【書評】『さびない生き方』(藤原和博)

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 お薦めの本の紹介です。
 藤原和博さんの『さびない生き方』です。

 藤原和博(ふじわら・かずひろ)さんは、教育改革実践家、著述家です。
 大学卒業後、大手出版社でご活躍され、2003年より都内の義務教育では初の民間校長に就任され、注目を集められています。

さびない生き方に必要なのは、「サプライズ」


 鉄は、ただ放置しておくと、錆びついてしまい、使い物にならなくなります。
 藤原さんは、それは人間も一緒だと強調します。

「さびない生き方」をするには、日々、自分をピカピカに磨き続けること。

 そのために最も効果的なのは、自分にサプライズを与え続けることです。

 藤原さんは、最初に、以下のように述べています。

 この本は、あなたの幸福感を上げるための知恵を示した「さびない」教科書。

 ポイントとは、相手にちょっとした感動を与えること。なにも手品やサーカスを見せなくとも、いい意味で期待を裏切り、つねに新鮮な息吹を感じさせる行為ならなんでもい。
(中略)
 あなたが、この本によって生み出すサプライズは、仲間や同僚を惹き付ける「磁力」のようなもの。
「磁力」をつねに磨くことで、「さびない生き方」が実現できます。
 これからは自分のための「サプリ」より、相手のために「サプライズ」。
(中略)
 なぜなら、あなたが意識的に、いい意味で期待を裏切り続ければ、それが同僚や仲間からの、あなた自身へのリスペクトにつながるからです。

  「さびない生き方」  はじめに より    藤原和博:著   大和書房:刊

 本書は、自分をさびつかせないための「砥石」となるアイデアがまとめた一冊です。
 その中からいくつかピックアップしてご紹介します。

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自分が活躍できるフィールドは、自分で作り出せ!


 一つの分野でナンバーワンとなるのは、とても大変なことです。
 でも、もっと細分化したいくつかの分野で「二流の一番」を目指す。

 そして、それらを掛け合わせることで、誰もマネできない価値を生み出すことが出来ます。

 新ジャンルを、自分で創ってしまうのです。
 コツは、掛け合わせ。わたしの場合には、「ビジネスパーソン」×「民間校長」という掛け合わせだけでなく、「中学校(東京都では義務教育初)」の掛け合わせがブレークの原因でした。
 掛け合わせによる「サプライズ効果」が大きかったわけですね。

  「さびない生き方」  第1章 より    藤原和博:著   大和書房:刊

 民間企業から中学校の校長へ転身した、藤原さんならではのアイデアです。

 これからの時代、個人も、企業も、他と違う強みを磨いて差別化を図らないと、生き残れません。

 このような「ニッチ(すき間)」な需要を掘り起こす努力は、価値観が多様化した現在は、実を結びやすいです。

「1万時間の練習」を続けろ!


「二流の一番」になるためにも、やはり、それなりの努力は必要です。
 その目安となるのが、「1万時間」です。

 これは他の文献や、藤原さん自身の経験から導き出したものです。

 でも、あなたは、それにもかかわらず、次の条件を満たせば、自分は「二流の一番」になったと宣言していい。
 それが「1万時間の練習をすること」なのです。

 どうですか?「1万時間の法則」を知れば、ちょっとは気が楽になったのではないでしょうか。あなたにも、できるんじゃないかって。
 できますよ、きっと。1万時間の練習というのは、1日3時間だったら1年で約1000時間だから、10年続ければ達成できますね。1日5時間、会社にいる間の200日だけでも10年です。
 どんなことでも、10年で「二流の一番」なら、なれることがわかったでしょう。それが、いま、あなたがまったくできないことでも、です。

  「さびない生き方」  第1章 より    藤原和博:著   大和書房:刊

 まったく未知の分野でも、継続して習得することで、その道のプロになれるということです。

 1日3時間を10年続ける。
 それを長いと感じるか、そうでもないと感じるかは、人それぞれです。

 ただ、自分の好きなことならば、時間が経つのも忘れるものです。
 夢中になって取り組めば、1万時間など、意外とあっという間です。

 すでに始めていることは、もっと短い時間で済みますね。
 
 長く同じ分野の仕事をしている人は、それ自体を一つの分野と考えることができます。

 その専門的な知識に、まったく畑の違う専門分野の知識を加える。
 そうすることで、他人にはマネできない個性を発揮できます。

 つまり、「新ジャンルを自分で創ってしまう」ということです。

 自分の仕事や趣味、好きなことを組み合わせて、将来のことを考える。
 そうすると、「1万時間」続けてみようというモチベーションが上がりますね。

「情報編集能力」を身に付けろ!


 これに対して、21世紀の日本でより大事になるのは、身につけた知識や技術を組み合わせて納得解を導くチカラ、すなわち、「情報編集能力」のほうです。
「コロンブスがアメリカ大陸を発見したあとに、人々の世界観はどう変わったか?」について、自分のアタマでイメージできるかどうか。それが、ひいてはイラク戦争の影響や北朝鮮の未来を予測し、自分の仕事や生活と、そうした世界の変化の関係性を想像する力にもつながっていきます。
 こちらはテストで採点が難しいから「見えない学力」とも呼ばれますが、本番に強い人、いつも運が良いように見える人、世の中の景気と無関係に元気な人に共通のチカラなのです。

  「さびない生き方」  第4章 より    藤原和博:著   大和書房:刊

 日本の入学試験は、相変わらず「記憶力重視」のテストばかりです。

 インターネットがこれだけ発達した時代。
 正解・不正解がはっきりしている問題、「解」が一つしかない問題を出題する意味は少ないです。

 実際に、社会人になってから対応するのは、前例のない問題、解を自分で作り出す問題です。
 みんな、そんなことは分かりきっていると思うのだけれど、変わらないですね。

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 藤原さんは、これからも「教育」を自分のライフワークとして、力を入れていきたいとおっしゃっています。

 教育にも、先生にも、もちろん生徒にも、「日々のサプライズ」を。

「さびついて」動きが鈍くなってしまった日本の教育システム。
 藤原さんには、それを磨き直して、ピッカピカに輝かしてくれることを期待します。

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