【書評】『ノマドライフ』(本田直之)

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 お薦めの本の紹介です。
 本田直之さんの『ノマドライフ』です。

 本田直之(ほんだ・なおゆき)さんは、コンサルタントです。
 外資系銀行などを経て、ベンチャー企業への投資事業を行うかたわら、少ない労力で多くの成果をあげる「レバレッジマネジメント」という独自の方法でアドバイスなども手がけられています。
 現在は、日本とハワイの2カ所に拠点を構え、両方を行き来される生活を送られ、ノマドライフを自らエンジョイされています。

『ノマド』とは、何か?


 最近、至るところで聞かれる、『ノマド』という言葉。

 ノマドとは、もともと『遊牧民』を指す言葉でした。
 転じて、『「オフィスのない会社」「働く場所を自由に選択する会社員」といったワークスタイル』(はてなキーワードの検索結果より)を意味する言葉として使われています。

 時間と場所を拘束される、一般のサラリーマンにとっては、夢のような働き方ですね。

 4、5年前までは、そのようなワークスタイルは、ごく限られた恵まれた人だけの話でした。
 しかし、今は実現可能な話として、堂々と論議されているのですから、時代の流れですね。

 自分が『ノマド』になれるかどうか。
 それはともかく、大勢の人が実際にそのような働き方をしているのは、事実です。

『ノマド』的な生き方とは?


 まず、本田さん自身のイメージする『ノマド』について、最初に以下のように述べています。

「オフィスをもたずに、いろいろなところで仕事をする」
「インターネットを活用し、モバイルを駆使した働き方」
 ノマドと言えば、こうした定義が一般的かもしれません。
(中略)
 しかし、わたしが実践し、本書で述べようとしている「ノマドライフ」は、より生き方の本質にかかわる話です。
(中略)
 仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をすることで、クリエイティブや効率性、思考の柔軟性が向上し、それがいいスパイラルになるライフスタイル。

 これがわたしにとっての「ノマドライフ」です。

  「ノマドライフ」  Prologueより  本田直之:著  朝日新聞出版:刊

 仕事と遊びの垣根のない、世界中どこでも収入を得られるノマドビジネスを構築し、2カ所以上を移動しながら、快適な場所で生活と仕事をする

 今までの常識では、考えられない働き方ですね。

 ノートパソコン一つあれば、世界中どこでも、同じ仕事環境が作り出せる。
 クラウド技術などのITの進歩によって実現した、新しい働き方のスタイルです。

 興味は高まりますね。

 本書は、本田さん自身の体験を元に、ノマドライフの考え方とともに、実践のための具体的なノウハウをまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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「ベーシックインカム」の確保を!


 魅力的なノマドライフ。
 もちろん、誰もが、すぐになれるものではありません。

 本田さんも、ノマドライフへの準備は会社で働きながら周到に行なった方がいいと述べています。

 ここでは、必要最小限、継続的に入ってくるお金のことを「ベーシックインカム」と名づけます。このベーシックインカムを確保しつつ、ほかの仕事の可能性を模索していきましょう。つまり、会社勤務をしているのであれば、その仕事をきちんと続けながら、ほかにできるビジネスはないかと試行錯誤していくのです。
「会社員は自由がなくていやだ!」と言う人もいますが、ベーシックインカムは保証されたうえである程度の自由が利くのが会社員という立場。「副業」を認める企業も増えてきている時代ですから、このメリットを最大限に活かさない手はありません。
「会社員だからノマドライフはできない」ではなく、「会社員だからこそ、ノマドライフの準備が安心してできる」と気持ちを切り替えるといいでしょう。

   「ノマドライフ」  Chapter2 より  本田直之:著  朝日新聞出版:刊

 本田さん自身も、今のライフスタイルを築くのに、15年以上かかりました。

 なんの準備もなしに、簡単に飛び込める。
 そんな、甘い世界ではないということですね。

「デュアルワーク」を目指せ!


 組織に属せず働くノマドワーカーは、自分自身が「ひとつの会社」だという見方もできます。
 通常の組織では、分業で行なっていたことも、すべて自分で行うことが必要となります。

 ひとつの業務だけを、淡々とこなすだけ。
 それでは、とても生計が立たないでしょう。

 ここで必要となってくるのが、「デュアルワーク」という考え方です。
 日本語に訳すと、「複業」ですね。

 つまり、まったく違う、いくつかの事業を、同時に行うことです。

 今の仕事を続けながら、自分の興味のある、別の分野のビジネスをいろいろ開拓する。
 本田さんは、そのためのコツを、以下のように述べています。

 デュアルワークになりうるもうひとつの仕事とは、今の仕事と引き換えに手に入れるものではありません。“ながら”で十分、見つけれられます。むしろ、それくらいゆるい気持ちで、余裕を持って模索するべきだと思うのです。
 もちろん、その仕事が、将来的には「本業」になる可能性も大いにあります。しかし、最初から「本業」と意気込むのは、おすすめできません。
 そもそも、「本業」などなくていいというのが、わたしの意見です。「仕事は一つ」という思い込みは、捨ててしまっていいでしょう。
(中略)
 望ましいのは、一つの仕事にこだわらず、種をいろいろ蒔いておくことです。長期的な視点で複数のビジネスをやってみれば、そのうちどれかが育ってきたりします。

   「ノマドライフ」  Chapter2 より  本田直之:著  朝日新聞出版:刊

「アフォーダブル・ロケーション」という発想を!


 本田さんは、ノマドライフを成立させるための知恵として、「アフォーダブル・ロケーション」(affordable location)という考え方を提案しています。

 アフォーダブル・ロケーションとは、地方に住みながら、仕事は都心部で主に行って、生活費を節約することです。

「住居費や食費などの生活費を低コストに抑えることができ、リーズナブルに生きられる場所に住みながら、本社がある首都圏と同じ給与体系で働いているということです。
 わかりやすくいえば、入ってくるお金は都心並みに高く、生活費は地方並みに低い。単純に差し引きすれば、可処分所得が増えます。

   「ノマドライフ」  Chapter3 より  本田直之:著  朝日新聞出版:刊

 本社は東京だけれど、生産拠点は全て地方にあるメーカーのイメージに近いでしょうか。

 本田さんが、ハワイと日本の2ヶ所に拠点を持つのも、理に適ったことなのですね。

人生に「ノマドライフ」という選択肢を持て!


 本田さんは最後に、ノマドライフを真剣に検討している読者に対して、以下のようにエールを送っています。

「これ以上のことは、もうどう調べたところでわからない」
 こうした臨界点が来たら、思い切ってジャンプするしかありません。そのためのリスクヘッジは当然ながら準備に含まれているわけですが、「絶対に安全で快適なノマドライフを保証してくれる人」などいないのです。なぜなら、あなた自身の人生なのですから。
 不安は受け入れましょう。その上で、不安に支配されないために行動することです。
(中略)
 働き方にも生き方にもフレキシビリティを持たなければ、企業も個人もこれからの時代を生き抜いていけません。
 ノマドライフは、新しい生き方のひとつの提案、そして新しい心のありようのひとつの提案です。
 あなたの人生の選択肢のなかに、ノマドライフをいれてみる。これだけでも、大きな変化を感じ取れると思っています。

   「ノマドライフ」  Chapter4 より  本田直之:著  朝日新聞出版:刊

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 企業もこれからは、正社員を極力抱えこまず、経費を削減する方向に進みます。

 プロジェクトごとに、外部の人間と契約して、人件費を減らす。
 そのようなことが普通に行われるでしょう。

 そうなると、これからは『ノマド』とまではいかなくても、会社との繋がりが緩くなる働き方が求められます。
 本書に書かれた内容は、『ノマド』以外の働き方にも通じるものも多いです。

『何が起こっても自分の力でやっていく』

 そんなノマド的な「自己責任思考」を、今のうちから身に付けておいて損はないです。

 まずは自分自身の能力やスキルを高めること。
 そして、働き方に対する概念を変えていくこと。

 そのうえで、次の進路を決めるべきときに、『ノマド』になることもひとつの選択肢として考慮する。
 それくらいの意識でいた方がいいでしょう。
 
『ノマド』的な働き方に、少しでも興味を持たれている方、大いに参考になります。
 興味のある人は、ぜひ、一読ください。

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