本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『運玉』(桜井識子)

 お薦めの本の紹介です。
 桜井識子さんの『運玉 見えないけど誰もが持つ人生を左右する幸運の源』です。

 桜井識子(さくらい・しきこ)さんは、霊能者・介護士です。
 神仏関係の波動の高いものを見たり、神様や仏様の声を聞くことができる特殊能力をお持ちです。
 人気ブログ『ひっそりとスピリチュアルしています』の執筆者でもあります。

秀吉が持っていた「強運の秘密」とは?

 豊臣秀吉は、農民出身でありながら、最終的に天下人となりました。

 数多くの実力ある武将を押しのけ、底辺から頂点まで、駆け上がった人生。
 その裏には、実力だけでは測れない、“大きな力”が働いたのは、間違いありません。

 秀吉さんは特別な強運を持っていたと考えるしかないのではないか

 そう思った桜井さんは、その真相を知るために、直接話を聞きに、秀吉さんのお墓「豊国廟」に足を運びます。

 まず、単刀直入に、運をどうやってゲットしたのかをズバリ聞いてみました。
 晩年まで含めた生涯の運ではなく、農民から天下を取るまでの立身出世に関する運です。秀吉さんは運について説明をしてくれて、自分がやったというある方法を教えてくれました。私はそれを聞いて「え? それって本当なん?」と思いました。
「そんなことで農民が天下人になるほどの強運に恵まれるのかなぁ?」と、半信半疑どころか、1信9疑でした。
 半分も信じられない、というのが正直な感想でした。
 この運をゲットする方法は、秀吉さんが子どものころ、集落の和尚さんに聞いたのだそうです。私には、だだっ広い田んぼや草むらばかりの田舎、そこに小さなお寺が見えました。
 ほかにも一緒に聞いていた子どもは数人いたそうですが、秀吉さんだけが信じて実行した、信心も大事である、と言っていました。
 この方法を秀吉さんはだれにも言わなかったそうです。病床で、息子の秀頼さんだけに話している姿が見えましたが、そのときの秀頼さんはまだ幼な過ぎて、理解ができなかったみたいでした。ほかにはだれひとり、一切話していないと言っていました(天下を取られてはかなわないと思ったようです)。
 それとは別に、運を逃さないようにする大事なこともいくつか教えてくれました。
「人とは腹を割って付き合うことが大切で、嘘はいかん」とのことです(この嘘は、本心を隠して誤魔化すとか、上辺だけいい顔をするとか、裏切る、欺くなど多くの意味を含んでいます)。
 そんなことをしたら、運はサッサと逃げてしまうそうです。
「与えられた場所で精いっぱい働くこと」「人の2倍、3倍働いて当たり前」とも言っていました。

 『運玉』 第1章 より 桜井識子:著 東邦出版:刊

 天下を獲った秀吉さんが実行した、「強運になる方法」とは、どのようなものなのでしょうか。

 本書は、「運玉」とはどんなもので、どう育てればいいのか、わかりやすく解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「運玉」をもらうためには?

 豊国廟で、秀吉さんと対面することに成功した、桜井さん。

「運」について、いろいろ教えてもらいます。

 秀吉さんによると、運はもらうとかあげるとか、そういうものではないそうです。
「育てるもの」なのだそうです。
 運は「小さな玉」です。
 そのときに見せてくれた映像は、もう本当に小さな小さなビーズ玉のサイズで(お米の半分くらいです)、真珠のような感じの玉でした。表面が艶々しています。
 その「運玉」を天は、人間に平等にくれるのだそうです。それを育てていく、と言っていました。
 最初から大きな運をドカンともらうわけではないのです。
 小さなその運玉は、心の中に錦の袋を作って、大切にそこに入れます。
 運玉は「もらえた!」と思ったら、それをすぐに袋に入れ、そこから大事に育てるのです。
 え? 待って待って、その運玉はいつどこでもらえるの? と思われた方、わかります。私も同じように思ったので質問しました。
 秀吉さんによると、信長などは生まれたときから持っているそうです(あの時代、城主の嫡男にうまれたことがすでにラッキーということなのでしょう)。
 秀吉さん自身は、信長と繋がりができた時点で、「やった! もらえた!」と思ったらしいです。つまり、なにかとてもラッキーなことがあると、そのときに1粒もらっている、ということだと思います。
「私は人生にツイてなくて、ラッキーと言える出来事がひとつもないんですけど・・・・・」
 と、思われた方がいらっしゃるかもしれません。
 ”ラッキーな出来事”とは、他人と比較してではなく、自分が心の底から嬉しかった出来事を言います。
 例えば町内で福引で3等が当たったとします。1等ならラッキーと言ってもいいけど3等はダメだよね、と他人が認めるかどうかの目線で考えると違います。
 1等の景品である電動自転車は当たっても全然うれしくないもので、3等のマイナスイオンドライヤーは自分が以前から欲しかったものだったら、3等が出たとき、「超ラッキー」とバンザイするくらいうれしいと思います。
 たとえ3等でもこれは“とてもラッキーな出来事”です。
(中略)
 そう考えていくと、子ども時代からいままでの人生に数えられないほどのラッキーが見つかります。
 人生を振り返って「あのときは本当にうれしかったなぁ」「超ツイてたな〜」と思うこと、それが“ラッキーな出来事”です。

 『運玉』 第1章 より 桜井識子:著 東邦出版:刊

 秀吉さんの強運は、生まれついてのものではありません。

 信長と出会ってもらえた、1粒の小さな「運玉」。
 それを大事に育て続けた結果だ、ということです。

 ちょっとしたことにも、「ラッキー!」と感謝する気持ち。
 それが「運玉」を手に入れるポイントです。

「運玉」を育てる方法

 では、手に入れた運玉を「育てる」には、どうしたらいいのでしょうか。

 桜井さんは、以下のように説明しいます。

 そして、育てるとは一体どうするのか・・・・・。
 さっぱり訳がわかりませんね。そこもばっちり突っ込んで聞きました。
 なにか、ツイてるなぁ、と思うことがあったときに、運玉を袋から取り出し、
「ありがとう、ありがとう」
 と言って撫でてあげるのだそうです。
 この「ツイてる」と思うことは、どんな小さなことでもいいそうです。
 スーパーに行ったらたまたまセールで卵が30円安く買えたとか、連休がもらえない職場なのに特別にもらえたとか、美容院に行ったらいつもは30分待たされるのにすぐにしてもらえたとか、そういう“ちょっと”ツイていること、“ちょっと”うれしいことで十分なのです。
 運玉を撫でるのは、その場でただちにしなければいけない、というものではなく、家に帰ってからでも大丈夫です。その日の夜でもOKです。2〜3日たっていても構いません。
 袋から運玉を取り出して、お礼を言って撫で撫でします。
 私はありがとうと言うときに
「あ〜ツイてる〜、ありがとう、ありがとう」
 と言っています。
 時々「コンビニのくじ引きでジュースが当たった、ツイてるわぁ、ありがとう、ありがとう」と、説明付きでお礼を言います。というのは、私はジュースが好きではないので、ジュースをもらったことはうれしくないわけです。でもくじに当たったことはラッキーなのでお礼を言いたい、しかし嬉しくない心で撫でると玉のほうも「はぁ? 何に対して撫でてんの?」となりそうなので、こういうときは説明付きです。
 このようにして、小さなことでもいちいち感謝して袋から取り出し、お礼を言って撫でる、この繰り返しです。ちなみに撫でたあとはちゃんと袋にしまいます。
 こうして大切に大切に育てていきます。

 『運玉』 第1章 より 桜井識子:著 東邦出版:刊

「ツイてる」と感じたら、錦の袋から運玉を取り出す。
 そして、「ありがとう」といって撫でる。

 それを繰り返すと、米粒大だった運玉が、少しずつ大きくなっていきます。

 秀吉さんによると、運玉は成長してスイカくらいになるとのこと。
 気をつけるべきは、この運玉に“願を掛けていはいけない”ことです。

 ただ、起こったラッキーに、感謝する。
 それが、運玉を育てるコツです。

人生の設計図を書いたのは自分

 人の「運命」とは、どのようなものなのでしょうか。

 桜井さんは、地上に生まれ出ることが決まって、どんな人生を歩むことにするのか・・・・・その計画を練るのは“自分”だと述べています。

 寿命も性別も生きていく方向も、全部自分が選択しているとのこと。

映画の脚本のように次はこうなって、その次はこうなる、と細部まで決めてくる人もいれば、この年齢の辺りでこの出来事と遭遇しよう、と大まかなことだけを決めて来る人、まったく白紙の状態で自由に人生を作る計画で来ている人もいます。

 では、その決め方とは一体どのようなものなのでしょうか。
 私は幕末で一介のしがない勤皇の志士でしたが志半ばで死んだため、次回もお国のために頑張りたいと思い、男に生まれました。その人生を生きているときに、自分の人生のテーマに沿っていると思える特攻隊という制度ができて、それに志願して人生を終えました。
 政治家になって世の中を変えようとか、音楽家になってたくさんの人を癒そうとか、プロスポーツ選手になって多くの人にエンターテインメントを提供しようとか、どういう方向で生きていくか、それをまず自分できめます。
 前回は王族で窮屈だったから、今回は伸び伸びとした一般人を体験する人生にしようという場合ももあるでしょうし、前回キリスト教の宣教師をやったから、今回はお坊さんにして仏教をやってみよう、というのもあると思います。
(中略)
 美人かブサイクかという容姿も、頭脳明晰かそうでないかという機能的なことも、お金持ちか貧乏かという環境も、すべて自分が選択しています。
「ちょっと待って、識子さん、そこ納得いかないわー」と思われる人がいるかもしれません。そのお気持ちはよくわかります。だって私も、とびきりの美人で生まれてきたかったな〜、と思うからです(笑)。
 しかし、目も覚めるような超美人に生まれてしまったら、どこぞの大富豪の御曹司に見染められて玉の輿に乗り、人生がぜんぜん違う方向に流れていたかもしれません。
 出会うべき人と「人生のここで出会いましょう」と約束しているのに、美人に生まれたばっかりに女優になってしまい、一般人であるソウルメイトと出会えなくなったら困ります。玉の輿に乗る、大女優になるという、そういう人生を今回は選択してないのですから、道がそれてしまう可能性がある容貌は選ばないわけです。

 『運玉』 第2章 より 桜井識子:著 東邦出版:刊

 自分が、「今の自分」であるのには、それなりの理由があるということ。
 いずれ、その理由がわかるときがきます。

 過去を、悔やない。
 未来を、悲観しない。

「今」ここに、生かされている。
 そのことに感謝して生きていきたいですね。

自分にポジティブな暗示を掛ける

 日本には、“言霊(ことだま)”という考え方があります。
 ネガティブな言葉は、低い波動のエネルギーを、ポジティブな言葉は、高い波動のエネルギーを、それぞれ発しています。

 私たちは、無意識に口にする言葉で、自分自身を暗示にかけています。
 とくに注意しなければいけないのは、ネガティブな口ぐせです。

「ラクして儲けるヤツは、ろくなやつじゃない」

 たとえば、このような言葉ですね。
 桜井さんは、そのような考え方を捨てないと一生お金持ちになれないと述べています。

 実はラクしてお金を稼ぐことは決して悪いことではありません。
 これは人を騙すとか、人から搾取するとか、そういうことを言っているのではないです。
 例えば、近所の人が和菓子屋さんの事業を始めたとします。資金を投入して店舗を構え、材料を仕入れ、早朝から一生懸命に働いて、和菓子を作ります。人件費も使って人を雇い、和菓子を売ります。
 お客さんには従業員一同、常に愛想良くし、朝早くから夜遅くまで汗水たらして働いて、お店の評判が良くなってお店が発展していきます。
 人は、「一生懸命働いて頑張ったから、お店が繁盛して当然よね」と思います。
 しかし、同じ町内にすむ若者が、このお店から定価150円の和菓子を交渉して安く仕入れ、パソコンでカチカチやって200円でネットで売ったとします。(たとえ話としてお読みください)。
「材料厳選!」とか「高級志向の和菓子!」「お茶会で絶賛される!」など上手に宣伝してガンガン売ります。市場は全国ですから、当然、儲けも大きいです。店舗で朝早くから生産し、夜遅くまで働いた人より、ラクしてより多くお金を儲けます。
 でも、これは悪いことではありません。ネットで売る、というアイデアがあっただけのことです。
 人は「ンマー! ラクして儲けちゃって!」と言うかもしれません。
 この“楽して儲けちゃって!”と言ってる人は、お金持ちにはなれません。ラクして儲けた人を悪人、不快、と思っているので、こんな悪人にならないでおこう、と魂が思うからです。
 やって来る金運を遠ざけようとブレーキがかかります。チャンスがあっても自分から逃してしまうのです。
「そうか、ネットで売るというアイデアがあったか、なるほど〜」という考えの人は、金持ちは悪人という考えで自分を縛らないのでチャンスが来れば、それをつかみます。
 自分を縛るこの考えの力はとても大きいのです。
 同様に、「そんなん無理やわ」と決めつけると、できません。
「年やから歌手、もう無理やわ」という方はスーザン・ボイルの例を知ってください。48歳で冴えないオバサンから一夜にしてスターになった人です。
 高齢で医学部に入学した人とか、高齢になって画家になった人とか、世間にはそういう人はたくさんいます。
 縛る考えがなければ、いくつになっても、どんな道でも開けているわけです。
「そんなん、特別な人で私には無理やわ」
 と思われるかもしれませんが、どんな人でも同じ人間です。
 人にできることが自分にできないはずはありません。
 もしも、私に音楽の才能があったら、「スーザン・ボイルにできて私にできないはずがない」と思います。同じ人間なのです。私にもできるはずです。
 自分をネガティブな暗示に掛けたり、偏った考え方で縛って、道を閉ざさないことが大切です。
 自分の成功を一番妨害しているのは、実は自分自身だったりするのです。

 『運玉』 第3章 より 桜井識子:著 東邦出版:刊

 人は、自分で思っているより、暗示にかかりやすいです。
 そして、一番の暗示の掛け手は、自分自身だったりします。

 どうせ思い込むのなら、自分が楽しく、積極的になる内容がいいです。
 まずは、自分が普段、どんな口ぐせを言っているのか。

 それを注意深く、見つめ直したいですね。

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 桜井さんご自身も、最初は半信半疑(1信9疑?)だったという、秀吉さんの「運玉」の話。

 しかし、検証した結果、自分で実践してみて「効果がある」と感じたそうです。

 おそらく、日本の歴史上、最高の強運の持ち主であろう、秀吉さん。
 その秀吉さんが、「運は育てるものである」というと、説得力がありますね。

 私たちの心のなかにもある、小さな小さな「運玉」。
 大きく育てて、人生を「ラッキー」で埋め尽くしたいですね。

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