【書評】『「空腹」が人を健康にする』(南雲吉則)

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 お薦めの本の紹介です。
 南雲吉則先生の『「空腹」が人を健康にする』です。
 

 南雲吉則(なぐも・よしのり)先生は、美容外科がご専門の医師です。

「空腹」が若返り効果を生む


 南雲先生の提唱する若返りの方法は、ずばり「小食」です。
 “暴飲暴食しない”とか“腹八分目”とか、そんな生易しいものでなく、「一日一食」が基本。

 もちろん、南雲先生が「一日一食」を提唱するのは、理論的な裏付けがあってのことです。
 最初に以下のように述べています。

 空腹状態が人間の体にとって重要な働きをする、ということが近年明らかになってきました。
「空腹が体にいいって?そんなバカな!」
「そもそも腹がヘった状態のままでいたら、体に悪いだろう?」
 ほとんどの方がそう思われることでしょう。
 しかし、私は医者の立場からも、自分の経験からも、その疑問に関してはっきりいえます。「どんどん栄養を摂れば元気になれる、というのは古い考え方である」。いえ、それどころか、「空腹でお腹が鳴ると、体にいいことが細胞レベルでどんどん起きて、若返りの効果がある!」とまでいい切れるのです。

  『「空腹」が人を健康にする』 プロローグより  南雲吉則:著 サンマーク出版:刊

 つまり、健康のためには、「栄養の摂り過ぎを控えるための小食」ではなく、「空腹状態を作るための小食」が必要です。
 ここでは医学的な根拠などに焦点を当てて紹介します。

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生命力は飢えや寒さへ耐えることで得られた


「空腹状態が健康に良い」
 その根拠は、どこにあるのでしょうか?
 例として挙げられているのは、WFP(世界食糧計画)が公表している「ハンガーマップ」(国民の何%が飢餓状態であるかを示すマップ)です。

 ハンガーマップと「出生率マップ」(女性一人当たりの生涯に産む子供数を示すマップ)を重ね合わせると、見事に相関を示します。
 つまり、飢餓状態である国ほど出生率が高くなり、恵まれた飽食状態の国ほど出生率が低くなっています。

 南雲先生は、その理由を、人間の生命力は飢えや寒さや感染症に耐えることで進化、活性化してきたためと説明しています。 

 つまり、人類存亡の危機を何とかかいくぐって、生き延びてきた者の子孫である私たち現代人には、飢えや寒さや感染症のときこそ生きる力が湧いてくる「生命力」というものがあるのです。
 その生命力の源こそが、私たち人類が危機を乗り越えることによって獲得してきた「生命力遺伝子」なのです。
(中略)
 ただやっかいなのは、飢えや寒さの状態におかれないと生命力遺伝子は働かないこと。さらに飽食状態では逆に、体を老化させ、出生率を下げ、免疫が自分の体を攻撃するほうに働いてしまうことです。

  『「空腹」が人を健康にする』 第1章より  南雲吉則:著 サンマーク出版:刊

 生命力の源である「生命力遺伝子」も、必要がなければ、マイナスに作用してしまいます。
 例えば、「生命力遺伝子」の一つである、「飢餓遺伝子」
 この遺伝子のおかげで、わずかの食事から最大のエネルギーを蓄えることができます。
 逆に、食べ過ぎた場合に、栄養分を内臓脂肪に変えて蓄えてしまう働きもあります。
 飢えを凌ぐために必要な遺伝子も、飽食の時代には、太り過ぎの原因になるということです。

老化や病気をくい止める働きをする遺伝子の存在


「飢餓遺伝子」ともうひとつ、人類の生命を維持するために働いてきた、重要な遺伝子があります。
 それが、最近にわかに注目を集めている延命(長寿)遺伝子、正式名「サーチュイン遺伝子」です。

 こうした実験結果から、生物が飢餓状態におかれた場合、何とか生命を維持しようと活性化する遺伝子がどこかにあるのではないか。そんな予測のもとに研究を続けた結果、見つかったのが「サーチュイン遺伝子」です。
 さらに調べていった結果、この遺伝子は、空腹状態におかれたとき、人間の体内に存在している50兆の細胞の中にある遺伝子をすべてスキャンして、壊れたり傷ついたりしている遺伝子を修復してくれる、ということが明らかになりました。

  『「空腹」が人を健康にする』 第1章より  南雲吉則:著 サンマーク出版:刊

「老化や病気をくい止める働き」をしているのが、「サーチュイン遺伝子」です。
 健康になるためには、この「サーチュイン遺伝子」を上手く作用させることが必要です。

 ここで問題となるのは、「飢餓遺伝子」や「サーチュイン遺伝子」などの「生命力遺伝子」は飢餓状態でないと発現しないということです。
「生命力遺伝子」を働かせるための最適な方法。
 それが、「一日一食」を基本とした健康法です。

お腹が鳴ることで健康は作られる


 南雲先生は、「空腹」がなぜ健康にいいのかについて、以下のように述べています。
 

 あなたが一日一食を始めていつまでたっても食事が流れてこないと、小腸はあせって「モチリン」という消化ホルモンを出します。このホルモンは胃を収縮させることによって、まだ胃の中に残っているかもしれない食べ物を小腸に送り込ませようとします。これを「空腹期収縮」といって、お腹グーグーの正体なのです。
(中略)
 さて、モチリンで胃を絞り出しても、何も食べ物が流れてこなければ、次は何をしたらいいでしょう。そうです。食事をさせなければいけません。
 そこで、空腹に気づいた胃袋から「グレリン」というホルモンが出ます。グレリンの語源は英語の「Grow」つまり「成長」です。グレリンは空腹によって刺激された胃粘膜から分泌され、脳の視床下部に働いて食欲を出させるのが仕事です。そして同時に脳の下垂体に働き、成長ホルモンを分泌させます。
 成長ホルモンは、またの名を「若返りホルモン」といいます。つまりお腹がすいて胃がグーグーいっているとき、若返りホルモンによってあなたはどんどん魅力的になっていくのです。

  『「空腹」が人を健康にする』 第3章より  南雲吉則:著 サンマーク出版:刊

 お腹が鳴っても、すぐに食べるのではなく、しばらくその状態を保つ。
 それが健康のためには重要です。
 食事を美味しく頂くためにも、ちょっとの間我慢しましょう。

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 最後に、南雲先生は以下のようにおっしゃっています。

 みなさんはどういう状態が「健康」だと思いますか?
「病気をしていない」とか「検査結果が正常値」だと思っている方が多いのですが、それは「予病」、内面の病気がまだ表に出ていないだけかもしれません。
 お腹に脂肪がたっぷりついていたら、血管のも脂肪がこびりついているでしょうし、肌がシワ・シミだらけなら、脳も内蔵も錆びついているでしょう。つまり、「外観は健康状態のあらわれである」ということです。
 私の提唱する健康法は、元気なお年寄りをつくろうとしているのではありません。内面の健康が表にあらわれて、若く美しくなっていただきたいのです。その最終ゴールは肌がつやつやでウエストがくびれていることです。そのために有効な方法は「空腹」「完全栄養」「睡眠」の三つだけです。

  『「空腹」が人を健康にする』 エピローグより  南雲吉則:著 サンマーク出版:刊 

「外観は健康状態のあらわれである」
 気を付けないといけませんね。

 ということで、私もこの本を読んだあと「小食生活」を始めました。
 とは言っても、「一日一食」はまだまだ敷居が高すぎるので、一回当たりの食事量を減らすとか、お腹が鳴ってから食事するとか、肉類をなるべく避けるようにする程度のことだけです。
 2ヶ月くらい経ちましたが、健康状態は間違いなく良くなったと実感しています。
 食費の節約にもなるので、一石二鳥。
 これからも続けていきたいですね。
 いずれ「一日一食」の超・小食ライフを実現し、南雲先生のような若々しく健康的な五十代を迎えたいものです。
 南雲先生の、これからのご活躍を願っています。

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