【書評】『10倍伝わる話し方』(渡辺美紀)

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 お薦めの本の紹介です。
 渡辺美紀さんの『言いたいことは1分で! 10倍伝わる話し方』です。

 渡辺美紀(わたなべ・みき)さんは、セミナー講師です。
 大学卒業後、外資系食品メーカーで営業や営業企画を担当されるかたわら、劇団を立ち上げ、舞台役者としても活動されていました。
 現在は、テレビ番組のレポーター・ナレーター・司会業などのほか、企業や自治体、個人のビジネスパーソンを対象に「10倍伝わる話し方セミナー」の講師として3000人以上を指導されいる「話して伝えること」のプロとしてご活躍中です。

『伝わる』の大きさは、「思い・考え・知識」×「話し方」


「伝えたい思いや考えがあるのに、うまく話せない」

 そんなもどかしい思いを経験したことのある方は、多いのではないでしょうか。

 渡辺さんは、相手に伝わることの大きさは、「思い・考え・知識」×「話し方」のかけ算だと述べています。

 10の熱い思いがあっても、話し方が1だったら、10×1で、10しか伝わりません。
 でも、話し方を10にできれば、10×10で、同じ思いが、10倍の影響力をもって、相手に伝わると強調します。

 本書では、「話すことで伝えるプロ」渡辺さんが、誰でも簡単に使えて、すぐに役立つことを厳選した「話して伝える」方法をまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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上司や先輩には「1分だけいいですか」と話しかける


 仕事中は、たいてい、みんな忙しいわけですから、相手に手を止めてもらう工夫が必要になります。
 そのためには、相手に話したいの「ダイジェスト版」を1分だけ聞いてもらうことが有効です。

「1分だけ」なら、時間をもらいやすいのです。
 自分がもし「話を聞く側」だったらいかがでしょうか。自分が忙しいときに、話しかけられて、いったい何分続くか分からない話をえんえんされたら、どうでしょう。
「この話は、いつまで続くんだろう・・・」それが気になって、肝心の内容は頭に入らなかったり、「今度からは、この人には、なるべくつかまらないようにしよう」なんて警戒してしまったり。
 でも、「1分だけいいですか」と言って、ちゃんと1分で話し終えてもらえたら、安心ですよね。もし忙しくても「1分」だったら「ちょっとだけ手をとめて話を聞こう」という気にもなります。
「1分だけいいですか」は、相手に「話を聞いてもいいな」と安心してもらうために、必要なひとことなのです。

 1分だけでも、伝えたいことの「ダイジェスト版」を聞いてもらえた場合は、さらに「次の展開」もありえます。
 私の経験から言うと、「1分間だけいいですか」と言った場合、80%ぐらいの確率で、その先の詳しい話を聞いてもらえるし、判断をあおぐことができます。

 『10倍伝わる話し方』  第1章 より  渡辺美紀:著  幻冬舎:刊

 渡辺さんは、実際にこの「1分だけいいですか戦法」を使うようにすると、以前の4倍から5倍も、その場で話を聞いてもらえるようになったと、その効果の大きさを強調します。

 聞く方としても、勝手な判断で動いてミスされるリスクが少なくなり、結果として負荷も減ります。
 双方にとってハッピーな方法といえますね。

「会議にいてくれて助かる人」になる3つの習慣


 この人たちのおかげで、会議が長くなる、時間のムダになる。
 そう言われる人は、どこの組織にもいるものです。

 渡辺さんは、中でも「1回の発言が長い人」「反対意見しか言わない人」「発言しない人」は「3大困ったちゃん」だと指摘します。

「困ったちゃん」にならないために、「会議にいてくれて助かる人」はどんな人かを知っておきましょう。実際に、9割の方が「会議にいてくれると助かる人」として挙げるのは、次の3つの習慣を見につけている人です。

「会議にいてくれて助かる人」になる3つの習慣
①「1−1−1の法則」で発言する
  ・「1回の発言」では「1つのこと」を「1分以内」で話す
  ・意見がたくさんあっても、「それと、それと」と、いくつも一気に言わない
②「反対意見と代替案は2個セット」で発言する
  ・何かに反対意見を言うときには、必ず「代替案」を言う
③「無言禁止」と心得る
  ・会議では、「発言しない」は、なし!と心得る
  ・結果的に発言する必要がなかったとしても、いつでも発言するつもりで参加する

 この「3つの習慣」は、私が研修の場で「会議には、こういう人がいてくれるといい」という声を聞いてきた中で、9割の方が実際に挙げているものです。そして、まだ、できている人が少ないのが現状です。つまり、現時点では、この「3つの習慣」を身につけている人は、非常に希少価値があるのです。

 『10倍伝わる話し方』  第1章 より  渡辺美紀:著  幻冬舎:刊

 日本には、会議の場を、「意見を集約してまとめる場」ではなく、「自分の意見を言い合って白黒をつける場」であるという認識を持っている人が多いということですね。

 ただ長いだけで中身の軽い会議は、無用の長物です。
 まずは、自分が「会議にいてくれて助かる人」になって、一目置かれる存在になりたいですね。

相手の「最新ネタ」を収集しておいて、第一声で伝える


 最近よく、コミュニケーションで大切なことは「聞くこと」だ、と言われています。
 しかし、何の工夫もなく「相手の話を聞こう」と思っていると、当然、話は盛り上がりません。

 渡辺さんは試行錯誤して、その「答え」を見つけました。

 それは、会う前に「相手について知っていること」を仕入れておくことです。
 しかも、知りうる限りの「最新のネタ」であることがポイントです。

 自分の「最新ネタ」を第一声で伝えられたときの驚きと感動! それを知った私は、自分でも実行してみることにしました。特に、「初対面」の方と会うときや、「この方となんとしても仲良くなりたい」と思うときには、必ず、相手の「最新ネタ」を仕入れておくようにしました。その「ネタ」は、たいていは、ほんのちょっとしたことでいいのです。
 まず、相手の方がフェイスブックやブログを使っていないかを検索し、見られる範囲で新しい記事を読んでおきます。
(中略)
 もちろん、ブログもフェイスブックも使っていない方もいます。その場合には、その方の勤めている会社や所属している団体のホームページの「最新情報」を見ておきます。また、最新のテレビコマーシャルなどを見ておきます。

 『10倍伝わる話し方』  第2章 より  渡辺美紀:著  幻冬舎:刊

「相手の話を聞かせてもらう」ためには、「相手が喜んで話してくれる」必要があります。
 そのためにも、相手の「最新ネタ」を仕入れて、それを第一声で話すことがとても効果あります。

 5分か10分の行動が、相手に驚きと感動を与え、その後の話が盛り上がるのなら、安いものです。
 ぜひとも、試してみたいですね。

「自己紹介」では「自己」を紹介しないこと


 プレゼンテーションや、講演、採用面接など「自分の考えを相手に受け入れてもらいたいとき」「自分を選んでもらいたいとき」。
 そんなときには、まず、「この人の話しなら前向きに聞きたい」「この人となら一緒に仕事をしたい」と思ってもらうことが大切です。

 渡辺さんは、自己の体験から、自己紹介で文字どおり、「自己」を紹介してしまうと、失敗すると指摘します。

「相手に選んでもらうために『自己紹介』で何を伝えるべきなのか」

 大切なポイントとして、「関心」「共通点」「貢献」の3つの単語を挙げています。

 渡辺さんは、それぞれの頭文字をとって、「3Kセット」と呼んでいます。

①関心:相手についてどれだけ知っているか
 相手が驚くくらい下調べし、相手について知るための具体的な行動をしておくことです。「自己紹介」の初めに、「相手についてどれだけ下調べしたか」「相手を知るためにどれだけ行動したか」が分かるように伝えます。それが、相手の予想をはるかに超えたレベルであれば、相手は「感動」してくれます。
(中略)
②共通点:「相手が大切にしていること」と「自分の個性」の共通点
 相手と、自分の個性の「共通点」を探します。
「共通点」は、「相手が大切にしていること」の中から探すのがポイントです。
 選んだ「共通点」が相手にとって「大切なこと」であった場合には、「この人は、自分たちが大切にしていることをわかってくれているな」と思ってもらえます。
(中略)
 ③貢献:相手に対して、自分はどう貢献したいか
 相手が関心を持っているのは、「結局、この人、私たちにとって、どんなうれしいことしてくれるの?」ということでしょう。だから、最後に「どう貢献するのか」を必ず伝えます。

 『10倍伝わる話し方』  第3章 より  渡辺美紀:著  幻冬舎:刊

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 人は「感情」が動いたときに動いてくれます。

「実績や経験で考えたら、同じレベルだけど決め手がない」

 そのようなときに、最後にモノを言うのは、相手の「感情」をどれだけ動かせたか、です。

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