本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』(マーク&エンジェル・チャーノフ)

 お薦めの本の紹介です。
 マーク&エンジェル・チャーノフさんの『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう 人生をシンプルに正しい軌道に戻す9つの習慣』です。

 マーク&エンジェル・チャーノフ(Marc & Angel Chernoff)さんは、毎月200万PVのアクセスを誇るブログ“Marc & Angel Hack Life”の人気ブロガーです。

困難を乗り越えるカギは「適切な習慣」を身につけること

 幸せな人生を送るためには、「困難なこと」に向き合わなければなりません。
 しかし、私たちは、ついつい「困難なこと」を避けてしまいがちです。

 では、なぜ私たちは、困難に向き合わなければならないのでしょうか。
 それは、目の前に立ちふさがっているその困難こそが、結局は自分を強くし、人生を変えてくれるからです。

 ここで、私が在学していたセントラルフロリダ大学の最終講義において、ある心理学の教授が教えてくれた話を紹介しましょう。

 その日、教授は、水の入ったコップを頭上に掲げると、笑みを浮かべて尋ねました。
「私が持っているこの水の入ったコップの重さはどれくらいでしょうか?」
 学生たちは、50グラムから1キロまで、さまざまな答えを口々に叫びました。
 しばらくの間うなずきながら学生の答えをさばいた後で、教授はこう答えました。
「私に言わせれば、このコップの絶対重量には意味がありません。
 すべてはコップを、どのくらい長く持っているかによりますから。
 1、2分持っているだけなら、コップはとても軽い。
 でも、1時間持ちつづけていたら、その重さで腕が痛くなるかもしれません。
 一日中持っていたとしたら、腕がつり、感覚が完全に失われて麻痺し、コップを床に落とす可能性が高いでしょう。
 いずれの場合も、コップの絶対重量は変わりませんが、長く持てば持つほど、私には重く感じられるのです」
 私たちを含む学生の大半が納得してうなずいていると、教授はこう続けました。
「あなたたちの心配やいら立ち、失望、ストレスフルな思考は、この水の入ったコップによく似ています。少しの間そのことについて考えても、大したことは起こりません。
 でも、もう少し長い時間考えていると、痛みを自覚し始めます。
 一日中考えていると、感覚が完全に失われて麻痺し、考えるのをやめるまで何も手につかなくなります」

 この話があなたの人生にどうかかわるか、考えてみてください。

あなたが心に抱えているものの重さへの対応に苦しんでいるのなら、それはコップを置くときが来たことを知らせるサインです。

 重要なのは、今直面している心配やいら立ち、失望、ストレスフルな思考の大半は、自分自身が生み出したものだと自覚することです。
 ですから、自分の内側で感じていることへの、より効果的な対処法を身につけることで、心配やいら立ちをすぐに手放せるようになります。予期せぬストレスやいら立ちへの対処のしかたが、よい人生を生きるか、問題の多い人生を生きるかの分かれ目になり得ます。

 人生に確実なものはなく、将来何が起こるか、正確に知ることはできません。
 そうであるならば、今、生きる上でできる最善のことは、現状に失望しているときでも、今この瞬間を、最大限ポジティブに生かすことです。

今から20年先に、「もっと人生を味わい、楽しむべきだった」と気づいたとき、実際に自分がしてきたことが、人生に抗い、疑うことばかりだったとしたら、これほど残念なことありません。

 これまで直面してきた複雑に入り組んだつらい状況や、予期せぬ紆余曲折があったからこそ、あなたは今ここにいます。
 あなたは必要なものを全部持ち合わせています。ですから、それなしでは生きていけないと思っているものから卒業し、自分が望んでいたことさえ気づかなかったものを、見つけにいきましょう。

『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』 Introduction より マーク&エンジェル・チャーノフ:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

「困難なこと」を乗り越え、人生をより良い方向へ進ませるためのカギ。
 それは「適切な習慣」を身につけることです。

 チャーノフさんは、適切な習慣によって私たちが陥りがちなネガティブ思考という「ウサギの穴」よりも、もっと広い見方をすることができれば、自分の思考をコントロールし、視野を広げて、成長やチャンス、回復のためのスペースをつくれるようになるからだと述べています。

 本書は、考え方や行動を変えて習慣をつくる過程を、チャーノフさんたちの個人的な旅やブログ、多数のポジティブ心理学研究、クライアントや受講生、ライブイベント参加者に対する10年にも及ぶライフコーチング経験からわかりやすくまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「毎日の行動」が、自分をつくる

 チャーノフさんは、小さなことでも、毎日必ず行う習慣が、あなたの乗る船を、ぐっと大きく前に進ませる櫂(かい)になると述べています。

 習慣に関する話を一つ紹介しましょう。
 1911年、ロアール・アムンセンとロバート・ファルコン・スコットという2人の探検家が、前人未到の南極点への一番乗りをかけた競争を始めました。
 当時、南極は世界地図上の最後の空白地帯の一つであり、南極探検は盛んに行われていました。アムンセンは母国を代表してノルウェー国旗を南極点に立てたいと願い、スコットは英国の威信をかけて、先に南極点に到達したいと願っていました。
 ベースキャンプから南極点までの往復距離は約2253キロメートル。ニューヨーク–シカゴ間の往復にほぼ相当します。アムンセンもスコットも、極寒の厳しい気象条件の中、同じ距離を踏破しようとしていました。経験や食糧・物資、探検家の仲間で構成するサポートチームについても、2人の条件は同等でした。

 後でわかったことですが、アムンセンとスコットは、同じ挑戦にまったく異なるアプローチで臨んでいました。
 スコットはチームに対し、天候がよい日にはできるだけ長い距離を進み、悪天候の日は休養してエネルギーを温存するよう指示しました。
 一方のアムンセンは、気象条件にかかわらず、毎日きっかり32キロメートル進むことで、日々一定の前進を果たす厳密な計画を守るようチームに指示を出しました。もっと長い距離を進むことができた非常に温暖な晴天の日にも、アムンセンのチームは翌日に備えてエネルギーを温存し、32キロメートルを超える距離は進まないことにあくまでこだわりました。
 結局どちらのチームが成功したでしょうか?
 よい結果を収めたのは、毎日一貫した行動をつづけたアムンセンのチームでした。それはなぜでしょうか? 毎日の行動が人をつくるからです。

 どんなに小さなことでも、昨日の努力は、必ず今日の進歩につながります。

 何もしない自分にうんざりしているよりも、毎日有意義な努力を
 少しずつ重ねて、へとへとに疲れるほうが、どれほどいいでしょう?

 私たちは、面倒なことを、さまざまな理由をつけて、翌日、また翌々日と先延ばしした挙句、それを実行する勢いを失ってしまいます。目の前のことに対して、「今自分が見えているよりは簡単なはず」「1日、2日寝かせたほうがいいだろう」などと考える癖が染みついています。
 そしてある日目覚めると、やらなけれはならない大切なことに心がついていかず、取り組めなくなっているのです。
 でも、面倒なことを避けてばかりいたら、想像以上に厳しい日々が否応なく訪れたときに、くじけてしまいます。
 スコットのチームはまさにこの状態に陥っていたのでしょう。彼らは物事をより楽に進めようとしました。「より楽に」という幻想が合言葉に、つまり無意識の目標になったのです。しかし、この幻想は南極点までの往復2253キロメートルに及ぶ徒歩レースの間には、決して実現しないものでした。
 スコットのチームは地上だけでなく、心の持ち方でも最初から負けていたのです。

『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』 CHAPTER 1 より マーク&エンジェル・チャーノフ:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 順風満帆で、すべてがうまくいっているときは、前に進むことは簡単です。
 問題は、逆風が吹きつけるような厳しい状況になったときです。

 向かい風に逆らって、なお前に進む。
 それには、強靭な足腰と精神力が必要となります。

 最悪の状況に陥っても、諦めずに前に進めるかどうか。
 それは、常日頃の心の持ち方で決まるということです。

意識的に優先順位を下げよう!

 私たちの多くは、じっくり考える余裕がないほど、日々忙しくしています。
 しかし、その代償として、心の平安や健康、幸せが失われ忙しさによるストレスによって、必然的に一番大切なことを見失ってしまいます。

 チャーノフさんは、“忙しさの罠”にはまらないようにするために、大切なのは、最も優先すべきことのために、「余白」を残すことだと述べています。

 とは言っても、24時間の中に収まらないタスクは、出てくることもありますね。
 チャーノフさんは、そのような場合は、これらは明日に回せばいいとアドバイスします。

 本当に重要なことに集中して、今日できることをやりましょう。集中して取り組む主要事項を2つか3つ選んでください。それで十分です。それ以外のことは優先順位を下げて、考えないようにしましょう。
 最重要事項への集中を妨げる物事の「優先順位を意識的に下げるヒント」を2つ紹介します。

優先順位を下げるヒント 1 | 皿をきれいにできたら、そこに何を戻すかを決める

 私たちの人生は、一夜にしてではなく、徐々に、信じられないほど複雑化していくものです。複雑な問題は一歩ずつ忍び寄ってくるのです。この悪循環を防ぐには、定期的に一歩退いて、現状を再評価しなければなりません。
 では、スケジュールが空いたら何をしますか? 皿をきれいにしたら、その限られたスペースに、今日、何を載せますか?
 たとえば、子どもと遊ぶ時間、運動する時間、パートナーとお茶を飲む時間、昼休みに長い散歩をする時間、しばらく話していない旧友と午後の会話を楽しむ時間、自分にとって重要で人にも変化をもたらす簡単な活動に従事する時間、読書や勉強の時間、就寝前にひとりで考え、瞑想し、くつろぐ時間・・・・・。
 自分の皿に載るものとして、何を選びますか?
 その答えが出れば、後は次々と出てくる誘いや依頼、タスクに常に目を光らせ、「これは私のきれいな皿に載せたいものか?」と自分に問いかけるだけです。

優先順位を下げるヒント 2 | 断ることに、ひるまない

 自分の決断をゆるぎないものにするために、ノーと断ることを学びましょう。何にでもイエスと言っていると、不幸への道を突き進むことになります。
 忙しく仕事をしているように感じるのは、多くの場合、イエスと言いすぎた結果です。誰にでもやらなければいけない義務はありますが、イエスと言う対象を適切に管理できて初めて、無理のないペースが見つかるのです。
 NOと言いたいときに、イエスと言うのはやめましょう。常に快く応じるわけにはいきませんし、時には、明確な境界線を引くことも必要です。
 純粋な好意での誘いや、仕事のプロジェクト、コミュニティ活動、委員会、ボランティア、子ども関連の行事や集まりなど、やりがいのある活動にノーと言わなければならないこともあるでしょう。ましてや、とてもやりがいのある活動であれば、ノーと言うことが不適切に思えるかもしれませんし、非常に言いにくいでしょう。それでも言わなければなりません。
 軽くそれを受けてしまえば、どれも中途半端になったり、とんでもないストレスを抱え、失敗と挫折の無限サイクルにはまったように感じたりすることになるでしょう。睡眠不足に陥り、疲労で集中力が低下して、やがて限界に達します。
 この心身を消耗するサイクルから抜け出せなくなる一つの原因は、P87でお話した「みんなの役に立つヒーローになれる」という心の中の幻想です。
 私たちはスーパーマンでもなければワンダーウーマンでもありません。ただの人間で、限界があります。何でもできて、みんなを喜ばせ、どこにでもすぐに駆けつけるという考えは捨てましょう。
 2つか3つのことをきっちりやり遂げるか、全部を中途半端にやるかの、どちらかです。それが現実なのです。

『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』 CHAPTER 2 より マーク&エンジェル・チャーノフ:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 幸せになるために、本当にやりたいこと、本当に必要なこと。
 そんなものは、自分が思っているより少ないものです。

 やりたいことをする時間を作ることは、もちろん大事です。
 しかし、それ以上に大切なのは、やりたいこと以外に費やす時間を少なくすること。

「忙しい」は、思い込みにすぎないことが多いです。
 自分の気持ちに正直に、しっかり取捨選択できるようにしたいですね。

目撃者の視点で今の思考を観察し「手放す」

 私たちの多くは、何かを手放すために苦しんでいます。
「何か」を突き詰めていくと、現実ではないことへの執着に行き当たります。

「手放す」とは、「こうあるべき」という執着や期待を捨てて、「今のままで十分だ」と思えるようになることです。

 チャーノフさんは、「手放す」ことの重要性について執着することは、「過去しか存在しない」と信じるようなものですが、一方で、手放して前に進むことは、「前途に明るい未来がある」と心から理解することだと述べています。

 あるがままを受け入れ、今の自分の思考を観察し、手放し、前へ進むことは、現実に直面したときに誰もが学ばなければならないスキルですが、それを身につけるには時間がかかります。
 そこで、少しでも早くこのスキルを身につけるための新たな視点を10個紹介しましょう。これらの視点をもとに、手放し方を身につければ、手放すべきものを早く発見できるようになるはずです。

手放すための視点 1 | 経験を受け入れて、感謝する

 手放すということは、自分を笑わせたり、泣かせたり、学びや成長を後押ししてくれた経験に感謝することです。それは、自分が持っているすべてのもの、かつて持っていたすべてのもの、さらには前途の可能性を受け入れることを意味します。感謝して人生の変化を受け入れる強さを身につけることなのです。

手放すための視点 2 | しばらく自分自身と距離を置いてみる

 時には、数歩下がって、今直面する状況をはっきりと把握する必要があります。ひと休みして、しばらく他のことを考えるのがベストです。それからスタート地点に戻って、新しい視点で物事を眺めましょう。それによって、周囲のあなたへの見方も変わるかもしれません。スタート地点に戻ることは、その場からずっと離れないこととはまったく異なる結果をもたらします。

手放すための視点 3 | 「変えられること」だけに集中する

 人生には、変えられないものや完全に理解できないものもあります。
 人生を楽しみ、手放すべきものは手放し、自分ができることを把握しましょう。
 自分で変えられないことについて思い悩んで、エネルギーを無駄遣いするのではなく、自分で変えられることだけに集中しましょう。
 もし気に入らないことを自分で変えられないときは、それに対する自分の考え方を変えればいいのです。選択肢を見直し、気に入らないことへの見方を変えて、より素晴らしいことを成し遂げるための出発点とみなしましょう。

手放すための視点 4 | 人生の手綱を握っているのは自分だと自覚する

 あなたに対して責任を負う人は、あなた以外に誰もいません。あなたの人生の手綱を握っているのはあなたです。これまでの生涯を通して、責任を負うべきは両親や教師、上司、さらには教育制度や国、社会などであって、自分にはその責任がない、あるいは自分は被害者だと思ってきたかもしれません。
 でも、責任は常に自分にあります。何かを変えたければ、あるいは手放すべきものを手放し、本気で自分の人生を生きたければ、それを実現できるのは自分しかいません。

手放すための視点 5 | 自分の内面に集中する

 人を助けることも大事ですが、まずは自分を助けることから始めなければなりません。自分に合う場所や影響力を発揮する方法を見つけようとして外ばかり見ているのなら、自分の内面にも目を向けてください。
 今の自分やライフスタイル、生きている実感を与えてくれるものを見直し、これらを大切に育み、よりよいものにすることで、自分を成長させましょう。そして現状を打破しましょう。

手放すための視点 6 | 新しい仲間に目を向ける

 周りの人たちのために自分の幸せや可能性を犠牲にしなければならなくなったときは、一緒に過ごす相手を変えるタイミングです。地域の集まりやオンラインで人とつながったり、もっと支えになる仲間を見つけるときです。

手放すための視点 7 | 心から許す

 許すことは、痛みより幸せを、抵抗より受容を選ぶゆるぎない姿勢です。誰でも間違いを犯し、どんなに優れた人でも深刻な結果を招く愚かなことをしでかす場合があります。
 だからといって、私たち人間がみな邪悪で許しがたいとか、二度と信用できないということではありません。それを理解して受け入れましょう。許すには時間がかかるかもしれません。許す強さが必要ですし、許すときは相手を全力で愛さなければならないからです。こうした真の許しを経て、「この経験をさせてくれてありがとう」と心から言えるようになるのです。

手放すための視点 8 | 自分の変わった癖や間違いを認め、人生を学びの場として受け入れる

 人生は旅です。物事は変化し、人も変化しますが、あなたは、いつでもあなたです。
 ですから、自分を偽ってはいけませんし、誰かや何かのために本当の自分を犠牲にしてはいけません。
 自分がどんなに驚くような人間か、あるいは変わった人間かが明らかになっても、今この瞬間に勇気を持って、ありのままの自分でいなければなりません。
 ひどく弱っているときも、学ぶ意欲があれば、少しだけ強くなれると自覚することが大切です。トラブルやつらい仕事がもたらす最高の成果が、時に、あなたの成長であることはまちがいありません。

手放すための視点 9 | 自尊心を軸にする

「自分は、本当の幸せを手に入れる旅に値するのだろうか?」と迷うことが、旅の最大の難所になることがあります。もちろん、あなたはその旅に値します!
 ですから、自分の心の動きに気をつけて、自虐的な思考はやめましょう。自分は申し分のない人だと信じられたとき、世界は応え始めます。常にそう思えるわけではなくても、自尊心を持ちつづければ、ポジティブな変化が起こり始めます。

手放すための視点 10 | 何をするにも親切であること

 難しい状況にあるときこそ、何をするにも親切であることを心がければ、より効果が上がります。何を話すにも親切な言葉で表現すれば、必ず相手の心をより強く、動かします。ほんの一瞬の親切な行為が、生涯相手にポジティブな影響を与えつづける場合もあります。
 だから、毎日親切でいる選択をしてください。そうすれば、本当の意味で、ストレスの少ない、幸せに満ちた世界に生きることができます。

 最後に、「手放すことはあきらめることではない」と、繰り返し自分に言い聞かせましょう。
 手放すとは、特定の人、結果、状況に対する不健全な執着を捨てることです。
 物事が決まりきった一定の方向に展開するのを期待せず、毎日最高の自分になり、自分にできる最善を尽くそうという意志を持って、人生に臨むことです。
 そもそも私たちは、今の姿をはるかに超えた存在なのですから。

『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』 CHAPTER 3 より マーク&エンジェル・チャーノフ:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 何か新しいものを手に入れたり、新しいことを身につけようとする。
 そのとき、最初にすべきことが“余白”をつくること、つまり「手放す」ことです。

 手放すことは、人生を変えるきっかけであり、何を手放すかが、その後の人生を決めると言っても過言ではありません。

 自分にとって、本当に必要のないものは何か、手放すべきは何かを知ることは、人生の質に直結する重大事です。
 ぜひ、参考にしたいですね。

何もかもうまくいかないとき、思い出してほしいこと

 人生は、「コントロール不可能な状況」の連続です。
 そして、自分がコントロールできるのは自分の反応だけです。

 現実は、ただ起こっていることであり、それに意味付けするのは、私たちの「ものの見方」だということ。

 チャーノフさんは、ものの見方をコントロールしているのは自分だという自覚を持ちつづけること、自分の身に起きたことに対する見方を根本的に変えることによって、そのときはわからなくても、ほぼすべての経験が、その後の自分の成長に役立つと述べています。

 何もかもうまくいかず、乗り越えられないような困難や壁にぶつかったとき。
 大切なのは、世界があなたから何を奪うかではなく、手元に残されたもので、あなたが何をするかだということです。

 そこで、人生の逆境やうまくいかない状況にあるときに必要になる「ものの見方を変えるヒント」を7つ紹介します。

ものの見方を変えるヒント 1 | 成長に痛みはつきものである

 前に進むべきときだからこそ、扉が閉ざされることがあります。追い込まれない限りなかなか行動しない私たちにとって、これは望ましいことです。物事がうまくいかないとき、「意味もなく痛みは生じない」と自分に言い聞かせましょう。もがき苦しんでいるからといって、失敗するわけではありません。素晴らしいことを成し遂げるには時間がかかります。辛抱強く、前向きでいましょう。

ものの見方を変えるヒント 2 | 人生のすべては、一時的なもの

 雨が降れば、必ず太陽がまた顔を出します。傷を負えば、必ずその傷は癒えます。暗闇の後には必ず光が現れます。
 私たちは毎朝そのことに気づかされますが、たびたびそれを忘れて、永遠に夜がつづくと思い込んでしまいます。すべての瞬間が新たな始まりと新たな終わりをもたらします。刻一刻と新しいチャンスは訪れます。一か八か挑戦し、チャンスをものにしてください。

ものの見方を変えるヒント 3 | 心配しても文句を言っても何も変えられない

 文句ばかり言う人は、大したことを成し遂げられません。何か大きなことをやろうとして失敗するほうが、文句ばかり言って何もしないより、ずっとましです。それに、失敗したら終わりなのではありません。
 信じていることがあるなら挑戦し、昨日のことについて文句を言いながら今日を過ごすのはやめましょう。そうでなければ、明るい明日はやってきません。

ものの見方を変えるヒント 4 | 小さな試練が前進につながる

 何かに挑戦するなら、時間をかけて徹底的に取り組んでください。しばらくの間、不安定で不快な状態に置かれて、時に平静さを失うこともあるでしょう。コンフォートゾーンをぎりぎりまで押し広げた結果、血の気が引く思いを幾度となく味わうかもしれません。親しい人との関係を犠牲にする可能性もあります。仲間から批判されることだってあるでしょう。しばらく孤独になるかもしれません。

でも、やりたいと思ったらやってみましょう。

 一歩一歩進むにしたがって、想像以上に気分がよくなります。道の途中で試練に遭遇するのではなく、その道自体が試練だとわかるでしょう。

ものの見方を変えるヒント 5 | 他人のネガティブな感情に振り回されない

 人から粗末に扱われても、自分らしさを貫いてください。他人の恨みに引きずられて、自分を変えてはいけません。代わりに、その相手を反面教師にして、自分の熱意と集中力を保ってください。
 とくに、自分を不十分だという相手に好印象を与えるためだけに自分を変えてはなりません。何をしても、どんなにきちんとやり遂げても、陰口をたたく人はいます。何かを強く信じているなら、そのために闘うことを恐れてはなりません。

ものの見方を変えるヒント 6 | 結局、なるようになる

 泣きたいことや文句を言いたいことがたくさんあるのに、笑顔で人生に感謝することを選んだとき、真の強さが身につきます。
 自分の人生を愛するということは、自分の直観を信じて挑戦し、失敗してもそこに幸せを見つけ、思い出を大切にし、経験から学ぶことです。それは長い旅です。いちいち心配し、戸惑い、疑うことをやめなけれはなりません。そうすれば、最初に目指した場所ではなくても、やかて「いるべき場所」にたどり着きます。

ものの見方を変えるヒント 7 | 一番大事なのは、つづけること

 再び挑戦し、愛し、生きて、夢見ることを恐れてはなりません。苦い教訓によって、心を固く閉ざしてはいけません。人生最高の教訓は、最もつらい時期に最大の失敗から得られることが多いからです。
 何もかも、ことごとくうまくいっていないと思えることもあるでしょう。そういうときは、そのどうしようもない状況から永遠に抜け出せない気がするかもしれませんが、決してそんなことはありません。
 さじを投げたくなったら、物事がうまくいく前にどん底を経験しなけれはならない場合もあることを思い出してください。最高の状態に達するためには、時に最悪の状態に耐えなければならないのです。

『さあ、本当の自分に戻り幸せになろう』 CHAPTER 5 より マーク&エンジェル・チャーノフ:著 矢島麻里子:訳 ディスカヴァー・トゥエンティワン:刊

 同じようなトラブルに遭ったとき、右往左往する人もいれば、泰然自若としている人もいます。
 それは「ものの見方」の違いによるということです。

 ものの見方は、心のクセに起因します。
 クセですから、生まれつきのものではないし、直すこともできますし、新しく身につけることもできます。

 自分ではどうにもならないようなピンチが降りかかったとき。
 それは、ものの見方を変えるチャンスでもあるのですね。

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 人生とは、一瞬一瞬の小さな前向きな行動が、ある日振り返ったときに、価値あるもの、始めたときに思い描いたものとは違う、たいてい、それよりもはるかによいものになっているものです。

 ローマは一日にして成らず。
 行動を積み重ねること以外に、自分の望む人生を手に入れる方法はないということですね。

 チャーノフさんは、小さなことからでも、とにかく始めること、そして、毎日の習慣にすることが必要だとおっしゃっています。

 習慣を変えるのは、思っているより難しいことです。
 新しい行動を習慣にするためには、少しずつでもいいから、とにかく続けることが大事。

 自分を劇的に変えてくれる、でも、誰にでも簡単にできる。
 本書には、そんな魔法のような習慣がぎっしりと詰め込まれています。

「本当の自分」になりたい。幸せになりたい。
 そう願うすべての人に読んで頂きたい珠玉の一冊です。

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