【書評】『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』(ピエール・フランク)
お薦めの本の紹介です。
ピエール・フランクさんの『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』です。
ピエール・フランク(Pierre Franckh)さんは、ドイツの俳優、映画監督、脚本家です。
「思いの共鳴」が、人生を変える!
「人間の信念には、自分が信じる状態に導く力がある」。
それが、現代物理学における量子論のもっとも新しい考え方です。
「こんな人になりたい」
「こんなことを成し遂げたい」
そのような強い思いが、自分に起こるすべての現実を創り出していきます。
フランクさんは、健康、病気、抵抗力、ホルモンのバランス、自然治癒力、さらには幸せを感じられる能力にいたるまで、すべてが信念の影響を受け、自分が信じる方向に導かれていく
と述べています。
つまり、「できる」という信念さえ持つことができれば、どんなことでも実現可能だということ。
今この瞬間、無限の可能性なんてありえない、と思っていませんか? そうだとすれば、それがあなたの信念です。あなたの抱く信念に、正解もまちがいもありません。よい、悪いということもありません。それは、ただのあなたの信念です。この信念に従い、あなたの人生は方向づけられ、発展していきます。
しかし、自分の信念や世界像が、まちがった事実や情報に基づくものだとしたらどうでしょう?
いずれにしても、最新の科学では、私たちの「思い」や感情、信念で、どんなことでも起こせることがはっきりと証明されています。それは、感情的に記憶された信念が、強力な「共鳴フィールド」を築き上げるからです。私たちが築いた共鳴フィールドと同じ波動をもつすべての人や物事(物と出来事)は、私たちの共鳴フィールドに包まれると共振しなければなりません。
自分が築いている共鳴フィールドがどのような状態にあるかを知ることは重要です。なぜなら、私たちは今、その真っただ中にいるからです。あなたはなりたい人になれるとしたら、どんな人になりたいですか?
そして、今その考えを邪魔するものは何ですか?『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』 プロローグ より ピエール・フランク:著 中村智子:訳 サンマーク出版:刊
信念が、「共鳴フィールド」をつくり出し、同じ波動をもつすべての人や物を引き寄せます。
本書は、“なりたい自分”を引き寄せる「共鳴の法則」を解説し、その実践方法をまとめた一冊です。
その中からいくつかピックアップしてご紹介します。
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願いを叶える「共鳴の法則」とは?
ピエールさんは、「共鳴の法則」について、以下のように説明しています。
共鳴の法則とは、波動によって万物がコミュニケーションする方法のことです。私たちが知っている世界のありとあらゆるものは、それぞれのペースで振動しています。人間の体や臓器や細胞も振動しています。物質も同じように振動しています。物質の波動エネルギーを調べてみると、それぞれの物体は固有の周波数で振動していることが確認できます。なかには、同じ周波数、あるいは似たような周波数で振動している物体もあります。
ピアノが一例としてあげられます。ピアノの鍵盤(けんばん)をたたくと、たたかれた弦と共振する――たたかれた音を判別し和音になる――すべての弦が同じように振動します。音は高いことも低いこともあるでしょう。共鳴しているかぎり振動しつづけます。私たちの波動に共鳴する人や物や体験は、私たちがつくり出した共鳴フィールドから逃れることはできません。
共鳴する人や物や体験は、私たちの波動に反応します。反応しなければならないのです。
たたかれた弦に共鳴するピアノのように、共鳴するより他に、どうすることもできません。人も物も体験も、同じレベルで振動しているものと共振せざるをえません。
さて、人や物や体験が、私たちのエネルギーで振動させられるメリットは何でしょうか? そこには、共鳴の法則のもう一つの特徴が関係しています。それは「同じものはつねに引きつけ合う」というものです。
自分と共鳴するものはすべて、自分の人生に必然的に引き寄せられます。それは、自分にとって、必ずしもプラスであるとは限りません。強い波動は、物質を破壊することもあるからです。たとえばオペラ歌手は、歌声だけでグラスを砕くことができます。空間に響く声のエネルギーがグラスに伝わり、そのエネルギーがグラスと同じ振動、すなわち、グラスの分子と同じ周波数であると、波動はたいへん強くなり、グラスが砕け散るのです。
もちろん、人間はグラスのように砕け散りはしません。しかし、自分の中にある、いわゆる「ネガティブな」エネルギーによって、いやな、不快な、ときには衝撃的な体験がもたらされることがあります。
ですから、自分は今どのような波動を送っているか、どのような共鳴フィールドを、意識的に、あるいは無意識のうちに築いているのかを把握することが大切です。『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』 第一部 より ピエール・フランク:著 中村智子:訳 サンマーク出版:刊
一般的に、異なる波長(周波数)の波同士を重ねると打ち消し合います。
逆に、同じ波長の波同士を重ねると増幅していきます。
すべての物質には固有の周波数があり、同じ波長のもの同士が共鳴し、引きつけ合う。
人間も例外ではないということですね。
引き寄せたいものや人、出来事と同じ波動を発信すること。
つまり、自分の周りに、そのような共鳴フィールドを築き上げること。
それが、“上手にお願いする”ための秘訣です。
心臓が願いを「電磁波」に変える
1993年にハートマス研究所において、「心臓」に焦点を当てた実験が行われました。
そこでは、心臓が直径およそ2.5メートルの巨大なエネルギーフィールドに囲まれている
という驚くべき事実が確認されました。
さらには、心臓から生み出された電磁場は、臓器に情報を伝達していることもつきとめられました。
フランクさんは、心臓は、信念と感情を電磁波に変える働きをしている
と指摘しています。
この電磁波は体内だけでなく、外の世界にも広がり、自分を取り巻くすべての物事に働きかけます。
心臓は信念やイメージや感情をすべて、他の言語――暗号化された振動と波の言語――に翻訳し、発信しています。私たちの信念は、心臓が放つ電磁波を通じ、物質的な世界と影響し合うのです。
放たれたエネルギーがどれほど大きいか、ハートマス研究所実験結果が示しています。*心臓の電気的活動(心電図)は、脳から生じる電気的活動(脳波)よりも最高で60倍強くなる。
*心臓から発生する磁場にいたっては、脳の磁場より最高で5千倍強くなる。つまり、脳より心臓から発せられるエネルギーのほうがはるかに大きいということなのです。
それを知ることが、どうしてそんなに大切なのでしょうか? とても簡単なことです。一生懸命努力し、すぐれた知識と精いっぱいの良心に従い、ビジョンを描いてみたところで実現しない願いがあるのに対し、簡単にかなってしまう願いがあるのはどうしてかが、このことから理解できるからです。*願いの実現を心から納得していない状態で、お願い言葉を唱え、イメージしている場合、電磁波は脳からしか発信されていません。それに対し、感情の中心である心臓からは、真の信念である、疑い、不安のエネルギーが5千倍もの強さで放たれています。その結果は明白です。人生には、私たちが心の底から信じていることしか起こりません。
感情の力で信念を強めると、放たれるエネルギーはずっと強くなります。悲しんだりふさぎ込んだりしてエネルギーが落ち込んでいるときには、その状態を望んでいるかのように願うことになります。つまり、心臓の辺りから発せられる悲しみの力のほうが、理性によって発信される願いよりもはるかに強いエネルギーをもっているのです。
預言者、賢者、世界の師と呼ばれる人々は、いつの時代であっても、「心の目で見る」ことを学びなさい、と説いています。心の世界を変えられるということです。
世界中の精神世界の師と呼ばれる人たちがこれまで私たちに諭してきたことや、聖書の「信仰は山をも動かす」といった教えは、より深い科学的な次元を手に入れたといえるでしょう。
「あなたがたが、信仰をもち、疑うことがなければ、・・・・この山に向かって『動いて、海に入れ』と言っても、そのとおりになります。あなたがたが信じて祈り求めるものなら、何でも与えられます」(マタイによる福音書21章21節、22節)
揺るぎない信念だけに、自分の世界に新しいことをつくり出す力が備わっているのです。
信じていることは実現します。信じる気持ちは、心臓から放たれる強力なエネルギーと結びついているからです。『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』 第一部 より ピエール・フランク:著 中村智子:訳 サンマーク出版:刊
昔から、心臓(ハート)は、愛などの感情を司る臓器として取り扱われてきました。
科学の進歩により、それは単なる象徴ではないことがわかってきたということですね。
心臓は、自ら巨大なエネルギーフィールド(電磁場)をつくり出し、強力な電磁波を発している。
そして、その電磁波によって他の臓器や外の世界に影響を与え続けている。
感情の力、信念の力が及ぼす影響の大きさが、科学的にも裏付けられたということです。
思いの力て未来をつくる!
私たちは思いの力でエネルギーを放っており、その力で未来を引き寄せることができます。
フランクさんは、思いの力が未来を引き寄せる原理について、以下のように説明しています。
さて、量子力学の世界には、いわゆる波(考えや信念)が空間だけでなく、時間的にも広がるという考え方があります。つまり、過去から未来に流れる波と未来から過去にさかのぼる波が存在しているというのです! たしかにこれは驚くべきことです。
過去から未来に進む波を「遅延波」、未来から過去にさかのぼる波を「先進波」といいます。
二つの波が出合うと、つまり、未来から先進波が過去にさかのぼり、私たちから放たれた遅延波に遭遇すると、波は干渉し合い、私たちが体験するであろう出来事を形作ろうとします。このときに、その出来事がどれくらい確実に起こるかを表す、いわゆる経験的確率が高まります。
(中略)
わかりやすくするために、ファックスに置き換えて考えてみましょう。ファックスを送信するとまず、送信先の機器とつながります。それから、ある種の信号を発し、どのルールで送信するか情報を交換します。そして、共通の送信基準に達すると受信側にデータが送られます。
「似たような方法で・・・・過去と未来はコミュニケーションし、ぴったり合う信号が遭遇したときに、過去からの遅延波と未来からの先進波は、その“中間地点”でもっとも確率の高い出来事を具体的に形にします。それが現在、体験している状態です。このことは、過去が未来に影響を与えるだけでなく、未来も過去に影響を与えるということです!」(『Die Entstehung der Realitat[真実の成り立ち]』)
私たちにとって、時間は直線的、すなわち過去から未来に向けての一方向にしか進行していないので、理性的には、逆行する時間をイメージするのは少々難しいかもしれません。
しかし、未来は過去と同じくらい現実的なのです。未来はすでに「外の世界のどこか」に存在しています。そうでなければ、未来が過去――私たちにとっても現在――に波を送り返すことはできません。あなたの未来もすでに存在しています――今この瞬間にも。けれども、未来がすでに決まっているわけではなく、さまざまな種類の未来の中から自ら選びとれます。厳密にいうと――最新の科学の考え方では――未来がすでに存在しているからこそ、自分にふさわしい未来が選べるのです。*時間は、私たちが感じているように直線的に動くものではありません。すべてが同時に起こっている、と考えられています。
*過去も現在も未来も、今この瞬間に存在しています。
私たちが感知できるのは、もちろん一つの時間だけで、他の状態はわかりません。これは不思議なことではありません。結局のところ、人間が知覚できることは非常に限定されているのですから、たとえば、人間の視覚は光のスペクトルの8パーセントしか認識できません。同時に私たちを取り巻く真実の92パーセントは、人間の感覚では感じられません。感じられないことは、私たちにとってはまったく存在しないも同じです。けれども実際には存在しています。私たちは自分を基準にして物事を見ているので(そのうえ、理解力も非常に限定されているので)、世の中には目に見えないものが存在することを理解できずに、そういったものを否定します。
しかし、実際には、他から発せられるエネルギー、波動、情報といったものに、私たちは囲まれているのです。『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』 第一部 より ピエール・フランク:著 中村智子:訳 サンマーク出版:刊
「過去も現在も未来も、今この瞬間に存在している」というのは、なかなか衝撃的な理論です。
時間が過去から未来に直線的に流れるのではなく、無数の過去や未来(現在も含めて)が並列して存在する。
たしかに、そう考えるほうが「引き寄せの法則」をすっきりと理解することができます。
願いの「共鳴フィールド」を正しく築く
願いを叶えやすい環境を整えるためには、「正しい共鳴フィールドを築く」ことが重要です。
正しい共鳴フィールドを築くということは、自分が望むエネルギーを送り出すことにつながります。
フランクさんは、正しい共鳴フィールドを築くことの重要性について、以下のように述べています。
それまでゆったりとした気持ちのいい時間が流れていたのに、どうしてこんなに激しくケンカをしているのか、自分でもわからないことがよくあります。
答えはとても簡単です。他人の共鳴フィールドにとらえられ、揺り動かされているからです。つまり、自分の波動が、他人の負の波動に合っていたということです。望むと望まざるとにかかわらず、私たちは他人のエネルギーの影響を受けるのです。
さらに注意深く観察してみると、この争いのエネルギーは、自分と無関係ではない、と気づくでしょう。争いのエネルギーが自分の中に存在しなければ、影響を受けなかったはずです。私たちは争いのエネルギーと共鳴しないでしょう。自分にはない波動に共鳴することはありません。ケンカ早い人の挑発に乗ってしまうのは、自分にも争いを起こす要素があるということです。
私たちには、あらゆる感情が備わっています。穏やかで、愛情深く、思いやりがある面もあれば、怒りを覚えたり、不機嫌だったり、嫉妬(しっと)を感じたり、気分にむらがあったり、疑ったりすることもあります。たとえば、とても親切で思いやりがある人に出会ったとします。すると、私たちも同じように穏やかで心のこもった対応をし、心から共感します。私たちの中には、両者――怒りと思いやり――がすでに存在しているのです。そうでなければこれらの感情には反応しません。自分の内側のどの波長を活発にするかは、自分で決められます。
どの波動を活発にするか、自分で自由にあやつることができます。
いい意味で他人のエネルギーに影響されることもあります。たとえば、教会に足を踏み入れると、私たちは突然、外にいるときとは違う態度になります。そのように振る舞うことが期待されているから、ということもありますが、教会という空間に漂う平穏で満ち足りた波動と自らがかかわり合うからです。私たちは教会に漂うエネルギーを受け止め、自ら心を静め、穏やかになります。建物の外に出て日常生活に戻っても、心の静けさが継続することもあります。
スピリチュアルな内容や感動的な本を読んだり、元気になれる音楽を聴いたりするときも、似たようなことが起こります。私たちは他人の共鳴フィールドや音をすばやくキャッチし、自分をそこに同化させます。このときに自分で行ったことがあるとすれば、自分から求めるエネルギーに近づいていった、ということです。自分を望むエネルギーに近づけ、そこにある共鳴フィールドをうまく利用するのです。『宇宙に上手にお願いする「共鳴の法則」』 第二部 より ピエール・フランク:著 中村智子:訳 サンマーク出版:刊
自分の周りを、自分の望むエネルギーを発信するものや人で囲むこと。
それが、正しい共鳴フィールドを築くために重要です。
「自分の内側のどの波長を活発にするか」
発する波動を適切にコントロールすることが、「共鳴の法則」を働かせる秘訣です。
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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆
1972年、インド出身の物理学者、哲学者、教育家であるマハリシ・マヘーシュ・ヨーギーの指導のもと、北米の人口1万人以上の24都市で、たった1%の住人が特別な瞑想を行なう実験が行われたことがあります。
その結果は、24都市すべてにおいて暴力と犯罪が明らかに減少するという、衝撃的なものでした。
この現象は、「マハリシ効果」と呼ばれています。
たった1%の人数でも、母集団全体に大きな影響を及ぼすことができるのは、驚きですね。
マハリシ効果は、信念の力と「共鳴の法則」の力の強さを示している一例と言えます。
私たちも、脳の何千倍ものエネルギーを持つ心(ハート)の力を解放し、「正しい共鳴フィールド」を築き、望む現実を引き寄せたいですね。
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