【書評】『「口呼吸」をやめれば若くなる!』(西原克成)

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 お薦めの本の紹介です。
 西原克成先生の『「口呼吸」をやめれば若くなる!』です。

 西原克成(にしはら・かつなり)先生は、歯科医師です。
 自己免疫疾患などの免疫病のメカニズムの解明などの研究を行い、独自の治療法を確立されています。

「口呼吸」が健康に及ぼす影響とは?


 西原先生は、口腔科の医師として40年以上の臨床体験から、老化を早める“ある習慣”のある人たちはすぐに分かるといいます。

 その“ある習慣”とは、「口呼吸」です。
 口が半開きになっていたり、ぽかんと口を開けているひとのほとんどが、口呼吸をしています。

 口呼吸をしている人は、口回りの筋肉が衰えています。
 西原先生は、見た目だけでなく、僕たちが普段意識していない呼吸の仕方が、実は健康にとってとても重要だと指摘します。

 鼻呼吸をすることのメリットは、以下のとおりです。

 私たちの「体の使い方」として正しい呼吸は鼻呼吸、つまり、鼻から空気を吸い込んで、鼻から吐き出すというものです。
 なぜ、これが正しいか? もちろん理由があります。
 私たちが生活している空気中には、無数のウイルスや無害な常在菌や病原菌(バイ菌)、さらに、ゴミやホコリが漂っています。鼻はそれら異物が体内に侵入することを防ぐ、最初の「防御網」の役割を果たしています。
 鼻の中には鼻毛があり、それ自体が異物侵入に対するフィルターになっています。
 鼻腔には粘液が流れていて、それで異物をくっつけ、鼻水として体外に排出するのです。
 鼻からのどにかけては副鼻腔と呼ばれる空洞がたくさんありますが、この副鼻腔が入ってくる空気の温度と湿度を調整しています。

 『「口呼吸」をやめれば若くなる!』 第1章 より  西原克成:著  青春出版社:刊

 逆に、口呼吸をするデメリットは以下のとおりです。

 一方、口はもともと食べ物を細かく砕いて消化をよくするための器官で、呼吸する器官ではありません。
 だから、当然のことですが、口には鼻のような異物防御システムは備わっていません。入ってくる空気にはまるで無防備。バイ菌だろうとホコリだろうと、おかまいなしに取り込んでしまいます。
 さらに、バイ菌まじりの冷たく乾燥した空気は、のどの奥の扁桃組織を直撃して、のどの扁桃部の温度を36℃以下に下げてしまいます。
(中略)
のどの奥の扁桃組織は「免疫」の機能を持つ重要な防御網なのです。
 その重要なのどの扁桃組織の温度が下がると、どんなことが起こるのか。
 結論からいえば、白血球の働きが悪くなります。ちょっと専門的な話になりますが、のどの扁桃のM細胞というところから自動的に常在菌が細胞内に取り込まれ、顆粒球に変化します。
 そして白血球の中に細菌感染した顆粒球が増えると、白血球の消化能力を奪います。
 つまり、白血球のバイ菌を無害化する力は落ちてしまうのです。
 その結果、扁桃組織そのものがバイ菌の温床となってしまいます。
 口呼吸によって、もともとは無害だった常在菌が白血球に取り込まれ、バイ菌だらけの顆粒球となって体内の血液を巡り、いたるところの細胞にこのバイ菌をまき散らすというわけです。

 『「口呼吸」をやめれば若くなる!』 第1章 より  西原克成:著  青春出版社:刊

 呼吸の出入り口が、「鼻」か「口」か。
 たったそれだけのことですが、健康にとっては、いかに重大事かが、よくわかりますね。

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「ミトコンドリア」の働きとは?


「呼吸」は、医学的には、次の二つに分かれます。

  • 肺で酸素と二酸化炭素のやり取りを行なう「外呼吸」
  • 細胞内で行なうエネルギー産生活動である「内呼吸」
 西原先生は、口呼吸は健康状態を保つのが難しくなるだけでなく、老化を早める原因になると指摘します。

 その原因は、「内呼吸」に大きな悪影響を及ぼすことです。

 内呼吸で大きな働きをするのが、細胞内にある「ミトコンドリア」です。

 キーワードは生命力の源、細胞内のエネルギー製造工場と呼ばれる「ミトコンドリア」です。
 繰り返しになりますが、私たちの細胞は血液から栄養と酸素を受け取ってエネルギーをつくっています。この「細胞呼吸」の担い手がミトコンドリアと呼ばれる細胞内の小さな器官です。
 私たちが息を吸うことによって酸素を取り込むのも、食事から栄養を得るのも、それらをミトコンドリアに供給してエネルギーをつくってもらうため、といってもいいでしょう。
 生命の根源である細胞のエネルギー(ATP)は、酸素とすべての栄養素を材料にしてミトコンドリアがつくりだします。ミトコンドリアが「人体の発電所」とも呼ばれるのは、まさしく生命を維持するパワーの供給源だからです。
 前に紹介した私たちの生物のアンチエージングシステムといえる「リモデリング(新陳代謝)」は、使い古した細胞を消化、排出し、新たに再生する、という過程で行なわれますが、それらの作業に必要なエネルギーはすべてミトコンドリアがつくりだしているのです。
 したがって、ミトコンドリアが十分に働かないと、たちまちエネルギー不足に陥り、リモデリングに支障が起こりますし、細胞の活性化もありません。では、ミトコンドリアの働きを妨げるものとは何でしょう。
その一つが細胞内感染です。口呼吸によって細胞がバイ菌だらけになってしまうと、ミトコンドリアが必要とする酸素や栄養が、バイ菌に横取りされてしまうのです。そうして“飢餓状態”となったミトコンドリアは、当然ながら、本来の働きをすることができなくなります。

 『「口呼吸」をやめれば若くなる!』 第1章 より  西原克成:著  青春出版社:刊

 細胞が、バイ菌だらけ。
 考えただけで、ゾッとしますね。

口呼吸を促進する「食べクセ」を変える


 口をしっかり閉じるには、「あごの力」が必要です。
 あごの力を鍛えるには、しっかり「噛むこと」です。

 しっかり噛んで食べることには、多くの効用があります。

 細胞が必要とする栄養は腸から消化吸収されますが、その入り口は口。この段階で食べ物を細かく砕くことで腸への負担は軽減され、スムーズかつスピーディな吸収が可能になります。栄養を取り込んだ細胞の中のミトコンドリアは、つねに活発で、どんどんエネルギーをつくり出すことができます。
 こうした流れがスムーズに行なわれていれば、“老化”は入り込むスキを失います。入り口となる「口」が、その役割を正しく行なうことができれば、という前提はもちろんあります。
 それが“1口30回噛む”ことです。
(中略)
 食べ物を噛むと、唾液が出ます。唾液にはアミラーゼなどの消化酵素が含まれていて、この酵素が消化を助けています。食べ物のカスを洗い流したり、酸を中和したり、といった働きを持ちます。細菌の繁殖を抑える効果もあります。歯を守り、口の中を清潔にしています。口呼吸が習慣になっていると、細菌やウィルスが口から容赦なく侵入してきますから、それらをやっつけ、防御する効果が、唾液にはあるということです。

 『「口呼吸」をやめれば若くなる!』 第3章 より  西原克成:著  青春出版社:刊

 いろいろ忙しい現代人。
 しかし、健康と老化防止のために、食事くらいは、ゆっくりと味わって食べるようにしたいですね。

「加齢臭」の原因は口呼吸にあった!


「加齢臭」についてです。
 加齢臭の原因は、「ノミナール」という物質だとされています。

 ノミナールは、皮脂腺の中の「パルミトオレイン酸」という皮脂腺が過酸化脂質と結合することによってできます。

 加齢臭も、ミトコンドリアがしっかり働いているか、が重要です。

 ミトコンドリアが障害され、機能に不具合が起きてくると、代謝時に発生させる物質も変質していきます。わかりやすくいえば、汗や尿のもとも“腐って”くるのです。当然、臭いも違ってきます。これが加齢臭の根本原因だと考えられています。
 このバイ菌が「口呼吸」で白血球に抱えられて血中をめぐり、あちこちの細胞内に入り込んでミトコンドリアの脂質の酸化のときにバイ菌のせいで脂肪酸代謝物の汗のもとが腐ってイヤな臭いの汗を排出するのです。
 こういったおじさんは、体内の皮下脂肪の細胞も体中の穴という穴も、すべてが無害の腸の雑菌に汚染されて腐敗しているので、それで周囲に加齢臭をまき散らすことになる、といっていいでしょう。
 ですから、加齢臭のもとを断つには、ミトコンドリアを健全に復活させることが一番なのです。

 『「口呼吸」をやめれば若くなる!』 第3章 より  西原克成:著  青春出版社:刊

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☆    ★    ☆    ★    ☆    ★    ☆

 アンチエージングは、体の中から、つまり、体を構成する細胞を活性化するところから始まります。
 意外にも、その起点は、「鼻呼吸」にあります。

 呼吸は、普段、何気なくしていること。
 だからこそ、正しい方法を習慣付けたいですね。

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