本一冊丸かじり! おいしい書評ブログ

本を読むことは、心と体に栄養を与えること。読むと元気が出る、そして役に立つ、ビタミンたっぷりの“おいしい”本をご紹介していきます。

【書評】『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』(八木仁平)

お薦めの本の紹介です。
八木仁平さんの『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド』です。

八木仁平(やぎ・じんぺい)さんは、株式会社Meeeの代表取締役です。

やりたいことで「成長し続ける」無限ループに入る方法

「『何か』やりたいけれど、『何がしたいのか』が分からない・・・・・」

そんな悩みを抱えている人は多いでしょう。
八木さんも、以前は何かやりたいけれど何をやればいいか分からずエネルギーを持て余していたそうです。

 あなたには、この本を読んで「やりたいこと」で成長し続ける無限ループに入っていただきます。

  • 自分の「やりたいこと」を学び成長する
  • 学んだことを人に提供してお金と感謝をセットで受け取る
  • そして、成長したスキルでより高い報酬を受け取る

こんな好循環に入ってもらうのがこの本の目的です。この無限ループに入るために最も重要なことが『やりたいこと』を見つけるという作業です。
「やりたいこと」以外を仕事にしてしまうと、せっかくこのループに入れそうな時に「もしかすると他の道を進んだほうがいいのかな?」と不安になったり、「あっちの方が楽しそうだ・・・・・」と途中まで登った道を引き返してしまい、また振り出しに戻ってしまうからです。
「やりたくないこと」を仕事にしていると、2つの悪循環にハマってしまいます。
1つ目は仕事自体がストレスだから、そのストレス発散のためにお金が消えていってしまうパターンです。なんとなく誘われた飲み会に行ったり、娯楽にお金を使ったり、必要ではないブランドの服を買ってしまったり、お金が消える先は無限にありますね。
2つ目は仕事に興味がないから、時間があっても学ぶことがなく成長しないパターンです。家に帰ってもスマホを片手にYouTubeに明け暮れ、生産性のない時間を過ごしてしまっている人はいませんか?
時間を潰せる娯楽は大量にあるので、「やりたいこと」が明確にない人は無限に時間を吸い取られてしまいます。
この2パターンによって、「やりたいこと」を仕事にできていない人は、成長が止まってしまうのです。
そうなると、最初からつまらない仕事が成長しないことによってさらに退屈になっていくという、言わば「負のループ」にハマって、徐々にモチベーションを失っていきます。
あなたもこの「負のループ」にハマりかけていないでしょうか?

「そんなこと言われても私にはそんな夢中になれるやりたいことなんてないよ」と思う方もいるかもしれません。
確かに過去の僕もそう思っていましたし、僕のもとに相談に来てくださるクライアントも最初は皆さんそう言います。
けれど安心してください。「やりたいこと」探しは、全く難しいものではありません。数学の問題を解くのと同じで、「やりたいこと」探しにも公式があります。
僕はこれを「自己理解メソッド」と呼んでいます。
「自己理解メソッド」に従って、自分の「やりたいこと」探しを終わらせたクライアントは、最初であった時とは別人かと思えるほどに顔色が明るくなり「これが私のやりたいことです!」と自信を持っていえるようになって、生活が充実し始めます。
そうして劇的に変化していくクライアントを見て、僕はこう確信しました。「やりたいこと」がない人がいるのではなく、「やりたいこと」の正しい見つけ方を知らない人がいるだけ、だと。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 はじめに より 八木仁平:著 KADOKAWA:刊

すべては「やりたいこと」を見つけることから。

本書は、誰でも「やりたいこと」を見つけることができるノウハウ『自己理解メソッド』をわかりやすくまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「やりたいこと」を見つけるために「自己理解」が必要な理由

なぜ、「やりたいこと」を見つけるために、自己理解が必要なのでしょうか。
八木さんは、その理由を今世の中が複雑になりすぎているからだと指摘します。

「VUCA」という言葉を知っていますか? VUCAとは4つの単語「Volatility(変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って作られた単語です。あらゆるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が次々と発生するため、将来の予測が困難な状態を指す言葉です。
選択肢が多くなると、やりたいこと選びは難しくなります。
コロンビア大学の実験で分かった「ジャムの法則」を知っているでしょうか?
スーパーの試食でジャムを24種類準備したら、試食して購入した人は3%しかいませんでした。そのジャムの種類を6種類に減らしたところ、試食して購入した人がなんと30%に増加したのです。
人は、選択肢が多いと「選択しない」という選択をします。だから24種類のジャムは売れないのです。
やりたいことが決められない人も同じです。
多すぎる選択肢の前で立ち止まって「選択しない」という選択をして、やりたいことを決めるのを先延ばししてダラダラと生きてしまいます。
また、「やりたいことが分からないのは行動が足りないからだ!」と新しく興味のあることに手を出しても、さらに選択肢が増えてますます分からなくなるのです。

ではそんな選択肢の多い複雑な世の中で、自分の進む道を決断するにはどうしたらいいのでしょうか?
最も危険なのは、「どの道を進むのが一番メリットがあるだろうか?」と頭で考えて判断することです。時代の変化が早い中で、今メリットがある選択がすぐにメリットの少ない選択になってしまうことは普通にあり得ます。
今から30年前の1989年には、世界の時価総額ランキングでTOP50社のうち日本企業が32社を占めていました。しかし、2018年現在、TOP50社のうち日本企業が何社あるかご存じですか?
なんとトヨタ自動車たった1社です。30年でこれだけ社会状況が変化します(下の図1を参照)。
今あなたが「こっちの道に進んだほうがメリットがある!」と考え行った選択は、10年後20年後には、メリットがなくなっている可能性か高い、ということです。周りの独立している友人を見ていても「今は仮想通貨が稼げそうだ!」「プログラミングが稼げそうだ!」と流されている人は、メリットがなくなればすぐにその場からいなくなっています。
もちろんそんな友人は仕事も上手くいっていません。迷い続ける人はこのように「どうすべきか? どちらにメリットがあるだろうか?」と頭で考えてしまっている人です。変化の早い時代に僕たちは、「どちらがメリットがあるだろうか?」という頭の判断とは、根本的に違う判断基準を持つ必要があります。
その判断は「どうしたいか?」という心の基準です。
無数にある目の前の選択肢の中から「どうすべきか?」というメリット重視の判断では、選びきれない時代になりました。けれど「どうしたいか?」という心の基準であれば、選ぶのは簡単です。
自分が興味があること、自然と惹きつけられること、価値観がマッチしていること、という自分の内側にある基準で選びましょう。
無数にある選択肢を、自分のフィルターに通すだけでほんのいくつかに絞ることができます。
VUCAな外の世界とは違って、あなたの内側の世界は大きくは変化しません。だから、一度決断してしまえば、迷いもなくなるので時代がどう変化しようとブレずに行動していくことができます。
あなたが今迷っている根本的な原因は、選択基準が間違っているからです。
「どうすべきか?」というメリットデメリットを気にしてばかりでは答えは見つかりません。状況が変われば決断が変わってしまうからです。だから迷い続けてしまいます。
見つかったように感じても、間違った選択基準を使って出た答えは、熱意が湧かない自分にとってどうでもいい仕事です。
僕自身もメリット重視で考えていたときは、ずっと迷い続けていました。
Twitterを見ては有名人の言葉に惑わされ。
自己啓発書を読むたびに影響され。
いつも人の考えに揺り動かされていたので、自分の軸がないと常々感じていました。そしていつも迷っているので仕事も上手くいきません。自分の軸がない状態は、未来が分からないのでとても不安でもありました。
今そうなっている方は、考え方を根本的に変える必要があります。自分の判断基準を外側にある「他人軸」に頼るのではなく、内側にある「自分軸」に切り替えなければいけません。
変化の激しい時代だからこそ、自分の中のブレない軸を持つ必要があります。
そうすれば、この複雑な社会の中でも、流されずに芯を持って生きていくことができるようになります。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 2 より 八木仁平:著 KADOKAWA:刊

図1 世界時価総額ランキングTOP50社の推移 世界一やさしい やりたいこと の見つけ方CHAP2
図1.世界時価総額ランキングTOP50社の推移
(『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 2 より抜粋)

今、もてはやされている業界や仕事だからといって、10年後20年後も同じとは限りません。
メリット重視の考え方は、理にかなっているようで、大きな落とし穴があるということです。

一方、どんな時代でも変わらないのは「どうしたいか?」という心の基準です。
自分の中にブレない軸を持つことが何より大切だということ。

これから先、どんな世の中になるのか、誰もわかりません。
複雑な社会だからこそ、働き方の基準はシンプルに決めたいですね。

「やりたいこと」とは、結局なんなのか?

「自己理解メソッド」は、以下の3本柱から成り立っています。

1.好きなこと
2.得意なこと
3.大事なこと

「好きなこと(情熱)」とは、興味・好奇心を感じる分野のことです。

「得意なこと(才能)」とは、成果を出すために使える無意識な思考・感情・行動パターンのことで、私たちが無意識に自然とやってしまうことです。

「大事なこと(価値観)」とは、何のために生きるかという人生の目的のことです。

この3つの要素を組み合わせると、以下の2つの公式にまとめられます(下の図2を参照)。

図2 やりたいこと探し の2つの公式 世界一やさしい やりたいこと の見つけ方 CHAP3
図2.「やりたいこと探し」の2つの公式
(『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 3 より抜粋)

八木さんは、公式①の『好きなこと×得意なこと=やりたいこと』を、以下のように解説しています。

「やりたいこと」とは「『好きなこと』を『得意なやり方でやる』こと」なので、図で表すとこんなイメージとなります。

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例えば「ファッションが好き!」は本書で言う「やりたいこと」ではありませんよね。興味分野のことですので、つまり「好きなこと」に分類されるものです。「物作りをしている時は楽しい!」もまた「やりたいこと」ではなく、「得意なこと」に分けられるものですね。そして、この2つを組み合わせて「ファッション関連の物作りをしたい!」となると、ここで初めて「やりたいこと」の完成です。
言い換えれば、「やりたいこと」は「What(何を)×How(どうする)」の組み合わせです。「What=好きなこと」で「How=得意なこと」です。

・What=ファッション
・How=物作りする
・What×How=ファッション関連の物作りをする

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多くの人は「What」だけを考えた結果、仕事選びを失敗します。「食べものが好きだから食品業界に入ろう!」だけではダメなのはそういうことです。その会社での自分の役割が「得意なこと」でないと仕事は苦痛でしかありません。
ですので、「本が好き! だから書店で働こう!」という考え方には「ちょっと待った!」をかけます。「本(What)」が好きだからと言って、「書店での仕事内容(How)」が好きとは限りませんよね。「やりたいこと」を考える時は、具体的な仕事内容(How)も自分に合っているかを考えるのが大切なのです。

僕の場合は「自己理解を体系立てて伝えること」が「やりたいこと」です。「自己理解」が「好きなこと」。自己理解については興味が溢れて止まりません。そして、「体系立てて伝える」が「得意なこと」になります。日々学んだことを整理して人に話すのは、仕事じゃなくても自然とやってしまうので無意識にできる「得意なこと」です。

・What=自己理解
・How=学んで人に伝える
・What×How=自己理解を学んで人に伝える

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同じ「好きなこと」を持っていても、「得意なこと」が違えば「やりたいこと」も変わります。
例えば同じ「自己理解」が「好きなこと」でも「人の話を聞いて引き出す」のが得意な人は、相手の話を聞いて引き出して、気づきを得てもらうのが「やりたいこと」になるでしょう。仮に本を書いても、僕のように体系立てて説明していくというよりは、もっと読者への共感が中心になるはずで、完成した本も全くと行っていいほど別物になると思います。
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また、同じ「得意なこと」を持っていても、「好きなこと」が違えば「やりたいこと」も変わってきますよね。
同じ「体系立てて伝える」という「得意なこと」を好きなのが「スポーツ」の場合は、「スポーツについて体系立てて伝える」が「やりたいこと」になります。
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これが、本書での「やりたいこと」の定義です。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 3 より 八木仁平:著 KADOKAWA:刊

仕事を選ぶときに「What(何を)」だけで選んではいけないということ。
それよりも「How(どうする)」が大事になります。

スポーツが好きだからといって、スポーツ選手にならなくてはいけないわけではありません。
スポーツに関わる仕事は、他にもいくらでもありますね。

自分が興味がある好きな分野に、自分が得意な手段でアプローチする。
それが本当の「やりたいこと」になるということです。

働き方を決める上で最も重要な「大事なこと」(価値観)

公式①から求められる「やりたいこと」を仕事にするだけでも、ある程度は夢中になれます。
けれど、まだ不完全です。

最後に残された柱が、「大事なこと」(価値観)です。

八木さんは、働き方も3本の柱が揃って初めて「本当にやりたいこと」と言えると述べています。
「本当にやりたいこと」は、下の公式②にまとめられます。

「公式② 好きなこと×得意なこと×大事なこと=本当にやりたいこと」

では、「大事なこと」(価値観)とは、具体的にどのようなものなのでしょうか。

僕の提唱する「自己理解メソッド」の最後の要素は、「大事なこと」です。「価値観」という呼び名のほうが聞き慣れている方が多いかもしれません。
「公式① 好きなこと×得意なこと=やりたいこと」で説明した「やりたいこと」は行動を表しています。一方「大事なこと」は、状態を表しています。
例えば「自由に生きたい」「人に優しく生きたい」「安心して生きたい」「穏やかに生きたい」「熱中して生きたい」などが「大事なこと」の一例です。
どれも行動ではなく状態だということが分かってもらえるでしょう。英語で言うとDoingとBeingになります。
「好きなこと×得意なこと」という行動だけではなく、状態も合わさって、初めて「本当にやりたいこと」になるのです。

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どれだけ「やりたいこと」をやっていても、残業だらけで自分の時間が取れていなくて、しんどさを感じているなら、その働き方は自分に合っていないことになります。それは、「大事なこと」が満たされていないからです。
本当は時間の自由を得て家族との関係を大事にしながら働きたいと感じているのに、その働き方をしているとしたら、その人は不幸でしょう。けれど「仕事こそが一番自分の人生で大事!」と思っている人にとっては、今の状態こそが理想の状態かもしれません。反対に仕事とプライベートをみんながきっちり分けているという環境に、不満を感じそうですね。
このように、「やりたいこと」をしている時にさらに「大事なこと」も満たしている状態こそが、「これが本当にやりたいことだ!」となります。
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「何のために働くのか?」という質問に対しての答えが「大事なこと」です。
「自由に生きたいから働く」「安心して生きたいから働く」「穏やかに生きたいから働く」「熱中して生きたいから働く」「など、答えにもちろん正解はありません。自分がその目的に対して心の底から「このために働いている!」と言えれば、働く目的もなんでもOKです。

「大事なこと」は自分の内側に向く場合と「他人や社会」などの外側に向く場合があります。「大事なこと」が自分の内側に向くと、人生の目的が決まります。「大事なこと」が他人や社会など外側に向くと、仕事の目的が決まります。
例えば、僕の場合は、こんな風になります。

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この「仕事の目的」はとても重要です。他人へ貢献している実感が得られることは、仕事でのとても大きなモチベーションになるからです。僕も仕事で一番嬉しい瞬間は、クライアントから「『やりたいこと』が見つかりました!」と報告を受けた時です。「自己理解プログラムやっていて良かった!」という気持ちになる瞬間です。

では、どうすれば自分が「心から『やりたいこと』の結果としてこういう価値を与えたい!」と感じる仕事の目的が見つかるのでしょうか?
それは「大事なこと(価値観)」が明確になれば、自然と見つかります。
例えば僕は「夢中」ということを大事にしています。何かに没頭しているときこそが自分にとって、最高に幸せで価値がある時間だと思うのです。そんな価値のあるものを、自分と関わってくれた人にも手に入れて欲しいなと感じています。だから僕の仕事の目的は「夢中に生きられる人を増やす」と定めています。
自分がとても価値を感じていることだから、全力で他の人にもやっている仕事を広めていくことができています。
そして、僕の掲げている「夢中」という価値観に共感してくれた方が、続々と僕の提供する自己理解プログラムを受講してくれるようになっています。
持っている「大事なこと(価値観)」が内側に向くと、自分の生き方が決まります。その「大事なこと(価値観)」が他人や社会など外側に向くと、仕事の目的が決まります。
そのような仕事を作り出すためには、まずは「価値観」を明確にしましょう。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 3 より 八木仁平:著 KADOKAWA:刊

「大事なこと」(価値観)は、多種多様です。
それこそ、人の数だけあるといっても過言ではありません。

自分だけが知っていて、自分にしか見えない。
だからこそ見つけるのは大変ですが、見つけたときに、それ以上ない武器になります。

「自分を変える努力」から「自分を活かす努力」へ

好きなことが見つかっても、それを仕事にする自信がない。

そんな心理的なブレーキを外すには、「得意なこと」を理解することが一番です。

得意なことは、「クセ」のようなもので、無意識に自然とやってしまうことですから、自分ではなかなか気づくことが難しいです。

八木さんは、時間をとって自分の行動を振り返ることで、自分が無意識にできる「得意なこと」を見つける必要があると述べています。

 もし、あなたが今「自分には短所しかない」と思っているとしたら、それはチャンスです。
「得意なこと(才能)」とは、それ自体はただの「クセ」でしかありません。クセなので、良いも悪いもないのです。その「クセ」をどう認識するかで、「長所」にも「短所」にもなります。
例えば、「物事に慎重に取り組む」というのは1つの才能です。ミスのない作業を求められる仕事をすればそれは、長所になります。しかし、スピード感を求められる仕事をすれば、それは短所になります。
自分の得意なこと(才能)がどうすれば長所として発揮されるのかを理解してなければいけません。

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過去の僕も短所にばかり注目していました。僕が感じていた自分の短所は「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」というもの。
「たくさん友達がいて好かれている人間にならねば・・・・・」と思ってずっと生きてきました。それを克服するためにヒッチハイクを100回やったりもしました。しかし、僕の初対面の人に対する心理的ハードルは何も変わらず、憧れていたような多くの友人がいる人間になることはできませんでした。
短所をなくそうとする努力は苦しく、その先には「自分は努力しても変われない」という自己否定しかありませんでした。
短所をなくそうとするのではなく、視点を変えてみましょう。一見、短所にしか見えない「人と長時間一緒にいると消耗して疲れる」という才能を別の視点から見た場合、どんな長所になるでしょうか?
僕の場合は「1人で物事に没頭できる」という長所に変わりました。ブログをコツコツ書き、本を出版することができたのも、「1人で物事に没頭できる」という長所があったからです。
ずっと「1人ですごすのが好き」という才能を否定して、自分がしんどいけれど人の輪の中でニコニコする自分を選択していた場合、僕は無個性でつまらない人間になっていたでしょう。
僕が今こうして文章を書いて生活ができているのは、自分の才能を長所と捉えることができたからです。
努力は必ず報われるというのは嘘です。苦手を克服する努力は意味がありません。むしろ自分の苦手なことばかりに着目せざるを得なくなるので、自己否定が加速していくだけです。
「妻と義母」という隠し絵をご存じでしょうか?
1枚の絵に描かれた人物が、奥を見ている若い女性か、横顔を見せている老いた女性に見えるという絵です(下の図3を参照)。
これは「得意なこと(才能)」のイメージにピッタリです。どんな「得意なこと」も、見方次第で長所にも短所にもなります。ですので、人それぞれ持っている才能に優劣はありません。大事なのは、自分の持っている「得意なこと」を理解して、上手く活用できるようになることです。
考え方を根本的に変えましょう。「自分を変える努力」は今後一切必要ありません。「自分を活かす努力」を始めましょう。
あなたには、才能が足りないのではありません。持っている才能の使い方を知らないだけです。ここで、あなたの短所を一瞬で長所に変えてしまう簡単な方法を伝えておきます。
それは「〜だから」という言い訳を「〜だからこそ」に言い換える方法です。
例えば、人見知りだから、新しい友達がなかなかできない」と考えていたとします。
この「だから」を「だからこそ」に言い換えてみましょう。そうすると「人見知りだからこそ、大事な人とじっくり向き合うことができる」や「人見知りだからこそ、1人でじっくり考える時間を取ることができる」と一瞬で長所に言い換えられます。
この「得意なこと(才能)」と長所・短所の関係を100種類のリストにまとめて巻末特典としてつけています。ぜひ自分のクセを上手く長所として使うために活用してください。
自分を変える努力はおしまいにして、自分を活かす努力を始めましょう。

『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 5 より 八木仁平:著 KADOKAWA:刊

図3 妻と義母 の絵 世界一やさしい やりたいこと の見つけ方 CHAP5
図3.「妻と義母」の絵
(『世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方』 CHAPTER 5 より抜粋)

自分が「短所」だと思い込んでいることは、生まれ持った「才能」であり「個性」です。
それらは、見方によって「短所」にもなるし「長所」にもなります。

大切なのは「短所」をなくそうとしないこと。
視点を変えて「短所」を「長所」とみなし、それを伸ばすこと。

「〜だから」という言い訳を「〜だからこそ」と言い換える。
「自分を変える努力」ではなく「自分を活かす努力」をする。

自分の中に眠る才能を見つける達人を目指したいですね。

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆
 私たちがまずやるべきことは、今一番やりたいことをここで決めることです。

八木さんは、将来のために生きるよりも、今一番やりたいことに本気で向き合っているうちにずっとあなたは成長するとおっしゃっています。

「やりたいこと」を見つけるために私たちがすべきことは、たった3つ。

1.大事なこと(価値観)を見つける
2.得意なこと(才能)を見つける
3.好きなこと(情熱)を見つける

仕事として成り立つのか、お金が稼げるのか。
そんなことは考えないで「やりたいこと」を見つけること。

「やりたいこと」に全力投球しているうちに、本当に自分が進むべき道が拓けてきます。

価値観が多様化し、いろいろな働き方が可能になった今の世の中。
だからこそ、仕事を選ぶうえで「やりたいこと」がますます重要となってきます。

自分を知り、自分の強みを活かす。
シンプルで実用的な本書は、そのためのツールとして最適の一冊だといえます。

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