しかし、近い将来、彼らのような働き方も選択肢にはいってくるでしょう。

 先が読めず、周りを取り巻く環境が、刻一刻と激しく動く、このご時世。
 彼らのような、緩やかな繋がりで、身動きの取りやすい組織形態は、理にかなっています。

 大事になるのは、組織を構成するメンバーの「感性」や「個性」です。

 既存の大手企業の手が回らない、あるいは、思いつかない。
 そんな方法で需要を開拓する必要があります。

 不動産選びも、仕事選びでも、結婚相手選びだってそうだけど、あくまで自分の価値観に自信をもってできれば一番いい。そうしていれば、良い働き方ができて、結果的に社会への貢献も、経済的な見返りにも、つながっていくと思う。
 僕らは基本的に一般論は好きじゃないから、ここで言っていることも決して押しつけるつもりはないけれど、やっぱり一つだけ言うなら、僕らは自由でいたい。ボブ・ディランも歌っている。
「朝起きて、自分のやりたいことをやれる人。それが成功者だ」
 
 「だから、僕らはこの働き方を選んだ」 第5章 より  馬場正尊、林厚見、吉里裕也:共著 ダイヤモンド社:刊

 まだまだ、彼らのような存在は、ごく少数派です。
 しかし、今後は会社勤め、独立起業に次ぐ、「第3の雇用形態」として、日本でも受け入れることでしょう。

 すでに、米国では、「フリーエージェント」の考えは、一般的なものです。

 結果の責任も、成果も、すべて自分次第という公平さ。
 いろいろな個性的な人々と一緒に仕事ができる自由さ。

 そこに魅力を感じますね。

 将来の進路の選択肢として、視野に入ってきます。
 ただ、そのためにも、もっと実力をつけておく必要があります。

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 最後に、著者は、以下のようにおっしゃっています。

 現実的には資本の問題や人的な軋轢(あつれき)、いろいろあるだろう。それはわかっている。こういった仕事の仕方が正しいのかはわからない。
 ただし、東京R不動産は、個人が自由であるための組織でありたい。
 社会はどこまでいっても不確定で不安なもののようだ。だとするならば、やりたいことを、やりたい仲間とやった方がいい。
 とてもシンプルだけど、結局はそこにたどり着く。リスクは伴うかもしれないが、動かずじっとしているよりは、動いた末の結果の方がすがすがしい。
 こうして僕らはまた、止められない好奇心とチームワークを持って、次の楽しい仕事に向かっていく。
 
  「だから、僕らはこの働き方を選んだ」 おわりに より  馬場正尊、林厚見、吉里裕也:共著 ダイヤモンド社:刊

 著者の考え方は、今の日本では異端なもので、時代の最先端を行くものです。
 しかし、これからの時代を切り拓くのも、志を高く持ってチャレンジできる、彼らのような存在です。

 皆さんも、この本を読み、時代の先端に触れて、刺激を受けてみてはいかがでしょうか。

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