【書評】『からだの声、聞いてる?』(滝村桂子)

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 お薦めの本の紹介です。
 滝村桂子先生の『からだの声、聞いてる?』です。

 滝村桂子(たきむら・けいこ)先生は、薬剤師・心理カウンセラー・絵本セラピストです。

「からだ」を知ることは、「自分」を知ること


 滝村先生は、自然界を大宇宙とするならば、人の体内は小宇宙だと指摘しています。

 ここで大切なことは、臓器そのものが問題なのではなく、臓器のバランス、自然界との調和が一番の問題だということです。したがってからだの細部にわたって精密に検査し対処法を確立していく現代医学とは明らかに一線を画し、要は現実の臓器に着目するのではなく、思考と経験に基づいてバランスを整えることで病気をよくしようという考え方なのです。
 この思考と経験に基づいて臓器のバランスを整えるという、一見不完全に思えるやり方には理由があります。私たちは、実は一人ひとり自分にしかわからない固有の取扱説明書を持っていて、そこにはあなたの性格に絡んだ思いグセ(=考え方のクセ)が反映されるようになっているわけです。さまざまな症状の原因が思いグセにあるとするなら、あなたのからだの症状は、あなたにしか読み解くことができないということになります。つまり、からだの問題を解決する糸口は、一人ひとり違うということです。

 『からだの声、聞いてる?』 はじめに より 滝村桂子:著 サンマーク出版:刊

 滝村先生は、自分のからだの声を聴き、その声に寄り添えば、本来のあなたらしいあなたに出会えると述べています。

 本書は、自分のからだを読み解くことで、健康で充実した人生を送る方法を解説した一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分にしかわからない「からだの取扱説明書」とは?


 滝村先生は、「からだ」は私たちの意識の95%を占める「潜在意識」そのものだと指摘します。

 私たちは生まれてきた瞬間から亡くなるまでの全人生を、実は事細かに計画して生まれてきます。
 すべての細胞には、“人生の計画書”ともいえる情報がすでに書き込まれているのだそうです。

 いっぽう、もっとミクロな世界に注目してみましょう。私たちが持つ37兆個の細胞はそれぞれ、どんな記憶を持って生まれてくるのでしょう? 37兆個の細胞は、その一つひとつにすべて「遺伝子情報」という百科事典ほどのボリュームの情報を持っています。つまり、どの細胞もからだの中のどんな細胞にもなれる情報を持っているということです。
 ところが細胞ごと、それぞれの百科事典に付箋が貼ってあって、その通りに分裂するよう指示が書いてあります。つまり細胞は間違うことなく確実に、なるべき細胞へと分化していきます。それは、とても整然と分かれていくのです。私たちのように迷い悩みながら送る人生とは真逆ですね。
 人は生まれてきた理由を忘れてしまっているので、よく迷い、よく悩みますが、細胞は決して迷いません。爪になった細胞が「本当は心臓のほうがよかったなあ・・・・・」なんてことは決して思わないでしょう。潜在意識である細胞は自分が何者であるかをちゃんと知っているのです。
 この潜在意識である細胞たちでできた「からだ」は「五感」というすばらしいセンサーを使って、私たち「人」が顕在意識で考えていること、行動していることの違和感をキャッチします。そして、その違和感を、さまざまなからだの症状として出現させることで、忘れてしまっている計画を思い出していくのです。つまり、自分自身のからだの取扱説明書は、最初に計画書を書いた当の本人の潜在意識の中に、ちゃんと組み込まれているということです。

 症状が出てお医者様にかかっても、できることは、あなたのその症状を緩和させるための対症法でしかありません。自分の潜在意識からの情報を「からだの症状」として吸い上げ、そこに気づきを得ることができるのは自分だけなのです。そう、あなたの取扱説明書はあなたにしか理解できません。いえ、あなただからこそ、あなたの症状を読み解くことができるのです!

 『からだの声、聞いてる?』 第1章 より 滝村桂子:著 サンマーク出版:刊

 人間は、一人ひとり皆違い、まったく同じ人は二人といません。

 体を構成する器官も同様だということですね。
 自分とまったく同じ耳、目、腎臓、心臓も二つとありません。

「からだの取扱説明書」を読み解けるのは、本人だけです。
 からだから送られてくるメッセージに耳を傾け、早めの対処を心がけたいですね。

症状とは、人生のフラクタル(自己相似形)


 からだの不調は、からだからのメッセージです。
 からだのさまざまな症状もそれぞれに合ったタイミングで自分の元にやってきます。

 では、からだは、どのような方法でメッセージを送るのでしょうか。
「症状」という結果から逆算して考えると、以下のようになります。

 そのとき、からだの中では細胞と細胞のあいだでその症状を起こすための話し合いが行われています。
「最近、ご主人様は出来事の理解が浅いよなあ。上っ面で理解して生きているから本当に必要なことは見えていないような気がするんだけど・・・・・」
「そりゃあ、そうだろう。だって最近は忙しすぎて、ご飯の時急いでいて、ちっとも噛んでいやしない。だから胃の負担も半端じゃないよ」
「そうだよね。じゃあ、ちょっと胃痛でお知らせしてみるかい?」
「そうしよう! それで出来事の咀嚼不足に気づいてくれたら嬉しいね」
 細胞同士がこんな会話をしていたらどうでしょう? そしてその現象で宿主である私たちが出来事の咀嚼不足に気づいたら細胞たちの作戦は「大成功!」となります。ところがそれに気づかなかったらどうなるのでしょうか・・・・・。
 再び細胞たちの話し合いが行われます。

「胃痛だけでは気づいてくれなかったね」
「そうだね。胃薬ばっかり飲んじゃって、ちっともこちらの気持ちには気づいてくれないね。よい考えだと思ったのに・・・・・。胃には負担をかけちゃった」
「仕方がないよ。まだ気づくタイミングじゃなかったのかも。今度はもうちょっと違う方法でお知らせしないとね」
「じゃあ、胃では無理して消化しちゃったけど、その後の十二指腸や小腸、大腸では全員でストライキを起こさないかい?」
「じゃあ、十二指腸でも小腸でも『鵜呑みにされた情報』はどうやって消化したらよいか、わからないということをお知らせしよう。みんな無理して消化液を出さなくてもいいよ。そもそも、実際あんなに大きな塊でやってこられたら消化液も追いつかないしね」
「そうしたら、消化できないから下痢になっちゃうけど仕方ないよね。下痢で自分の身の回りの出来事の消化不良に気づいてもらうことにしよう!」
「そうしよう! そうしよう!」

 いかがでしょうか? 私たちのからだは、私たちの「今の状態」を症状として表そうとしてくれます。「今こんなことが起きているよ!」と教えてくれているのです。その症状を無視し続けると、それに気づくまで、あの手この手でお知らせの方法を考えます。もし、このお知らせに気づくことができたら、私たちの人生はどれほど迷いのないすばらしいものになるでしょう!
 からだは身を挺してそれを教えてくれているのです。症状に対して悪者扱いして治療を施せば細胞は、あらたに手を変え品を変え、メッセージを伝えてくれるでしょう。

 『からだの声、聞いてる?』 第1章 より 滝村桂子:著 サンマーク出版:刊

 からだの不調は、からだからのSOSのサイン。
 しっかり受け止めて、早めに対処するが必要です。

 放っておくと、どんどん症状が深刻化してしまいます。
 普段からからだの声に耳を澄ませることが、いかに大事かということですね。

背中の不調は、「たくさん頑張りすぎてるよ」というメッセージ


 からだは、症状を通じてさまざまなメッセージを送ってくれています。
 例えば、背中(腎臓)の不調は、「たくさん頑張りすぎてるよ」というサインです。

 頚椎・胸椎・腰椎・仙骨・尾骨・の5種類、26個の椎骨が並んで背中は支えられています。そしてそれぞれを軟骨がつなぐ構造になっているのです。背筋を伸ばすとよく言いますが、本来、背骨はまっすぐなものではなく、重い頭を支えたり、運動による外からの衝撃を和らげたりするために真横から見るとS字にカーブしています。また、椎間板と靭帯(じんたい)は脊髄神経をガードしていて、背骨はからだを支えながら、外部の衝撃から脳や脊髄を保護しているという、まさにからだの大黒柱です。
 また、背中にある臓器といえば左右に2つある「腎臓」です。腎臓は、別名「見守りの臓器」とか「親の臓器」と言われ、背骨の役割と似ています。
 私たちがからだを養うものに、「元気」「やる気」といった目に見えない「氣」という考え方があります。そして腎臓は「先天の氣」「後天の氣」という2つのエネルギーを持っています。「先天の氣」は親からもらった持って生まれた「氣」、「後天の氣」は、食べ物などで培われた「氣」を言います。人は7歳までは「先天の氣」で、7歳以降は「後天の氣」で養われると言われ、腎臓には生まれた瞬間から、いつもとてもお世話になっているのです。
 毎日、たくさんの血液を濾過(ろか)して体液をきれいにしてくれている腎臓。その量たるや1日に1600リットルというのですから、すごい量です。この濾過されたもののうち、分子の小さい160リットルが原尿となり、実際におしっこになるのはそのたった1%ほどです。毎日、大量の血液を濾過しても実際に体外に排泄(はいせつ)するのはほんの少し。尿となった量だけが翌日に、新しい体液として入れ替わります。この毎日排泄して入れ替わる尿の割合が、私たち自身が許しているからだの変化の割合だと考えることもできそうです。
 人には、内部環境を一定に保とうとする恒常性(ホメオスターシス)というものが備わっていて、実は毎日、昨日と同じ今日が安心だと思っているのてす。つまり人間は基本的に変化をあまり好まないのです。「自分を変えたい!」と思っているのになかなか変われないのは、この原理のせいかもしれません。そして腎臓が、原尿の1%だけ入れ替わることを許しているとしたら、私たちも毎日1%だけなら変化してもいいよ・・・・・という、からだからのメッセージを尿が教えてくれるのだとしたら・・・・・。変化を恐れる私たち。けれど変わりたいと願う気持ち。このこころの揺れを人は不安と呼ぶのかもしれません。

 『からだの声、聞いてる?』 第3章 より 滝村桂子:著 サンマーク出版:刊

 滝村先生は、背中への緊張はあなたへの期待度のバロメーターだと述べています。
 背中(腎臓)に不調のある人は、周りの期待に応えようと頑張り過ぎているのかもしれません。

 背中の痛みは、「今の自分を大切にしてほしい」という、からだからのサイン。
 体液が1日に1%ずつ入れ替わるように、1歩ずつ着実に歩んでいきたいですね。

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 滝村先生は、からだは本当に弱いところではなく、むしろそれをかばっている強いところに症状を出すとおっしゃっています。

 痛みのある部分だけでなく、からだの中のフラクタル(自己相似形)を見つける必要です。

 病気や痛みは「悪者」ではなく、からだからのメッセージ。
 それを読み解くことが、健康への近道になります。

「からだ」は私たちの意識の95%を占める「潜在意識」そのもの。
 からだの声を聞くことは、潜在意識の内側を覗くことでもあります。
 日頃から、からだの声に耳を澄ます習慣を心がけ、健康で充実した人生を送りたいものですね。

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