【書評】『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』(矢城明)

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 お薦めの本の紹介です。
 矢城明先生の『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』です。

 矢城明(やしろ・あきら)先生は、外資系製薬会社で、約20年新薬開発に携わられた、「薬」と「老廃物代謝」のプロフェッショナルです。

「毒を抜く」だけで健康になれる!


 矢城先生は、私たちの生活には、一見すると無害に思える毒が、身近なところに驚くほどたくさん潜んでいると指摘します。

 たとえば食品添加物や呼吸するたびに吸いこんでしまう排気ガス――これらは少量なら生死に関わることはありませんが、健康状態にダメージを与えてしまうという意味では、まぎれもない「毒」であるといえるでしょう。
 罪のない顔をしてわれわれを油断させてしまう、こうした「一見すると無害な毒」こそ要注意です。
 より身近なものでいうと、私たちの不調を治すはずの「薬」も、その一つになりえます。
 たとえば、自分なりの判断で薬の種類や量を変えてしまう人をときどき見かけますが、過剰な薬の摂取は体に毒をためてしまい、ますます不健康になるという悪循環をもたらします。だからこそ、薬とのつき合い方をないがしろにしてはいけません。
 では、食品添加物や排気ガス、薬といったものをいっさい摂取しなければ、私たちは健康になれるのでしょうか?

 答えは「NO」です。

 なぜなら人間は毒を摂取しなくても、自ら体内で毒をつくってしまうからです。
 人間は生きるために食事を通じて栄養を摂取しています。その際の化学反応によって生じる、体にとって不要なもの――これを「老廃物」と呼びます――こそが体に毎日たまる最大の「毒」となっているからです。
 通常なら、こうした老廃物は尿や便、汗、呼気などとともに体外に順次排出されます。ところが、なんらかの原因でその排出のスピードが鈍り、体内に過剰にたまってしまうと、老廃物はどんどん毒を強め、健康状態に異常をきたす原因になってしまうのです。
 私は「薬のプロ」として、薬が人間の体にいかに作用し、いかに排出されていくかを観察してきましたが、体内の毒や老廃物を素早く排出できる人とそうでない人がいることに気づきました。
 そしてどのケースを見ても、前者は常に健康でハツラツとした人生を送っているのに、後者はいつも体調が悪そうで辛そうにしていました。
 そうした体験を何度も重ねた結果、私は、健康になる秘訣が「体内に毒をためないこと」であるという確信を抱くようになったのです。

 『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』 はじめに より 矢城明:著 サンマーク出版:刊

 毒をためないようにするには、次の二つのことだけ気をつけて生活することが大切です。

  1. 毒をためない
  2. たまってしまった毒は、早く出す
 本書は、この二つのポイントを、生活の中で取り入れるノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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高血圧を下げるのは、自殺行為である


 矢城先生は、風邪をはじめとする病気や体の不調というものは、すべて自分の脳がコントロールして引き起こしたものなのだから、人工物である薬なんかにコントロールさせてはいけないと考えています。

 病気というのは過労などから身を守るため、あるいは体に入ってきた毒から身を守るために、脳が警告を出して痛くさせたり、その原因を排除しようとして熱を出させたりしているのです。
 だとすれば、薬などに頼らなくても、自分の脳に治させればいい。病気を引き起こす原因となったものを体から排除すれば、十分な効果を得られます。

 このほか、私たちの体には今の自分には何が必要なのかをきちんと見極める力も備わっています。一般的に、人間は加齢とともに血圧は上がっていくものです。そうなると多くの人が病院に通い、血圧を下げる薬の世話になりはじめます。でも、私は老齢化とともに血圧が上がるのは理にかなったことなのではないかと考えています。なぜなら血管が老齢化すれば収縮力は衰え、血圧をコントロールするのが難しくなってくるからです。
 必要なときに血管をギュッと収縮させることができないということは、脳をはじめとする体の抹消に血液を送る力が弱まってしまうということ。血液が届かず脳に酸素や栄養が不足すれば、脳細胞は次々と死んでしまうでしょうし、解毒作用をつかさどる肝臓に酸素や栄養が届かなければ、そのうち肝不全を起こして毒を排出できなくなってしまいます。いずれの場合も命にかかわる問題です。
 そういった事態を避けるために、人間の体は血管が老齢化して弾力を失ったと判断するとあえて血圧を上げて、末端まで血流が届くようにしている、と考えることができるのです。160〜170程度であれば、それは体からの合図です。血圧が高い原因もわからずに下げようとする、それこそ大きな問題といえます。
 ただし、一年中ずっと160〜170で安全というものではないので、下げていく努力は必要です。原因を解明しながら、薬を使わずに対処していくのが理想です。
 せっかく体が上げた血圧を薬で無理やり下げてしまえば、もしかすると体は「おい、ふざけるな!」と叫んでいるかもしれません。薬を飲んでも血圧が下がらないというのは、体が必死に薬に抵抗して血圧を上げようとしていることも考えられるのです。

 『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』 第1章 より 矢城明:著 サンマーク出版:刊

 薬は、基本的に「対処療法」です。
 たとえ、薬を飲んで症状が軽くなったとしても、それは表面上だけのこと。
 根本原因を取り除かないかぎり、完治することはありません。
 薬が、体に備わっている病気を治す力、免疫力を妨げる働きをするのならば、本末転倒ですね。

尿や便のにおいがキツイのは、毒がたまっているサイン


 私たちの体は、必要な栄養分を吸収したあとに残った不要なものの集合体を「老廃物(毒)」として体の外に排出しています。
 矢城先生は、この毒出しサイクルこそ、私たちの健康をつかさどる「循環の仕組み」だと指摘します。

 ここで注目したいのが、私たちが生み出す老廃物の成分です。
 人間の便における水分以外の成分の約八割はたんぱく質が占めています。食べ物の残りかすや吸収しきれなかった栄養だけでなく、便には腸壁細胞の死骸(しがい)や腸内細菌の死骸が大量に含まれています。こうした細胞や細菌もたんぱく質でできているため、便のほとんどはたんぱく質になってしまうのです。
 つまり、たんぱく質を多く含む便は、体内にとどまっている時間が長ければ長いほど腐ってしまいます。もともと不要なものの集合体である便が体内にとどまっているだけで、体にはよくありませんが、便が体内に長くとどまって腐ってしまうと、悪いガスが生じたり、体内の細菌を善玉から悪玉に変えたりといった変化を起こさせるために、いっそう悪い影響を体に及ぼしてしまいます。

 便だけではなく、私たちの体に生じた老廃物はできるだけ早く体外に排出する必要があります。なぜなら老廃物が体内にとどこおってしまった状態こそが、多くの病気を引き起こす原因になるからです。
 ちなみに、自分自身の体にそうした毒がたまっているのかどうか、気になるところだと思いますが、簡易的にチェックする方法があります。

 ――それは尿と便の色、においを確認することです。

 尿や便の色が濃く、においもキツいなら、それは体に毒がたまっているサインです。腸の中で長く滞留した便は、老廃物を多くためているため濃くなります。同様に尿も老廃物がたまるほど色が濃く、逆に薄ければ水分がうまく循環している可能性が高いといえます。
 色と同様に、においも老廃物がたまるほどキツくなり、キツくなければたまっている可能性は少ないといえるでしょう。

 私たちの体を常にバランスのとれた栄養で満たしておくためには、「すぐ出す仕組み」をうまく働かせて、循環力を高め、老廃物をスムーズに体外に排出しつづけなくてはいけません。
 つまり、老廃物や毒をすぐに出すための循環の仕組みがきちんと機能している体こそが、自然と健康を保つことができる体といえるのです。

 『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』 第2章 より 矢城明:著 サンマーク出版:刊

 循環しているときは活性化し、どこかで滞(とどこお)るときは衰退する。
 それが自然の摂理です。
 人間の体も、自然の一部ですから、当然、当てはまります。

 循環の仕組みがきちんと機能している体が、自然と健康を保つことができる体。
 この言葉を意識して、日々の健康に役立てたいですね。

40度の「白湯」を朝・夜・夜の3回飲む


 循環の仕組みを活性化するカギは、「水」にあります。
 矢城先生は、水の飲み方しだいで、毒は誰でもすぐに出すことができるとし、具体的な方法を以下のように説明しています。

 すでに述べたように、「循環を上げるためには、冷たい水で体を冷やさないことが大切」なので、水の摂取は温度が勝負です。冷たい水は暑いときにはおいしいものですが、体温を内側から下げ、血管やリンパ管を収縮させてしまうので循環のスピードが確実に落ちてしまいます。やはり常温(15〜25度)か、できれば温かい「白湯」が理想です。
 もちろん、冷たい水を飲んだときに循環が下がるのはほんの一時的なもので、すぐに体温も循環のスピードも元に戻ります。とはいえ、冷たい水が体や内蔵に負担をかけていることはたしかです。体温よりも温かい白湯を飲むことで、胃腸をはじめとする臓器を温めて活性化し、循環が高まれば、体も自然と目覚めてくれます。
 私はいつも沸騰させたアルカリイオン水をポットに、常温のアルカリイオン水をやかんに常備しています。朝起きるとすぐ、それを一対一で割って200〜400ミリリットルほど飲んでいます。温度は体温よりも少し高い40度くらいで、フーフーと冷まさなくても飲める程度の熱さにしています。
 また、朝起きたときだけではなく、寝る前にも白湯を飲んで、寝ている間に水分が失われても大丈夫なように備えておくことも大切です。それからお風呂上りも体の水分が相当失われていますから、白湯を飲んで潤したい。お風呂上りというと、どうしても冷たいものを飲みたくなりますが、どんな状況であれ、冷たい水は体温を下げ、臓器の機能を低下させてしまいます。循環機能においては確実にマイナスなのでおすすめできません。
 つまり、①起床後、②入浴後、③就寝前というように、朝・夜・夜の三回は意識して40度程度の白湯を飲むのが理想的。それで体は活性化します。
 暑いときに冷たいビールやかき氷が美味しく感じられるのは、暑さによって上がった体温を下げようとするあまり、脳が間違ってサインを出しているにすぎない。本当は冷たいもので中から急激に体温を下げるよりも、白湯で水分を補給して循環を上げ、汗をかいてゆっくりと体温を下げたほうがいいのです。

 『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』 第2章 より 矢城明:著 サンマーク出版:刊

 人間の体は、約70%が「水分」でできています。
 老廃物を運ぶ、血液やリンパ液も、その成分のほとんどは水です。
 水は、生命の基礎であり、「循環のしくみ」の要となる重要な成分です。

 起床後、入浴後、就寝前の一日三回の白湯。
 ぜひ、習慣にしたいですね。

二種類の食物繊維を「二対一」の割合で食べる


 循環の仕組みを働かせる、もう一つの大事な要素が「食べ物」です。
 毒は毎日の食べ物によって、その大部分が生まれます。
 そのため、食べ方によって毎日たまる毒の量が決まってきます

 では、毒をためない食べ方とは、どのようなものなのでしょうか。
 具体的には、毎日一定量の「食物繊維」を摂取することが重要となります。

(前略)食物繊維は体内に取りこんでも、まったく変質せずにそのまま排出されてしまいます。体内で腐ることもない代わりに、食物繊維はカプセル型の内視鏡と同じように人間の消化器官を通り抜けていくだけで、体の構成成分やエネルギー源として利用されることもありません。それなのに、食事で食物繊維をてきるだけたくさん摂取することが大切だといわれるのは、食物繊維が正常な便通に欠かせない存在だからなのです。

 食物繊維は大別すると、次のように分けられます。

 ①不溶性食物繊維
 ②水溶性食物繊維


 水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶ける水溶性食物繊維の二種類です。どちらも便通をよくするためには必要なのですが、含まれる食品も、それぞれ腸内での役割も異なります。

【不溶性食物繊維】
 不溶性食物繊維とは、いわゆる野菜に多く含まれる繊維で、とくに豆類やキノコ類、イモ類などに多く含まれています。
 不溶性食物繊維は腸内で水分を含んで数十倍に膨らむため、便のかさを増やし、腸壁を刺激して腸の蠕動運動を高めてくれます。小食の人に限って便秘がちの人が多いのは、便にある程度のかさがないと腸を刺激しづらくなってしまい、スムーズに排泄ができなくなってしまうためです。

【水溶性食物繊維】
 水溶性食物繊維はワカメ、昆布などの海藻や果物に多く含まれています。寒天やところてんといった和風スイーツも水溶性食物繊維の宝庫ですから、食物繊維を多く摂りたいのなら、ケーキを食べるよりも果物や寒天がたっぷり入ったみつ豆のほうがいいでしょう。
 水溶性食物繊維は保水性が高いため、腸内で水分をたっぷり抱えこむことができるので、便は水分を含んだ健全な柔らかさを保つことができるのです。
 便秘などが原因で、腸内にとどまる時間が長くなれば長くなるほど、水分が腸壁に吸収されて便は水分を失って硬くなります。そうなると、ますます排便が困難になり、腸内環境は悪化してしまう。でも水溶性食物繊維をきちんと摂取していれば、便は柔らかく排泄しやすい状態になります。

 これら二種類の食物繊維を摂取するときには、二種類の食物繊維をバランスよく摂ることと水分をしっかり摂ることが大事です。不溶性食物繊維ばかりに偏ると、かえって便が硬くなってしまうし、水溶性食物繊維を過剰に摂取すると逆に便が緩くなりすぎてしまいます。
 不溶性食物繊維と水溶性食物繊維はそれぞれ二対一の割合で摂取すると理想的な排便につながり、体内に長くとどまると腐敗がはじまってしまう肉類の排出を助けてくれるのです。

 『体に毎日たまる毒をちゃんと抜く技術』 第3章 より 矢城明:著 サンマーク出版:刊

 腸内環境を整えるためには、欠かせない「食物繊維」。
 毎日摂取する量を確保することは、もちろん大事です。
 それに加えて、食物繊維の種類と、摂取する量の比率も大切だということ。
 普段の食事から、気をつけたいですね。

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「毒」というと、私たちは、青酸カリやヒ素などの猛毒を連想します。
 それらの毒は、普通に生活していて目にすることはまずないでしょう。
 しかし、だからといって「毒」とは無縁の生活なのかといえば、そうではありません。

 私たちは毎日、老廃物という名の「毒」を作り出しているからです。
 毒だという認識がないぶん、ある意味、本当の毒よりも恐ろしいといえます。

 その日体に溜まった毒は、その日に体の外に出す。
 人間の体にもともと備わっている「循環の仕組み」を活性化する。

「毒の溜まらない体」を手に入れ、いつまでも若々しく健康的な人生を歩みたいですね。


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