【書評】『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』(桜井識子)

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 お薦めの本の紹介です。
 桜井識子さんの『聖地・高野山で教えてもらった もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』です。

 桜井識子(さくらい・しきこ)さんは、霊能者・介護士です。
 神仏関係の波動の高いものを見たり、神様や仏様の声を聞くことができる特殊能力をお持ちです。
 人気ブログ、『ひっそりとスピリチュアルしています』の執筆者でもあります。

空海さんを知れば、仏様のありがたさがわかる!


 空海(弘法大師)は、平安時代初期の僧侶です。
 中国から真言密教を持ち帰り、日本仏教界に大きく貢献した人物です。
 真言宗の開祖で、高野山に金剛峯寺を開いたことでも有名です。

 日本人なら、誰でも知っている空海さん。
 具体的に、どんな人物だったのでしょうか。

 私は若い頃、仏教にほとんど関心がありませんでした。仏様の違いなどもわからず、お寺に足を運ぶ楽しさ、そこにある喜びや恩恵なども知りませんでした。神社ばかりを参拝していました。
 年齢を重ねるにつれてお寺にもぼちぼち出かけるようになり、多くのお寺を参拝することでお寺の良さに気づき始めました。仏様の声も耳に届くようになって、仏の世界が見えるようになると、「今までこのご加護を自分から捨てていたのだな」と思いました。もったいないことをしていたと思います。
 もしかしたら、今この本を取って下さっている方の中にも、食わず嫌いでお寺にはあまり行かないという方がいらっしゃるかもしれません。そのような方に、とくに親しみやすい仏様である空海さんを知っていただけたら、と思ってこの本を書きました。
 空海さんに教えをいただくようになってから、仏教が「なんだか取っつきにくい難しいもの」から「大変ありがたいもの」へと変わりました。
 仏様にも性格と言いますか、性質があって、特に空海さんはおそばにいったりもします。でも仏様ですから、きっちり正しい道を示して下さり、真理も説いて下さいます。たまに厳しい時もあったりします。
 人を惹きつける魅力をこれ以上ないというくらいお持ちの空海さんなのですが、残念ながら世間ではそのような仏様であることが知られていないように思います。空海さんと交わした会話やお言葉などを通して、本来の空海さんを感じていただければと思います。
(中略)
 空海さんを知りたいけど難しい本はちょっと・・・・・と思われる方、「宗教は苦手なんです」とおっしゃる方、お寺(仏教)は神社に比べてなんとなく暗くて・・・・・と思われている方に、是非読んでいただきたい内容となっています。
 こちらが心を開いて受け入れる準備を整えれば、仏様はいつでも手を差し伸べて下さいます。仏教徒かどうか、仏教に詳しいかどうかで差別はなさいません。平等に慈愛を降り注いで下さる、それが仏様です。
 僧侶でもなんでもない私が僭越(せんえつ)かとは思いますが、この本を読んでありがたい仏様のことを一人でも多くの人に知っていただけたらと、そのような思いを込めて書きました。この本が読者の方と空海さんの橋渡しになりますように、と心から祈念致します。

『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 まえがき より 桜井識子:著 KADOKAWA:刊

 本書は、桜井さんが見て、聞いて、感じた空海さんをそのまま書くことで、仏様の魅力をわかりやすく伝えてくれる一冊です。

 高野山の情報も、たくさん詰め込まれており、高野山に行く時のガイドブックとしても役立ちます。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「弘法大師空海さん」とは?


 金剛峯寺には、毎日たくさんの人が空海さんに会いに来ます。
 それは、空海さんがただの歴史上の人物ではなく信仰対象となっているからです。

 空海さんの信者、つまり「空海さんファン」が日本全国にたくさん存在しているということです。

 桜井さんは、空海さんファンは真言宗の宗徒ではない人も多く、宗派とか宗教とかややこしい問題を超えた、空海さん自身に帰依する「空海さん信仰」があると述べています。

 空海さんは歴史上の一僧侶だったのに、どうしてそこまでファンが多いのでしょうか? 実は空海さんには、「お大師様は今も生きて瞑想されている、私たちを救って下さっている」という信仰があります。「入定信仰」と言います。
 空海さんは入定してから86年後に弘法大師の諡号(おくりな)を賜りました。そのことを観賢(かんげん)というお坊さんとその弟子が報告に行っています。高野山の奥之院にある廟窟を開くと、髪や髭が伸びて衣もボロボロになった空海さんが、そこで静かに瞑想をしていたそうです。お坊さん方は空海さんの髪と髭を剃り、衣を替えて差し上げた、となっています。この入定信仰は藤原道長が高野山を訪れてから急速に広がったということです。しかし、これだけでは空海さんへの信仰が高まり、今日まで持続しているわけではないように思います。
 仏様になられた空海さんは、本当にあちらの世界から人々を救うためにせっせとお仕事をされています。高野山に行って、空海さんに救ってもらった、助けてもらった、恩恵をいただいた、という人はいにしえから今日まで数多くいるはずです。四国八十八箇所霊場を巡るお遍路さんでも同じです。年月を重ねれば重ねるほど、その人数は増えていきます。
 その「実際に救われた」人々が、お大師様はすごい、お大師様はありがたい、とあちこちで語り、それが口コミで広がり伝わったように思います。入定信仰があるから空海さんファンが増えたとは考えにくく、本当にごりやくがあるからとしか考えられません。
 空海さんという仏様は長年にわたって、コツコツと一人ひとりを救ってこられました。その地道な仏様のお仕事が実を結び、今日の空海さん信仰になっているのだろうと思います。

『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第1章 より 桜井識子:著 KADOKAWA:刊

 空海さんは、62歳で亡くなられ、奥之院の御廟に安置されています。
 それでも、空海さんはこの御廟で、今もなお瞑想を続けているとされています。

 奥之院では、空海さんに毎日2回(午前6時と午前10時半)、お食事がお届けされるそうです。
 この儀式は、「生身供(しょうじんく)」と言い、1000年以上も1日も欠かさず行われています。

 空海さんが、時代を超えて、いかに尊ばれ、大事にされてきたのか。
 それがよくわかりますね。

「八つの山」に囲まれた高野山


 高野山は、和歌山県北部、八つの山に囲まれた標高800メートルの場所にある盆地です。

 高野山は、その一帯が結界で囲まれています。
 結界の範囲は、観光客目線では、大門から奥之院までの幅広い範囲、と考えればいいとのこと。

 高野山は「一山(いっさん)境内地」と言って、高野山の至るところがお寺の境内となっています。言ってみれば高野山全体がお寺です。ですから、どこで呼んでも空海さんは来てくれますし、どこで話しかけても空海さんは聞いておられます。
 たとえば京都だと空海さんに会おうと思ったら、神護寺(じんごじ)や志明院などへ行かなければなりません。しかも空海さんと接していられるのは、そのお寺の中だけです。時間も限られます。しかし、ここ高野山は町全体が境内ですので、どこにいても空海さんと繋がっていられるのです。
 そしてその高野山の中でもっとも神聖とされる場所が奥之院です。奥之院には空海さんが今も禅定されているという御廟(ごびょう)があるからです。
 高野山はこの奥之院と、お堂や塔が建ち並ぶ壇上伽藍(だんじょうがらん)が2大聖地となっています。そしてもう一つ、外せないのが「高野山真言宗 総本山金剛峯寺」です。あとはご自分の好みや興味、何を重視した高野山詣(もうで)なのかで、拝観するところも変わってくると思います。
(中略)
 空海さんの御廟がある奥之院は高野山の東側、奥まった静かなところにあります。ここは神聖で特別な場所となっていますから、一切撮影禁止です。奥之院手前に御廟橋という橋が架かっていて、ここから先が撮影禁止となっています。
 御廟橋の手前では、お坊さんを含め誰もが合掌一礼しています。初めて訪れる方は予備知識としてこれだけは知っておかれたほうが良いと思います。
 奥之院は「一の橋」という場所から、墓地の中を30分ほど歩いて行くのが正式な参拝ですが、「中の橋案内所」またはバス停「奥の院前」からだと、徒歩10分〜15分で行くことができます。時間が限られている人や、長く歩くのがつらい人、お墓が苦手な人は中の橋から行くといいです。

『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第2章 より 桜井識子:著 KADOKAWA:刊

図1 金剛峯寺の大主殿 神仏のご縁をもらうコツ 第2章
図1.金剛峯寺の大主殿
(『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第2章 より抜粋)

 高野山は、町全体がお寺であり、境内です。

 すみずみまで空海さんの高い波動で満たされた場所。
 だからこそ、これまで1000年以上にわたり、全国に知れ渡る聖地として存在してきたのでしょう。

 私たちも、その空気に触れて、空海さんを肌で感じてみたいですね。

勤行中に広がる空海さん


 空海さんの御廟がある奥之院・燈籠堂は、早朝から開扉されています。
 朝の勤行が行われ、一般の参拝者も参加が許されているからです。

 桜井さんが取材に行ったのは12月、気温マイナス5度の厳寒の中での朝の勤行でした。

 外陣に上がって見学させていただくと、内陣が目の前ですからいろいろなものがよく見えます。声明もとっても大きく響いてきます。声ももちろんそうですが、お坊さんも参拝者も床に座っていますから、振動が伝わってきます。音と振動を通して聞きますので、体に直接響きます。これは外陣でいただける恩恵です。
 お経の意味も、何を言っているのかということがわからなくても、自分と宗派が違っていてなじみのないお経でも、リラックスさせてもらえます。魂が解放されたような癒しです。私はこの癒しによって、ウトウトとちょっぴり寝てしまいました。
 外陣に上がると法具などもよく見えますから、勤行の儀式自体に興味のある方は外陣に上がらさせていただくといいです。焼香もできますし、冬は寒くないという特典付きです。
 勤行の最後のほうになると、空海さんの特大の顔が燈籠堂の須弥壇(しゅみだん)あたりに現れます。うわぁ! と見ていて腰を抜かしそうなくらい大きく、力強い空海さんです。そしてそのまま、“空海さんが”そして弾けたような感じで燈籠堂内にすぅーっと溶けていくのです。
 見ていて「おぉ〜!」と感嘆の声が漏れてしまうくらい、感動しました。それは空海さんの愛情だからです。自分が開いた高野山に対する思い、お弟子さんに対する思い、空海さんを慕って全国から会いに来る参拝者への思い・・・・・それが形となって見えるのが最後のほうに現れるお顔です。
 もっと詳しく言うと、お坊さんが各種真言を唱え始めた時にお顔が出現します。そして「南無大師遍照金剛」と3回唱え終わった瞬間に、弾けてすぅーっと溶けていきます。そこから先の燈籠堂の中は、空海さんが溶けた空間、空海さんの愛情の海のような空間になっています。これは1日持続するのではないかと思います。

 1日のうちで一番清浄な時間の早朝は、特に神仏と繋がりやすいです。燈籠堂の中で勤行をしっかりすべて見るのもいいですし、空海さんの御廟の前に座って、徐々に空けていく森、空、を見ながら低く響く読経に浸るのもいいです。こちらは別世界にいる自分を感じることができますし、異次元空間にいる感覚も味わえます。

『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第2章 より 桜井識子:著 KADOKAWA:刊

 空海さんは、今も“生きて”いて、高野山に息づいている。
 それを示すエピソードですね。

 お坊さんや参拝者の、空海さんを慕う気持ち。
 それが、空海さんの偉大な力の源なのでしょう。

「六角経蔵」の「摩尼車」を回すのを忘れずに!


 奥之院とともに、高野山の2大聖地のひとつとされる「壇上伽藍」

 壇上伽藍は、空海さんが構想した曼荼羅世界を基にして諸堂を配置したと伝わっています。
 国宝の不動堂をはじめ、多くのお堂があります。

 壇上伽藍で、ぜひとも尋ねてほしい場所が「六角経蔵」です。

「六角経蔵」はこじんまりした小さなお堂で、うっかりしているとスルーしてしまうかもしれません。この経蔵は建物自体が摩尼車になっています。
 摩尼車とは、1回まわすと1回お経を読んだことになるという、ありがたいものです。現在、この経蔵にお経は収められていないようですが、経蔵そのものをまわす(正確に言うと、基壇の取手部分をまわします)珍しい摩尼車ですから、チャレンジしてみるのも良いかと思います。
 経蔵の正面にお賽銭箱があるので、まずお賽銭を入れます。それから取手に体重をかけてまわします。一人でもまわりますが、まわし始めがものすごーく重たいです。「うりゃうりゃー!」と気合を入れて思いっきり押さないと動きません。上品な女性は無理かもしれません。私のあとに華奢なお姉ちゃんも、「オラオラオラ〜!」と男前にまわしていたので、まわすのは気合次第だと思います。
 一旦動き出すと軽くなります。「へ〜、なんだ軽いんじゃん、楽勝!」と調子に乗っていると、途中で「うっ!」と重くなるところが2ヶ所ありました。合計3回、「とりゃー!」と腰を入れて、力を込めて押さなければなりませんが、空海さんの高野山での摩尼車です。せっかくですから1回まわしてお経1回分の功徳をいただいてはいかがでしょうか。

『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第5章 より 桜井識子:著 KADOKAWA:刊

図2 1 六角経蔵 神仏のご縁をもらうコツ 第5章 図2 2摩尼車 神仏のご縁をもらうコツ 第5章
図2.「六角経蔵」と「摩尼車」
(『もっと! 神仏のご縁をもらうコツ』 第5章 より抜粋)

 高野山を訪れた際は、ぜひ、見落とさずに参拝したいですね。

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 桜井さんが知っている空海さんは、豪放磊落(ごうほうらいらく)なお方でユーモアもあり、とても魅力的な仏様とのことです。

 深い慈愛に溢れ、誰にも親しみの心で接する。
 だからこそ、空海さんは、時代を超えて敬愛され、崇められてきたのでしょう。

「百聞は一見にしかず」

 空海さんの魅力を知り、空海さんを感じられる高野山。
 興味を持った方は、ぜひ、本書を片手に出かけてみましょう。

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