【書評】『パラレルシフト』(天日矛)
お薦めの本の紹介です。
天日矛さんの『パラレルシフト 誰でも自在に世界線を選べる』です。
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天日矛(あめのひほこ)さんは、啓蒙系インフルエンサー、経営者、元神主です。
「パラレルシフト」で望む世界線へ移行する!
「パラレルシフト」とは、望む世界線へと自由に移行していく生き方
です。
著者は、宇宙は「多次元構造」になっていて、あなたが今いる世界線と並行して無数のパラレルワールド(以下、パラレル)が存在
し、いつでも次の瞬間のパラレルを自由に選び、移動でき
ると指摘します。
私たちは長らく物質世界で生きてきたので、そう感じるのも当然かもしれません。しかし、最先端の宇宙物理学や量子物理学の研究では、パラレルの存在、時間のしくみについて、真剣な議論がすでに展開されています。パラレルは、もはやSFや映画の世界の話ではなく、現実味を帯びたリアルな話として認知されつつあるのです。
その理解に基づき、望む未来へと進んでいくのがパラレルシフトです。パラレルシフトには、特別な能力も、幸運も、知恵も、体力もいりません。性別も年齢も関係なく誰に対しても、いつも無数のパラレルが開かれています。日本庭園を歩いたり、川を渡ったりするために、人が一人乗れるくらいの大きさの石が飛び飛びとに置いてあるのを見たことがあるでしょう。あの石のことを「飛び石」と呼びます。
今この瞬間から、まるで飛び石を飛ぶように、望むパラレルへと移動してみましょう。無限の可能性の中から、自分にとって最適な世界を選ぶのです。そうして飛び石を飛び続けるうち、元いた場所から遠く離れた飛び石に到着したあなたには、成功、豊かさ、人間関係の充実、夢の実現がもたらされます。いきなり、大袈裟なことをいう人間だと思われたかもしれません。しかし、いたって現実的な視点からお話ししているので安心してください。
ご挨拶が遅れました。天日矛(あめのひほこ)と申します。学習塾の経営者として地域に根ざしながら、30年ほど教育の道を歩んできました。そのかたわら、「なぜ人は生まれてきたのか」「真理とはなにか」というテーマを追求し続け、今に至ります。
このテーマを追求するために行った取材内容や、取材をもとに重ねた思索を、2020年からYouTubeチャンネルで配信しはじめたところ、初回動画の再生数が230万回に到達。現在では10万人以上の方にチャンネル登録していただいています。
私自身、これまで無数のパラレルシフトを重ねながら、望む現実へと歩んできました。この本では、私が探求してきた現実創造のしくみや世界の構造についてお伝えていきます。
私が言うまでもありませんが、今、時代が大きく変わろうとしています。価値観がますます多様化し、一人ひとりが自分で未来を切り開いていかなければならない時代に突入するでしょう。それには、今までとはまったく違う世界観が必要です。
この本では、現実の捉え方を180度変えていきます。最高の世界線を生きるには、「常識」だと思っていることをがらりと見直す必要があります。無限のパラレルの存在について、そして最高のパラレルを渡り歩いていく方法について、これから丁寧にお伝えしていきます。もしかすると同じことを繰り返しお話しするかもしれませんが、それは今ある概念をくつがえすために特に重要なポイントですので、最後までお付き合いをいただけましたら幸いです。
あなたがこの本を閉じるときに見える世界は、今とはまったく変わっているでしょう(しかし30年後、いや、10年後にはその新しい世界観は「あたりまえ」になっているはずです)。
あなたはいち早く、世界が変わりゆく流れをキャッチしました。だから今こうして、この本と出合う世界線にいるのです。
この本を通じて「あらゆる未来は選べる」とあなたは知るでしょう。「未来は喜びに満ちている」と確信するでしょう。
そんなパラレルへシフトするために、私が道案内いたします。『パラレルシフト』 はじめに より 天日矛:著 KADOKAWA:刊
本書は、飛び石を飛ぶようにパラレルシフトを重ねて、望む世界線へ移行する生き方について解説した一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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「多世界解釈」がパラレルの存在を証明する!
「人間は誰もがパラレルシフトできる可能性を持っている」
著者に、その確信を裏づけてくれたもの。
それは、パラレルの存在について研究している最先端の科学者たち
でした。
これまで現代科学は、長らくニュートンの提唱したニュートン力学に代表される物質主義を貫いてきました。わかりやすく言えば、目に見えるもの、手で触れられるものしかこの世には存在しないと考えられてきたのです。
しかし20世紀はじめ、素粒子や原子、分子などの量子を研究する量子物理学が登場。そして近年,宇宙物理学や量子物理学の最新研究によって、それまでの物質主義に大きな疑問が提示されはじめています。
目には見えない世界の存在を肯定しなければ説明がつかないような研究結果が、次々に発表されるようになったのです。その代表的な学説が、アメリカの物理学者ヒュー・エヴェレット(1930〜1982)が提唱した「多世界解釈」。ごく簡単に説明すると、私たちは今この現実世界にいるけれど、それと並行して(=パラレルに)別の世界も無限に広がっていて、さまざまな可能性の世界(=パラレルワールド )があるという説です。
この理論によれば、私たち個々人の世界は無数に存在する世界のうちの一つ過ぎません。この世界では、各自の「世界線」が無数に連なっています。世界線とは、一つの現実における過去、現在、未来の一連の連なりのことです。
その証明はまだ不完全です。しかし今、少なくない物理科学者らが、この世界に無数のパラレルがある可能性を探っています。ここでは、最新化学が導き出した世界の構造について大事なエッセンスをお伝えします。詳細は第4章でもお話しします。パラレルシフトの足固めに、まずは以下をざっくり押さえてください。
( 時間 )
時間とは、人間が生み出した概念で「過去・現在・未来」と連続しているわけではない。「今」という瞬間の連続である。この瞬間、次の瞬間、また次の瞬間・・・・・と、連続しているため、あたかも過去から現在、未来と動いているように見えている。( パラレルワールド (パラレル) )
この世界には、無数のパラレルが連なっている。「瞬間」の連続の中で生きている私たちは、自由に「次の瞬間」を選び、パラレルを移動できる。パラレルは、あらゆる可能性を秘め、毎瞬ごとに分岐をしながら無限に広かっている。近い世界もあれば遠い世界もあり、遠くなればなるほど、移動は難しい。( 仮想空間 )
この世はホログラムのような「仮想空間」である。量子レベルの実験では「人間が観測するまで三次元の現象は確定せず、多様な形で存在する」と結論が出ている。それに基づけば、現実世界は「私たちが認識することによって作られている」と言える。つまり世界は各人の脳内にバーチャルに存在しているに過ぎない。概要を把握しやすくするため、難解な言葉や専門的な説明を省いて大胆に概略をまとめました。ですから、専門家から見たらお叱りを受ける部分もあるかもしれません。
しかし、この三つの軸が最新科学で解明されつつあり、パラレルシフトに必要な世界観のベースになることは間違いありません。すぐには受け入れがたい話だと思うかもしれません。突飛な話だと思われたかもしれません。
でもこのしくみを理解できれば、天動説を信じていた人々が地動説を理解したのと同じような、そのくらいの大転換が起きるのです。そのくらいのインパクトのある話をしています。
今は「そんなものか」と受け止めておくのみでかまいません。この本を読み終わるころには、今まで見ていた景色がガラッと変わっているでしょう。未来は、今の延長線上にはありません。未来は無数に存在しており、まだ確定はしていません。
庭園や川の「飛び石」では、石は一本の道を描いています。すべての人は、隣の石へ、またその隣の石へ・・・・・・順番に移っていくことしかできません。
しかし見えない世界、無数のパラレルが存在する世界では、石は整然と並んではいません。時間も空間も無視して、あちこちの方向に、遠くまで、無数の石が置かれています。
「隣の石」は一つではありません。360度あらゆる方向に隣の石が置いてあります。しかも隣の石に飛び移るだけでなく、隣の隣、あるいはもっと離れた石に飛ぶこともできます。望むパラレルにシフトするのは、無数にある飛び石の上をポンポン飛んでいくようなものだと思ってください。
私たちはいつでも、どの石に飛び移るかを選べます。ただし、すでにお話ししたように、隣り合った飛び石には簡単に飛び移れますが、遠くの石に移るのは難度が高くなります。
日常で飛び石を移るとはどういうことか。おおまかなイメージをつかみましょう。
たとえば、あなたが資格試験の合格を目指していたとします。勉強するかサボるか悩んだ末に、あなたは勉強するほうを選びました。合格したかったからです。このとき、あなたは勉強するという石の上に飛んだ。つまり、勉強するパラレルを自分の意思で選択したわけです。それは合格する世界線を選んだということです
一方で、あなたは選ばなかったものの、勉強をサボる飛び石、不合格になる世界線もたしかに存在していました。
細かいところまで見ていけば、未来への世界線は無限に広がっており、あなたはその中の一つを常に選び続けます。そして、選んだ飛び石は、次の飛び石へとつながっていって、未来への世界線となります。
しかしこのしくみに多くの人はまだ気づいておらず、無意識のうちに安易な石を選択しています。こう考えると、「もっと幸せになりたい」「夢を実現させたい」などの願いは、妄想でも現実逃避でもなく、実現可能な未来だとわかるはずです。その願いは「まだ選択されていない世界線のどこか」に厳然と存在しているのですから! そして、その世界線を選ぶのは、ほかでもない自分自身なのですから!
雲をつかむような話をしているわけではありません。そもそも、望む未来を思い描かなくても、私たちは自動的に、どこかの未来に到達します。なぜならこの世界には必ず、1年後、3年後、10年後の未来が存在しているからです。だからあなたがぼんやりしていても、いずれかの未来には必ず辿り着きます。
今までの時代は、望む未来をわざわざ描かずとも、じゅうぶんに幸せな人生を送ることができました。多くの人にとっては、自分が望むとおりの人生を生きるよりも、周囲に望まれたとおりに、周囲と調和し、周囲と同じように生きることがよしとされていたからです。言い換えれば、むしろなにも考えないで今に身を任せているほうが、あれこれ考えるより、幸せになれたのです。
しかし、今のような激しい変化の時代を生き抜くには、どんな未来を選ぶかを自分で主体的に考えなければ、幸せはつかめません。逆に言えば、「今」を起点にして、あまたある未来の中から「行きたい未来」を選ぶ感覚で日々過ごせば、なにが起ころうと自分にとって最適な現実を選べます。
『パラレルシフト』 第1章 より 天日矛:著 KADOKAWA:刊
「パラレル」とは「可能性の世界」のこと。
今の現実とかけ離れているパラレルほど、現実になる可能性が低いということです。
私たちの毎日の人生が、あまり変化ないのは、代わり映えのしない、現実化の可能性の高いパラレルを選び続けているからだといえます。
現実を大きく変えるには、現実になる可能性が低いパラレルを選ぶこと。
つまり、どれたけ遠くの「飛び石」に飛べるかが鍵になるということですね。
鉄格子ではなく「その先の宇宙」を見よ!
著者は、感性を開き、いつもの世界の外を感じようとする姿勢でいると、新たな気づきが得られ
、それまでよりも格段に広い世界観を手に入れられる
と指摘します。
今まで見てこなかった世界を見ようとすることの大切さを、別の角度からも考えてみましょう。
ある牢屋に、二人の囚人が収監されていました。
二人とも同じ方向を向いていましたが、その視線はまったく別のところを見ていました。一人は「鉄格子そのもの」を。もう一人は鉄格子の向こうに広がる世界、深遠な宇宙を見ていたのです。このエピソードは、なにを言わんとしているのでしょうか。
目の前の鉄格子だけを眺めている囚人は、この現実世界にどっぷりひたり、目に見える世界だけを見て、目に見える次元の日常生活を送って、一生を終える人を表しています。
目に見える世界でも、就職や結婚などのライフイベントは体験します。また、旅行や食事を楽しんだり、趣味に没頭したり、家族や周囲の人と有意義の時間を過ごしたりと、自分なりに充実した時間を過ごせるでしょう。
しかし、あくまでもそれだけの範囲の人生しかありません。一方の、鉄格子の外に広がる宇宙を見つめていた囚人は、どんな人を示しているのでしょうか。
鉄格子の外に目を向けるとは、「ひょっとすると、自分が今いる世界の向こう側には、もっと広い世界、目に見える世界とはまったく違う世界があるのではないか」と考えて、実際に見てみようとすること。言わば、現実の外側への意識の拡大です。
鉄格子の外には、深淵で美しい宇宙がありました。それと同じように、今の自分がいる世界の先には、実は果てしない可能性が無限に広がっているのです。この激変の時代では、「どの位置に立って、なにを見るか」が生き方を大きく左右します。
変化も自由もいらない安泰な時代。個人的にはそれなりの紆余曲折があったとしても、大多数の人と同じ枠組みの中で一生を終えていく時代であれば、隣の人と同じ位置でいつもと同じように、すぐそこに見えるものを見ているだけで問題はありませんでした。
しかしこれからの時代は、一人ひとりの「最適解」が違ってくるのでしたよね。自分だけの最適解を見つけるには、誰もかそれぞれの視座から、鉄格子の外側に広がる宇宙を見渡す必要があります。時代の流れは本当に速く、世の中の常識や、一般的なものの見方というのはみるみる変わっていきます。「常識的」「一般的」と言われてる見方も、ほんの少し時間が経つと、常識ではなくなっていきます。
みるみる変化してゆく世界の常識にキャッチアップし続けるのは至難の業です。
そうやって変化に振り回されてるよりも、自分にとってしっくりくる視座と見方で、目に見えない世界と向き合えるほうが断然生きやすいはずです。
鉄格子の外の世界に気づくと、世界が広がるだけでなく、自分にとってしっくりくる生き方へのシフトが促されます。新たな視点で世界を見ようとしているあなたに、二つの提案をしたいと思います。
まず一つ目は、すべての常識に“カギカッコ”をつけようということ。常識とは、もはや常に正しい知識ではありません。常に正しい「とされている」知識です。そのことを忘れないように、私は常識という言葉を見聞きするときにはいつも脳内で、「常識」というようにカギカッコをつけています。
常識だと言われていること、一見あたりまえだと思われる事柄について、いつでも「本当にそうだろうか」といったん立ち止まって考えてみることです。
多くの人たちが信じていることを、「みんなが信じているなら」「テレビで報道されているなら」と言って無条件で受け取ってしまっていませんか。「常識」に対して、思考停止していませんか。
自分なりの感性や知見で、その「常識」を見直す習慣をぜひ意識してみましょう。もちろん、むやみに批判的な態度を取ったり、非常識なふるまいをしたりすることを勧めているわけではありません。人間は社会的な動物です。安全な集団生活に必要なルールを守らずに独りで生きることはできません。
しかしその一方で、パラレルシフトしたいと望むなら、「違う見方はできないか」という積極的な疑いの目が欠かせません。
実際、この世には、「常識」では考えられない事象や世界が驚くほどあります。そこでは、人間社会の「常識」とはまったく違う原理で物事が動いています。その原理とは、どんなものなのか。
たとえば、私のYouTubeチャンネルには、300年後から来た未来人、古代エジプト神をはじめとする国内外の神々、死後の世界の住人など、さまざまな存在からメッセージを受け取っている方たちが登場します。
彼らが伝えてくれる考え方や法則は、私たちの「常識」とは大きく違っています。人間の捉え方も、大切にすべき心の持ち方も、現実の作り方も、地球のルールにはまったく当てはまりません。それにもかかわらず、彼らの示す考え方やあり方は、人生をダイナミックに生きる知恵に満ちています。
それらに触れると、地球での「常識」の中だけで一生を終えるのは、本当にもったいないことだと痛感します。例を挙げましょう。人間社会には時計があり、私たちは時間の流れに従って生きています。しかし三次元の外にいる彼らは、時間など軽々と超越しています。そんな世界を見せられて、私も「時間とは人間が作った概念に過ぎない」と気づかされました。
当然ながら、社会生活を営むうえでは、時間も時計もなくてはならないツールです。しかし時間の流れという概念からいったん離れて、時間を「瞬間」の連なりだと捉えられると、もっと自由に生きられると思いませんか。これについては、第4章でくわしくお話しします。パラレルシフトを行ううえでとても大事なテーマです。二つ目の提案は、「コンフォートゾーン」から一歩出てみようということです。コンフォートゾーンとは文字どおり、自分にとって快適な領域のことです。言い換えれば、なんとなく無意識で過ごせる世界とも表せます。
たとえば朝、顔を洗い、歯を磨いて、着替える。この作業をいちいち意識してやっている人はいません。ほとんど自動的に動いています。このように私たちは、望むか望まないかにかかわらず、日々の多くの時間を無意識の状態で過ごしています。無意識で過ごせる領域とは、困難や面倒のいっさいない心地よい世界です。コンフォートゾーンで生きるとは、要は、今までの流れに沿って生きるということです。その先には、これまでと同じ未来が延々と続いていきます。
それも一つの選択ではあるでしょう。
しかし、そうした変わらない現実世界と並行して、別のパラレルも無数に広がっている。私たちは自分で意識すれば、毎瞬ごとに生きる世界を選べるのです。
ただ無意識のままに過ぎていくコンフォートな日常から、意識的に未来を選ぶ人生にシフトしていく未来を、私は提案したいです。新しい生き方にシフトするには、最初はある程度の労力が必要です。飛行機が離陸する際に、たくさんのエネルギーを使うのと同じです。とはいえ、まったく別次元の人生が手に入るのですから、それだけの手間と時間をかける価値はあります。
コンフォートゾーンを抜け出すのに、特別な能力はいりません。たとえば、外に出かけるのか家で過ごすのか。ゲームをするのか読書をするのか。誰かに会いに行くのか行かないのか。そうした選択は誰でもやっています。
コンフォートゾーンを抜けるか否かも、究極的には同じようなもの。毎瞬、毎瞬、選択の作業を意識的にやっていけばいいだけです。『パラレルシフト』 第2章 より 天日矛:著 KADOKAWA:刊
見ている景色は同じでも、見方が変われば、見えるものも変わるということです。
私たちは、パラレルを自由に選ぶことができる。
それなのに、いつも同じようなパラレルを選んでしまう。
それは、考え方や習慣が変わっていないから。
つまり、潜在意識の中にある常識や偏見が邪魔しているわけですね。
常識や偏見をから抜け出す、最も手取り早い方法。
それが、今までやったことがないことをやる、つまり「コンフォートゾーンから抜け出す」ことです。
具体的なパラレルシフトのための「7つのポイント」
著者は、具体的なパラレルシフト方法について、「7つのポイント」としてまとめて解説しています。
( パラレルシフトのポイント1
なにより大切なのは、直感
30年以上も塾を経営していたせいか、堅実な人間だと言われることもあるのですが、実はそうでもありません。
幼いころから、自分の直感をなにより大切にしたい性分だった私は、「常識」で考えればそちらには進まないだろう、というような選択をしたことも多くありました。
そういう場面での私はいつも「直感で選んだのだから、必ずなんとかなる」と、ただただ楽観的に考えていました。
結果論的ではありますが、直感に従ってきたおかげで、私は常に最善のパラレルシフトができたようです。
最初に「直感で選んで正解だった」と実感したのは、就職先を選んだときです。人生の疑問を解決しようと、哲学科のある大学を選び、実際に哲学を学んでみたものの、求めていた答えは見つかりませんでした。当時の私は、モヤモヤした気持ちのまま、大学卒業の時期を迎えようとしていました。
大学院に行く道もあったのですが、あと2年間勉強を続けることに魅力を感じられませんでした。大学院に進学しないなら、働かないわけにはいきませんが、かといって、普通に就職する気にもなれません。ネットのない時代、学生用の就職情報誌ではなく、社会人向けの転職情報誌の中から私が選んだのが、先述した教育系の会社です。
勤務地は東京で、営業職として中途採用。九州の国立大の新卒で、しかも哲学科出身の私は異色の存在でした。
30代の人に交じって研修を受けた後は総務部に配属され、のちに翻訳や取材なども任されるようになりました。
上京する際には、両親からも知人たちからも「なぜ、わざわざそんな会社に」と言われました。しかし迷いはありませんでした。求人案内に書かれていた「能力開発」の言葉を見て、ここなら自分の関心に合った経験ができそうだと直感的に感じたのです。
結果的に、この判断は大正解。A氏をはじめとして、普通の会社では会えない人に出会え、貴重な経験を積めました。
さらに、中小企業の総務として社内全体を多面的に見渡すこともできました。第1章でパラレルシフトのことを、「無数の飛び石の中から、次に飛び移る石を選ぶ」ようなものだと喩(たと)えました。
就職先を決めたときも、未経験で地縁もないのに塾をはじめたときも、神主になったときも、動画作成をはじめたときも・・・・・・。振り返れば私は、隣の飛び石ではなく、けっこう遠くの飛び石に思い切ってジャンプしていたようです。私の経験上、直感がGOサインを出していれば、飛び移りたい石までの距離が多少遠くても、パラレルシフトを躊躇(ちゅうちょ)する必要はありません。そのパラレルを生きてみたいとあなたが心から望んでいるなら、意外と軽々と飛び移れます。
特に20代のころの私は、人から見たら無計画な生き方だったかもしれません。でも無計画であったにもかかわらず、悔いの残る選択は一度もなかった。
自分の直感を無視することがなかったからです。( パラレルシフトのポイント2
最善の選択肢はいつも目の前に
なにかを直感で選ぶ際に、あなたが「配られたカードの中に最善の選択肢がある」と信頼できているかいなかで、結果は大きく変わってきます。
たとえば「家庭の事情で希望する進学ができない」「職場でやりたい仕事をさせてもらえない」のように、自分の望みはハッキリしていて、でもその望みを叶えるのに適した選択肢が見出せない場合もあるかもしれません。
そんなときは、実は置かれた環境の中に最善の選択肢があるのだと考えてみてください。
そうして選んだ道が本当に最善の正解だったのかどうかは、すぐにはわかりません。しかし「人間万事塞翁(さいおう)が馬」という言葉があるように、不運だと思ったことが幸運になったり、逆に幸運だと思ったことが不運になったり、人の運命は予測できないものです。
それであれば「目の前に、最善の選択肢がある」と信じて、選んだ道を信じられるほうがいいですよね。ところで私自身は、新卒で入った会社について、就職した瞬間には最善な選択肢だとは捉え切れていませんでした。しかし今は、最善の選択だったと確信しています。
そう思えるパラレルに移行する秘訣は、どんな飛び石を選んだとしても、飛び移った先で一生懸命に過ごす姿勢です。( パラレルシフトのポイント3
迷ったときは情熱で飛ぶ
チャンスだと思ったら勇気を出して行動する。これもまた、パラレルシフトの大事なポイントです。
特殊能力を持った人が集まったシェアハウスに住んでいたことは、すでにお話ししました。実はこの引っ越しは、私にとっては少し勇気のいる決断でした。というのも、これもお話ししたように、誘ってくれたA氏は当時の私にとっては「雲の上の人」だったからです。
A氏には日ごろからよくしてもらっていたものの、同居となるとさすがに気後れします。しかも超個性派の住人の中で「一般人」は私だけでした。しかし、私は思い切って誘いを受けました。A氏や住人たち、そして見えない世界に対して強い興味があったから。そういった世界を探求することが、「人はなぜ生きるのか」「なぜ生まれてきたのか」という長年の疑問を解決するヒントになると考えたからです。
だから、「これはチャンスだ」と、新たな飛び石にパッと飛び移る決断ができた。新しい世界に飛び込めるだけの情熱が自分の中にあったということです。
あなたが情熱を感じること、解決したいこと、得たいことはなんでしょう。それを常に意識していれば、いざというときに迷わず移行すべき世界線を選べます。( パラレルシフトのポイント4
どんな飛び石にも学びがある
塾の経営をしていた時代、私が学んだのは「努力する姿勢があれば、挫折もパラレルシフトの糧になる」という事実です。
私が経営していた塾は、小学校から高3まで幅広く在籍する地域密着型でした。会社員時代に学んだ能力開発テクニックも取り入れて、周囲から見れば一風変わった塾だったでしょう。ありがたいことに口コミでの入塾が多く、気づけば塾を開いてから30年以上が過ぎました(今は私は一線を退いています)。
まだ塾生が少なかった創業当時、生徒たちと釣りやサイクリングに出かけたのもいい思い出です。初期の生徒たちは就職氷河期で苦労し、今は40代半ばです。彼らが、医師や歯科医、大学教員、農業職、銀行員など、それぞれに専門性を持って活躍しているのは私の大きな自慢です。塾の教育方針は創業以来ずっと同じで、生徒たちに自分の生まれ持った能力を最大限発揮してほしいということでした。
毎年の受験では、全員に望む結果が出るわけではありません。ただ私は、少々乱暴な言い方かもしれませんが、結果が駄目なら駄目でいいと考えていました。だから、第一志望に落ちた生徒の保護者の方々にも「結果はどうであれ、がんばった本人をほめてあげてください」と言っていました。
もちろん目的は合格ですから、不合格であればそのときは残念です。でもそれよりも、思春期の大切な時期を自分なりに最善を尽くして過ごしていれば、その時間は本人の大きな財産になります。受験勉強という経験を通して、彼らなりに人生の学びを得てほしいという思いが、私にはありました。
今でもたまに卒塾した生徒が訪ねてきて、「あのときがんばった経験が、今役立っています」と言ってくれます。自分の教育方針は間違っていなかったと思える瞬間です。歴代の塾生たちが教えてくれたことですが、目の前のことに真摯に向き合ってさえいけば、どんな現実からも人必ず学びと恵みを得られます。人生では不遇のときもありますが、それでも、その逆境の中には貴重な学びや恩恵がある。その学びは、次の世界線への原動力になります。
( パラレルシフトのポイント5
飛べば思わぬ脚力がつく
本書の冒頭でお話ししたように、私のYouTubeチャンネルでは、最初にアップした動画がまさかの230万回再生を突破。今では登録者数10万人以上のチャンネルに育っています。
「ラッキーでしたね」と言われますし、実際そう思いますが、これには一つの背景があります。私が動画作成をはじめたのは、このチャンネルの開設より5年ほど前でした。これからの時代では動画の授業が流行すると予測し、一人で授業動画を作成して教育チャンネルを開設したのです。
まったくの素人ですから手探り状態。録画や編集にもせ相当な時間がかかりました。それでもコツコツ作り続け、1000本近くの動画を作成しました。
この経験は思わぬパラレルシフトに役立ったのです。動画を作っていたおかげで、自分のチャンネルをはじめたときには、構成力も編集スキルも、しっかり身についていた。あわせて、塾での授業経験もトーク力に大いに役立ちました。授業動画を撮りはじめたころは、まさか個人のYouTubeチャンネルを持つとは夢にも思っていませんでした。しかし、その世界線は、見えていなかっただけ。やろうと決めたことに愚直に取り組むうちに、新たな飛び石が見えてきて、しかも、そこにジャンプできる脚力がついていたのです。
なにが言いたいかというと、今やれる最善の手を尽くしていけば、いざというときに行きたい世界線に飛ぶ力がついているということ。そして結果を出せるということ。
今は見えていなくても、ひたむきに目の前のことを続けていけば、必ず自分を活かせる世界線へ進めるということです。もちろん、世の中には軽やかに世界線を越えていける器用な人もいます。そんな人は、1000本も動画を作らずとも、数十本作成した時点でチャンネルをブレイクさせられるでしょう。
でも不器用であっても、スロースターターであっても、いつも一瞬一瞬に真剣な人は、自分が進むべき世界線に進んで行きます。理想の世界線へ飛び移る脚力をつけるため、自分にやれることが目の前にあるはずです。( パラレルシフトのポイント6
理想の未来に向かって進む感じで
最近では出版や講演の機会も増え、「成功の秘訣はなんですか」などと尋ねられることも増えました。しかし私自身は、成功したくて動画投稿をはじめたわけではありません。
自分の問いと向き合いながら思考実験を続け、辿り着いた考察を世間に問うてみたいと思った。ちょうど時代のタイミングがよく、そこにYouTubeというツールがあった。YouTubeに動画をアップする作業を地道に続けていったところ、思いのほか多くの人に受け入れていただけた。そして、体験談を多くお寄せいただけた。体験談の情報源を直接取材させていただく中で、見識を深められ、その見識を皆さんと分かち合えるようになった。
このとても幸せなサイクルには、感謝するばかりです。あえて言うなら、「自分の考察を多くの人とシェアしながら、真実を探求したい」と言う程度のビジョンはありました。
そのビジョンを現実化するために、今の自分が飛び移るべきパラレルを選び続けてきた。その感覚があったからこそ、今ここにいるのだと思います。
うまくパラレルシフトするには、自分がどんな未来を生きたいのか、そのビジョンを明確にしておくことが不可欠です。これは成功哲学や引き寄せの法則でもよく言われることなので、「そんなこと知っている」と思われたかもしれません。しかし、ビジョンを明確にする目的は、引き寄せの法則とパラレルシフトでは異なります。
引き寄せの法則が明確なビジョンを大事にするのは、この法則では「強く願ったものこそが、引き寄せられる」から。強く願うために、ビジョンを明確化しているのです。
一方、パラレルシフトでビジョンが重要なのは、未来のビジョンがはっきりしていると「未来から過去をみる」感覚を持てるからです。理想の未来から現在の自分を見れば、次の世界線を選ぶ際、どの方向に飛べばいいのか判断が容易です。登山と同じです。麓から頂上を眺めているときは、登り道のルートは把握できません。しかし、山頂に立って見下ろすと、頂上に至るまでの道のりが見渡せます。
受験勉強や資格試験も同様ですよね。いつ、どこの学校に受かるか、どんな資格を取るのかビジョンをきちんと持っていれば、試験日から逆算してやるべきことを割り出せます。
一口にビジョンと言っても、いろいろなビジョンがあります。億万長者になるとか、社会問題を解決するとか、そんな壮大な目標を掲げなくてもかまいません。理想の環境、経済状態、人間関係、自分がこうありたいと望む姿をイメージするようなところからはじめましょう。家族みんなで仲良く暮らす,収入を◯割アップさせる、職場の人やクライアントから信頼される、いつも笑顔で過ごす・・・・・・・人それぞれのビジョンがあるはずです。そのビジョンと今のあなたをつなぐ飛び石は、今いるパラレルのすぐ隣に必ず存在します。理想の未来につながる道の存在を、あなたはどれだけリアルに実感できるでしょうか。
( パラレルシフトのポイント7
その一飛びに集中する
成功法則を教える類のセミナーでは、「この方法を使えば、必ず結果が出ますか?」と念押しする人がよくいると聞きます。確実性を求める心はわかりますが、結果に執着すると行動力が鈍ります。パラレルシフトでも、結果にこだわらず「今」に集中する感覚を持ったほうが、意図した飛び石へ軽やかに飛べます。ビジョンを掲げ、今やるべきことを無我夢中でやっていたら、気がついたら希望どおりになっていた・・・・・・よくあることです。
一度に飛ぶ距離は、長くても短くてもかまいません。
どんな距離であれ、今にフォーカスすること。その一飛びに集中していると、直感的に自分が生きたい世界を見極められます。直感は、使う中で磨かれていきます。自分にとってベストだと感じる世界線を見つけたなら、「常識」にも他人の言葉にも惑わされず、自信を持ってジャンプしてください。
そうして一飛びずつ進むうちに、私は元の場所からかなり離れた場所にいて、同じ興味や志を持つ方と出会い、やりたいことができるパラレルにいました。今の私の人生に満足していますし、安心しています。こうやってパラレルシフトを繰り返していけば、この先の未来はもっとよくなるとわかっているからです。
『パラレルシフト』 第3章 より 天日矛:著 KADOKAWA:刊
ジャンプして届くところにある連続した石の上をポンポンと跳んでいく。
イメージとしては、義経の八艘飛びのような感じですかね。
つねに次の「飛び石」を探し続けること。
そして、「これだ」と思ったら、躊躇なく飛び移ること。
何度も続けることが大事です。
上手くいかなかったとしても、あきらめずに新しい「飛び石」を探し続けたいですね。
パラレルシフトの実践力を磨くための四つのワーク
天さんは、パラレルシフトの実践力を磨くための四つのワーク
を紹介しています。
まず時間を新たな感覚で捉えるために、過去・現在・未来の三種類のワークを行います。パラレルワールドのベースといえる重要な作業です。
私たちが「過去」や「未来」と呼んでいる時間、そして無意識で過ぎていく「現在」を捉え直しましょう。シンプルなワークですが、意識の拡大、概念の書き換えに役立ちます。過去のワーク
日常の何気ない一場面を切り取って記憶してから、再生します。時間とは連続する瞬間の「一コマ」であると落とし込むワークです。
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○やり方
(1)ワークで使う日常の「ある瞬間」を選び、記憶に残す。
心の中でシャッターを切り、その場面を脳にしっかり焼きつけるイメージ。たとえば電車の向かいの席に座っている人の姿や表情、様子など。(2)記憶に残した状況を再生する。
記憶できたと思ったら目を閉じて、今見ていた場面を再現する。(3)答え合わせをする。
目を開けて、実際の様子が自分の記憶と合っているか、答え合わせをする。(4)数分後に、もう一度再生する。
(1)の場面を数分後に思い出し、脳内で画像を再生してみる。確信を持って再生できればワーク成功。
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日常の何気ない場面を記憶して再生する訓練を繰り返すと、記憶した瞬間が、「過去」と呼んでいる時間の一コマだと認識できるようになります。
ワークを目に何度も繰り返すうちに、瞬間瞬間が連続して「過去」を作っているに過ぎないと体感できるでしょう。その感覚が身につくと、過去にとらわれず「今」に集中する感覚も自然に体感できるようになります。まずは、電車やバスに乗っているとき、自宅でくつろいでいるときなど、ワークに集中できる時間的余裕があって、静止している対象物がある場面でトライしてみるのがおすすめです。
ワークに慣れてくると、なにか作業をしながらでも実践したくなってきます。買い物中に商店街やお店の様子、仕事中のワンシーンを切り取るなど、さまざまなシチュエーションで毎日の一コマを切り取っていきましょう(ただし運転中や歩いての移動中など、安全面に心配のある状況では避けてください)。次に紹介するのは、未来を扱うワークです。過去のワークと未来のワークをいずれも行うことで、時間とは「瞬間の積み重ねである」と多面的に理解していけるでしょう。
未来のワーク
数分〜数十分後の「すぐやってくる未来」にいる自分を能動的にイメージします。望む未来を現実化する力を育むワークです。
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○やり方
(1)未来を想像する。
日常の中で数分〜数十分後に訪れる未来をイメージし、その場面を記憶する。たとえば電車に乗っていて、目的の駅が近づいてきたとき、下車して改札口を出る自分を想像し、記憶するなど。(2)答え合わせをする。
実際にイメージした場面が来たら、(1)で記憶した場面と同じかどうか答え合わせする。
-----------------------------------------すぐ先の未来(短期ビジョン)のイメージが、リアルな現実になることを体験するのが、ワークの目的です。ワークの成功体験を積むと、望む未来(長期ビジョン)も現実化しやすくなります。
時間が近ければ近いほどイメージしやすくなるのて、まずは数分後からはじめましょう。前述のように乗り物で移動しているときに試すのが最もおすすめで、ほかにもランチを食べる自分や帰宅後にくつろぐ自分など、日常的な場面をイメージすると「答え」が合う確率が高まります。ちなみに、「答え」が合っているかどうかにこだわる必要はありません。日常でイレギュラーなことが起きるのは当然です。
ゲーム感覚で楽しく取り組むうち、「自分の世界を作っているのは、自分のイメージだ」と肌感覚でわかるようになるでしょう。次に、過去を書き換えるワークを行います。もちろん、過去の「事実」は変えられません。しかし、そこにひもづいている「情報」は今からでも書き換えられます。情報は「記憶」とも言い換えられますし、あるいはその事実の持つ「意味」とも言えます。
記憶を変えられると、今の心のあり方が変わり、そこから選択していく未来が変わります。ワークの前に、記憶について整理しておきましょう。人の記憶には「長期記憶」と「短期記憶」があります。
長期記憶は、子ども時代の思い出や印象的だった出来事など、時間を経ても覚えている記憶。一方、短期記憶は、一時的に覚えておけばいいロッカーのパスワードや駐車番号など、すぐに忘れられる記憶です。
人生に影響を及ぼすのは、長期記憶のほうです。ネガティブな記憶や自己否定につながる記憶を持ち続けていると、無意識に作用します。そして、その記憶の延長線上にある世界線を自動的に選び続けることになります。
トラウマがその人の飛躍を妨げたり、過去の失敗から挑戦を怖れてしまったりする例はよくあるのです。ですから、ネガティブな過去から作られる世界線が、望む未来に続く可能性はどうしても低くなります。次のページのワークでは、あなたのパラレルシフトを妨げている過去を書き換えてみましょう。
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○やり方
(1)記憶の倉庫をイメージする。
過去の出来事が一つずつ、ファイルに入れられて記憶の倉庫にしまわれている様子をイメージする。(2)倉庫の中から、ネガティブな記憶を一つ選び出す。
過去の失敗、つらかった経験、悔しかった思い出、大切な人との別れ、今も後悔していることなどのファイルを選ぶ。(3)「この経験から得たものや学びはなんだろう」を考える。
(2)で選んだ記憶を振り返って、その世界線を通ってきた理由を探す。「大病を患い苦しかったが、家族や友人のありがたさを知った」「上司から厳しくされてつらかったが、自分は部下に優しくできるようになった」など。(4)過去の情報を書き換える
(3)で出た答えを(2)の記憶とひもづけ、「ネガティブなファイル」でなく「学びのファイル」だと書き換える。「あのときの自分はよくがんばった」「一生懸命やれた」など、自分で自分自身を再評価して、自己イメージを書き換えることもできます。
-----------------------------------------時間は過去・現在・未来の連なりではなく、瞬間の連続だと述べました。過去の出来事はそれぞれファイリングされた書類のように単独で存在している。だから一つひとつ、自由に書き直せるのです。
はじめは、小さな出来事の記憶からトライして、感覚をつかんでいきましょう。慣れてきたら、大きなトラウマや心に禍根を残している出来事でもスムーズに書き換えられるでしょう。自分自身をこれまでとは違う視座から捉える訓練もまた、パラレルシフトの上達のカギです。三次元で生きる私たちは肉体に閉じ込められていますが、その外にも世界はあります。外の世界を身近に感知するには、地球を飛び出し、想像できる範囲でもっとも遠い場所から自分を俯瞰(ふかん)してみることです。
起床時や就寝前のリラックスした状態で行うと、イメージが膨らみやすいです。パラレルや多次元の存在を身近に感じられるようになるでしょう。
-----------------------------------------○やり方
(1)部屋の中で仰向けに寝る。(2)体を抜け出し、天井から自分の寝姿を見るイメージをする。
(3)どんどん上昇する。
イメージの中で天井を超えてどんどん上昇し、自分の住む地域、町、地方、日本列島と、地球から次第に離れながら、遠ざかっていく自分の姿を眺める。(4)遥か遠くから自分を見下ろすイメージをする。
大気圏を超え、遥か遠くの宇宙空間から地球を見下ろし、その中で仰向けに寝ている自分を想像する。
-----------------------------------------このワークは、「ワーク」というより、日常の習慣として身につけていただきたい姿勢といったほうがいいかもしれません。
やり方は、いたって簡単。次のことを、日に何度も意識します。-----------------------------------------
○やり方
ことあるごとに「今この瞬間の自分」にフォーカスし続ける。
-----------------------------------------リラックスタイムでも、移動中でも、仕事中にふと手が空いたときでもできます。「意識的に今という瞬間を選んでいる自分」がいるという感覚は、新しい世界観を築き、パラレルシフトを起こしていく突破口になります。
常に、パラレルシフトの起点は「今」。次の瞬間は無限に広がっていて、その中から今よりも幸せな世界線、望む未来に近づく世界線を選んでいるのは、いつだって自分自身です。
「今この瞬間の自分」を忘れそうになったら、思い出す。その作業を繰り返し、自分の心にフォーカスする瞬間を増やす。自分の意識には限りない可能性がある、未来は自分で選べる、という感覚が腹に落とせるまで、地道に続けましょう。いつも「今この瞬間の自分」を感じられるようになれば、パラレルシフトできるようになる以外にも、大きなメリットを得られます。どんなことが起きても動じなくなるのです。なぜなら、なにかアクシデントが起きたときにも、そこにとらわれるのではなく、望む世界線に意識を向け続けていられるからです。
はじめに時間の「常識」を超えるワークをしました。次に過去の書き換えを行い、それから世界の存在を改めて確認。最後に、多世界のうちのたった一つの特定のパラレルに自分が今いる感覚を丁寧に感じ取りました。
さまざまなワークをお伝えしましたが、もちろん一度に全部取り組もうとする必要はありません。
基本的には、一つ目のワークが最も難度が低く、ページが進むにつれて少しずつ奥が深くなっていきます。一つ目のワークが腑に落ちた感覚を得られたら、次のワークへコマを進めていくと、確実にステップアップして、パラレルシフトがより上手に行えるようになるはずです。
なお四つ目のワークは簡単そうに見えますが、三つ目までのワークがしっかりマスターできてから行えば、ワークの納得感がより大きくなります。すべてのワークが腑に落ちると、これまでの「常識」とは異なる新たな世界観が、あなたにとっての「普通」になってきます。そして毎瞬、毎瞬、パラレルシフトしている自分が「普通」だと確信できるようになります。
早く願いを叶えたいと思うかもしれませんが、「急がば回れ」。焦りは禁物です。年齢、性別、育った環境、性格、趣向・・・・・誰一人として同じ人はいません。叶えたい望みや夢も人それぞれです。ワークに取り組む姿勢も、すべてのワークを完遂するまでにかかる時間や労力も、一人ひとり異なるでしょう。自分の状況やライフスタイルに合ったプロセスで進んでいきましょう。誰一人同じ人はいませんが、すべての人に共通してお伝えしたいワークのコツが一つあります。それは「遊び感覚でやりましょう!」ということ。
楽しくなければ、何事も長続きしません。ワークを繰り返していくと、新しい世界観とますますなじんでいきます。継続が大切で、続けるにはワークそのものに楽しみを見出すのが一番です。と同時に忘れてはいけないのが、私たちは肉体を持ってこの地球で暮らしているということ。
ワークに夢中になりすぎて、リアルな日常生活をおろそかにしないでください。地に足をつけて日々の生活を丁寧に営みながら、ふとした瞬間に、これらのワークに取り組む。そのくらいの力加減でいいのではと私は考えています。
新鮮な視点で日常を捉え、これまでの人生に新しい風を吹かせる助けになれば幸いです。『パラレルシフト』 第5章 より 天日矛:著 KADOKAWA:刊
理論として理解するのは、それを腑に落として実践するのは、別物です。
天さんは、いくら理論がわかっていても、それを現実で活かさなければ、昨日と変わらない世界線が続いていくだけ
だと指摘します。
これらのワークを繰り返し行って、パラレルシフトのコツを掴み、自分のものにしたいですね。
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かつて、世界では「太陽が地球の周りを回っている」という天動説が常識とされていました。
そんな時代に颯爽と現れたのが、ガリレオ・ガリレイです。
ガリレオは、「太陽が地球の周りを回っている」という説を唱えます。
いわゆる「地動説」は、当時の世界に大きなインパクトを与えました。
「パラレルシフト」の概念も、まさに「地動説」に匹敵するものです。
まだまだ世の中に受け入れられてはいません。
この考え方が常識になったとき、どのような世界が創造されているのか。
今からワクワクしますね。
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