【書評】『努力革命』(伊藤羊一、尾原和啓)
お薦めの本の紹介です。
伊藤羊一さんと尾原和啓さんの『努力革命 ラクをするから成果が出る! アフターGPTの成長術』です。
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伊藤羊一(いとう・よういち)さんは、アントレプレナーシップを抱いて活動する次世代リーダーを育成するスペシャリスト
です。
現在、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)の学部長を務められています。
尾原和啓(おばら・かずひろ)さんは、インドネシア・バリ島に在住のIT批評家です。
Fringe81執行役員や経産省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターアドバイザーも務められています。
いま、「努力革命」が起きている!
著者は、ChatGPTの登場によって起きたのは、「努力革命」というゲームチェンジ
だと指摘します。
ChatGPTがビジネスの世界にもたらした変化は、以下の3つに集約されます。
・「80点」が合格ラインでなくスタート地点になる
・あらゆる物事は個別化していく
・正解主義から修正主義へ
> 変化その1 「80点」が合格ラインでなくスタート地点になる
2023年11月に「Microsoft 365 Copilot(コパイロット)」が、日本でも一般企業向けにサービスを開始しました。
コパイロットとは、日本語で言えば「副操縦士」、WordやExcel、TeamsやOutlookなど、普段使っているMicrosoft 365にAI支援機能を搭載したものです。
「Microsoft 365 Copilot」を使うと、わざわざプロンプトを入力しなくても、生成AIが僕たちの代わりに仕事をしてくれるようになります。Teamsでのオンライン会議が終わると、AIが議事録を作成して、Outlookのカレンダーやタスク表に、それぞれの役割に応じたToDoリストが反映されます。
たとえばあなたが人事の採用担当責任者だったら、「来季、エンジニア採用を強化するという議論がありました」「ついては採用市場のリサーチをした方がいいです」などと教えてくれます。「どうしてエンジニア採用を強化するの?」と質問すると、議事録をもとに答えてくれます。同じように「Notion(ノーション)」や「GitHub(ギットハブ)」などのビジネスツールにも、すでに生成AIが搭載されています。意識しなくても、生成AIが僕たちの仕事を先回りしてくれるようになるわけです。
たとえばA社にプレゼンに行くことが会議で決まったら、「A社にプレゼン」というToDoが自動的にカレンダーに表示されます。それをクリックすると、前回A社に行ったときの商談内容を要約してくれます。そこから、プレゼン資料の叩き台までつくってくれます。
僕たちがやることは、AIがつくった叩き台から良いものを選び、「見積もりの数字はこれでいいのかな・・・・・他社の価格動向を調べてみてくれる?」などとAIに細かな調整をしてもらい、あとは実際に訪問するだけです。
いわば100点満点中、80点までの仕事は、どんどんAIが先回りしてやってれる。ホワイトカラーと呼ばれる職種の人たちがやってきたのは、多くがこの「80点までの仕事」です。議事録作成やスケジュール調整、市場リサーチ、資料作成などの仕事に時間を使って、上司の判断を仰ぐところまでが、仕事の大部分だったわけです。
それだけでは経営陣にまで出世できないとしても、「80点までの仕事」をこなし、上司の指示に従っていれば、とりあえず給料はもらえました。しかし、それをAIがやってくれるようになったら、80点は、合格ラインではなく、単なるスタート地点ということになります。
「80点とれます」は、試合への単なるエントリー。その先、いかに100点まで高められるか、さらに120点を目指せるかが勝負になります。リクルートでは、サービスを設計するとき「あたりまえ価値」「ワクワク価値」という言い方をします。
「あたりまえ価値」とは、は最低限クリアしておかなければならない水準です。
ユーザーになにか提案するとき、要件を満たしていることはあたりまえで、ここで失点したら話にならない。その上で「ワオ!」と感動させられる水準まで持っていって初めて、お客さんが惚れ込んでファンになってくれる。
そこで、いかに時間をかけず「あたりまえ価値」をクリアするか、その上で「ワクワク価値」に注力できるかが問われます。実はこの考え方こそが、リクルートが持つ強さの源泉です。これからChatGPTが「あたりまえ価値」までやってくれるようになると、僕たちはみんな「ワクワク価値」という土俵で勝負することになります。
いかに「ワオ!」を生み出せるか。お客さんが惚れ込んでくれるものをつくれるか。そんな競争になっていきます。こうなると「優秀さ」の定義も変わっていきます。
これまでは、こんな能力を持つ人が「優秀」だとされてきました。与えられた問題に正しく答える。
命じられた仕事を間違いのないようにこなす
ルールを理解して、きちんと守る
たくさんの知識を暗記し、論理的に組み立てて考えるこうした仕事は、まさにChatGPTが得意とするところなので、ChatGPTにやってもらえばいい。
これから求められるのは、ここをスタート地点として、その先でどれだけ「ワクワク価値」を高められるかという「優秀さ」です。> 変化その2 あらゆる物事は「個別化」していく
ChatGPTの特徴のひとつに「個別化」があります。
たとえば「新NISAってなに?」と質問すると、一般的な回答を返してくれますが、「小学生でもわかるように説明してください」というと、よりわかりやすく回答し直してくれます。
「すでにiDeCoをやっている人が、新NISAも始めるときに、注意しなければならないことはありますか?」など、質問者の事情に合わせて、いくらでも個別に回答してくれます。これを学校教育に応用してみると、どうなるでしょうか。
これまでは1クラスに35人が集まって、同じ授業を聞くのがあたりまえでした。
学習スピードについていけなければ落ちこぼれの烙印を押され、逆に、とっくにわかっている得意科目でも先に進めず、みんなを待っていなければなりませんでした。ところがChatGPTの登場によって、この常識は大きく変わります。
ChatGPTを先生にすれば、教科の内容わからないところがあっても、「ちょっと難しいから、小学校2年生でもわかるように説明してください」と尋ねれば、何度でもわかるまで説明してくれます。
学習の進みぐあいや興味に合わせて、ChatGPTが一人ひとりにカスタマイズした幅の階段をつくってくれるので、誰もが階段を上りやすくなります。これまで僕たちは、階段の幅に自分を合わせなければいけませんでした。でもChatGPTを使えば、自分に合わせて階段の幅を変えられるようになります。
学校教育だけではありません。
ビジネスの現場でも、たとえば「100人の能力や適性に合わせて100通りのマニュアルをつくってください」と言えば、あっという間につくってくれるようになるでしょう。
1000人の顧客がいれば、1000通りのセールスレターをつくってもらうこともできます。このような「個別化」が進むことで、ビジネスや社会のあり方は大きく変わっていきます。
> 変化その3 正解主義から修正主義へ
これまで僕たちは「物事には正解がある」という前提のもとに生きてきました。
有名大学を卒業して大企業に入る。「正解」と呼ばれるコースがあり、そこを上手に進める人が成功者とされる。そんな社会です。たしかにこれまでは「正解」がありました。
自動車をつくるのに必要なのはミスがないことです。どんなにデザインが優れていても、ブレーキの利かない車があっては命に関わります。
いかにミスなく品質の高いものを提供できるか。そのために必要なのは最短距離で正解にたどりつく力でした。
正解主義で回る社会というのは、戦後日本勝ちパターンだったわけです。しかし、あらゆるものにAIが埋め込まれ、80点の答えを先回りして準備してくれるようになると、もはや正解を出す力だけでは勝負できません。
そうなると、いかに修正を繰り返しながら、より良いもの、みんなが納得するものをつくれるかが鍵になります。リクルート初代フェローから東京都で初めて公立中学校の民間人校長に採用され、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部(武蔵野EMC)客員教員である藤原和色さんは、この変化を「正解主義から修正主義へ」と言っています。
つまりこれからは、「一発必中」で正解を出せる人よりも、不完全でもいいから数を打って、その中で軌道修正しながら正解を見つけていける人のほうが、有利なのです。これまでの正解主義から抜け出せない人は、AIと競争することになり、努力しても成果は上がらず、疲弊しています。
一方、こんな力を持っている人は、修正主義の社会で活躍のチャンスが広がります。
「これ好き!」「面白い」を発信できる人
「だってやりたいんだもん」と言い切れる人
卒なく満遍なくこなすよりも、ひとつのことが圧倒的に尖っている人すでに、そんな変化の兆しを感じ取っている人も多いのではないでしょうか。
偏差値の高い大学を出て高倍率を潜り抜けたテレビ局員より、YouTubeなどでエッジの効いた発信をする人が社会的な成功を収めている。
成功した起業家を見ると、ちょっと非常識な変わり者が多い。
一方、「真面目でいい人」ほど、長時間労働に疲れ果てている。
真面目に勉強して、会社で評価されて出世しても、「暮らすのに困らない」生活が約束されているだけで、報われない。活躍している人たちの共通点は、正解探しの呪縛からいち早く解放されて、自分の「好き」を追求していることです。
動画やSNSの普及によってもたらされきたこの10年の変化が、生成AIの台頭によって不可逆の変化となって定着しつつあるということが、いま起きていることなのです。『努力革命』 序章 より 伊藤羊一、尾原和啓:著 幻冬舎:刊
著者は、これからやってくるのは、これまで日本で「常識」とされてきたことの「逆」の世界
だと指摘します。
本書は、ChatGPTを使い、これまで囚われていた常識を脱ぎ捨てて、「逆」へとアップデートする方法
をわかりやすく解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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ChatGPTで「壁打ち」する5つのステップ
著者は、ChatGPTは、正解を検索するツールではなく、対話(チャット)しながら新しいものを一緒につくっていく「共創」のツール
であり、壁打ちの相手として利用することで、最も本領を発揮する
と述べています。
具体的には、「ざっくり→じっくり」の、以下の5つのステップ
で行います。
ステップ1 まずはざっくり
ステップ2 問題を小分けにする
ステップ3 打ち手を考える
ステップ4 絞り込む
ステップ5 じっくり質問を繰り返す
> ステップ1 まずはざっくり
では、ChatGPTを活用した「壁打ち」のやり方についてお話ししていきましょう。
ChatGPTに質問するときのコツは「まずはざっくり」です。|Q キャリアアップのために大切な要素を教えてください。
このくらいざっくりした質問で大丈夫です。
こう質問すると、以下のような回答が得られます(ChatGPTの回答は毎回異なるので、これはあくまでも一例です)。|A キャリアアップのためには、いくつかの重要な要素があります。いかに、その要素をいくつか挙げてみます。
|1.目標設定:まず、どのようなキャリアを望んでいるのか、どのようなポジションになりたいのかを明確にすることが重要です。明確な目標がないと、どの方向に進むべきかわからなくなります。
|2.スキルの獲得と向上:キャリアアップのためには、必要なスキルを身につけることが不可欠です。自己啓発書の読書やオンラインコースの受講、実務経験の積み重ねなどを通じて、自身のスキルセットを向上させる努力をしましょう。
|3.コミュニケーション能力の向上:コミュニケーション能力は、ほとんどの職種で非常に有効です。上司や同僚との円滑なコミュニケーションができるようになることで、仕事の効率が向上し、チームでの評価も高まります。
|4.人間関係の構築:ネットワーキングは、キャリアアップにとって非常に重要な要素です。業界の専門家や同僚とつながりを持ち、情報交換や相談できる人脈を構築しましょう。
|5.リーダーシップの発揮:リーダーシップ能力は、キャリアの成長において重要な役割を果たします。チームをリードし、プロジェクトを成功に導くための能力を身につけることが重要です。
|6.柔軟性と適応力:仕事環境や業界は常に変化しています。そのため、柔軟性を持ち、変化に適応できる能力が重要です。新しい技術や業務手法に対してオープンであることが、キャリアアップにつながります。
|7.自己マーケティング:自分の強みや実績を他人にアピールする能力も重要です。自己PRや履歴書、面接において自身を効果的にアピールできるようにすることが、キャリアアップにつながります。
これらの要素をバランスよく組み合わせて、自身のキャリアを着実に築いていくことが重要です。> ステップ2 問題を小分けにする
「まずはざっくり」でアタリをつけたら、そこから小分けにしていきます。
この回答を見て「自分はコミュニケーションスキルを強化したほうがいいかもしれないな」と思ったら、以下のように聞いてみてください。
|Q 職場で必要とされるコミュケーションスキルについて教えてください。
そうすると、さらに詳しく回答してくれます。
|A 職場で必要とされるコミュニケーションスキルは多岐にわたりますが、以下にいくつか重要な要素を挙げてみます:
|1.明確な表現力:意見やアイデアを明確に伝える能力は非常に重要です。複雑な情報を簡潔にまとめ、相手に理解してもらえるようなコミュニケーションが求められます。
|2.能動的なリスニング:職場では、他者の意見やフィードバックを理解し、尊重することが重要です。相手の話に耳を傾け、適切なフィードバックを返すことが求められます。
|3.適切なフィードバックの提供:上司や同僚へのフィードバックを適切に提供することが重要です。具体的で建設的なフィードバックを提供し、相手の成長や業績向上に貢献します。
|4.エンパシー:職場では、他者の立場や感情に共感し、適切な配慮を示すことが求められます。エンパシーを持ち、他者との信頼関係を築くことが重要です。
|5.効果的なチームコミュニケーション:チームでのコラボレーションが求められる場合、効果的なチームコミュニケーションが不可欠です。タスクの分担や進捗状況の共有、意見の交換などを円滑に行うために、コミュニケーションスキルが重要です。
|6.ストレス管理:職場では、ストレスやプレッシャーが発生することもあります。
ストレスをうまく管理し、冷静なコミュニケーションを保つことが重要です。
|7.柔軟性と適応力:職場環境は常に変化しています。柔軟性を持ち、変化に対応し、適応することができるコミュニケーションスキルも重要です。これらのスキルを磨き、職場で効果的なコミュニケーションを行うことで、自身のキャリアにプラスの影響を与えることができます。
最初にざっくり聞いて、返ってきた答えの中から、どの辺に可能性がありそうか、おおよそのアタリをつける。そこから問題をピックアップし、さらに深掘りしていく。小分け→小分けのプロセスです。
つまり、最初から完璧な問いをしなくていいということ。これはコンサルタントが使う問題解決の手法と基本的には同じです。
コンサルタントがよく使う「2割8割」という言葉があります。全体の8割にインパクトをもたらしそうなキモとなる2割の部分にまずアタリをつけて、そこから問題解決を進めるのです。
それを繰り返した上で、どうやらこの辺を深掘りすると解決の糸口になりそうだということを見つけていくわけです。> ステップ3 打ち手を考える
問題が小分けになったら、さらに問いを進めます。
|Q それぞれのスキルを習得する具体的な方法を考えてください。
すると以下のような回答が返ってきます。
|A それぞれのコミュニケーションスキルを習得するためには、具体的な方法があります。以下にそれぞれのスキルに対する具体的な方法を挙げてみます。
|1.明確な表現力:
| ・プレゼンテーションの練習:自分のアイデアや意見を他者に伝えるために、定期的にプレゼンテーションの練習を行います。
| ・ライティングの訓練:メールやレポートなどの文書を書く練習を通じて、自分の考えを明確に表現する能力を向上させます。
|2.能動的なリスニング:
| ・アクティブリスニングの練習:話し手に集中し、その内容を理解するために積極的に質問をしたり、要約したりする練習を行います。
| ・フィードバックの実践:リスニング後に適切なフィードバックを返す練習を行います。
|3.適切なフィードバックの提供:
| ・具体的なフィードバックの提供:具体的な事例や行動についてフィードバックを提供し、改善点や認めるべき点を明確に伝えます。
| ・改善案の提案:問題点を指摘するだけでなく、改善案や解決策を提案することで、より有益なフィードバックを提供します。
|4.エンパシー:
| ・状況の理解:相手の立場や感情を理解するために、状況や背景を考慮する練習を行います。
| ・共感の表現:相手の感情や立場に共感し、適切な配慮やサポートを示す練習をします。
|5.効果的なチームコミュニケーション:
| ・チームミーティングの参加:チームミーティングやディスカッションに積極的に参加し、自分の意見や考えを積極的に表明します。
| ・コラボレーションの練習:チームメンバーとのコラボレーションを通じて、効果的なコミュニケーションスキルを磨きます。
|6.ストレス管理:
| ・リラックス技術の習得:マインドフルネスや深呼吸などのリラックス技術を練習し、ストレスを軽減します。
| ・タイムマネジメントの向上:タスクの優先順位をつけたり、適切な休憩を取ることで、ストレスを軽減します。
|7.柔軟性と適応力:
| ・変化への前向きな姿勢:新しい状況や環境に対して前向きな姿勢を持ち、柔軟に対応する練習をします。
| ・新しいスキルの獲得:新しい技術や手法を学び、自身のスキルセットを拡大することで、柔軟性と適応力を向上させます。これらの方法を実践することで、各々のコミュニケーションスキルを効果的に向上させることができます。
「やってみたいな」と思うものがあれば、さらに以下のように質問してみます。
|Q プレゼンテーションのスキルを1週間で習得するためのカリキュラムを考えてみてください。
小分けにすることで、まず問題のありかがわかります。問題のありかがわかると、打ち手が見つかりやすくなります。
「会社の業績が良くないな。どうしてだろう?」と考えていても、なかなか打ち手は見つかりません。それは問いが大きすぎるからです。
そこで、まず業績を、売上、費用、利益などとざっくり分けて把握した上で、それぞれを、事業部やエリア別、顧客属性別、季節別などの切り口で分解していきます。
そうすると、たとえば以下のような問題が明らかになってきます。
「B事業部の利益率が低いな」
「特にCM費用がかさんでいるようだ」
「たくさんCMを打っているのに、売上につながっていない」
このくらいの解像度になるまで小分けできれば、「B事業部のマーケティング手法を見直してみよう」という打ち手が自然と見えてくるわけです。> ステップ4 絞り込む
ここまでがChatGPTを使って問題を解決するための、基本的な問いの方法です。
ただ、これだけでは、あたりさわりのない回答しか返ってこない可能性が高いので、「なんだ、こんなものか」と思うかもしれません。
ChatGPTをつかこなす上でキモとなるのは、その先の絞り込み、すなわち前提と制約条件の追加です。最初に「ざっくり」聞くと、ChatGPTはなるべく多くの人に当てはまりそうな「ざっくり」した回答を返してきます。
そこに前提と制約条件を追加していくと、より望ましい回答に近づいていきます。前提とは、キャラや場面設定のようなものです。前提が明確になると、ChatGPTはそれに合わせた回答を考えてくれます。
[前提の例]
・自分の役割を設定する
| メーカーの公式X(旧Twitter)アカウントを運営しています。
| 商品開発のアイデアを考えています。・ChatGPTの役割を設定する
| あなたは敏腕マーケターです。
| あなたはプロの編集者です。
| あなたは〇〇の専門家です。
・ターゲットを設定する
| 読者は40代の男性ビジネスパーソンです。
| メールの送信相手は取引先です。
| 説明する相手は小学生です。制約条件としては、どんなアウトプットがほしいのかを入力すると、必要とする回答が得られやすくなります。
[制約条件の例]
・回答数を設定する
| 考えられる要因を10個教えてください。・文字数を設定する
| 140文字以内で答えてください。
| 〇〇をテーマとした本を書きたいので、章構成を考えてください。それぞれの章について300文字以内の説明を記述してください。
| 〇〇のために大切な要素を箇条書きでまとめてください。
| 〇〇のために大切な要素をツリー構造でまとめてください。・用途を設定する
| ビジネスメールに書き直してください。
| 〇〇についてToDoリストを作成してください。
| 〇〇の手順を5つのステップにまとめてください。・違う視点を得る
| なるべくたくさん観点を上げてください。
| 〇〇について、〇〇と考えていますが、別の視点があれば教えてください。・具体度・抽象度を高める
| 上記の回答のうち、〇〇について具体的に教えてください。
| 〇〇について具体的な事例を10個挙げてください。
| 〇〇について抽象化してください。> ステップ5 じっくり質問を繰り返す
前提と制約条件は、最初のプロンプトには入れなくて大丈夫です。
「まずはざっくり」で聞いてみる。それから、前提と制約条件を少しずつ追加して質問することで、回答の精度をじっくりと高め、自分のほしい答えに近づけ、思考を深めることができます。
問いの切り口を変えていくといってもいいでしょう。これは、回答に連続性があるという、ChatGPTの特徴を利用した問い方です。前の問いを踏まえて回答してくれるので、まずはざっくり聞いて「〇〇についてもっと詳しく」「上記の回答のうち、〇〇について具体的に」などと追加していけばいいのです。
CHatGPTのもうひとつの特徴は、何度でも回答してくれることです。
もし回答にピンとこなければ、再生成(Regenerate)ボタンを押しましょう。同じプロンプトでも、別の回答を返してくれます。
ChatGPTは、大量のテキストデータからパターンを学習して回答するように設計されています。確率論で動いているので、同じ質問を繰り返すと、別の回答がある程度ランダムに返ってくるのです。ChatGPTは、同じ質問であっても、再生成ボタンを押せば、少しずつパターンを変えて回答してくれます。「もっと詳しく教えてください」「もっと簡単に教えてください」と入力すれば、自分に合った答えが出るまで、何度でも回答してくれます。
最初にざっくり質問するとき、「〇〇について考えられる理由を10個教えてください」「少し多いかな?」と思う量を回答してもらうのも、おすすめです。「最初から一発必中で回答を求めようとしない」ことは、ChatGPTを使いこなす鉄則のひとつです。
「ざっくり→じっくり」の5つのステップを、状況に応じて自由にアレンジしながら何度でも繰り返して、ベストな回答を探し当てましょう。『努力革命』 第1章 より 伊藤羊一、尾原和啓:著 幻冬舎:刊
その都度その都度、回答を創り出してくれ、条件を絞るほど精度のいい答えを返してくれる。
そんなChatGPTの特長を最大限に活かすのが、この「ざっくり→じっくり」の5つのステップの方法です。
とりあえず、質問を投げかけてみる。
返ってきた答えに対して、制限を加えたり、前提条件を変えたりしながら、また投げかける。
その作業を繰り返すことで、簡単に効率よく最適な回答を手に入れることができるわけですね。
「頭のよさ」はコピーできる!
生まれついた知能の高さによるもの、あるいは、長時間勉強することで初めて身につけられるもの。
これまで「頭の良さ」は、そのように考えられてきました。
ところが、著者は、AIの登場によって「頭の良さ」は簡単にコピーできる
ようになったと指摘します。
そもそも「頭の良さ」とはなんでしょうか。
いろいろな要素がありますが、シンプルにいうと「引き出しの多さ(=知識量)」と「つなげる力(=推論力)」ではないかと思います。
ニュートンは、リンゴの実が木から落ちるのを見て「万有引力の法則」を発見したといわれていす。ありふれた光景と、それまで研究してきた物理学の知識をつなげたことが、世紀の発見を生みました。一時期、Twitter(当時)でバズった話です。
目の前にあるリンゴを見たとき、頭の良い人は、「リンゴだ」→「青森の名産品」「ニュートンの万有引力の法則」「アダムとイブに悪いヘビが食べさせた果物」というように、思考が広がっていきます。
ところが頭の悪い人は、「リンゴだ」→「赤い」「おいしそう」あたりで止まってしまいます。ちょっと極端かもしれませんが、これは「頭の良さ」の本質を突いているのではないかと思います。
頭の良い人は、たくさんの引き出しを持っているので、同じものを見ても、そこにたくさんの「意味」を見つけることができます。普通の人が単に「大きな川だなあ」くらいにしか思わない場所でも、釣りの名人だったら、「あそこは絶好の穴場だな」と気づきます。
「E=mc2」という相対性理論の数式を見ても、普通の人にはなんのことかわかりませんが、数学が得意な人は、そこに美しさを感じます。
その人自身がどれだけたくさんの引き出しを持っているか。そしてひとつの情報に接したとき、別の知識とつなげることで、そこに「意味」を見つけられるかどうか。それが、釣りの名人や数学ができる人と、そうでない人の違いです。「引き出しの多さ(=知識量)」と「つなげる力(=推論力)」を鍛えるには、これまでは時間をかけてトレーニングを積まなければなりませんでした。
ところがChatGPTを使うことで、この能力は誰でも簡単にコピーすることができるようになったのです。マイクロソフトCEOのサティア・ナデラは、「生成AIの本質は、自然言語と推論エンジンの組み合わせ」だと言っています。
自然言語とは、僕たちが普通使う言葉のことです。
推論エンジンとは、いまある知識から答えを導き出す仕組みのことです。たとえば「AイコールB」「BイコールC」と点をつないでいって、「だったらAイコールCだな」と推論する能力です。要するに、ChatGPTは、僕たちが普通に使っている言葉で質問すれば、インターネット上にある無数の引き出しから知識を探してきて、推論してくれる。
その結果、誰もがニュートンのような「引き出しの多さ(=知識量)」と「つなげる力(=推論力)」を手にできる。
これこそ、生成AIがもたらした最大の革命だと思います。もうひとつ、頭の良い人の特徴は、「自分ごと」に引きつけて考えられることです。
たとえば道を歩いていて、スターバックスコーヒーに行列ができていたとします。「コンビニでコーヒーを買えば100円なのに、450円も払ってスタバのラテを買ってしまうのはどうして?」
↓
「自分へのご褒美?」
↓
「ということは、通勤途中に買えるプチ贅沢商品をつくったら売れるかも?」このように、頭の良い人は、目の前の何気ない風景から、自分にとって意味のある情報を引き出すことができます。
マッキンゼーで使われている「空・雨・傘」というフレームワークがあります。
空:「空が曇ってきたなあ」→単なる事象
雨:「雨が降るかも?」→事象から導かれた推察
傘:「傘を持っていった方がいいですよ」→意味のある情報「空が曇っています」と言うだけなら、小さな子どもにもできます。そうではなくて、目の前の事象と天気についての知識を組み合わせ、「雨が降るかも」と予測し、「傘を持っていった方がいい」と言うメッセージを導き出して、初めて相手にとって有用な情報になります。
同じように「売上が下がっています」「市場が縮小しています」と言うだけなら、情報としての価値はありません。
あらゆる事象を分析した上で、「だから、〇〇という手を打つべきです」と言う意味ある情報(仮説)を導き出すからこそ、マッキンゼーのコンサルタントが作成するレポートには何千万円という価値がつくわけです。「空が曇っています」から「傘を持っていった方がいい」という意味ある情報を引き出せるかどうか。
ChatGPTを使うことで、誰もがその力を身につけられます。その具体的な方法をご説明しましょう。SHOWROOM社長の前田裕二さんは、尋常ではないメモ的して有名です。前田さんは、記録のためにメモをするのではなく、知的生産のためにメモをするのだと言います。
そして、知的生産としてのメモ術のエッセンスは、「ファクト→抽象化→転用」というフォーマットだと、75万部超のベストセラーになった『メモの魔力』で述べています。
『メモの魔力』では、前田さんがどのように「抽象化」や「転用」を行っているかが、メモの実例とともに解説されていて、アイデア命のビジネスパーソンにとっては必読の一冊です。
頭が良くなる方法として、すっかり有名になった「ファクト→抽象化→転用」のフォーマットですが、ChatGPTを使うと、ショートカットで日々の思考に取り入ることができます。たとえば、先述の「スターバックスに行列ができている」というファクトだったら、以下のように聞いてみましょう。
|Q コンビニエンスストアで買うより高いのに、毎朝スターバックスでコーヒーを買ってしまいます。この理由を抽象化し、5個挙げてください。
すると、こんな感じで抽象化してくれます。
|A スターバックスでコーヒーを買う理由を抽象化して以下のように5つ挙げることができます:
|1. 体験の価値:スターバックスはコーヒーを買うだけでなく、居心地の良い雰囲気や高品質なサービスを提供しています。人々はコーヒーを購入するだけでなく、その場でくつろぎ、仕事をしたり友人との時間を楽しむことができることに価値を見出しています。
|2.ブランドの価値:スターバックスは世界的に有名なブランドであり、そのブランド価値に対する認知度や信頼性があります。多くの人々はスターバックスのコーヒーを購入することで、そのブランドの象徴として自己表現を行っています。
|3.便利さと時間の節約:コンビニエンスストアでコーヒーを買うよりも、スターバックスではより多くの選択肢やカスタマイズが可能です。また、店舗の配置やアクセスが便利な場所にあることも、スターバックスを選択する理由の一つです。
|4.品質と味の保証:スターバックスは高品質なコーヒー豆を使用し、独自の焙煎法で豆を処理しています。そのため、多くの人々はスターバックスのコーヒーをコンビニエンスストアのものよりも味わい深く、満足度の高いものとして認識しています。
|5.社会的要因と社交性:スターバックスは社交的な場所としても機能しており、多くの人々が友人や知人との集まりの場や、仕事をする場として利用しています。
そのため、スターバックスでコーヒーを買うことは、社会的なつながりや交流を深める手段としても機能しています。これを転用し、自分の仕事に役立つヒントを得るためには、さらに質問を繰り返します。
|Q この5つの抽象化の可能性を持つ、他の生活習慣を10個、理由とセットで挙げてください。
すると、「ジムやフィットネスクラブに通う」「美しい景色を眺める」といった習慣も、スタバに通うのと同じ理由を持つものとして挙がりました。
そうしたら、スタバとは直接関係のない、ジムやフィットネスクラブに通うこと、日常生活で美しい景色を眺めることにも、スタバのような付加価値を付けていくことはできないか、と、さらに、アイデアを展開させていくことができます。いまの自分の仕事に引きつけた転用もできます。
たとえば以下のように聞いてみましょう。|Q 私の仕事は、アパレル業界のマーケターです。5つの抽象化された理由を満たす企画を、10個挙げてください。
すると「AIスタイリングアプリの提供」「ファッションスピーキングイベントの開催」といった企画のアイデアが挙がりました。
このように、「スタバに行列ができている」という日常の何気ないファクトについて、マッキンゼー式の推論、前田式の抽象化を、ChatGPTが代わりにやってくれるわけです。
2023年10月には、ChatGPTの画像認識ツールがリリースされました。
近い将来、「スタバに行列ができている」という現象をわざわざ文字で入力しなくも、スマホで写真を撮るだけで、その人の仕事やライフスタイルに合わせて「意味ある情報」をChatGPTが考察してくれるようになるでしょう。テキストだけでなく、画像や音声、動画など異なる種類のデータをまとめて処理できるAIを、マルチモーダルAIといいます。
マルチモーダルAIが普及すれば、たとえば冷蔵庫内の写真を撮ってアップするだけで、ChatGPTが画像認識し、晩御飯のメニューを提案してくれるようになります。抽象化とは、一言でいえば「つまり?」です。
物事をまとめたり、ほかの分野に応用したりするためには、この抽象化が役に立ちます。たとえば、「後輩に送別会のお店選びを頼んだら、居酒屋でなくレストランになった」「いつも行くコンビニのサワー・酎ハイの棚が、ノンアルの棚に変わっていた」等、あなたが体験した個別の出来事を「つまり?」という抽象化ができます。
そこからは、「じゃあ、乾杯用のノンアル飲料を発売したら売れるかもしれない」というアイデアが思い浮かぶかもしれません。一方、「若者のアルコール離れが進んでいる」とだけいわれても、いまいちイメージしづらかったり、「本当かな?」と疑ったりするかもしれません。
そんなときは、具体化が役に立ちます。具体化とは、一言でいえば「たとえば?」です。
若者のアルコール消費について、「たとえば?」と探したら、酒類の消費量の統計や、若者のライフスタイルを紹介した記事・本などに気づくでしょう。
それによって、抽象的に「若者のアルコール離れ」とだけいわれている事象を検証し、理解を深めることができます。このように、思考を深めるには、「つまり?」と「たとえば?」、すなわち抽象化と具体化を行ったり来たりするプロセスが大切なのです。
・・・・・ということは、マッキンゼーや前田さんだけでなく、これまでもいろいろな人が、「頭の良さ」や「思考法」についての本のなかで述べてきました。
ですが、その重要性についてはわかっていても、実際に自分で考えてみようとすると、なかなか難しく、苦手意識を持っている人が多いのではないでしょうか。こんなときこそ、ChatGPTの出番です。
「面倒くさいな」と思ったり、うまく考えられなくてモヤモヤしたりしたら、さっさとChatGPTに聞いてしまいましょう。具体化を促すための質問としては、たとえば以下のようなものがあります。
|・この問題に直面した具体的な状況は何ですか?
|・似たような事例で成功した具体的な方法はありますか?
|・このアイデアを実現するために必要な具体的なステップは何ですか?
|・この問題を解決した際の具体的な成果として何が期待できますか?
|・この計画における具体的なリスクは何ですか?抽象化を促す質問としては、たとえば以下のようなものがあります。
|・この問題の根本的な原因は何だと考えますか?
|・この状況を一般化するとどういう傾向になりますか?
|・この具体的な事例から学べる普遍的な教訓は何ですか?
|・この問題はより大きなどのようなテーマに関連していますか?
|・このアイデアを異なる文脈で適用するにはどうすればよいですか?思考を深めるには、まず具体的な質問で状況を明確にし、それから抽象的な質問を用いて視野を広げ仮説をつくっていく、「具体→抽象」の順番がおすすめです。
(「具体→抽象」をコンパクトに考える手法をアブダクションと言います。これについては第8章でもお話しします)ただ、こうした問いをいちいち暗記する必要はありません。
ここでも基本は「まずはざっくり」で、最初は「具体的にしてください」「抽象化してください」と聞いてみるだけで大丈夫です。それによって問題を小分けにし、問いを追加して絞り込み、回答の精度を高めていくのは、第1章で説明したとおりです。
『努力革命』 第2章 より 伊藤羊一、尾原和啓:著 幻冬舎:刊
これまで私たちが「頭の良さ」として捉えていた能力。
すなわち「引き出しの多さ(=知識量)」と「つなげる力(=推論力)」の多くを、ChatGPTが担ってくれます。
私たちは、課題の本質となる最初の問いを見つけること。
そして、ChatGPTからの回答に、さらに条件を重ねて深掘りすること。
ChatGPTを使うことは、有能なコンサルタントを雇ったような感覚です。
これが、誰でも手軽に利用できるわけですから、まさに「革命」というにふさわしいです。
AIが最後まで持てないのは「飛ぶ力」
ChatGPTで「頭の良さ」はコピーできます。
著者は、ただ正確には「99パーセントまでコピーできる」と言った方がいい
かもしれないと述べています。
では、残る1パーセントは何でしょうか。
それは、論理的思考力や合理性によって導き出された答えから「飛ぶ力」です。
孫正義さんは、ソフトバンクグループが赤字を出しているときでも、どんどん設備投資やM&Aをしてきました。
こうした決断は、おそらく最後までAIにはできないはずです。
論理的に考えれば「赤字だから、投資はちょっと控えめにして、手元にあるキャッシュをなるべく増やそう。リスクを減らそう」という結論になるはずだからです。
孫さん自身も、当然それはわかっていたでしょう。
その上で「論理的に考えればそうかもしれないが、いま勝負に出なければ、千載一遇のチャンスを逃してしまう」という、勝負師の勘のようなものに従ったのだと思います。一流のリーダーは、しばしばこのような非合理の決断をします。
論理的思考や合理性を積み重ねるだけでは、絶対に到達できない結論です。さぞかし部下も驚いたのではないでしょうか。
「AイコールB」「BイコールC」ときて、「そうか、じゃあAイコールCだな」と思っていたら、いきなり「AイコールZ」のような、予想もつかない結論に「飛んで」しまったのですから。この「飛ぶ力」こそが、孫さんを超一流の経営者たらしめている要素だと思います。
スティーブ・ジョブズは「重要な決断は心や直感に従う」と言っています。これも同じ話です。未来に正解はありません。それは自分自身でつくるものだからです。
「だって、やりたいからやるんだよ」「自分が好きだからやるんだよ」と言えるかどうか。それが「飛ぶ」勇気になります。物事を決めるとき、それぞれの選択肢について、判断の材料になる項目ごとに◯×をつけてみたことはないでしょうか。
カレーとラーメンで迷ったら、「値段」「カロリー」「栄養バランス」などの項目をつくって◯×ををつけた表をつくり(メリデメ表、プロコン表などとも呼びます)、◯が多いほうを選ぶというものです。カレーとラーメンなら、どちらを選んでもいいでしょう。
ですが、企業の経営陣でも、「◯×表づくり=意思決定」と思っている人は少なくありません。
これは大いなる勘違いです。「新規市場に参入するべきかどうか」
「事業から撤退するかどうか」
「新工場をつくるならA市とB市、どちらがいいか」これらを綿密に調査して、それぞれのメリットとデメリットを比較できるように一覧表にする。その表を見て、経営陣がメリットの○が多いものに決める。
これは、「意思決定」ではありません。◯×表は、チェックリストとしては役立ちますが、意思決定ツールとして使うのは間違っています。
そもそも項目の出し方によって、いくらでも◯×は変わります。前提の置き方をひとつ変えるだけで、数字はいくらでも変わるからです。では、なぜ◯×表をつくるかといえば、情報を整理するためです。カレーの方が値段が高いことがわかれば、財布の残りを確認し、ラーメンの塩分が高いなと思えば、人間ドックの結果を思い出したりします。
それぞれのメリット・デメリットを踏まえた上で、「でも自分はラーメンが食べたいんだ!」という結論に「飛ぶ」のが意思決定です。そして、今後、◯×をつける作業はChatGPTがやってくれるようになります。
人間に残されているのは、意思決定という仕事だけです。これも誤解している人が多いのですが、意思決定は論理的思考力だけでなんとかなるものではありません。
もし論理的に考えて100パーセント正しい選択肢があるとしたら、決断は不要です。提示された選択肢どおりに実行すればいいだけです。そして、そもそも、ビジネスにおいて、論理的に100パーセント正しい選択肢というものは存在しません。
決断とは非合理なものです。
何もかもが不確実な状況にあって決断し、覚悟を引き受ける。
選択肢を天秤にかけた上で、大勢の従業員や関係者の生活を背負って「飛ぶ」のがリーダーの仕事です。では、「飛ぶ力」はどこから生まれるのか。
それは結局、自分が「これがやりたい」と強く思うこと、自分の内から湧き起こる声に従うということに尽きると思います。
孫さんが決断に踏み切れたのも、「だって、やりたいんだよ」という自身の思いに突き動かされたからではないでしょうか。
そして孫さんの部下や事業パートナーも、最後は「この人が言うなら、ついていく」と納得したのではないでしょうか。「Microsoft 365 Copilot」のようなAIは、これまでの商談履歴や顧客データに基づいて、
「次回の商談では、こんな提案をしたらどうですか?」
「このクライアントは将来有望なので、◯円までは値引きしてもいいです」
などとレコメンドしてくれるようになります。
過去の膨大なデータを分析して、パターンを予測するような仕事は、人間よりもAIがやるほうがよっぽど早い。AIがここまでしてくれたら、自分で物事を考える力が失われてしまうのではないかと危惧する人がいるかもしれません。
社会全体でも、ChatGPTのような生成AIに頼っていたら、人間が自分でものを考えられなくなってバカになるのでよくないという警戒論は、決して少数派ではありません。でも僕たちはそうは考えていません。
思考力が低下するのではなく、求められる思考力の中身が変わっていくのだと思います。「AIはこう言っていますが、このお客さんは、こんな未来をつくりたいと思って一生懸命やっています。社長も信じられる人です。だから応援したいんです」
「このお客さんは絶対に成長すると思います。AIはここまでしか割引してはいけないと判断していますが、長期利用してもらうことを条件に、ここまで割引したいです」これから僕たちに求められる意思決定は、こういうものです。
「とにかく自分はこれをやりたいんだ!」という思いに従う。
それが人間に残された仕事になっていきます。でも「やりたいからやる」というのは、思った以上に難しいことです。
正解主義の中で生きてきた僕たちは、「やりたいこと」よりまず、「やるべきこと」を探してしまうからです。「自分がやりたいからやる」
その思いを、僕・伊藤は「軸」と呼んでいます。
僕が学長を務めているLINEヤフーアカデミア(LINEヤフーグループの企業内大学)では、まず「自分の軸」を見つけることを重視しています。カリキュラムの中心にあるのは、対話です。二人一組になって、相手に伝えたり、質問したりする中で、自分の思いに気づいていく。そんな設計になっています。
ここで重視しているのは、以下のプロセスを通じて、自分を振り返ることです。「こんなことがあった」(= What)
「これは自分にとって、どんな意味があるのだろう?」(= So what?)
「そうか!」(= Aha!)「こんなことがあった」
→ 今日、勉強会に参加した
「自分にとっての意味」
→ 人にわかりやすく伝えて、喜んでもらえると嬉しい
「そうか!」
→ わかりやすく伝えることが自分は得意かも!対話を重視しているのは、自分の内側を言葉にして、キャッチボールしながら思考を深めていくという作業は、自分一人ではやりにくいからです。
僕たちはインプットとアウトプットを繰り返すことで「気づき」を得ます。
「勉強会に参加した」というインプットは、そのままにしておくと、「気づき」につながらないまま忘れられてしまいます。
「こんなことがあった」と誰かに話したり、文章に書いたりしてアウトプットすることで、「自分にとって、どんな意味があるのだろう?」と考えることになり、「気づき」につながります。最近ちょっと停滞しているな、成長が止まっているなと、感じることはないでしょうか。
そんなときは、たいていこのインプットとアウトプットのサイクルがうまく回っていないはずです。①インプットの量が足りない
仕事が忙しかったり、疲れていたりすると、どうしてもインプットの時間が十分にとれません。本を買っても積ん読になっているような状態です。
そもそも気持ちにゆとりがないので、新しいものを見ても、なかなか自分の中に入ってきません。②アウトプットの量が足りない
インプットは十分にしているつもりなのに、どうも身についている感じがない。そんなときは、実はアウトプットが足りていないということがあります。
僕たちはインプットした知識を、そのまま頭の中にしまうのではなく、アウトプットすることで初めて、自分の「気づき」に変えることができます。インプットとアウトプットのサイクルがうまく回っていないとき、僕たちはついインプットの量を増やそうとしてしまいます。
でもほとんどの場合、停滞はアウトプットの不足が原因で起こります。大切なのは、インプットを増やすことではなく、まずアウトプットの量を意識することです。LINEやフーアカデミアでは、4人一組での対話形式でアウトプットをしてもらいますが、一人でやるなら、日記を書いたり、SNSなどで発信したりするのがおすすめです。
僕・伊藤は最近、Voicyのパーソナリティをしています。「今日はこんなことがあったよ」とリスナーの皆さんに向けて話すことが、アウトプットの機会になっています。
大切なのは、インプットとアウトプットの繰り返しを習慣にすることです。ちなみに同じことをグルグル、モヤモヤ悩んでしまうときも、アウトプット不足を疑ってみた方がいいです。
友人や家族に悩みを聞いてもらうと、なぜかスッキリして、解決の糸口が見える。こんな経験のある人は多いと思います。
悩みを人に聞いてもらうことの最大の効用は、具体的なアドバイスを得られることではなく、自分の考えが整理できることです。
アウトプットすることで、自分が探していた言葉を見つけることができれば、おのずと問題は解決に向かい始めます。LINEヤフーアカデミアで行っている対話は、ChatGPTを相手に行うことができます。
ChatGPTに自分専属のコーチになってもらい、対話を通じて、自分の内面を言葉にしていくのです。LINEヤフーアカデミアの対話は、毎回「今のコンディションはどうですか」という問いかけから始めます。
たとえば毎晩、ChatGPTにこんな問いかけをしてもらい、そこから対話を始めてみましょう。
スケジュールに入れてリマインド設定をしておけば、毎日の習慣にできます。|今日のコンディションはどうでしたか。
|今日、一番印象的だったことはなんですか。ChatGPTをコーチに見立てて、以下のように問いかけるのもいいでしょう。
|あなたは私のコーチです。相手の成長軸を見つけることが役割です。「最近どうですか?」というあなたの発話から始めて会話を続けてください。
|あなたは私のコーチです。私が仕事をする上で、大事にしたい価値観を明確にするため、10個の質問をしてください。
|会議で発言しましたが、場が静まり返ってしまいました。考えられる理由を10個教えてください。
何度か質問してみて、たとえば「事前の情報共有が不十分だったかもしれません」という回答に「これかも」と思い当たれば、それが仮説になります。
そうすれば、「フォローアップのミーティングをして、挽回してみよう」などの打ち手が見えてきます。KPT法など振り返りのフレームワークを使ってChatGPTと壁打ちするのもおすすめです。
KPT法とは、Keep・Problem・Tryの頭文字を取って名づけられたもので、プロジェクトなどの振り返りに使われます。Keep:うまくいっていて、これからも続けたいこと
Problem:解決すべき問題
Try:新しく取り組みたいこと|あなたは私のコーチです。私にKPTアプローチを使いながら、今回のプロジェクトを振り返り、次への学びと行動につながるよう、適切な質問をひとつひとつしながら導いてください。
|
|#コーチのスタイル
|
|・質問は1回でひとつ
|・答えるモチベーションがあがるように会話を進めてください
|・私の思考を深めるために、適切に追加質問をしたり、要約したりしてください
|・KPTを最後までやりきったら、最後にまとめて、はげましてください古代ギリシアの哲学者ソクラテスは、人々との対話によって真理を追究しようとしました。ソクラテスのスタイルをもとにした、ソクラテス式問答法という問いの技法があります。
問いによって、相手の前提の間違いや矛盾、問題点を明らかにする「仮説の排除」を通じて、より良い仮説を導き出そうというものです。ChatGPTに、「ソクラテス式問答法で私に問いかけてください」と入力すると、普段の生活ではあまり考えることのない哲学的な問いかけをしてくれるので、頭がリフレッシュされます。
『努力革命』 第6章 より 伊藤羊一、尾原和啓:著 幻冬舎:刊
いくら優秀なコンサルタントである生成AIでも、プロンプトを入力してあげないと何もできません。
つまり、私たちが意思や意図をはっきりさせ、それらを最初に示してあげる必要があるということ。
逆に言えば、強い意志や明確な意図さえあれば、これまで不可能だったことが実現できるということ。
自分は何がしたいか、どんな人になりたいか。
それらを突き詰めていくことが「飛ぶ力」を育てます。
ChatGPTは、「個」が飛躍する、これからの時代を象徴するアイテムと言えますね。
「これ、やりたい」を手に「わらしべ長者」でいこう!
著者は、「こういうものをつくりたいんだ」という最初のボールさえ投げれば、そのために必要な情報や手順は、ChatGPTがインターネットにつながった80億人の知恵を総動員して考えてくれ
て、しかも、歴史上の人物、過去の書物に蓄積された言葉など、インターネット空間のあらゆる知恵が味方になって
くれると指摘します。
そんな状況の中、私たちがやるべき一番大事なことは、自分だけの「これ、やりたい」に気づき、その種火を消さないこと
です。
小さくてもいいので、「これ、やりたい」を形にして発信していくと、それまでなかったものが見えるようになります。
見た人が「いいね」と共感し、「自分もやりたい」と合流し、「この指とまれ」で仲間が集まってくるので、より望ましい未来に近づいていけます。
共感してくれる人が現れれば、自分の「これ、やりたい」は誰かのやりたいこととなって、その周囲へと広がっていきます。そうやって熱量が広がり、新商品を買ってくれ、周囲に勧めてくれるロイヤリティの高い顧客が確保できれば、思い切った投資ができるようになります。
その結果、未来が現実化するスピードが加速していきます。楽天大学学長の仲山進也さんから聞いた話です。
ある知人は、赤ちゃんを抱っこするのに「こんなものがあったら便利だな」と手作りした抱っこひも収納カバーが周囲に好評で、頼まれてつくるうちに口コミが口コミを呼び、やがて事業化して経営者になったそうです。起業家というと、きちんとした事業計画書をつくり、必要な資金や人材を調達して、「俺について来い!」とリーダーシップを発揮する経営者を思い浮かべるかもしれません。
でもこれからは、普通の人が目の前のことを好きでやっていたら、いつの間にか仲間が現れて、事業になっていく。
そんな起業家があたりまえになっていくのではないでしょうか。「わらしべ長者」という日本の昔ばなしがあります。
主人公は最初、一本のわらしべしか持っていませんでした。わらしべの先にアブを結びつけて歩いていたら、それを子どもかほしがったのでミカンと交換し、次々と物々交換をしていくうちに、大金持ちになるという物語です。新しい時代をいる僕たちの最初のわらしべは、「これ、やりたい」という思いです。
これをやりたい、つくりたい、何かを変えたい。
一人の夢中から、一歩を踏み出す。
正解を探す必要はありません。誰かに合わせる必要もありません。
「これ、やりたい」は自分の中にしかなく、自分という存在は一人しかいません。これまで過ごしてきた時間も、経験や価値観も人それそれだからです。対話と内省を通じて、自分だけの「これ、やりたい」を見つける。
そこに意味を見出して、歩き始めるのは自分です。そこから、未来が動き始めます。「キャリアゴールがわかりません」
僕・伊藤は、若い人たちからよくこんな相談を受けます。
僕だって、自分のキャリアゴールなんて、正直、わかりません。たくさんの人がキャリアゴールがわからないと不安になっているのは、そもそもありもしないものを求めているからです。
その根っこにあるのは、逆算思考が大事だという強迫観念です。
そもそも、キャリアや人生を逆算思考でなんとかしようとすることに、無理があります。逆算思考は、試験勉強や、来季の目標達成のためには役立つ考え方です。
しかし、キャリアゴールや人生のゴールは、逆算思考だけでは決められません。生きていくうちには、自分のコントロールが及ばないところで環境がどんどん変わり、予測できないことが起こるのがあたりまえだからです。とはいえ、どこに進んでいいかわからないと、一歩を踏み出せません。
そこでおすすめしたいのは、仮置きのゴールをつくることです。ディー・エヌ・エーの主力事業は、もともと「ビッダーズ」というオークションサイトでした。
その後、いち早くモバイルゲーム市場に参入。「モバゲー」が大ヒットし、いまでは売上1000億円を超える大企業に成長しています。
事業を方向転換することをピボットといいますが、環境が変わったとき、素早くピボットし続けられる会社が生き残ります。キャリアゴールに対して、キャリアドリフトという理論があります。ドリフトは「漂流する」という意味です。
大まかな方向だけ決め、仮置きのゴールをつくって、前に進む。途中では流れに身を任せ、ゴールを変えてもいい。
そうやって出会いや変化を楽しむうちに、結果としてキャリアが築かれていくという考え方です。そのとき大切なのは、キャリアアンカーです。アンカーは「錨(いかり)」という意味です。
「自分のペースで仕事をしたい」「安定を重視したい」「社会や人の役に立ちたい」など、自分が大切にしたい軸さえ明確にしておけば、流れに身を任せても、大きな方向性を見失うことはありません。「『これ、やりたい』が大事だというのはわかりました。でも好きなことだけでは食べていけいない。生活していくには、やっぱり好きでもない仕事を我慢してやらなければいけないのではないしょうか」
こんなふうに思われるかもしれません。
もちろん「好きなことさえやっていれば、必ずお金になる」わけではありません。実際には、多くの人がしんどい仕事を我慢しながらやっているのも現実です。
ただ僕・伊藤が、自分自身の経験として実感するのは、人が集まる場所にはお金も集まるということです。そもそもYahoo!という会社ができたのも、最初は自分たちがやりたいからインターネットのディレクトリ型と呼ばれる検索サービスをつくっていたら、これは便利だというのでトラフィックが増え、じゃあそこに広告を貼りましょうというので、結果としてビジネスになったわけです。
つまり人から「ありがとう」と言われるサービスをつくったり、共感を呼ぶコンテンツを発信していたりすれば、マネタイズの手段は後からついてくる。いまは、好きなことをマネタイズしやすい環境がどんどん整備されています。YouTubeのように、インターネット上で個人のコンテンツと広告をマッチングする仕組みが広がっているからです。
僕・伊藤はVoicyという音声プラットフォームでパーソナリティをしています。ほとんどの放送は無料で聴けますが、一部だけプレミアム放送として有料にすることもできますし、番組にスポンサーがつくこともあります。
僕の場合、Voicyはマネタイズのためにやっているのではなく、自分のメッセージを伝える手段だと考えています。ですが、講演会などに呼ばれて話すたびに「Voicy聴いています!」と言ってくれる方がいます。
Voicyか宣伝ツールになっているので、長い目で見ると収入につながっているわけです。
堀江貴文さんやひろゆきさんのようにSNSで何百万フォロワーを集めるのは無理でも、50人、100人とフォローしてくれる人が増えれば、そこから広がりが生まれます。では50人、100人にフォローしてもらうためには、どうしたらいいのか。それには、けんすう(古川健介)さんが提唱された考え方が役立ちます。
1.情報(Information)
2.意見(Opinion)
3.日記(Diary)SNSで情報発信する場合、この順番を意識するといいというものです。
人気インフルエンサーならともかく、フォロワーがほとんどいない時点で、昨日食べたラーメンの写真ばかりアップしても、誰も見てくれません。
まずは役立つ情報を多めに発信する。それから徐々に意見を発信して共感してくれる人にフォローしてもらう。ある程度フォロワーが増えた時点で、初めてラーメン写真のような日記を増やしていく。詳しくは、けんすうさんのnoteに記載されています。少し前の記事ですが、ご関心のある方は読んでみてください。
「これから発信してファンを増やしたいぞ!という人のための教科書」
https://kensuu.com/n/n5fb190abc878こうした情報発信を習慣にする際にも、ChatGPTが役に立ちます。
気になる動画を紹介したいのであれば、先にお話ししたようにChatGPTに要約してもらい、さらに「この情報を140文字以内で要約してください」と頼めば、すぐに使えるテキストができます。気になるトピックについてブログにするなら、「〇〇についての記事を書く場合、どのような章構成が考えられますか?」「その章構成で、それぞれ200文字程度で本文を作成してください。中学校1年生でもわかるようにしてください」などと入力すれば、ベースになるテキストができます。
情報は発信するところに集まると言われます。多くの情報を与える人には、自然と情報が集まってきて、情報発信の好循環が生まれます。
先行きの不確かな世界を冒険するためには、地図が必要です。
けれどもいまは、変化のスピードがあまりに速く、地図ができた頃には地形が変わってしまう、そんな時代です。こんな状況では、もはや地図は役に立ちません。
そのとき、地図の代わりに僕たちを助けてくれるのがChatGPTです。「正解主義」の時代には、万全の装備を準備してから歩き出すのが良いとされていました。いま必要なのは、まず一歩を踏み出す力です。
踏み出してみると、思ったよりも歩きやすいなとか、道がぬかるんでいるなということがわかります。ぬかるみがあったら、その場で長靴を調達すればいい。正解を探している間に、状況はどんどん変わってしまいます。そんなときに成果を挙げられるのは、まず一歩を踏み出して、歩きながら必要な装備を装着していける人です。
必要な装備の調達は、ChatGPTがアシストしてくれます。
自分が一歩を踏み出せば、仲間になってくれる人や、協力してくれる人も現れます。注目されている経営理論に「センスメイキング理論」というものがあります。
混沌とした不確実な未来の前では、正解を探すよりも、「そうか、なるほど」「そっちだったら、迷いなく進めるわ」と関係者がセンスメイキング(腹落ち)できる未来を進んでいく方が、結果として成功を勝ち取りやすいというものです。
これは早稲田大学教授の入山章栄さんが経営学誌「ハーバード・ビジネス・レビュー」で世界標準の経営理論として紹介した経営理論のひとつです。
同誌が読者アンケートをしたところ、ここで紹介された約30の経営理論の中で、最も好きな理論に「センスメイキング理論」が選ばれたそうです。つまり日本のエリート層も、正解探しではなく、まず一歩を踏み出した人への共感こそが未来をつくる原動力になっていると気づいているのだと思います。
『努力革命』 第8章 より 伊藤羊一、尾原和啓:著 幻冬舎:刊
一昔前は、ある目的地に行き着くためのルートが1つしかない状態でした。
それが今では、ルートはいくつもありますし、自分で創り出すことさえできます。
より自由な生き方を強力にサポートしてくれるのがChatGPTをはじめとする生成AIだということです。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
著者は、この100年ほど、ビジネスはジグソーパズル的な発想で動いて
いたけれど、生成AIによって、これからはレゴ的発想が大事になって
くるとおっしゃっています。
ジグソーパズルは、正解の絵が最初に決まっていて、それを完成させるために必要なピースをひとつずつ埋めていきます。
それに対して、レゴは、いろいろな色や形のパーツを、好きな形に組み立てていきます。
完成形は決まっておらず、作り手の意図で作りたい形に作ることができます。
決まった正解がない。なんでも自由に作っていい。
そう言われると、将来に希望を感じると同時に、不安も感じてしまうかもしれませんね。
新たな道に踏み出す、最初の一歩。
不安に打ち勝って、その一歩を踏み出す勇気を持つこと。
それがこれからの時代には、より求められます。
地図もない、道なき道を行く“人生”という旅路。
その道中、目的地を指し示してくれるのがChatGPTです。
皆さんも、本書を片手に最強の武器を手にし、ワクワクドキドキの大冒険に旅立ちましょう。
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